街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

kozzy

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85 16歳 at ランカスター王都邸

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追いすがるアルバートをなんとか引き剥がしてランカスターの王都邸へとやってきたのはエヴァの裁判を見届けた後。

ここには一度公安院の捜査が入っている。執事が片付けたとは言え執務室の引き出しといったら…。
古今東西、捜査の名のもとに好き放題散らかしていくのは刑事もののお約束だ。


「やれやれ、分類が滅茶苦茶だ。」
「申し訳ございません。私ごときには分かりかねる書類が多く…」

「ああごめん。悪いのは役人の方だよ。引き出しをひっくり返す必要ってあるかな?丁寧に中身出しても成果は同じだと思うんだけど…」
「ごもっともでございます。彼らは奥様の手による書付けを乱雑に持っていかれまして。」

「奥様?誰それ?居たっけそんな人?」
「申し訳ございません。仰る通り当家の奥様はレジナルド様のお母上、イザベラ様以外おりませぬ。」
「ま、その母はここより豪華なハミルトン侯爵邸を気に入って利用してたって話だけどね。」

「…奥様と旦那様は決して円満とは言えませんでしたから。」


裕福なハミルトンの女侯爵であった母。援助を得るための婚姻は父のプライドを大層傷つけたのだろう。恐らくそれもエヴァへと入れ込んでしまった要因の一つだ。



「執事…お前は領地の家令ブルックリンとよく似ているね。もしかして…」
「弟でございます。ブロンクスとお呼びください。レジナルド様には兄をもお助けいただき…感謝の念に堪えません。」

「そう思うならここの立て直しに力を貸して。まずはこの悪趣味な調度品を全部処分ね。誰?これ選んだの。」

「それはあの女が…」
「は!?」

「エヴァは旦那様が床に臥せると、これ幸いとこちらへ来られた際、高価な調度品を次々売り払っては代わりに似ても似つかぬ安物を買い入れまして…」

「小遣いかせぎ?み、みみっちい…」


見栄っ張りなら何もかも見栄張ったらいいのに!セコすぎる…。


「じゃぁいっそ総取っ換えしよう。そうだ!エヴァが売り払ったもので由緒正しきものがあるなら買い戻して。あるでしょ?代々伝わるほにゃらら…とか偉い人に頂いたなんちゃら…とか。お金に糸目はつけなくていい。目録はとってあるよね?」
「もちろんでございます。それにしてもレジナルド様は豪快でございますな」

「ふっふっふ、誰にって言う訳じゃないけど…ハミルトンの力ってのをドカンと見せつけてやろうと思って。」

「これはこれは…。初めてお会いしましたが…レジナルド様はたいそうお茶目で可愛らしいのですな」


この傲慢なセリフをお茶目とか…、この執事大丈夫か…?


「あーそうそう。僕の従者であるコリンは当分貴族用収監塔で父の身辺を世話をすることになった。漏れ聞こえてると思うけどコリンは父の実子だ。今後そのつもりで対応を。」

「畏まりました。旦那様のお戻りは…」

「何事も無ければ3日後。けどきっと大丈夫。アルバートがあれだけ太鼓判押してくれたんだから」

「レジナルド様、殿下をアルバートなどと、その…」
「アルバートがそう呼んで欲しいって言ったんだよ、僕は嫌だって言ったのにどうしてもって。」

「ではご執心だとの噂はやはり…」
「ん?何か言った?」
「いえ何も」


とにかく父の帰還までに王都邸を掌握しなければ。僕とブロンクスの打ち合わせはその日深夜にまで及んだのだった…。









さて、いよいよ本日は王様、そして両大臣から父への処分を聞くことになる。



「ランカスター公よ。いいやジェームズと呼ばせてもらおうか…。学生時代あれほど言ったではないか。狂魔力を持つ弟などさっさと隔離し君はもう少し社交に励むべきだと。己を卑下し人付き合いを避けるから却ってあのような女に騙されるのだ!」
「チャールズ…」


ほほう。ブランフォード候、つまりローランドのお父さんと父は学友だったのか。それにしてもこの言い草、本当に狂魔力の継承者が目障りだったんだな…。


「ともかく、君の浅慮な女性関係の結果がこれだ。あの時、君の申し出た後添えの願いを断固却下した自分を褒めてやりたいよ、私は。」

「言いたくはないがチャールズに同感だ。下位貴族と言うだけでない。ダンバード男爵家はもとより評判の良い家ではなかったろう?君があの女と情を交したと聞いた時には本気で君を心配したものだ。狂魔力に怯えるあまり頭がどうかなってしまったかとね。そのうえイザベラ亡き後ランカスターの屋敷に招くとは…全く馬鹿な真似をしたものだ。」


オルグレン侯、ブラッドリー氏のお父さんは父よりも少し年上。社交界の先輩ってところか。それにしても…フルボッコだな。

右と左、二人の侯爵…だけど父は財も才も無い名ばかりの公爵…。王城の中心で手腕を振るう二人に遣り込められてはただひたすら唇を噛むばかり。



「もうよい。二人とも控えよ。」


王の一言で一歩下がる二人の大臣。今王の眼前では父だけが項垂れている…。


「ランカスター公よ。あの者が『クーザ』を用い其方の意思を奪ったことには同情する。だが、王族に連なる公爵家にあのような痴れ者を招き入れたことは許されぬ。何を考えていた!たかが愛人をまるで家人の様に振舞わせるとは…、ましてや裁量権を任せるなど…言語道断!あの女が領民に無体を働くとは考えられなんだか!」

「さ、裁量権は最後まで手放してはおりません。ですが身体の自由が利かなくなって以降、エヴァは無断で私の印章を持ち出し…」

「だから聞いておるのだ!何故あの女を引き入れた!あの女の欲望を増大させたのは偏に其方の甘い振る舞いであろう!あれが中央の社交界、そして王家へと触手を伸ばさなんだのはただ幸運だったにすぎぬ!一歩間違えればどうなっていたか…、お前はその責任を負わねばならぬ!」

「エヴァにはパーカーが…、その、私は後継を…」
「後継だと?お前にはすでにレジナルドが居ったではないか!」

「…レジナルドは狂魔力の継承者。早晩命の尽きる身。この子が生まれその身に狂魔力を宿したことがわかった時、安堵と同時に私は後継者の問題を抱えることになった。狂魔力の残滓によって妻イザベラはすでに自分の早世を覚悟していた。私はどうして良いか分からなかった。弟を失い次いで遠くない未来、妻も子も…。狂魔力への恐怖と領地運営への重圧、そして孤独の中で今にも気が狂いそうだった。そんな時エヴァからパーカーを身籠ったと聞かされ…私はあの女の甘言のままこれで問題の半分は解消されると思ってしまった…。」

「愚かな…。」



「…ジェームズ、パーカーが実子であると何故信じたのだ」

「生まれた子、パーカーの属性は私と同じ土だった…」

「…お父様、言いたかないですけど第三の副団長も属性は土らしいですよ。それに属性なんて確率は4分の一じゃないですか。それだけで根拠になりますか?」
「魔力の波長は調べなかったのか!」

「…黒子が…」

「ホクロ?」

「生まれたばかりの赤子には黒子があったのだ。私と全く同じ位置に。右胸の、ちょうど心臓を示すあたりに私と同じ形の、斜めに3つ並んだ黒子が…、とても偶然とは思えなかった!間違いないと信じ込んでしまったのだ!」


なるほどね…。
僕は思った。もしかしたらそのホクロはタトゥーだったかもしれないと…。





「よかろうランカスター公。其方が邪気の無い人物である事はよくわかった。だが、考えられぬほど稚拙で、そして小心であることもよく分かった。その其方にあのランカスター領を維持するのは荷が重かろう」


…小さな土地と領代えってこと?


「もとより先々代はランカスター侯爵であったのだ。ならば其方も初心に帰りランカスター侯爵を名乗るが良かろう。それに伴い領地は…」


降爵か…それなら領地は…縮小かな?


「王家、そして息子レジナルドの預かりとする。その下で統治というものを学ぶがいい」


なんてっ?

お、驚きのあまり三度見くらいしてしまった…









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