街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

kozzy

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11 12歳 go to ウエストエンド

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とまぁ、そんな訳で僕は無事ウエストエンドへと向かう事になったのだが、行き先は不毛の荒野。策があると言っても覚悟の無い者に無理強いは出来ない。

「ハミルトンへ戻りたいものは戻って構わないよ」
「まぁ!何て水臭い!」
「坊ちゃまが行くところであればどこへでもお供します!」

別邸の使用人たちはなんと!もれなく全員付いてくるらしい。ちょっと感動…
だけどみんな忠誠心凄すぎだって。

「ジェイコブ、お前は?」
「お聞きになりますか坊ちゃま。無粋ではございませんか」
「あー良かった。ジェイコブが居れば百人力だ!」
「坊ちゃま。私もお供させていただきますぞ。これは別邸付き第二騎士団全員の総意でございます」

「クラウス!それは嬉しいけど全員って…。だって先の分からない、なんの保証もない話なんだよ?」
「それでもこの屋敷に残ってあの女狐にあごで使われるのは承服しかねますなぁ」
「それを言われたら…、それもそうだね」

なんと、二十名もの騎士たちが海のものとも山のものとも分からない『ウエストエンド』行きに同行してくれるんだって!
ちょっとびっくりだよね?ありがたいなぁ。

何でもホントは第一騎士団も一緒に来たがっていたんだとか。
でもさすがに本邸を守る第一騎士団が父を裏切るわけにはいかないからね、苦汁を飲んだんだって。

それから父がエバの為に用意した第三騎士団に至っては僕に同行する第二騎士団を鼻で笑う有様だったって。
あ、そうそう。半年前別邸からウィルとコリンを連れ出したのも第三騎士団ね。騎士道精神って…

そんなわけで今日よりランカスター第二騎士団は、ハミルトン分領、ウエストエンド第一騎士団である!

そしてここが肝心!

僕はあの日手に入れた王家の紋入り養子縁組証書を使い、ウィルとコリンをグレッグ叔父さんの養子にすることにした。

万が一にでもエバが二度と手出しできないように、それと、貴族で居てくれた方が色々都合が良いからね。
身分制度のあるこの世界では、貴族でないと入れない場所、出来ない事が山ほどある。農夫の方々なんかも上役は貴族の方が安心するのだよ。

「本当にいいんだね、二人とも」
「勿論です!むしろ平民の僕をハミルトン伯爵の養子にしてくださるなんて…夢みたいです。レジー様と同じ姓を名乗れるなんて…これはもはや夫婦同然…」
「んー、違うよ?」

小豆色のウィルは家族への憧れが強いのか度々おかしなことを口ずさむ。そんな時それを見るコリンの眼は実に冷ややかだ。
コリン…、そう!コリンだよ!

「コリンもいいの?これで公爵家とは…」

真実の父と離れることになる。

「僕の家族は亡くなった母とここに居る兄さんだけです。公爵さまはきっと父なんかじゃありません」
「そうだね。僕もそう思う。けどコリン、君の家族…、一人忘れてないかな?」

「え…?」

「僕は家族じゃないの?淋しいな」

僕の言葉に赤くなったり青くなったりしながら、無事彼らは僕の従兄弟となった。
父を知らず母を亡くし…迷い児のようだった二人はこうしてようやく本当の家族を得たのだ。


さて、出立当日。目の前に立ちふさがるパーカー。別にいいのに見送りなんて。

「お前…、本当にここを出ていくんだな」
「あれ?パーカー、君わざわざ見送りに来てくれたの?」
「馬鹿言え!我が家の危険物が出ていくのを見物に来たんだよ。お前の出発が惜しいものか。父様だって来てないだろう?ざまあみろ」

父には僕から辞退したんだよ…。昨夜の内に…

「これでようやくせいせいする。ずっと目障りだったんだ。どいつもこいつも、お前と比べやがって!」

僕が居なくなったら比べられなくなるとでも?

「二度と戻って来るな。ああ、その前に暴走して終わりか。ハハハハハ」

ランカスターでの最後がパーカーとは…、実に象徴的じゃないか。
さらばランカスター!




こうして西の最果てへと向かう大行列。総勢五十名ほどの大移動だ。
それに加えて人を乗せた馬車の、ゆうに三倍はあろうかという貨物。そこには当面の食料や物資などが積まれている。

その行程は馬車の旅でおよそ三十日間。因みにハミルトン領の西端からウエストエンドでも二十日くらいはゆうにかかる。王都からもそれくらいなんだとか…

あー!つまり東のド辺境から西のド辺境への大移動なのだ!

毎回これでは不便極まりない。
ちょうどいいので僕はハミルトン領を抜けた辺りから道を切り開いて行く事にした。
これ…山間いを縫って移動してるから余計時間かかってんだよね。つまり…、突っ切ったらもっと早い!

「ちょっと先頭換わって!」
「どうされるのですか?」
「一直線で行く。『トルネード!』」

『トルネード』とはその名の通り局部的に小さな竜巻を起して攻撃する魔法である。
その威力は当然魔力量によって、ちょっと人を吹き飛ばす程度のものから家屋をなぎ倒すものまで千差万別なわけだが僕は逆に全力を出したらヤバイ。そこで魔力をややセーブし、その竜巻を横一直線に発動したのだ。

すると竜巻はその軌道上の木々をすべてなぎ倒し目の前には瞬時にして山中の立派な馬車道が出現した。なんなら小石一つ残ってない。

「これは…さすがでございますね坊ちゃま」

「おお!狂魔力とはこれほどの威力を放つのか…。坊ちゃまはすっかり制御されておるのですな」

「そうだよ二人とも。だから使用人のみんなにも騎士のみんなにも心配いらないってよく言っておいてね」

安全アピールは大事だ。

「坊ちゃま、我々は例え何がろうと坊ちゃまと生死を共にする、それくらいの覚悟を以てお仕えしているのです。もとより心配など…、そんな無粋な声掛けをしては皆が怒るというものです」
「そもそも団員たちは「レジナルド様と死ねるなら本望だ」と皆口々に申しておりましてな」

「そうですよレジー様!僕はむしろレジー様が魔力によって命を落とさないかとそのことばかりが気掛りで…。僕の命で代われるものなら変わって差し上げたいと毎日思っておりますのに!」
「うむ。皆の総意ですな」

じぃぃぃん…
もうっ、もうっ、胸がいっぱいだよ!

「ウィル…それからみんなも…とっても嬉しい、ありがとう。みんな…死ぬときは一緒だよ!」

「レジナルド様となら地獄へでも!」
「馬鹿か!レジー様が地獄になど落ちるものか!どうか俺を天国へお連れ下さい!」
「お前が天国への相伴だと!片腹痛い!私に決まっている!」

「ええい五月蠅い!坊ちゃまが困惑しておられるだろうが!」

軽い冗談のつもりだったのにな…。あんなに収集つかなくなるなんて思わなかったよ。
そりゃ主にああ言われたらこうなるのも当然か。なんか…、無茶ぶりしてごめんね?


そんな風に絆を強固にしながら、恐ろしい横型竜巻には獣すら近寄ることなくその道中は非常に安全、かつみんなのおかげでとても快適なものになった。

この道さえあれば少なくともハミルトン領とは今までよりもスムーズに往来が出来るんじゃないだろうか。整備までしてあげたら叔父様もきっと喜ぶだろう。
えっ?ランカスターとハミルトンの間?知った事じゃ無いなぁ…


そしてそれを繰り返しすこと十五日。半月ほど短縮した道程を経てついに僕たちは到着した。

夢と希望と期待の詰まった不毛の荒野、『ウエストエンド』」へ!







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