チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する

kozzy

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大晦日

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「ねぇユーリ。今日は一緒に教会で鐘を鳴らしてみない?」
「鐘を…?何故?」
「鐘にはね…一つ鳴らすごとに邪気を祓うっていう言い伝えがあって…、今のユーリには必要かなって」
「邪気ならもう祓っただろう?アデリーナはもう居ない」
「うーん、まぁ…」

ここで言う邪気とは主に煩悩のことである。
除夜の鐘が祓うと言われる百八つの煩悩。
今このリッターホルム公爵邸で鐘撞が必要なのは…、リミッターの外れたユーリと、リミッターの存在を無視している滞在客、王太子ケネスと、そもそもリミッターの存在しないナッツ、この三人だ。

かと言ってユーリに、体力が持たないから煩悩を抑えるように、と正直には言いづらいわけで…

「アデリーナはもう居ないけど…リッターホルムに新たな厄災が降りかからないよう予防的に。どうかな?楽しいと思うんだけど…」
「構わない。アッシュがそうしたいなら」

というわけで、ユーリやアレクシさん、ノールさんまで一緒にやって来たのは夜の教会。ここの司祭様はヴェストさんの実兄であるスヴェンさんだ。真夜中に鐘を鳴らしたいという、素っ頓狂な申し出の許可はすでに頂いている。

真夜中に現れた領主夫妻、アンド王太子殿下に、領民はみな何が始まるのかと、教会を取り囲んですっかりお祭り気分だ。でも、それもまた大晦日っぽくてなかなか悪くない。

「さ、じゃあまずユーリから」

カラァ~ン…ン…

「んー、十回ぐらい鳴らしておこうか」

カラ~ンカラ~ン…

「よし!次は私だ!」

「ケネスは…最低でもニ十回ね」

「任せるがいい!」

「じゃ次はナッツ」
「う~ん、僕はいいや~」

「なんで?」
「エスターがアッシュの言う邪気ってエッチな気分のことだって言ってて~。無くなったら困っちゃう~」

なん…だと?エスター、余計なことを…

「ナッツよ!それは本当か!」
「本当みたい~。ほら、すごく焦ってる~」
「図ったなアッシュ!」
「い、いいじゃん別に!ただの言い伝えだってば!」

「言い伝えだとしても聞き捨てならないな。アッシュ、どういうことかじっくり説明してもらおう。静かな部屋で」

げっ!

何故かみんなを残してたった一人屋敷まで連行される憐れな僕。
後から聞いた話では、ケネスの音頭と振る舞い酒で領民達は好き好きに鐘をつき明け方まで飲んで歌って楽しんだのだとか。さすが娯楽王子ケネス。見事な采配だ。

それはそれとしてその後の僕がどうなったかって…?



「それほど身体が辛いのなら君はじっとして居れば良い。ほら、蔓を出して」
シュルシュル…「え…、けどこれは…、あ、ちょ、ダメ待ってユーリ」
「君は何もしなくていい。私が全てするから」
「するってちょっと、あ、ダメ、ダメ、あ、縛っちゃ」
「駄目?」

くっ!その顔は…反則だよ!

「…ダメじゃない…」
「…愛してるよアッシュ…」


新しい年も僕を見ると生まれるユーリの煩悩は無くなりそうにない。
…ユーリを見ると生まれる…僕の煩悩もね。



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感想 392

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みんなの感想(392件)

みみみみみ
2025.02.17 みみみみみ

大好きすぎて何度も何度も読みに来てしまいます!
もちろん書籍も買いました!
アッシュとユーリ、いつまでも幸せでありますように(⁠ノ⁠*⁠0⁠*⁠)⁠ノ

2025.02.17 kozzy

運命で導かれた二人です。きっと幸せに暮らしていますよ( *´艸`)

何度も読み返していただけて…幸せは私の方です!

解除
四葩(よひら)

失礼しました、⑧ではなく⑤でした💦

2025.01.24 kozzy

ミチュペチュ書いてる時楽しかったなぁ…
行きたいなぁ…

解除
四葩(よひら)

ミチュペチュの旅⑧まで読了。


この場合の大きくは成長ではなく拡大に吹きました🤣

そして、ノールさんがお勉強教えていた時のスパイン語のお時間のとき、ノールさんがユーリにお勉強させるために言っていた旅行する時に話せると尊敬される、惚れ直される……という言葉の回収があったことに感激✨

2025.01.24 kozzy

ユーリがコツコツスパイン語の勉強をしていたと思うと健気で…(笑)

南の辺境領はガリバーの国です(≧▽≦)

解除

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