街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

kozzy

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151.5 安堵

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「現場ぐらい一人で行けるってのに…なんだよ?なにか話があるんだろ?言ってみろよ」

「アーニー。私は貴方に謝らなければならない」

「何の話だよ」


彼にこのように身勝手な話を持ち掛けるのは心苦しい…。しかし私も安易な気持ちでこうすることを決めたのではない。
葛藤の中、レジナルド殿をお守りするためになら私の小さな矜持など捨て去るべきと考えたのだから。
パウルを苦しめたあの過ちを…私は二度と繰り返してはならない…!


「君たちとレジナルド殿の絆は重々承知している。だが社交界というのは…、君たちが思う以上に魑魅魍魎の住む世界だ。それは私自身を見ていればわかるだろう?」

「まあな。だから俺たちも王子とレジーの婚約を受け入れた。…しゃーねぇ」

「特に今のエトゥーリア社交界は未だ不安定な状況、何がいつどう揺れるか…火の粉を避けるためには先んじて手を打つのが得策と考える」
「…かもな」


意外なほど淡々と話すアーニーに拍子抜けしながらも私は話を続ける。彼の理解はどこまでなのか。誤解を招くのは本意でない。


「ではセザール殿の話は…?」
「本人から説明があった。何でもウルグレイスの王様は一見優男だが折れない男だってな。あいつがレジーと出来てると思わせとけばこれ以上の無茶は言わないだろう、ってのがあいつの考えだ。王様の欲しいのは単純に家系の枝分かれだとさ」

「家系の枝分かれ…?だが男同士では…」
「ウルグレイスには秘術があるとかないとか…。知るか!これ以上はセザール本人に聞けよ!」


なるほど…。ウルグレイスの目的は血の流れ。狂魔力の発現は無作為。系譜の誰に現れるかは誰にも分からない。つまり家系さえウルグレイスに繋がれば…、そういう事か。


「では私がエトゥーリア側の側夫として名乗りを上げたら…。君はどう思う?許してもらえるだろうか…」

「何 !? そりゃそんな冗談も言ってたけどよ…」

「パウルに言われたのだ…。起こり得る危機を回避するためには私が身を挺してレジナルド殿を守るべきだと。」

「どういうことだよ…」


私は私自身でさえ見落としていた、パウルによって気付かされた危険因子についてアーニーに説明してゆく。そして、それを回避するにあたり、例え側夫であろうと婚姻関係にあるのがもっとも確実なのだとも。
狂魔力の継承者であるレジナルド殿を力で以て手に入れることなど出来はしない。考えられるのは色事による篭絡。
ウルグレイスが〝側夫”という手段に出た以上、同じことを考えるものが出てこないとも限らない。

だからこそ先手を打たねば。エトゥーリア側の安全な〝側夫”。その相手は彼と彼らを知る私でなくてはならない。


「あー…、なるほどな。ヴォルフならなんて言うか…。いや、あいつは何も言わねぇな。多分…」
「そうだろうか…?」

「あいつが言ったんだよ。問題は相手が誰かって事とわきまえてるかどうかだってな。」
「それはどういう意味だろうか…」

「相変わらず鈍いな。相手ってのはレジーにとって必要な相手で…尚且つ腹黒くない奴って事だ。」
「それから?」
「自分の立場をわきまえてりゃそれでいい。相手が誰だろうと俺たちより下だってな。シュバルツ、お前みたいに分かってりゃいい。俺たちとレジーの絆を」

「…もちろん分かっているとも。」

「王子がレジーの夫だってんなら王都ではそう振舞えばいい。セザールがあいつの楯になるってんならウルグレイスでは夫として振舞えばいい。それから」


彼の言葉に曇りはない。


「シュバルツ、お前があいつを守りたいならエトゥーリアではそう振舞やいいさ。お前はれっきとした侯爵であいつの隣に居て見劣りしねぇ。良いんじゃねぇの?けどな、このウエストエンドでは誰であろうと俺たちより下だ!いいか、それだけは覚えとけ!」


これが本心であるなら彼らの絆はそこまで昇華されているということか…。


「アーニー…。すまない。だが理解いただけて感謝する…」

「いいさ。筋を通す奴は嫌いじゃねぇよ。あとはレジー次第だけどな」

「それが最も難しい…。だが正直に向き合うつもりだ。彼の前で何一つ言葉を飾る必要はない」
「明日までに話は済ませろよ。このあと俺たちはドワーフの国だ。当分忙しくなる」

「心得た」


一つの杞憂が消えてなくなりほんの僅かだが楽になる。だがこの先は…私の人生において最も重要な局面となる…。恐らくは暗い洞窟で彼と出会った、…あの日に次ぐ重要な局面に…。




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