銀色狼と空駒鳥のつがい ~境界の守り人~

彩田和花

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中学生編

9羽 赤い糸の契

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狼谷家かみたにけのリビングのある壁掛け時計がまもなく20時を指す頃─。
加納正子は勝ち誇ったように笑ってソファーに腰掛けていた。
同じリビングには加納正子の他に、頼輝らいきの帰りを信じて彼が残した空駒鳥の髪飾りを胸に抱き、祈るように目を閉じた璃音りね、狼谷家の当主颯輝そうきとその妻のすみれ、そして長男の春輝はるき、春輝のつがいの鹿村しかむら洋榎ひろえ、診療所の所長であり法璃のりあきの幼馴染の那須田なすだ奈緒なお、璃音の隣に寄り添うように璃音の親友の花井留奈がいた。
「もうすぐ約束の時間ですよ?
璃音ちゃん、貴方の幼馴染くん、口だけだったようね?
そろそろここを出ますから支度をなさい。」
「・・・頼輝は必ず約束を果たします・・・!
だから私、時間まではここから動きません!」
璃音はキッ!と鋭い目つきで正子に反論した。
「まぁまぁ、あんたが乗るのって富蘭ふらん駅から出る21時半の新幹線だろ?
それならうちの親父が車を出せば20時半過ぎに家を出ても余裕で間に合うぜ?
だからまだゆっくりしてなって。」
春輝がそう言って正子に珈琲を出した。
「あ、貴方・・・彼のお兄さん?
これまた大層なイケメンですこと・・・。
でも、その口の訊き方はいただけませんわね・・・。」
「あー、サーセン☆
俺頭悪いから敬語が身につかなくってさ!
でも、そのぶんこのケーキには正子ちゃんにくつろいで欲しいって気持ちを沢山込めたんだぜ?
だから食ってってよ♡」
そう言って極上スマイルで抹茶のロールケーキを差し出した。
「ま、正子ちゃん!?」
正子は目を見開き素っ頓狂な声をあげた後、非常に見目麗しい極上スマイルの春輝に”ちゃん付け”されたことが満更でもなかったのか、頬を染めてからオホン!と咳払いをし、緩む頬を引き締めるように眉を吊り上げながらケーキを口にした。
「あら、とっても美味し・・・オホン!
ま、まぁまぁね・・・!
抹茶のしっとりしたスポンジと甘すぎない小豆の生クリームが絶妙な組み合わせ・・・
それが少し濃い目の珈琲にとても良く合っていて・・・・・。」
大層お気に召したようで表情を綻ばせるともう一口、更に一口と次々に口に運び始めた。
「だろ?
ゆっくり食ってていーぜ?
おかわりもあるしな!」
春輝は営業スマイルを正子に向けながら、気付かれないように時計を見た。
時計は8時3分前を指していた。
「・・・貴方、その言葉使いさえ改めれば私の行きつけの店でナンバーワンを取れる器量じゃないかしら・・・?
どう?
高校を卒業したら京都に来ない?
オーナーと仲良しだから紹介してあげるわよ?」
そう言って正子は品定めするかのように春輝を上から下まで熱っぽい目で見た。
春輝はそれを気にも止めず、その形の良い耳をピクッ!と動かした。
耳の良い彼は遠くから聴こえる物音で何かを察したらしく、営業スマイルはもう必要ないなと判断し、急に真顔に戻ると正子に冷淡に返した。
「あ?
スケベなばーさんの相手とかマジ勘弁なんだけど。」
「は!?なんですって!?」
と正子が逆上して机に手をついたところで玄関のチャイムが鳴り、息を切らした頼輝と法璃がリビングに駆け込んできた。
「「「!!!」」」
その場にいた正子以外の者は皆ホッとして表情を緩め、二人を見た。
「頼輝!!」
璃音は席を立ち、涙目で頼輝に駆け寄った。
そして、頼輝の後ろにいる始めて会う法璃に視線を移した。
法璃はまだ少し息を乱したまま、璃音に穏やかに笑いかけた。
二人は暫く無言で見つめ合い、同じ空色の瞳に自然と涙が滲むのだった。
「おじいちゃん・・・ですか・・・?」
「うん・・・。
最上さいじょう法璃のりあき・・・最上さいじょう真璃まるの息子です。
璃音ちゃんだね?」
「おじいちゃん!おじいちゃん!!」
璃音はポロポロと涙を零しながら法璃の胸に飛び込んだ。
「今までごめんね・・・。
これからは僕が君の親として精一杯守るから。」
法璃は璃音を抱き締める。
壁に寄りかかっていた那須田奈緒がホッとしたような顔で二人を見て涙を拭った。
「法璃・・・生きていたのね・・・!」
正子は悔しさに顔を歪め、法璃を睨んだ。
法璃は強い意志を胸に、拳をグッと握りしめると、顔を上げて正子を見た。
「君が探偵を使って時々僕を探していたのは知っているよ。
僕の患者さんにそういうのを見つけるのが得意な人がいて、事前に教えてくれたから見つからずに済んだけど、君のおかげで何度も何度も転居させられた。
本当に迷惑極まりなかったよ。
離婚の慰謝料だって言い値で払ったし、璃人りひとの養育費だって成人までずっと払い続けたのに、金使いの荒い君はまだ僕からむしり取るつもりなんだね。
君と関わるのが面倒でずっと避けていたけれど、それも今日で終わりにする。」
法璃はそう言うと鞄から小切手を取り出した。
「単刀直入に言う。
もう二度と僕と璃音の前に現れないと約束できるならここに5千万と書こう。」
法璃は鋭い眼で正子を見てそう告げた。
「ご、5千万!?
そんな大金、あなたどうやって・・・!?」
正子は驚いて目を見開いた。
「君と別れてから生きるために色んな仕事をしたからね・・・。
でも、そのおかげである筋の人に信頼を得たし、金もそれなりに貯まったよ。
金の無心しか考えていない君にはもってこいの話だろう?
だが・・・いいかい?
その小切手を受け取るのなら、この書類に印鑑を貰うよ。
印鑑を持っていないのなら拇印ぼいんでもいい。
もし君が約束をたがって僕と璃音の前に再び現れたのなら・・・ここに書かれている通り君の眼を抉るからね・・・。」
法璃は普段の穏やかな様子から想像もつかない黒い笑みで静かに正子を脅した。
「ふん!
あの臆病な貴方がそんなこと出来るわけないわ!」
正子はまだ負けじと反論した。
「自分の時に出来たんだ。
他人の目なんて簡単だよ?」
そう言って法璃は眼帯を外してみせた。
「・・・・・!!!」
正子はその眼帯の下を見て青ざめ、ガタガタと震えながら書類に押印おういんし、小切手を受け取って逃げるように京都へ帰って行った。

「おじいちゃん・・・おじいちゃん・・・!」
璃音は法璃の胸で声にならない声を上げて泣き続けた。
「怖い思いをさせてしまったかな・・・。
ごめんね・・・。」
璃音は無言で頭を振った。
「僕は暗いところを生きてきた人間だ。
こんな僕が君の親で本当に良いのかい?」
法璃は不安そうに瞳を揺らして璃音にそっと問いかけた。
「いいに決まってます!
頼輝があなたを連れてきてくれたんだもの!
それは、頼輝が貴方を見て、私の家族になれる人だと思ったから・・・だよね?」
そう言って璃音は頼輝を見た。
頼輝は優しく微笑み頷いた。
「それに・・・おばあちゃんと同じ、薬草と消毒薬の匂いがして・・・とても落ち着くの・・・・・。」
「ありがとう・・・・・。
璃音ちゃん、これから僕の生涯をかけて君を見守り、家族として支えさせてほしい・・・!
よろしく・・・・・!」
「はい・・・・・」
二人は涙を流して抱擁を交わした。
それを頼輝を始めとしたその場にいる者全員が二人が出会えたことを心から喜び暖かく見守り、菫と那須田さんと留奈と洋榎は共に涙したのだった。

21時を回る頃─。
洋榎は春輝に送られて、留奈は颯輝と菫に送られて、それぞれの家へと帰って行った。
法璃も那須田さんを診療所まで送りがてらに話があると言って、狼谷家を出ていった。
狼谷家に残された頼輝と璃音は少し照れくさそうにはにかみ合った。
「璃音・・・。
今から神社に付き合ってくれるか?
・・・そこで法璃さんを迎えに行く前にしたあの約束を、果たしたい・・・。」
頼輝は璃音を真剣に見つめてそう言った。
「うん・・・。」
璃音も頬を染めて頷いた。
頼輝は璃音の手を取り、自宅の隣(といっても神社の敷地が広いため、少し離れてはいるが)にある森中神社に向かった。
二人で手を繋いで神社の入口にある鳥居をくぐり抜け、30段ある石段を登る。
森中神社は境界を管理する役目を担った神社なので、その特性上夜中でも必ず誰かが交代で社務所しゃむしょに居る。
そのためか、石段の灯籠とうろうに所々灯りが灯されており、頼輝のように特別に夜目が訊くわけでもない璃音でも足元を確認しながら登ることが出来た。
階段を登り切ると、森中神社の拝殿はいでんが見えてくる。
その真ん前には、神官服に身を包んだともえ勝生かつきが穏やかな笑顔を浮かべて立っていた。
「「巴くん・・・。」」
二人が彼の名を呼んだ。
「今晩は。
君達が今宵ここにつがいのちぎりを交わしに来るのはわかっていました。
僕が立ち会わせていただきますね。
宜しくお願い致します。」
彼はそう言って頭を下げると、赤い糸束が乗った盆を二人の目前に差し出した。

─つがい。
森中村独自の恋人の呼び方である”つがい”は、縁結びの神でもある森中もりなかめぐみ神が鳥をこよなく愛することから来た恋人の呼び名であり、地元民限定ではあるが、恋人になったことを神前で報告することで、その絆はより深く強い赤い糸により結ばれて、病や災いを遠ざけ、二人を夫婦へと導くのだという。
更につがいの二人が森中神社で結婚式を挙げると、森中恵神からの祝福を授けられる。
祝福を受けた二人は新たな加護を付与されて、子宝に恵まれ、離婚や死別をすることなく、共に天国へ逝けるのだと言い伝えられていた。
実際にこの儀式を通して祝福を受けた夫婦が別れたという話を頼輝は訊いたことがなかった。
頼輝の兄春輝と森の青鹿亭の看板娘である鹿村洋榎も森中神社で契を交わしたつがいであり、頼輝の両親もまた森中恵神に祝福を受けた夫婦だ。
そのため頼輝も璃音と神社でつがいの契を交わし、深い絆を結びたい、そう思っていた。
それが叶う日がついに訪れたのだ─。

「この糸を互いの左手の小指に結んでください。」
勝生に言われた通り、頼輝は璃音の左手小指に、璃音は頼輝の左手小指に蝶々結びをした。
「それでは、糸を結んだままでこの場にて愛を交わしてください。」
勝生はそう告げると、二人の邪魔にならないように少し離れた所で控えるように立つ。
頼輝は緊張してごくっと生唾を飲み込むと、耳まで赤く染めながら璃音を見つめ、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「璃音・・・好きだよ。
これからもずっと一緒にいたい・・・。
俺とつがいになってください・・・!」
璃音はその言葉を受けて、さくらんぼのように顔を赤く染めると、震える唇で囁くように返事をした。
「はい・・・。
私も頼輝が好きです・・・。
ずっと隣にいさせてください・・・。」
頼輝は璃音の答えにどうしようもなく嬉しい気持ちがこみ上げてきて、その手をグッと掴んで引き寄せると強く抱きしめた。
「やった!
嬉しい・・・!!
璃音・・・!!!」
「私も・・・!
嬉しくて胸がいっぱい・・・!」
璃音は潤んだ瞳でそう言うと、制服の胸ポケットに入れていた空駒鳥の髪飾りを出してきて、頼輝にそっと手渡した。
璃音の体温で暖かくなった木工細工の空駒鳥が頼輝の手の平に乗った。
「・・・約束・・・。
この髪飾りを私の髪につけて・・・。」
「ん・・・・・。」
頼輝は頷くと、璃音の左側の髪に空駒鳥の髪飾りをつけた。
そして・・・。
そのまま彼女の頬に手を添え、そっと唇を重ねた。
璃音の唇は燃えるように熱く、とても柔らかかった。
璃音がまた気を失わないよう、触れるだけのキスに留め、3秒してからそっと離した。
唇が離れると、一組のさくらんぼのようにお互いに真っ赤になり、はにかんで俯いた。
すると、傍で控えていた勝生が二人の近くに歩み出て、柔らかく微笑んで言った。
「ふふっ、終わりましたね?
それでは、今からちょっと不思議なことが起こりますけど、驚かないでくださいね?」
勝生は手に持った木箱からハート型の赤い魔石を取り出して、二人を結んだ糸にそれを当てた。
すると、赤い糸はキラキラと光の粒になって散らばり、空気に溶けるように消えていった。
だが、頼輝の小指の璃音が糸を結んでくれた場所には、赤い痣のような輪っかがくっきりと残っていた。
璃音の左手小指も同じく、頼輝が結んだ位置に赤い輪っかが出来ていた。
「これで契は結ばれました。
その小指の赤い輪の印がある限りは、森中様の御神力によりお二人には加護が与えられ、災いを遠ざけて強い絆の結びつきを約束されるでしょう。
ですが、この印はそのままにしておきますと次第に薄れていき、完全に印が消えてしまうとその加護も失われてしまいます。
ですので、月に一度この拝殿に来て森中様に祈りを捧げてください。
そうすることで、小指の赤い印が更新されて、森中様の加護を維持することが出来ますからね。」
二人は互いの顔を見合わせて、
「よろしくね!」
「こちらこそ、よろしくな!」
そう言葉を交わしたあと、小指と小指を絡めるのだった。

二人手を繋いでの神社からの帰り道─。
璃音がふいに何かを思い出し、頼輝の袖を引っ張ると小さな声で言った。
「そういえば・・・私頼輝のポケットにパ・・・(※璃音、言いかけて恥ずかしくなったのか真っ赤になって口をつぐんだ。)
えっと・・・あの・・・ポケットの中のものを・・・返してくれる?」
頼輝ははっとしてから自分の精液でドロドロになった璃音のパンツを思い出して、たらーっと冷や汗をかいた。
「あっ、ごめん!
あれは・・・どこかで落とした・・・かな・・・?」
と言ってポケットの中を探すふりをして誤魔化した。
(オナネタに使って精液で汚したなんて言ったら、璃音、卒倒しそうだしな・・・。
ゆくゆくは璃音に俺の力のことを含めて全てを知って貰いたいけど・・・長めにキスしただけで気を失う璃音に射精とかそういう話はまだ出来ないよな・・・。
もう少し深い仲になったら打ち明けよう・・・。)
頼輝は璃音と深い仲になった所を想像して赤くなり、一人生唾を飲み込んだ。
「えっ・・・!?
落としちゃったの!?
や、やだ・・・誰かに拾われたら恥ずかしいのに・・・・・!」
璃音は困ったように汗をかき、本当になくしたのかを確かめるように頼輝の学ランのポケットを漁った。
パンツはアイテムボックスに入れたために既にそこにはなく、璃音は頼輝の落としたという弁解を信じて頭から蒸気を立ち昇らせながら項垂れた。
そんな璃音が可愛いと思った頼輝は、少し意地悪な気持ちになり、わざとぼけてみせた。
「そんな恥ずかしいものを俺のポケットに入れたんだ?
何だったんだ?」
「頼輝の意地悪・・・!
ホントはあれが何だったのか・・・何となくわかってるくせに!」
「あはは!
・・・兄貴にゲン担ぎだとか言われたんだろうけど、璃音がポケットにぐっ!ってあれを突っ込んできた時にはマジびっくりした・・・。」
頼輝はその時の情景を思い出しながら、歯を見せて笑った。
「だ、だって・・・頼輝と離れ離れになりたくなかったから・・・!
気休めでも何でもいいからすがりたかったから・・・!
でも・・・この結果になって、本当に良かった・・・・。
全部、頼輝のおかげだよ・・・・・。」
璃音がつなぐ手にギュッと力を込め、はにかんで頼輝をそっと見上げた。
頼輝は璃音の愛らしい眼差しに頬を染め、照れ隠しで髪をかきあげ目を逸してから呟くように言った。
「いや・・・。
・・・結人の絵の力と・・・それに璃音のあのお守りのおかげで、俺、約束を果たせたんだ。」
そして璃音に視線を戻し、優しく微笑んだ。
「マジでありがとう・・・・・。」
当然意味のわからない璃音は不思議そうに小首を傾げた。
「えっ・・・?」
「いや、なんでもない!」
璃音は頼輝の言葉について考えているうち、何か別に気になることに思い当たったようで、はっ!として顔を上げた。
「・・・ほんとに出して見たりしてないよね?」
「・・・う・・・ん。」
「今、少し間があったけど・・・!?」 
璃音がジト目で頼輝を見た。
「あはは、実は後でちょっと広げて見た(笑)
白のフリルのついたやつ・・・。」
「えっ!!??」
「ごめん!
璃音がどんなパンツ穿いてるのか気になって・・・。」
(嘘ついてごめん・・・
見るどころか嗅いで舐めてシコった・・・。
精液でベトベトだから流石に洗わなきゃならないけど、俺の宝物にしよう・・・。)
璃音は頼輝に見られたことが相当恥ずかしかったのか、
「も・・・もう・・・馬鹿・・・・・!」
と言って目をギュッと閉じ、耳まで赤く染めて頭から湯気を立ち昇らせた。
「つか、お気に入りだって言ってたのになくしてごめんな・・・。
今度買って返すよ。」
「い、いいって!
頼輝だって女の子の下着なんて買うの恥ずかしいでしょ!?」
璃音が汗を飛ばしながら両手を前に出し、その手を振った。
「あー・・・うん・・・・・。
俺一人で買うのは無理・・・・・。」 
頼輝は頬を掻きながら璃音から目を逸らした。
「だよね・・・。」
「でも、璃音と一緒に店に行って、璃音が好きなのを選んで、俺が金を出すとか・・・それなら何とか出来そうだけど・・・・・どう?」
頼輝は璃音に視線を戻すと照れくさそうに提案した。
璃音はパアッと表情を明るくし、嬉しそうに声を弾ませた。
「・・・うん・・・いいよ・・・!
それなら今度一緒に富蘭ふらんに遊びに行こうよ!
ランジェリーショップだけじゃなくて、頼輝の好きなお店にも行ったり、映画見たりカフェでスイーツ食べたりもしたいなぁ!」
「うん!
初デートか・・・すげー楽しみ!
いつにする?」
二人はそんなことを楽しく語らいながら、森中神社の石段を下るのだった。


─追記その①〈40年越しの抱擁〉─

法璃は狼谷家からの帰り道、40年ぶりに再会した那須田奈緒と共に診療所への道を歩いていた。
40年も時が経過したため互いに歳は食っていたが、那須田奈緒は勝気な瞳をしており、スッと背筋が通った凛々しい雰囲気は昔と変わらなかった。
「40年も経ったのに、変わらないね。」
法璃が彼女を見ながらそう口にした。
「はははっ!
この辺はまぁ、変わらないね。
でもセンター通りの方はここ40年でそこそこ発展してるよ?
明日でも行ってごらんよ。」
奈緒は自分のことだとは気づかずにそう返した。
「いや、君のことだよ。」
「アタシ!?
いやいやいやいや。
おべんちゃらとかいらないから!
流石に年食っちまって、元々男みたいだったけど、余計に男だか女だかわからなくなっちまったよ(笑)」
奈緒は顔を赤らめて汗を飛ばしながら自嘲気味に笑ってみせた。
「そうかな?
昔と変わらず綺麗だと思うけれど・・・。」
「綺麗?
そんなことを言われたのは生まれてこの方初めてだよ。
アンタにも昔言われたけど、男みたいだからって嫁の貰い手もなく、この歳まで仕事ばかりやってきてこのザマさ。」
「いや・・・
昔は上辺だけで人のことを見て、君を酷く傷つけたけど・・・この年になると、君の綺麗さがよくわかるよ。
母さんの死も看取れず、あんなに君を傷つけておきながら、今更帰郷だなんて虫が良すぎるかもしれないけど・・・僕がこの村に住むことを許してくれないか・・・?」
法璃は真剣な顔でそう奈緒に言った。
「・・・頼坊らいぼうから訊いたろ?
1杯奢ってくれたら全て水に流してやるって。」
「うん・・・ありがとう。
だけどそれは少し待ってくれるかい?
今はなるべく璃音ちゃんの傍にいるようにしたいからね・・・。
落ち着いたらゆっくり奢らせてくれよ。」
「うん、わかってるさ。
頼坊が目一杯支えるだろうし璃音の立ち直りは早いと思うけど、いい頃合いになったら言っておくれ。
いい酒を扱っている店に案内するから。」
「うん、そいつは楽しみだ。」
そうこう言っているうちに、那須田奈緒の自宅でもある診療所が見えてきた。
「着いたね・・・。
それじゃ、おやすみ・・・。」
「おやすみ・・・。」
二人の男女はそう挨拶を交わしたものの、離れられなくてただ見つめ合う。
そして、法璃はほんの少し勇気を出した。
「奈緒ちゃん!」
彼女の手を引きグッと胸元に抱き寄せた。
「!?」
奈緒は驚き目を見開いた。
「ごめん・・・。
少しだけ・・・このままでいさせて・・・。」
「う・・・ん・・・・・
法璃・・・法璃・・・・・」 
満月が煌々こうこうと照らし出す中、若き日の尖った言葉が隔てた二人の40年に渡る心の壁を、触れ合うぬくもりがじわりと溶かしていくのだった。


─追記その②〈狼谷かみたに春輝はるきの飛ばし気味恋愛指南①〉─

神社でのちぎりの後、璃音を薬屋へ送って行った頼輝。
法璃は一足早く奈緒を送って薬屋に帰ってきており、玄関の前で頼輝と璃音を待っていた。
「あ、法璃さん、待っててくれていたんだな。
それじゃあまた明日な。
おやすみ・・・。」
頼輝はそう言って繋いだ手を離し、法璃に璃音を引き渡した。
璃音は頼輝の手が離れると何処か寂しそうで、縋るように頼輝を見た。
法璃がそれを察して、そっとその細い肩に手を添えた。
璃音はその手のぬくもりにホッとしたのか、頼輝のほうに向き直り、
「うん、頼輝、また明日ね・・・!」
と笑って手を振った。
頼輝は法璃に頭を下げてから自宅へと向かった。
10歩ほど進んでからチラッと璃音を振り返ると、璃音はまだ法璃に付き添われて玄関前に立ち、少し寂しさを孕んだ瞳でこちらを見ていた。
頼輝がもう一度璃音に手を振ると、嬉しそうに手を振り返して、法璃と共に薬屋へと入って行った。
頼輝はホッとして、再び自宅へと足を運んだ。

法璃が森中村に来てくれたお陰で璃音を京都へやらずに済んだ。
璃音にちゃんと告白して互いの小指に赤い糸を結び、つがいの契を交わすことが出来た。
狼谷家習わしの空駒鳥の髪飾りを璃音の髪につけることも出来た。
その後に触れた唇の感触はまだ心地よく心に残り、頼輝の胸は未だ熱く高鳴ってはいたが、真璃が亡くなってばかりであることを思うとやはりはしゃぐ気になれず、複雑な気持ちになり小さくため息をついた。
(璃音の側にこれからは法璃さんがいてくれるけど、それでも時々ばーちゃんの居なくなった寂しさは璃音を追い込むだろうな・・・。
俺はこれからつがいとして璃音に何がしてやれるだろう?
出来るだけ会う時間を作って、楽しい気持ちを沢山与えてやりたい。
夜になるとやっぱり俺は家に帰らなきゃならないけれど・・・。)
頼輝は別れ際に璃音が見せた縋るような瞳を思い出して心が傷んだ。
その浮かない気分を抱えたまま帰宅し、頼輝のために残してあった夕食をレンジで温めて食べ、風呂に入り、歯を磨いて自室のある2階へ上がる。
すると、部屋の前で洋榎ひろえを家に送って行き、今さっき戻ってきたばかりの兄の春輝と会った。
「よう。
冴えない顔してんな。
璃音に告ってつがいになれたんだろ?」
「うん・・・・ちゃんと森中様の前で赤い糸を結んだよ。」
そう言って、左手の小指の赤い輪を見せた。
「でも璃音・・・俺が帰るときに心細そうだった。
法璃さんと璃音は今日初めて会ったばかりで、まだこれから互いを知っていかなくちゃならないしな・・・。」
「そうか・・・。
なら泊まって行くっつって一晩中傍にいてやれば良かったんじゃね?
今日くらいうちの親父も許可出すだろ。」
「えっ、そ、そんなことできないよ・・・!」
頼輝は真っ赤になり手を振りながら汗を飛ばした。
「一晩中一緒にいたら、お前の中のを自制するのが大変ってか?
そりゃ中2じゃセックスするのはまだ早いだろうけど、そこに至らない程度にエロいことすりゃ良いんじゃね?
愛撫とか手コキとかフェラとかクンニとか・・・所謂いわゆるペッティングってやつ。
それならお前も璃音から快楽を得られるし、璃音もお前から与えられる快楽を知って、お前無しじゃいられないようになる。
ヒロがその状況なら俺は遠慮なくそうするぜ?」
「璃音の孤独に付け入れってことか?
そんなことしたら璃音の為にならない・・・!」
頼輝は眉間に皺を寄せて強く頭を振った。
「はぁ・・・お前はとことん真面目だな。
どーせ北海道から璃音のじーさん連れて帰ってくるのに、璃音のパンツをベトベトに穢したんだろ?
お前俺の弟だし性欲強いだろうに、これからも射精する度に一人で飛ぶのか?
お前のその力・・・早く璃音と共有すべきなんじゃね?」
春輝は軽くため息をつきながらそう言った。
「えっ、えっ、えっ・・・!?
ちょ、ちょっと待て!!
何で兄貴、俺の力のこと・・・発動条件まで知ってるんだよ!?」
頼輝は驚いて目を見開き大きな声を上げた。
「そりゃまぁ・・・ここ壁薄いし、お前が失踪する前お前の部屋から喘ぎ声とか荒い呼吸が聴こえてきたから、おっ、ついに精通すんのか?って思って聞き耳立ててたんだよ。
そしたらお前の喘ぎのピークの後に、空の方から尋常じゃねぇ悲鳴が聴こえてきたからよ。
何事かと思って部屋に行ったわけ。
そしたら窓もしっかり鍵がかかってるのに、お前居なくなってるし、部屋もザーメン臭かった・・・。
で、親父が境界を調べたら、北海道の谷川村でお前の形跡を見つけただろ?
それで何となくそーじゃねーかって・・・。
あ、親父と菫は発動条件が射精だということにまでは気づいてねーから安心しな?
森中様が谷川村で起こっている事態を収束するために、境界守りであるお前を選び、彼の地へ飛ばしたって思ってる。」
「・・・・・そ、そうか・・・。
だから兄貴、あのとき璃音のパンツを・・・・・。」
「まーな。
普段なら結人のおかずだけで充分だったろうけど、お前の性格的に、それだけでは人前での行為に入り込めねーと思ったんだよ。
そのとおりだったろ?」
「・・・うん。
正直すげー助かった・・・。
でも・・・さっき、璃音と俺の力のことを早く共有すべきだって兄貴は言ったけど、璃音はちょっと長めにキスしただけで目を回すのに、射精なんて話はまだ出来ないよ・・・。
それに、森中様だって家族と神官さん達以外には口外しないようにって言ってたんだろ?」
「あー・・・。
それは村人の余計な詮索を避けるためだろうけど、璃音とはもうつがいになったんだから、家族も同然だろ?
それに璃音のじーさんにももう知られてる。
なら璃音に知られても全然構わねーだろ。
目を回してもいーじゃん、話してみれば?」
「・・・・・・・・。
”私でエッチなこと考えてそんなことするなんて最低!”
”とてもついていけない!”
って嫌われるのが目に見えてる・・・・・。」
「ははっ、多少そーいうことは言われるかもな?
俺も昔ヒロによく言われた(笑)」
「やっぱり・・・。」
頼輝は大きなため息をついた。
「何、少し喧嘩したからって本心から嫌うことはねーよ。
物心ついた頃からずっと近くにいた幼馴染なんだし、その絆を信じてぶつかっていく事だって時には大切だぜ?
お前が璃音に遠慮して欲求とか言いたいことを我慢しすぎるのは良くねーと思う。
そういう我慢ってのはかえって不信を招くからな・・・。
つがいってのは森中様の加護で普通のカレカノ関係よか強めの契で結ばれてるから、そう簡単に別れることにはならねーけどよ。
それでも不信を抱かれて仲違いしたまま月一の祈りをしなければ、加護は失われて自然消滅なんてことは起こり得るぜ?
だから、時に璃音を振り回してもいいから自分を出していけよ。
男なんだし好きな子にムラムラするのはしかたねーじゃん?」
「うん・・・ありがとう兄貴・・・。
・・・我慢しすぎないようにする。」
「おう!
ま、お前らのペースでいいから着実に進めていきな?
折角つがいになったんだ。
まずはデートに誘っとけって!」
春輝はニヤけて頼輝にチョイチョイと肘鉄をかました。
「それなら、パンツ無くして返せなくなったからって、今度富蘭ふらんのランジェリーショップに一緒に買いに行くことになったよ。
そのついでに映画見たりカフェに行ったりしてデートしようってさっき話してきた・・・。」
頼輝は嬉しそうに頬を染めて打ち明けた。
「おっ!やるじゃん!
ならヒロに璃音のパンツ買ってもらわなくてもいーか。」
「えっ?
洋榎姉さんが何で璃音のパンツを?」 
「いや、俺が璃音にお守りとしてお前にくれてやるように仕向けたじゃん?
だからヒロに適当にパンツ買って返してやれって頼んでたんだよ。」
「あ、そうなんだ。」
「まーな。
じゃあそのぶんは小遣いとしてお前にやるから、どーせならお前好みの下着でもプレゼントしてやったら?
そんで、璃音に
「これ着けたところ見たい。」
って言ってみる。
これ、俺からの課題な?
女の下着は上下セットが多いしこんなもんか?」
そう言って五千円札をほい!と手渡す春輝。
「えっ・・・そんなの無理だって!
俺の選んだ下着なんて、璃音が着けてくれるわけないじゃないか・・・。」
頼輝は兄の言葉に真っ赤になって俯いた。
「冗談めかしてでもいいんだよ。
今着けてくれなくても、お前が璃音をどう見てるのかっていうアピールにはなるだろ?
そのうち、璃音のほうからそれを着けて誘いをかけてくるかも知れねーぜ?」
頼輝は璃音が自分の選んだ下着を着けて、モジモジしながらスカートをめくって誘いをかけてくるところを想像し、ゴクッと生唾を飲み込んだ。
「・・・・・う、うん・・・・・。
いいな・・・それ・・・。
俺、頑張ってみようかな・・・!」
「・・・このスケベが(笑)
で・・・さっきも話した通り、俺はお前の力のことを全部知ってる。
お前、なまじ有能なぶん、色々と抱え込むところがあるからな・・・。
だから・・・恋愛のことだけじゃなく、何かあったらいつでも話せよ?
一人で解決できないことも、誰かの協力があれば乗り越えられるかもしれねーだろ?」
春輝が珍しく真面目な表情でそう言った。
頼輝は境界守りとしても男としても尊敬している兄がそう言ってくれたことがとても嬉しくて、柔らかな笑顔を浮かべた。
「・・・うん。
ありがとう、兄貴・・・!
すげー心強い!」
「おう!」
笑い合い、クロス当てを交わす狼谷兄弟。
「ところで兄貴。
デートってどんな服着ていけばいい?」
「ん?
別にいつもお前が着てるカジュアルめのでいいんじゃね?
でもなるべく着古してないのにしろよ。
女っつーのはビンテージより真新しい清潔感のある服装を好むからな。
それにこの季節なら羽織ものがあるとなお良しだな。
空調が効きすぎて寒そうにしてたら貸してやったりとか、色々使えるから。」
「マジか!わかった。
でも俺羽織ものって狩装束にしてるレザージャケットしか持ってないや・・・。
兄貴、何か貸して?」
「しゃーねーな、デニムのジャケット貸してやるよ。」
「サンキュー!
あ、あとカバンってどんなのがいい?」
「お前アイテムボックスを手に入れたんだろ?
なら無くてもいい。
両手が開いてる方が良いからな。」
「何で?」
「まず、手が繋ぎやすい。
左右どっちからでも、どのタイミングでも手繋ぎOKだ。
他には荷物を持ってやりやすい。
女って町とか行くと目的のもの以外でも、
「カワイイ!!」
とか言って、すぐ買ったりするからな。
そんなとき、さりげ無く紙袋を持ってやれたら、
「優しい♡気が利く♡」
って、高感度アップ間違いなしだぜ?
だがよ、もしお前がデカいカバンを持ってたら、折角、
「荷物持つよ」
と言っても、
「えっ、いいよ!」
って、遠慮されちまうからな。
で、気をつけなきゃなんねーのはお前らのデートの目的である”下着"を買った紙袋だ。
それはまだ関係性が発展してねーお前らの場合は持たないほうがいい。
何故だかわかるか?」
「・・・無神経って思われる?」
「そーだな。
お互いの下着くらい見慣れてる関係ならどーってことねーだろーけど。
あと、璃音のカバンも持とうとするなよ?
その中には貴重品とかスマホとかも入っているし、つがい相手でも任せたくないはずだ。
それに、
「自分は手ぶらなのに彼氏に全部持たせて何様!?」
とか、周囲から陰口を叩かれるのも嫌だから、せめて自分のカバンくらいは持っておきたいっつってヒロは言ってたな。」
「ふむふむなるほど・・・
それじゃあさ、買い物のときのお金って全部男が出したほうがいいの?」
「あー、それは相手のタイプにもよるだろうな。
ヒロの場合は自分の金でどうしても買いたいから他人から奢られたくないものと、気にはなるけど自分の財布具合を考えて買わないで我慢するものがある。
金を出すなら当然後のほうだけど、まずはそれがどれなのか見極める必要があるな。
とにかく璃音をよーく観察して・・・…」
そうして夜遅くまで狼谷春輝の恋愛指南は続くのだった─。
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