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書籍化記念話 ②
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岩に腰掛ける僕の背後を陣取るユーリ。その腕は力強く僕のお腹にまわされ、どうもユーリは落下防止柵のつもりらしい。
「それならユーリ、良いもの作ったげる『スイカズラ』」
見る見るうちに編み上がっていく僕の相棒スイカズラ。それはあっという間に木と木を結ぶハンモックへと変化した。
「アッシュ、これは?」
「こうするの」バイン「ここでお昼寝しよう!」
「仮眠用かい?随分気持ちよさそうだ。一緒に載っても大丈夫だろうか?」
「大丈夫。僕のスイカズラは丈夫だから」
ゆらゆら揺れる夏の午後。湖畔の木陰は風がそよいで実に気持ちが良い。
ハンモックから少し離れた大きな樫の木の下にはシートが広げられ、アレクシさんとノールさんはそこで静かに語らい合っている。ヴェストさんはハンモックから少し離れた、でも視界からユーリが消えない絶妙なポジショニングで待機している。ナッツとサーダさんは食事の準備を整えるととっとと散歩に行ってしまった。
気持ちいい…。
枕にしたユーリの胸からは規則正しい鼓動が聞こえる。その鼓動を聞きながら…僕は眠りに落ちていった…。
はっ!…今何時だろう…。どれくらい寝てたのか。気が付いたら周囲には誰もいなくて、ハンモックにはポツンと僕一人…。うそぉん…
「ユーリ…、ユーリ、どこ?ヴェストさん?アレクシさん?どこ行ったの?」
置いてけぼりとか…酷くない?
「あっ!ナッツ!良かったナッツ。みんなどこ行ったか知らない?あ…待って!危ないナッツ!」
あんな穴さっきあっただろうか?でも穴に落ちたナッツに驚いて、思わず後先考えずに飛び込んでしまった。
ナッツは大事な友達だ。助けなきゃ!でも…頭につけたウサ耳は…何!? 似合ってるけど…
長い長い、ながーい穴を落下し続けると、何故かなんの衝撃も無く僕はどこかの部屋へと転がり落ちた。
目の前のテーブルには金の小瓶。白金の小瓶ならいやって言うほどよく知ってるけど…これは初見。なんだろうこれ。
いつもなら僕はクドイぐらい石橋を叩く男だ。だけどなぜかその時は、引き寄せられるようにその瓶を手に取り、あろうことか…
ゴックン
「ゲッ!あ、ちょちょちょ、待って待って!ギャー!背が縮む!いや、やめて!大事な身長!やーめーてー!」
ああ…見るも無残な…。く、屈辱!返せ!僕の身長!
「どうなってんのこれ?戻るんだろうね!」
ぷりぷりしながら進むと今の僕でしか通れないような小さなドアを発見した。戻っても戻らなくても未知ならここは進むべきところ!
「えいや!」
今度はテーブルの上に一皿のショートケーキが。
「…え…、もしかしてナッツが置いてってくれたのかな。ちょうどお腹が空いてたんだよね。いっただきまーす!」
何度も言うが、本来僕は用心に用心を重ねる男だ。でもなぜかその時は当たり前のようにそのケーキを…
パクリ
「うん?あっあっあっ!ああー!!!」
伸びる身長!いやでもこれは!
「待って待って!大きくなりたいとは今でも毎晩願ってるけど、こうじゃない!これは骨端線の活性じゃなくて拡大だから!ああーーー!!!」
しくしくしくしく
巨大化した拍子に部屋が粉砕されて外には出られたけど元には戻れやしない…これいったいどうしろと…
「そのキノコを齧るといいでしょう。そしてその道を進んだ先の帽子屋にナッツは居ます」
「ヴェストさん!ああ良かった。ヴェストさんがいれば百人力。ところでそのネコ耳は何?あ、ちょ、行かないでー!」
耳のついたヴェストさんは見失ってしまったが、彼からは有益な情報を得ることが出来た。キノコはかさを齧ると縮み、軸を齧るとデカくなることが分かった。ヴェストさんの言葉が正しかったということは、この道の先にナッツがいる。いくしかあるまい!
「帽子のマーク、ここか…」キィ…「ナッツ居るー?」
「ナッツに会いたければ僕の問答に応えてもらいます」
「ノールさん⁉」
顔三つ分ぐらいある巨大な山高帽ならぬチョモランマ帽をかぶったノールさんは何故か僕になぞなぞ勝負を吹っ掛けてくる。ほーん?謎解きで僕に勝てるとでも?
「アルファベットの最後の文字は?」
「…甘い…、甘すぎるよノールさん…、『Z』って言わせたいんだろーけど…答えは『t』だ!alphabetの『t』じゃあ今度はこっちの番だ!鉄板だけど…朝は足が4本昼は2本夜は3本の生き物は?」
せいぜい悩むがいい。あっ!ナッツ発見!
「なにしてるのナッツ!どこ行ったかと思ったよもう!」
「それよりもう裁判が始まっちゃう。いかなくちゃ~」
「はぁ?裁判?あ、ちょま…行っちゃった…」
ナッツを追いかけて迷い込んだのはだだっ広い庭園。そこにいたのは…まさか!
「アデリーナ!!!」
ー③へ続くー
「それならユーリ、良いもの作ったげる『スイカズラ』」
見る見るうちに編み上がっていく僕の相棒スイカズラ。それはあっという間に木と木を結ぶハンモックへと変化した。
「アッシュ、これは?」
「こうするの」バイン「ここでお昼寝しよう!」
「仮眠用かい?随分気持ちよさそうだ。一緒に載っても大丈夫だろうか?」
「大丈夫。僕のスイカズラは丈夫だから」
ゆらゆら揺れる夏の午後。湖畔の木陰は風がそよいで実に気持ちが良い。
ハンモックから少し離れた大きな樫の木の下にはシートが広げられ、アレクシさんとノールさんはそこで静かに語らい合っている。ヴェストさんはハンモックから少し離れた、でも視界からユーリが消えない絶妙なポジショニングで待機している。ナッツとサーダさんは食事の準備を整えるととっとと散歩に行ってしまった。
気持ちいい…。
枕にしたユーリの胸からは規則正しい鼓動が聞こえる。その鼓動を聞きながら…僕は眠りに落ちていった…。
はっ!…今何時だろう…。どれくらい寝てたのか。気が付いたら周囲には誰もいなくて、ハンモックにはポツンと僕一人…。うそぉん…
「ユーリ…、ユーリ、どこ?ヴェストさん?アレクシさん?どこ行ったの?」
置いてけぼりとか…酷くない?
「あっ!ナッツ!良かったナッツ。みんなどこ行ったか知らない?あ…待って!危ないナッツ!」
あんな穴さっきあっただろうか?でも穴に落ちたナッツに驚いて、思わず後先考えずに飛び込んでしまった。
ナッツは大事な友達だ。助けなきゃ!でも…頭につけたウサ耳は…何!? 似合ってるけど…
長い長い、ながーい穴を落下し続けると、何故かなんの衝撃も無く僕はどこかの部屋へと転がり落ちた。
目の前のテーブルには金の小瓶。白金の小瓶ならいやって言うほどよく知ってるけど…これは初見。なんだろうこれ。
いつもなら僕はクドイぐらい石橋を叩く男だ。だけどなぜかその時は、引き寄せられるようにその瓶を手に取り、あろうことか…
ゴックン
「ゲッ!あ、ちょちょちょ、待って待って!ギャー!背が縮む!いや、やめて!大事な身長!やーめーてー!」
ああ…見るも無残な…。く、屈辱!返せ!僕の身長!
「どうなってんのこれ?戻るんだろうね!」
ぷりぷりしながら進むと今の僕でしか通れないような小さなドアを発見した。戻っても戻らなくても未知ならここは進むべきところ!
「えいや!」
今度はテーブルの上に一皿のショートケーキが。
「…え…、もしかしてナッツが置いてってくれたのかな。ちょうどお腹が空いてたんだよね。いっただきまーす!」
何度も言うが、本来僕は用心に用心を重ねる男だ。でもなぜかその時は当たり前のようにそのケーキを…
パクリ
「うん?あっあっあっ!ああー!!!」
伸びる身長!いやでもこれは!
「待って待って!大きくなりたいとは今でも毎晩願ってるけど、こうじゃない!これは骨端線の活性じゃなくて拡大だから!ああーーー!!!」
しくしくしくしく
巨大化した拍子に部屋が粉砕されて外には出られたけど元には戻れやしない…これいったいどうしろと…
「そのキノコを齧るといいでしょう。そしてその道を進んだ先の帽子屋にナッツは居ます」
「ヴェストさん!ああ良かった。ヴェストさんがいれば百人力。ところでそのネコ耳は何?あ、ちょ、行かないでー!」
耳のついたヴェストさんは見失ってしまったが、彼からは有益な情報を得ることが出来た。キノコはかさを齧ると縮み、軸を齧るとデカくなることが分かった。ヴェストさんの言葉が正しかったということは、この道の先にナッツがいる。いくしかあるまい!
「帽子のマーク、ここか…」キィ…「ナッツ居るー?」
「ナッツに会いたければ僕の問答に応えてもらいます」
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「それよりもう裁判が始まっちゃう。いかなくちゃ~」
「はぁ?裁判?あ、ちょま…行っちゃった…」
ナッツを追いかけて迷い込んだのはだだっ広い庭園。そこにいたのは…まさか!
「アデリーナ!!!」
ー③へ続くー
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