街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

kozzy

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159 18歳 information クーデンホーフ領

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さすがにこの地を旅立つときて、ビフとビルの二人は本村にて送別の宴に参加している。

思った通り、残念ながら僕たちの参加は歓迎されなかった。そこで代わりに火を落とした工房をゆっくり見学させてもらっている。もちろん何も触るな!と固く言われたうえでだ。

資料館にでも来た気分の僕と違ってアーニーは何かを目に焼き付けているみたい。時々ブツブツつぶやいたりなんかして…参考になると良いね。

そうそう、ヴォルフはヤクを捕獲しに牧草地帯に出掛けている。二人を連れて行くお詫びに…ってわけでもないけど僕からの気持ちとしてもう一頭差し上げることにしたのである。番なら繁殖させることもできるだろうし。

ビフは問題のあるドワーフだが彼らは同胞意識のとても強い種族だ。こうして村を出て行くことには寂しさもあるのだろう。出て行くほうも見送るほうも、わだかまりは全て水に流して涙ながらに別れを惜しんでいる。

全員が酔いつぶれるまで続けられる酒宴…。地獄絵図…。




そして翌日。


「じゃあこれ、性別違いのヤクもう一頭と…」
「いいのか?」

「宿泊延長代ね。頑張って増やしてください。あと少しだけど魔石。移籍金代わりに置いて行きますね」

「おおっ!これはまたなんとも純度の高い魔石ではないか!」
「10日間か…、短い間だったけどお世話になりました。あ、そうそう。集会所の柱だけど少しヴォルフが齧っちゃって…スイマセン。」

「なにぃ!…う、まあよい。これだけの魔石。釣りが出るわい。」


よし。リカバリー成功。


「ビル、元気でやるのだぞ」
「ああトッド。お前もな」

「ビフ、これからはあまりビルに心配をかけるな。いいか?」
「うるさ、…いいや、そうだな。気をつけよう…」

「何かあったらいつでも戻って来い。色々あったがここはいつまでもお前たちの故郷じゃて」


村長の言葉を背に受けながら彼らは黙って歩き出した。
けどその目の端がほんの少し光っていたことに僕らは気が付かないふりをし…


「なんだおっさん、泣いてんのか」バシィ!「痛ってぇな…」
「…お前は本当に馬鹿だな」


ハリセン必須!






「さて。無事橋も超えたことだし…」
「何だ。何をする」

「半年もかけてクラレンス王国を目指すと本気で思ってたんじゃねぇよな?」
「そりゃ悠長なことだ。だが俺はそれほど暇じゃない」

「二人とも言い方!」


ホントにこの二人は…。


「驚かないでね。はい、『ワープゲート』」
「「なんじゃこりゃ!!」」


見せろ寄越せとうるさいビフとビルを放り込んだらあっという間の凱旋!


「お帰りなさいレジー様!見て下さい!今日は泣いてませんよ!」
「ただいまウィル。お留守番ありがとう。お土産はドワーフの奥さんに作ってもらった木工のからくり箱だよ」

「小僧!お前いつの間に…」

「小僧…?…坊ちゃま、この者どもは…」
「あー…、スカウトしてきたドワーフさんたちで…、明日クーデンホーフに連れて行くから今日はここで泊っていただくよ。そのつもりで」

「畏まりました。」


ジェイコブ…目の奥がコワイ…。





豪華な本邸は落ち着かない、と本人たちが言うので彼らはヴォルフが住まいにしている、屋敷裏手の元貯蔵庫へと案内することになった。
元貯蔵庫とは言っても彼らの山小屋よりも立派な倉庫であり、ヴォルフが好き勝手に家具をはじめとした諸々を運び込んでいる。おかげでここはちょっとした、ブリック壁がおしゃれな男のガレージ風ハウスである。


その貯蔵庫から少し離れたところには騎士たちの宿舎がある。

彼らが各国の身分証や例の透明化ボックスの発明者だと分かると、クラウスをはじめとした騎士たちまでもが話を聞こうとぞろぞろ集まって来た。

その片手には各々酒瓶を持っており、…この後の飲み比べ大会が軽く予想ついたので早々に退散しようと思う…。


「じゃあビルとビフに勝った騎士には賞品あげちゃおうかな。ほら、ドワーフの村で買って来たこの懐中時計。僕とお揃いだよ」

「小僧!それはダニーの工房だな?」
「すごくいい感じ。気に入ったよ」

「レジーお前…、何だかんだで満喫してねぇ?」
「あれ?アーニーも何か買ってなかった?」
「…ガキどもに揃いのネームタグをな」


相変わらず面倒見のいい…。
それにしても…、ドワーフ印の逸品である懐中時計は騎士たちの男心にジャストミート!


「ドワーフ…、この勝負、勝ちは譲らん!」
「ばかもの!勝つのはわしだ!」
「ふざけるな!あの時計は俺のものだ!」


さっそく打ち解けたようで何よりだ。



そうそう。酔いつぶれる前に確認したところ、透明化ボックスは確かにキャラバンと共に買い付けに来たどこかの大商人に売ったとか。多分ウォーデモンね。
でも魔力増幅の義眼や魔力共有の杖などは、彼らだけじゃなくドワーフの誰も作っていないという話だった。

つまりあれらはゲスマンのお抱え魔導士が開発した道具であり別口ってことね。どうりで品の無い魔道具だと思った!




そして翌朝、朝食後すぐに屋敷を発った僕とアーニー、二日酔い…いや、三日酔いのドワーフ兄弟。彼らは初めて見るウエストエンドに身を白黒させている…。


「本当に獣人族と暮らしておるのだな…。」
「今からいくクーデンホーフ領にもここほどじゃねぇが居るぜ。」

「クラレンス王国は元々獣人を受け入れようとしてたんだよ。けど上から言うんじゃ獣人さんだって受け入れ難いじゃない?うちはそういうとこフラットだから。完全能力主義ね。その能力にも色々あるよ?頭でも力でも爽やかな笑顔でも…、モフモフでも」

「お前…、毛触りで手当て出すの止めろよ。どこのエロじじいだ。スキニーピッグが泣いてたぞ」
「彼はあのままで十分可愛いのに。でも抜かりなく暖かい帽子贈っておいた。僕は気の付く男だよ?」
「はぁ?」

「なんだ。お前は毛が好きなのか」
「あ、ケモ毛ね。」


ドワーフの誤解を招いては大変である。





「ほう、ここには海…、いや大湖があるのだな」

「人工のね」
「こいつが作ったんだぜ。狂魔力で」

「狂魔…?つまりお前は相当の魔力持ちということか?」


はい、ドワーフも狂魔力はご存じない、と。


「ほら、そこにあんのがカピパラの風呂屋だぜ。俺のおすすめ。」
「時々ニホンザル獣人のニッコウさんも肩まで浸かってるよ。顔真っ赤にして」

「ほほう」

「あっちがカバのイソジンがやってる一杯飲み屋な。」
「常連はお酒の強いスイギュウさんとサイさん、木こりだよ。主にタックルで倒してるけど」

「そうかそうか」

「あ、カワウソのレディには絶対テンとか言っちゃダメだからね…コワイから…」
「覚えておこう」


窓から見えるのは山と水辺のあるまだまだ発展途上なクーデンホーフ領。農民と獣が和気あいあいと立ち話をするその光景は彼らの警戒心を緩めたようだ。

ほら、ウエストエンドは結構貴族の方(ほぼ旅行者)多いから…。





「さあ着いた!ビルさん、ビフさん、ここがあなたたちの第二の故郷となるクーデンホーフ領だよ。シュバルツお出迎えありがとう」

「いや、大役を果たされお疲れであろう。…、…、その、…レジナルド」
「アーニーもヴォルフもいたから大丈夫」

「ぷっ!」バシィ!「痛てぇ」


まだ少しぎこちないけど…よく出来ました。…ってか、アーニー、その顔ヤメロ!





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