106 / 225
見切り発車の脱輪
しおりを挟む
その日の週末、僕はゲームではお馴染みだが自分の目では一度も見ていないという、学院の正門前でヴィットーレを待ちぶせていた。
ヴィットーレは水曜をカタリーナ様の講義にあてたことで、本来の授業を移動したため非常にタイパの悪い勤務状況が続いている。
そこでこうして週末時々、授業の準備をしに学院へ来ているのだ。
「あ、来た。こっちこっち」
少し離れたところで馬車を降りこちらに向かっていたヴィットーレは、僕に気付くと純朴な教師の顔を脱ぎ捨て面倒そうに近づいてきた。
「朝から何の用だ」
「ちょっと話があって…少し時間いい?」
卒業生の僕は学院への出入りがフリーパスだ。けどビクビクする守衛さんを見るにフリーパスの理由はそれだけではないのだろう…。イヴァーノ、何やった?
便利だからこのままでいいけど。
さて、通されたのはヴィットーレの個室。
この学院では教師一人一人に個室が与えられていて広さは家格に準じている。
ヴィットーレは三男とはいえ侯爵家の息子、多分6畳くらいの部屋だろうか。
「で?」
「へへ…お願いがありまして」
揉み手刷り手で語る計画、それはカタリーナ様とヴィットーレの間にちょっとしたロマンスの噂を流させて欲しい、という誠心誠意のお願いだ。
ヴィットーレは序列は高くないが一応侯爵家の息子である。
そしてカタリーナ様とは現在進行形で接点がある。普通に考えたらこっちのほうが順当じゃね?やや歳の差はあるけど。
そう。僕は変な噂をより現実的な噂によって塗り替えようと思ったのだ。
お父さんを見返したいヴィットーレにとって、たとえ噂でも王女とのロマンスは名誉の極みだし、カタリーナ様もデートと称して勉強の機会を増やすことも出来る。うってつけの相手だと思ったのだが…
「そのことだが…カタリーナ様はしばらく静かに暮らしたいとお望みだ。当然王にも王妃にもその旨はお伝えだろう。であれば放っておけばいい。姫の希望を優先すると言うのであれば今すぐ無理強いなどされないだろう」
「けどフラヴィオは噂自体を嫌がってて」
「ああ。あの御仁であればそうかもな。彼は実に実直な男だ」
誠実そうなヴィットーレと違ってフラヴィオは誠実だからね。もしかしてヴィットーレがフラヴィオに好感を持つのは眩しさゆえだろうか?
「勘違いするな。私は父に褒められたいのではない。見返したいのだ」
静かにスッと色を変える瞳。これが…腐女子たちを沼らせたヴィットーレ真の顔か…僕には効かないけど。
「私は私を冷遇した父に、兄たちに思い知らせたいのだ。家族の中で最も賢く誰より秀でているのはヴィットーレであったとな。姫殿下に慕われる…それは父や母にとってどれほど名誉なことだろうか。だが私にとってそれは私の優秀さを示すものではない。無意味な名誉だ」
「ヴィットーレ先生…」
「イヴァーノ君、ずいぶん大人になったと感じていたのだが安易な結論に飛びつく癖は変っていないのだな。気をつけたまえ」
ぐっ…、まるで教師みたい。って、教師だったわ。けどまあ…ヴィットーレの信念は伝わってきた。これは彼の流儀じゃない。
「そっかゴメンナサイ。僕が間違えた」
「…イヴァーノ君、君が頭を下げるとは…」
「でも先生、僕が先生が喜ぶと思ってこれを提案したことだけは信じてほしい。先生をチョロイとか思ってたわけじゃ…」
…少しね。すこーしだけ思ってたけど。
ポンポン「叱って悪かった。分かっている…君の瞳に嘘はなかった。気持ちだけはありがたく受け取ろう」
「うん」ジワ…
「イ、イヴァーノ君…?」
「ちょっと花粉症が…」ズズ「もう行きます」
「ま、待ちたまえ!イヴァーノ!…イヴァーノ…」
タタタタタ…
「ヘックチン!」
あー、鼻がムズムズした。
くしゃみをした事でふと我に返る。なにかが腑に落ちない…
ヴィットーレのドラマチックな主張にうっかり胸を打たれていたが…、その賢さや優秀さを裏工作に全振りしている時点で説得力皆無だということに。
いや必要だよ?選挙に対策も準備も必要だよ?それも優秀さの一端だよ?間違っちゃないよ?
だが心を揺さぶられはしない。これだから二面性キャラは油断ならない。僕の感動を返せー!
それはさておきマズイな…。ヴィットーレとカタリーナ様を言い包めて時間を稼ぐ、という計画がとん挫してしまった。あれほどフラヴィオに大見得きったのに代案がない…どうしよう。
手をこまねいたまま迎えたある水曜。ヴィットーレの帰った室内に残ったのはエヴァとカタリーナ様。
…く、気まずい…
その気まずい空気の中、カタリーナ様は気まずそうな顔で気まずそうに話し始めた。そうとう気まずい案件なのだろう。
「困ったわエヴァ、どうしましょう」
「どうしましたカタリーナ様」
「その…あなたやフラヴィオに迷惑を掛けそうな事態なのよ」
「あ、…あの件です…」
「知っていたのね…」
「それはこっちのセリフです。知ってたんですか?」
情報源は侍女のモニカさんだ。王女の侍女には貴族位の令嬢が就く。当然モニカさんのご両親も社交の場へ出向いている。つまり例の噂などとうに把握済みなのだろう。
「とりあえず確認ですけどカタリーナ様、そんな気ないですよね?」
「もちろんよ。あなた方二人の愛し合う姿がわたくし大好きだもの。水を差したりしないわ」
「あー良かった」
「それがそうでもないの…」
「え?」
「お母様がその噂を耳にしてその気になり始めているの…」
「え!」
王妃殿下の侍女には高位貴族の令嬢が就く。以下略…
王妃様が噂を耳にしていた…ノォォォォ!
さすがに僕でも分かる!これはもしお願いされたら断れないやつだ!
いやいやいや。ご飯や部屋じゃあるまいし、僕に夫をシェアする選択肢など存在しない。拒否一択でしょ!
「と、とりあえず全力で阻止しといてくださいね!」
「もちろんそのつもりよ。それでもいつまでもというわけにはいかなくてよ?お母様はお父様以上にわたくしの行く末を案じておられるの」
先手打ってレールを敷くタイプか…厄介だな。
「カタリーナ様、真の解放を望むならここが正念場ですよ!踏ん張ってください!」
ああー!!!ヴィットーレ計画を過信したばかりに無駄な時間をくってしまった!僕のバカー!
異世界生活初の、絶体絶命大ピーンチ!
ヴィットーレは水曜をカタリーナ様の講義にあてたことで、本来の授業を移動したため非常にタイパの悪い勤務状況が続いている。
そこでこうして週末時々、授業の準備をしに学院へ来ているのだ。
「あ、来た。こっちこっち」
少し離れたところで馬車を降りこちらに向かっていたヴィットーレは、僕に気付くと純朴な教師の顔を脱ぎ捨て面倒そうに近づいてきた。
「朝から何の用だ」
「ちょっと話があって…少し時間いい?」
卒業生の僕は学院への出入りがフリーパスだ。けどビクビクする守衛さんを見るにフリーパスの理由はそれだけではないのだろう…。イヴァーノ、何やった?
便利だからこのままでいいけど。
さて、通されたのはヴィットーレの個室。
この学院では教師一人一人に個室が与えられていて広さは家格に準じている。
ヴィットーレは三男とはいえ侯爵家の息子、多分6畳くらいの部屋だろうか。
「で?」
「へへ…お願いがありまして」
揉み手刷り手で語る計画、それはカタリーナ様とヴィットーレの間にちょっとしたロマンスの噂を流させて欲しい、という誠心誠意のお願いだ。
ヴィットーレは序列は高くないが一応侯爵家の息子である。
そしてカタリーナ様とは現在進行形で接点がある。普通に考えたらこっちのほうが順当じゃね?やや歳の差はあるけど。
そう。僕は変な噂をより現実的な噂によって塗り替えようと思ったのだ。
お父さんを見返したいヴィットーレにとって、たとえ噂でも王女とのロマンスは名誉の極みだし、カタリーナ様もデートと称して勉強の機会を増やすことも出来る。うってつけの相手だと思ったのだが…
「そのことだが…カタリーナ様はしばらく静かに暮らしたいとお望みだ。当然王にも王妃にもその旨はお伝えだろう。であれば放っておけばいい。姫の希望を優先すると言うのであれば今すぐ無理強いなどされないだろう」
「けどフラヴィオは噂自体を嫌がってて」
「ああ。あの御仁であればそうかもな。彼は実に実直な男だ」
誠実そうなヴィットーレと違ってフラヴィオは誠実だからね。もしかしてヴィットーレがフラヴィオに好感を持つのは眩しさゆえだろうか?
「勘違いするな。私は父に褒められたいのではない。見返したいのだ」
静かにスッと色を変える瞳。これが…腐女子たちを沼らせたヴィットーレ真の顔か…僕には効かないけど。
「私は私を冷遇した父に、兄たちに思い知らせたいのだ。家族の中で最も賢く誰より秀でているのはヴィットーレであったとな。姫殿下に慕われる…それは父や母にとってどれほど名誉なことだろうか。だが私にとってそれは私の優秀さを示すものではない。無意味な名誉だ」
「ヴィットーレ先生…」
「イヴァーノ君、ずいぶん大人になったと感じていたのだが安易な結論に飛びつく癖は変っていないのだな。気をつけたまえ」
ぐっ…、まるで教師みたい。って、教師だったわ。けどまあ…ヴィットーレの信念は伝わってきた。これは彼の流儀じゃない。
「そっかゴメンナサイ。僕が間違えた」
「…イヴァーノ君、君が頭を下げるとは…」
「でも先生、僕が先生が喜ぶと思ってこれを提案したことだけは信じてほしい。先生をチョロイとか思ってたわけじゃ…」
…少しね。すこーしだけ思ってたけど。
ポンポン「叱って悪かった。分かっている…君の瞳に嘘はなかった。気持ちだけはありがたく受け取ろう」
「うん」ジワ…
「イ、イヴァーノ君…?」
「ちょっと花粉症が…」ズズ「もう行きます」
「ま、待ちたまえ!イヴァーノ!…イヴァーノ…」
タタタタタ…
「ヘックチン!」
あー、鼻がムズムズした。
くしゃみをした事でふと我に返る。なにかが腑に落ちない…
ヴィットーレのドラマチックな主張にうっかり胸を打たれていたが…、その賢さや優秀さを裏工作に全振りしている時点で説得力皆無だということに。
いや必要だよ?選挙に対策も準備も必要だよ?それも優秀さの一端だよ?間違っちゃないよ?
だが心を揺さぶられはしない。これだから二面性キャラは油断ならない。僕の感動を返せー!
それはさておきマズイな…。ヴィットーレとカタリーナ様を言い包めて時間を稼ぐ、という計画がとん挫してしまった。あれほどフラヴィオに大見得きったのに代案がない…どうしよう。
手をこまねいたまま迎えたある水曜。ヴィットーレの帰った室内に残ったのはエヴァとカタリーナ様。
…く、気まずい…
その気まずい空気の中、カタリーナ様は気まずそうな顔で気まずそうに話し始めた。そうとう気まずい案件なのだろう。
「困ったわエヴァ、どうしましょう」
「どうしましたカタリーナ様」
「その…あなたやフラヴィオに迷惑を掛けそうな事態なのよ」
「あ、…あの件です…」
「知っていたのね…」
「それはこっちのセリフです。知ってたんですか?」
情報源は侍女のモニカさんだ。王女の侍女には貴族位の令嬢が就く。当然モニカさんのご両親も社交の場へ出向いている。つまり例の噂などとうに把握済みなのだろう。
「とりあえず確認ですけどカタリーナ様、そんな気ないですよね?」
「もちろんよ。あなた方二人の愛し合う姿がわたくし大好きだもの。水を差したりしないわ」
「あー良かった」
「それがそうでもないの…」
「え?」
「お母様がその噂を耳にしてその気になり始めているの…」
「え!」
王妃殿下の侍女には高位貴族の令嬢が就く。以下略…
王妃様が噂を耳にしていた…ノォォォォ!
さすがに僕でも分かる!これはもしお願いされたら断れないやつだ!
いやいやいや。ご飯や部屋じゃあるまいし、僕に夫をシェアする選択肢など存在しない。拒否一択でしょ!
「と、とりあえず全力で阻止しといてくださいね!」
「もちろんそのつもりよ。それでもいつまでもというわけにはいかなくてよ?お母様はお父様以上にわたくしの行く末を案じておられるの」
先手打ってレールを敷くタイプか…厄介だな。
「カタリーナ様、真の解放を望むならここが正念場ですよ!踏ん張ってください!」
ああー!!!ヴィットーレ計画を過信したばかりに無駄な時間をくってしまった!僕のバカー!
異世界生活初の、絶体絶命大ピーンチ!
1,012
あなたにおすすめの小説
溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~
液体猫(299)
BL
毎日投稿だけど時間は不定期
【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸にクリスがひたすら愛され、大好きな兄と暮らす】
アルバディア王国の第五皇子クリスは冤罪によって処刑されてしまう。
次に目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。
巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。
かわいい末っ子が過保護な兄たちに可愛がられ、溺愛されていく。
やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな気持ちで新たな人生を謳歌する、コミカル&シリアスなハッピーエンド確定物語。
主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ
⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌
⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。
婚約破棄された婚活オメガの憂鬱な日々
月歌(ツキウタ)
BL
運命の番と巡り合う確率はとても低い。なのに、俺の婚約者のアルファが運命の番と巡り合ってしまった。運命の番が出逢った場合、二人が結ばれる措置として婚約破棄や離婚することが認められている。これは国の法律で、婚約破棄または離婚された人物には一生一人で生きていけるだけの年金が支給される。ただし、運命の番となった二人に関わることは一生禁じられ、破れば投獄されることも。
俺は年金をもらい実家暮らししている。だが、一人で暮らすのは辛いので婚活を始めることにした。
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
【完結】塩対応の同室騎士は言葉が足らない
ゆうきぼし/優輝星
BL
騎士団養成の寄宿学校に通うアルベルトは幼いころのトラウマで閉所恐怖症の発作を抱えていた。やっと広い二人部屋に移動になるが同室のサミュエルは塩対応だった。実はサミュエルは継承争いで義母から命を狙われていたのだ。サミュエルは無口で無表情だがアルベルトの優しさにふれ少しづつ二人に変化が訪れる。
元のあらすじは塩彼氏アンソロ(2022年8月)寄稿作品です。公開終了後、大幅改稿+書き下ろし。
無口俺様攻め×美形世話好き
*マークがついた回には性的描写が含まれます。表紙はpome村さま
他サイトも転載してます。
悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る
竜鳴躍
BL
異性間でも子どもが産まれにくくなった世界。
子どもは魔法の力を借りて同性間でも産めるようになったため、性別に関係なく結婚するようになった世界。
ファーマ王国のアレン=ファーメット公爵令息は、白銀に近い髪に真っ赤な瞳、真っ白な肌を持つ。
神秘的で美しい姿に王子に見初められた彼は公爵家の長男でありながら唯一の王子の婚約者に選ばれてしまった。どこに行くにも欠かせない大きな日傘。日に焼けると爛れてしまいかねない皮膚。
公爵家は両親とも黒髪黒目であるが、彼一人が色が違う。
それは彼が全てアルビノだったからなのに、成長した教養のない王子は、アレンを魔女扱いした上、聖女らしき男爵令嬢に現を抜かして婚約破棄の上スラム街に追放してしまう。
だが、王子は知らない。
アレンにも王位継承権があることを。
従者を一人連れてスラムに行ったアレンは、イケメンでスパダリな従者に溺愛されながらスラムを改革していって……!?
*誤字報告ありがとうございます!
*カエサル=プレート 修正しました。
専属【ガイド】になりませんか?!〜異世界で溺愛されました
sora
BL
会社員の佐久間 秋都(さくま あきと)は、気がつくと異世界憑依転生していた。名前はアルフィ。その世界には【エスパー】という能力を持った者たちが魔物と戦い、世界を守っていた。エスパーを癒し助けるのが【ガイド】。アルフィにもガイド能力が…!?
[離婚宣告]平凡オメガは結婚式当日にアルファから離婚されたのに反撃できません
月歌(ツキウタ)
BL
結婚式の当日に平凡オメガはアルファから離婚を切り出された。お色直しの衣装係がアルファの運命の番だったから、離婚してくれって酷くない?
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる