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連載
書籍化記念話 ①
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今僕たちはリッターホルムの一角にある小さな湖にいる。と言ってもサイズ的には池と言ったほうがいいかもしれない。
とにかく、北の地リッターホルムでは珍しいとある暑い夏の日、バテ気味の僕を見てナッツが提案したのが湖での水遊びだ。
やって来たのは僕とユーリ。言い出しっぺのナッツにサーダさん。ノールさんもアレクシさんも、ヴェストさんまで居る。
ヴェストさんは過去のトラウマで水辺を怖がるカイとダリの代わりに付いて来てくれたのだ。
ナッツはサーダさんと湖畔を散歩したかっただけなんじゃないかと疑っている。その証拠にナッツは、新調したばかりのコットンシャツに新調したストローハット、そしてユーリの分とは別に、新調したばかりの小さなバスケットを用意していた。
ま、まぁいい。ユーリには僕が居ればそれでいいし、僕にもユーリが居れば不足は無い。
「ほらユーリ。あの木陰にシートを広げようか。うん?何笑ってるの?」
「水の畔は良い思い出ばかりだなと思ってね。君と初めて会った時は小川のせせらぎが聞こえていた。君と離れ離れになった時も再開は泉だった。ああ、そう言えばあの時の君はいつになく積極的で、ムグ」
「ユーリストップ!そこまでにしとこうか」
危ないところだった…。
こんなところで痴態を告白する趣味など僕には無い。どうもユーリたち偉い貴族は使用人を空気と思っているが…うちの上級使用人みたいな存在感のある空気なんかどの科学書でも見たことない。
「へ~…」
「こっち見んなナッツ」
「もしかしてあの時上半身裸だったのは…」
「アレクシさんも。思い出さなくていいから」
ユーリには今夜コンコンと言って聞かせておこう…
気を取り直して湖岸の岩に腰掛けると僕は足先を水につけた。
「アッシュは泳ぎが得意なのかい」
隣に腰掛けながらユーリが問う。
「ふふん。こう見えて僕はタピオ兄さんからスパルタ特訓を受けてるからね」
「カイとダリを助けた時も泳いでいたね。今思い出しても悔しいよ」
「悔しい…?」
話の流れ的に合わない表現なんだけど…
「君がカイに口付けたこと。今思い出しても腹立たしいよ」
「口付けっ!って…、何言ってんの!あれは人工呼吸」
「ファーストキスを済ませておいて良かったと、どれ程胸をなでおろしたか…」
「…え…」んん?「……えっ?」
何それ!初耳なんだけど!
「君のファーストキスはその前に僕が奪っておいたから」
「い、いつ⁉」
「君がっここで暮らし始めた頃に。寝てる間に」
し、知らなかった…。僕はてっきりあの人さらいが現れた毒素騒ぎの時がファーストキスだとばかり…、わー!あれもキスじゃないけど!違うけど!
「待ってユーリ!じゃあユーリはそんな前から僕のことをそんな目で…え、えええ、えっち!」
「ほぼ初めから…。ふふ、気付かなかった?」
今明かされる真実…。ま、まぁいいけど。僕も一目惚れだったんだから…、…お、お互い様?
「君は私の運命。そして私は君の運命だアッシュ」
そう言いながらユーリは僕に覆いかぶさった。
空気にしては存在感のある、彼らが揃って生暖かい目でこちらを見ているその中で…
とにかく、北の地リッターホルムでは珍しいとある暑い夏の日、バテ気味の僕を見てナッツが提案したのが湖での水遊びだ。
やって来たのは僕とユーリ。言い出しっぺのナッツにサーダさん。ノールさんもアレクシさんも、ヴェストさんまで居る。
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「アレクシさんも。思い出さなくていいから」
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「悔しい…?」
話の流れ的に合わない表現なんだけど…
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「い、いつ⁉」
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「待ってユーリ!じゃあユーリはそんな前から僕のことをそんな目で…え、えええ、えっち!」
「ほぼ初めから…。ふふ、気付かなかった?」
今明かされる真実…。ま、まぁいいけど。僕も一目惚れだったんだから…、…お、お互い様?
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そう言いながらユーリは僕に覆いかぶさった。
空気にしては存在感のある、彼らが揃って生暖かい目でこちらを見ているその中で…
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