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エンブリーの一コマ
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「シェイナさまはジェロームさまがだいすきなんですわね」
「……ええとても」
人一倍繊細なシェイナは、兄であるシャノン様、そして私以外と気安く語らう事はない。必要であれば完璧な社交をこなしもするが、打ち解けているとはとても言い難い。
そんなシェイナの目の前に居るのは、今年八歳になられたばかりのローザ嬢。ポーレット家のご息女らしく、とても品の良い、だが子供らしい天真爛漫さをふりまく美少女だ。
シャノンさまの分身として大人の精神を持つシェイナ。いつもならば子供の拙い会話などまともに相手はしないのだが、相手がローザ嬢ではそうもいかない。
なにしろローザ嬢は序列第一ポーレット侯のご息女にして同じく王妹を縁に持つ身。高貴な身分のシェイナ自身と同位、いや、今となっては王太子の婚約者としてこの国の頂点に立つ令嬢と言える。
さすがのシェイナもローザ嬢をあしらいは出来ないようだ。
「とってもすてきだわ!しんせいなる力でむすばれたきせきの二人。いのちを分けあううんめいのこいびとどうし。なんてすばらしいのかしら」
「それぐらいでローザ様。恥ずかしゅうございます」
「まっ!なぜですの?はずかしいことなんて少しもありませんでしょう?」
「そ!それよりローザ様、ローザ様はお妃教育はもうお始めなのでしょうか」
「ええ。はじめておりましてよ」
無邪気なローザ嬢に押され気味のシェイナ。こんなシェイナの姿を見れるのならば…この訪問は儲けものだったかもしれない。
「お妃教育は大変でございましょう」
「いいえ。少しもそんなことございませんわ」
「…愛するトレヴァー殿下が側におられるからですか…?」
昔の辛い思い出がよぎるのか、少し眉を寄せ厭わしそうに声をかけるシェイナ。だがそれに応えたのは意外にも明るい声。その理由に思い至って、またもほんの少しだけ目を伏せるシェイナ。だが返ってきた返事は…
「じつはシャノンさまが」
「ノン…?」
「アドリアナさまにかけあってひつようのないものをけずってくださいましたの」
「え…」
「かんぺきでなくてもいいとおっしゃって」
そうだったのか!シャノン様はご自分のような辛い思いをローザ様にはさせまいと、すでに手を打っておられたのだ…
「それからこうもおっしゃいました。「あいたじかんでシェイナさまのもとへあそびに来てね」と」
「そんなことをノンが…」
「だからきましたの。シャノンさまったらしょうたいじょうをわすれるなんてうっかりですわね」
シャノン様の思いやりにフフと微笑むシェイナ。
だがここで顔をあげたのが、先ほどから黙々と水槽を覗いていらしたトレヴァー殿下だ。
この水槽は私の誕生日にシャノン様から贈られた特別な品、ガラスの容器で稚魚を飼う…という、大変珍しい試みのものだ。
トレヴァー殿下はそれを気に入りパン屑をやりながら眺めていらしたのだが、どうも聞き逃せない部分があったらしい。
「ローザ、シャノン様は「いつか機会があったらエンブリーにも遊びに来てね」と言われたのじゃなかったかな?」
「いつかエンブリーにおいでくださいというお気持ちでじかんをつくってくださったのでしょう?ここにはシェイナさまがいますしおなじことですわ」
「そう……かもしれないね。あと君には完璧を求めないとおっしゃったが、私には「長男を反面教師に内政しっかり頼みますよ、次期お・う・さ・ま」と、尋常じゃないほど講義を増やしていったよ」
「まぁ!そうでしたの!」
「だから君のお誘いを利用してポーレット領へ逃げ出したのだよ」
「まっ!フフフ、ではおやくにたちました?」
「フフ、ええとても」
「ノン…」
「シャノン様…」
「まさかここまで遠出になるとは思わなかったけれどね…」
「……」
小さく呟いた殿下の言葉を私は聞かなかったことにした。
「ところでシェイナさまはもうかみをお伸ばしにはなりませんの?」
「え…、あ、いえ」
シェイナはエンブリーへ来てからも肩にかからない程度の髪とトラウザーズ姿を続けている。
ルテティアの社交界には様々な夫婦の形が在る。そのため何を着ようがどんな頭髪であろうが、それ自体を咎められることは無い。それでも男装姿の令嬢は流石にかなり異例の事だ。恐らくシェイナは私と初めて会った当時の姿を頑なに守り続けているのだろう。
「分かりましたわ!ジェロームさまのおこのみですのね!」
えっ?
「ローザ様!な、なにを!」
「そうなのでしょう?ではおようふくもジェロームさまがおえらびに?」
「いえ、そんな、ち、ちがいます」
「まぁぁ!おかくしにならないで!そうですわ!シュッとしたシェイナさまにはこの方がおにあいですもの!ねぇジェロームさま?」
正直なところ、私はシェイナがシェイナであればどちらでも構わないと思っているのだが…、ローザ嬢に詰め寄られるシェイナには助け船が必要だろうか…
「ええ。実はその通りなのです。初めて会った時から襟足から少しだけ見え隠れする白い首筋が目に焼き付いておりまして…」
「ジェローム!ジェリー!」
「まぁ!」
…これは…裏目にでてしまったらしい…
「あら!シェイナさまってばまっ赤ですわ!ほらジェロームさま、あおいでさしあげて」
「い、いいえ、大丈夫ですから…」
「ローザ、シェイナ嬢がお困りだよ。もうそれくらいで」
「で、ではトレヴァー殿下はローザ様のどこがお好きなのでしょう」
これは珍しい。どうも彼女は仕返しをしたいらしい。
大人びたシェイナが垣間見せる素の姿。これを引き出すローザ嬢こそ彼女には必要なのではないだろうか…
「可愛らしい笑顔でしょうか?それとも無邪気なお振る舞いでしょうか?僕のことよりぜひそれを聞かせて頂きたいものです」
「そうですね…しいて言うなら全部です。ローザに好ましくないところなど少しもありませんよ」
「まあトレバーさまったら!ウフフ、もっとおっしゃってもよろしくてよ」
笑い合う二人を横目に小さな声で耳打ちする。
「…残念シェイナ。無邪気なローザ嬢には通じないようだね」
「敵いませんね、ローザ様には…」
「いいんだよ、君はそのままで」
「ジェローム…」
弱みを見せない意地っ張り、そんなシェイナだからこそ惹かれてやまないのだから…
「……ええとても」
人一倍繊細なシェイナは、兄であるシャノン様、そして私以外と気安く語らう事はない。必要であれば完璧な社交をこなしもするが、打ち解けているとはとても言い難い。
そんなシェイナの目の前に居るのは、今年八歳になられたばかりのローザ嬢。ポーレット家のご息女らしく、とても品の良い、だが子供らしい天真爛漫さをふりまく美少女だ。
シャノンさまの分身として大人の精神を持つシェイナ。いつもならば子供の拙い会話などまともに相手はしないのだが、相手がローザ嬢ではそうもいかない。
なにしろローザ嬢は序列第一ポーレット侯のご息女にして同じく王妹を縁に持つ身。高貴な身分のシェイナ自身と同位、いや、今となっては王太子の婚約者としてこの国の頂点に立つ令嬢と言える。
さすがのシェイナもローザ嬢をあしらいは出来ないようだ。
「とってもすてきだわ!しんせいなる力でむすばれたきせきの二人。いのちを分けあううんめいのこいびとどうし。なんてすばらしいのかしら」
「それぐらいでローザ様。恥ずかしゅうございます」
「まっ!なぜですの?はずかしいことなんて少しもありませんでしょう?」
「そ!それよりローザ様、ローザ様はお妃教育はもうお始めなのでしょうか」
「ええ。はじめておりましてよ」
無邪気なローザ嬢に押され気味のシェイナ。こんなシェイナの姿を見れるのならば…この訪問は儲けものだったかもしれない。
「お妃教育は大変でございましょう」
「いいえ。少しもそんなことございませんわ」
「…愛するトレヴァー殿下が側におられるからですか…?」
昔の辛い思い出がよぎるのか、少し眉を寄せ厭わしそうに声をかけるシェイナ。だがそれに応えたのは意外にも明るい声。その理由に思い至って、またもほんの少しだけ目を伏せるシェイナ。だが返ってきた返事は…
「じつはシャノンさまが」
「ノン…?」
「アドリアナさまにかけあってひつようのないものをけずってくださいましたの」
「え…」
「かんぺきでなくてもいいとおっしゃって」
そうだったのか!シャノン様はご自分のような辛い思いをローザ様にはさせまいと、すでに手を打っておられたのだ…
「それからこうもおっしゃいました。「あいたじかんでシェイナさまのもとへあそびに来てね」と」
「そんなことをノンが…」
「だからきましたの。シャノンさまったらしょうたいじょうをわすれるなんてうっかりですわね」
シャノン様の思いやりにフフと微笑むシェイナ。
だがここで顔をあげたのが、先ほどから黙々と水槽を覗いていらしたトレヴァー殿下だ。
この水槽は私の誕生日にシャノン様から贈られた特別な品、ガラスの容器で稚魚を飼う…という、大変珍しい試みのものだ。
トレヴァー殿下はそれを気に入りパン屑をやりながら眺めていらしたのだが、どうも聞き逃せない部分があったらしい。
「ローザ、シャノン様は「いつか機会があったらエンブリーにも遊びに来てね」と言われたのじゃなかったかな?」
「いつかエンブリーにおいでくださいというお気持ちでじかんをつくってくださったのでしょう?ここにはシェイナさまがいますしおなじことですわ」
「そう……かもしれないね。あと君には完璧を求めないとおっしゃったが、私には「長男を反面教師に内政しっかり頼みますよ、次期お・う・さ・ま」と、尋常じゃないほど講義を増やしていったよ」
「まぁ!そうでしたの!」
「だから君のお誘いを利用してポーレット領へ逃げ出したのだよ」
「まっ!フフフ、ではおやくにたちました?」
「フフ、ええとても」
「ノン…」
「シャノン様…」
「まさかここまで遠出になるとは思わなかったけれどね…」
「……」
小さく呟いた殿下の言葉を私は聞かなかったことにした。
「ところでシェイナさまはもうかみをお伸ばしにはなりませんの?」
「え…、あ、いえ」
シェイナはエンブリーへ来てからも肩にかからない程度の髪とトラウザーズ姿を続けている。
ルテティアの社交界には様々な夫婦の形が在る。そのため何を着ようがどんな頭髪であろうが、それ自体を咎められることは無い。それでも男装姿の令嬢は流石にかなり異例の事だ。恐らくシェイナは私と初めて会った当時の姿を頑なに守り続けているのだろう。
「分かりましたわ!ジェロームさまのおこのみですのね!」
えっ?
「ローザ様!な、なにを!」
「そうなのでしょう?ではおようふくもジェロームさまがおえらびに?」
「いえ、そんな、ち、ちがいます」
「まぁぁ!おかくしにならないで!そうですわ!シュッとしたシェイナさまにはこの方がおにあいですもの!ねぇジェロームさま?」
正直なところ、私はシェイナがシェイナであればどちらでも構わないと思っているのだが…、ローザ嬢に詰め寄られるシェイナには助け船が必要だろうか…
「ええ。実はその通りなのです。初めて会った時から襟足から少しだけ見え隠れする白い首筋が目に焼き付いておりまして…」
「ジェローム!ジェリー!」
「まぁ!」
…これは…裏目にでてしまったらしい…
「あら!シェイナさまってばまっ赤ですわ!ほらジェロームさま、あおいでさしあげて」
「い、いいえ、大丈夫ですから…」
「ローザ、シェイナ嬢がお困りだよ。もうそれくらいで」
「で、ではトレヴァー殿下はローザ様のどこがお好きなのでしょう」
これは珍しい。どうも彼女は仕返しをしたいらしい。
大人びたシェイナが垣間見せる素の姿。これを引き出すローザ嬢こそ彼女には必要なのではないだろうか…
「可愛らしい笑顔でしょうか?それとも無邪気なお振る舞いでしょうか?僕のことよりぜひそれを聞かせて頂きたいものです」
「そうですね…しいて言うなら全部です。ローザに好ましくないところなど少しもありませんよ」
「まあトレバーさまったら!ウフフ、もっとおっしゃってもよろしくてよ」
笑い合う二人を横目に小さな声で耳打ちする。
「…残念シェイナ。無邪気なローザ嬢には通じないようだね」
「敵いませんね、ローザ様には…」
「いいんだよ、君はそのままで」
「ジェローム…」
弱みを見せない意地っ張り、そんなシェイナだからこそ惹かれてやまないのだから…
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