街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

kozzy

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84 16歳 in 裁判ー2回戦ー

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さて、王城で過ごす最終日。本日はこの訪問のメインイベント、エヴァの判決を見届ける日だ。

実際のところ既に裁判はふた月も前から始まっている。だけどその度エヴァ側からの異議申し立てがあり、何度も何度も再審を行う事になったのだ。何を申し立てる事があるって言うんだか、往生際の悪い…。
だけど本日は最終結審の日。泣いても笑ってもこれで最後だ…。




「…と、このように被告エヴァ・ダンバードは不敬にも当主であるジェームズ・ランカスター公爵閣下を『クーザ』及び未知の魔鉱薬で弱らせ実権を握ったのです」

「被告人、ここまで相違ないか」

「意義あり!ありよ!何度も申し上げましたわ!あれはすべて公爵閣下の悪しき息子、レジナルドに指示されたことだと!殺せと言われたの!憎き父から全てを取り上げろと!いうことを聞かないとパーカーがどうなるか分からないぞと!本当よ!どうして誰も信じて下さらないの!? あれは…あれは狂魔力の継承者!この国を破壊へと導く者ですわ!裁かれるのはレジナルドよ!!!」


ぬおー!まだ言うか!


「では近隣当主への狼藉もレジナルドが指示したものだと申すか」

「そうよ!自分の不遇を笑った意趣返しですって。本当に性格の悪い。」


お前が言うなー!

だが、ここで裁判長は入り口の守衛にひとつ目配せをした。ピンッ!っと来たね。さて、エヴァはどんな反応をするか…


「言い切るか。どこまでも愚かな女だ…。エヴァ・ダンバードよ。ではこの者の前でもう一度同じことが言えるか?」
「この者…、誰?まさかレジナル…ド…、ああ!あなたは!う、うぅ、嘘よ!どうしてジェームスがまともに歩いているのよ!彼はどこからどうみても死人同然の廃人だったはず…」

「被告エヴァ。公爵が生きていてはおかしいか?では教えてやろう。閣下の回復に最も尽力したのはお前の言うレジナルドである。辻褄が合わぬではないか。全てがレジナルドの仕組んだことであるなら何故父を助ける?」
「そんなのわたくしに分かる訳…、そうだわ!弱らせておいて自分で助ける…、恩よ!レジナルドは父親に恩を売ろうとしたのよ!」


スンッ…逆ならともかく僕が父に恩を売ってなんのメリットが?と、1万回問うてやりたい…


「よくもまぁ、出任せばかりをぺらぺらと…。呆れたものだ。」

「エヴァ…、私が助かるはずがないと思ったか?だがお前は呟いたではないかあの時。「服用量が多すぎてこのままじゃ死んでしまう。薄めないと」と。そして第三騎士団の副団長はこう言ったな?「パーカーがランカスターを正式に継ぐまで死なれては困る。命だけは繋いでおかなくては」と。お前の望み通りではないか!」

「旦那様それは…」

「旦那様などとどの口が言う!お前は私の妻ではない!よいか!私は酩酊していても全て聴いていたのだ!パーカーが私の息子で無いことも含めこの耳で!パーカーの父はあの男か?二人揃って地獄へと堕ちるがいい!お前は私から何もかも奪おうとしたのだ。正常な判断力、健康な身体、大切な領土、そして…本来ならあるはずだった親子の情も…。」


親子の情?それはちょっと疑問だな。だって父はエヴァが居る居ないに関わらず僕を苦手にしてたじゃないか。


「エヴァ・ダンバードよ。公爵閣下、そしてお前の毒牙にかかった侯爵、伯爵もここにきておる。二人をこれへ!」
「まさかっ!」


入室した気の毒な伯爵、そして侯爵は怒りに身体を震わせていた。当然だ。そしてエヴァの姿を目にするなり激高しながら声を張り上げた。


「…この稀代の毒婦め!よくもこの私をあのような目に…!お前が訪れるたび差し入れた水菓子。私の好物と知っていたのだな…。許せぬ!」
「いつの間にブランデーの瓶へ『クーザ』を混ぜた!もしも息子までもが口にしていれば我が家門は終わりであった!裁判長!この女には極刑を!極刑を望む!」

「他にも証言は得ておるのだ。お前の言葉は全てが徒言である。ここまでお前の話を聞いたのは形式にのっとったにすぎぬ。だがもうよい!これ以上の下らぬ異議は認めぬぞ!裁判を愚弄する馬鹿者め!何もかも白日の下に晒されたのだ!覚悟せよ!」

「うっ!うぅぅ…あああああー!」








両手両足に枷をはめられた一人の囚人が目の前に立つ。気をまわした看守が立ち止まってくれたのだ。
そりゃそうだ。一言いわなきゃ気が済まない。でもそれは僕じゃなく…。




「エヴァよ、お前に奪われた多くの物。だがその中でも最も許せぬのが親子の情だ。私はそれを悔やんでならぬ。己に非が無かったとは思わぬよ。安易にお前の言葉を信じた私が愚かだったのだ。だがそれでも…」
「わたくしばかりが悪いようにおっしゃらないで頂戴。ジェームス、あなたは初めからレジナルドを恐れていたじゃないの」

「レジナルドではない、この子は事情が違う」


なぬっ!? ま、まぁいいけど…え?じゃぁ…


「だが…私の愛したフローラの子…。コリンは…。」


コリン!? 

父の口からコリンへの個人的な感情が語られるのはこれが初めてだ…。僕の背後で当のコリンもピクリと身を固くしたのが感じられた。


「お前は言ったな、「あの子供が旦那様の子であるはずがない。貴族の血を引くならば何故魔法が使えぬのか?」と。そして私もそれを尤もだと考え、…だがその事実をどこか残念に感じていた…。」


父の言葉にコリンが目を見開く…。


「…私は弱っていく時間の中、何も出来ぬ我が身を嘆きながらただただ唯一愛したフローラのことを考えていた。そして思い出した。私とフローラが交わした最期の会話。帰り際フローラはふいに言ったのだ。「方法が分かった」と。」


ドキッ!それこそ僕がずっと気になってた事。コリンの母親はどうやって親子の証明をしようとしたのか…。


「私はフローラに常々こう言っていた。子を公爵家に迎えたくば証明して見せよと。非情なことではあるが仕方あるまい。他の貴族家と同じような訳には行かぬ。公爵家は王族へと連なる家門。市井の子供を安易に庶子と認める訳には行かぬのだ」


そればかりは無理もない…。だから僕も父をあれ以上咎めたりはしなかった…。


「方法とは恐らく証明の方法…。そして考えた。あの日私はフローラにレジナルドの魔力測定について不安を吐露していた。そこでふと思った。魔力測定は神殿で行う。では神殿では他に何を行う?そうだ。貴族の子は生まれてすぐに神殿で『祝福』を受ける。その『祝福』を持って魔力の種は芽吹くのだ。」


はっ‼


「市井で生まれた平民の子が神殿で『祝福』など受けたりすまい。彼らが行くのは教区の教会で、そして受けるのは洗礼だ。だが私は赤子なら誰もが『祝福』を受けているものだと思い込んで…よもやコリンがそれを受けていないなどとは考えもせず…、そのことに長い間思い至らなかった…。だがもしコリンに魔力の種が、残滓があることが分かれば…、波長次第でそれは私の子だと言う証明になる」


そ…、その通りだ。貴族にはごくごく当たり前のこと過ぎて…僕ですら今の今まで思い付きもしなかった。『祝福』と前世のお宮参りをごっちゃにしてて…すっかり抜け落ちていたのだ。それが魔力に目覚めるきっかけだって…。


「お前は何度も何度も私に嘯いたな?魔力を持たぬコリンに貴方の血は流れていない、と。何故あれ程念を押した?お前は気付いていたのだな?魔力の証明こそがコリンの血を証明するものになると。」

「エヴァ、ウィルが渡した小さな紙片。そこにはなんて書かれてた?」

「…ふん!たった一言…〝コリンに『祝福』を”と。…上手くやったわね平民の子供が!それもこれも…、レジナルドお前のせいよ!お前さえ居なければ始末出来たのに!何もかも全部滅茶苦茶!台無しよ!この疫病神!」


「厄病を振り撒いたのはお前じゃないか。そっくりそのままお返しするよ。看守!もう十分だ、連れて行って!」





エヴァ、特大のブーメランとともにアディオス!
極悪令息の上を行く、歴史に名を遺す極悪毒婦め。お前の名は永遠に語り継がれるだろう…。


甘い言葉で近づく者には気をつけろと言う、社交界最大の戒めとして。







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