銀色狼と空駒鳥のつがい ~境界の守り人~

彩田和花

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中学生編

11羽 空駒鳥の不思議な力と居宿家の事情 −前編− デート翌日の朝

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初めてのデートの翌日の月曜日の朝─。
狼谷頼輝かみたにらいき碧鶫あおつぐみの薬屋へ璃音りねを迎えに行ってから、手を繋いで一緒に登校をしていた。
隣で小さく欠伸をする璃音を見て、頼輝はふふっと微笑みながらこう言った。
「・・・璃音、やっぱ眠い?
昨日のアニパー、璃音とプレイするのが楽しすぎて俺、時間を忘れて夢中になっててさ。
気がついたら日が変わる直前・・・。
遅い時間まで付き合わせてマジでごめんな。」
「ううん!
私もログアウトしてからすぐに寝れば良かったんだけど、とても楽しい一日だったからかな?
興奮して寝付けなかったの。
それで今朝はいつもの時間に起きれなくて、私の代わりにおじいちゃんが朝ご飯を作ってくれてて迷惑をかけちゃった。
だからアニパーは楽しいけど、今度からはもう少し早めに切り上げるようするね!
頼輝はどうだった?
ちゃんと寝れた?」
頼輝は璃音にそう訊かれて頭の中で昨夜のことを思い浮かべた。
(昨夜アニパーをログアウトした後は、FruitsPartyで撮った璃音の写真を見て妄想を膨らませたり、河原でのキスを思い出したりしながら一人でシたら最高に気持ち良くて、結局3発も抜いたんだよな・・・。
しかも俺の場合、一発射精する度にいちいち境界まで飛ばされるし、最後に飛んたときには魔獣探知札に引っかからずに鳥居近くを彷徨うろついてた魔獣がいたからついでに倒したりもしたんだよな。
まぁ夜中は境界の外に魔獣が出てこないように父さんが強く封印をかけてるから無理に倒す必要は無いけど、倒しておくと父さんの翌朝の仕事が少しは楽になるだろうからな。
結局寝たのは1時半くらいか・・・?)
頼輝は目の前の彼女をおかずにしたときの妄想と昨夜味わった快楽を思い出し、シュボボッと顔を真っ赤に染め頭から蒸気を立ち昇らせた。
「頼輝、どうしたの?
お顔が真っ赤・・・。
もしかして、熱でもある・・・?」
璃音は心配そうに眉を寄せると頼輝の額に手を当てて熱を測ろうとするが、手を繋いでいない方の手は学生カバンを持っている為に使えなかったらしく、彼女はそのカバンを足元に置いてから少し背伸びをして頼輝の額に手を当ててきた。
頼輝は、
(あっ・・・璃音の手、少しひんやりとして心地良いな・・・。)
と目を細めた。
「・・・良かった、大丈夫そう。
きっと一時的な興奮状態で赤くなったんだね!
うふふっ、頼輝ったら朝から興奮するような事を考えてたんだ?」
といたずらっぽく笑う璃音。
「えっ・・・いや・・・。
昨日この河原でキスしたなって思い出して・・・。」
頼輝はまさか昨日のデートをネタに自慰行為をしたとは本人には言えないので、丁度差し掛かってきたその河原を指差し、本当のことを含めつつもそうはぐらかした。
「えっ・・・・あっ・・・そ、そっか・・・・・そうだよね・・・・・・・」
璃音は頼輝の指し示す先を見てその事を思い出し恥ずかしくなったのか、真っ赤になって俯くと両手で顔を覆った。
頼輝はそんな彼女が可愛くてクツクツと笑いながら屈み、璃音のカバンを拾ってそれを渡してやった。
「それでえっと・・・昨夜ちゃんと寝れたのかを訊かれたんだったよな?
実は俺も昨夜はなかなか寝付けなくてさ。
アラームが鳴ればすぐに起きられるから寝坊はしなかったけど、やっぱ眠いから授業中に少し寝るよ。」
頼輝が笑いながらそう言うと、璃音は顔を上げ軽く眉を釣り上げてから言った。
「もーっ!
頼輝ったら不良みたいなこと言って!
境界守りのお役目の呼び出しがあった時には仕方がないけど、授業、受けられる時にはちゃんと受けたほうがいいよ?
私もこの間居なくなった頼輝を探しに境界に入ったり、おばあちゃんが亡くなった後の片付けとかいろいろあって、一週間くらいは学校を休んだから勉強が遅れちゃって・・・。
留奈の取ってくれたノートがあったから何とか追いつけたけど、遅れを取り戻すのって大変だなんだよ?
そんなんじゃ来年受験生なんだし勉強大変だよ?」
「あー、確かにうちの兄貴、中学の時全然勉強してなかったから、高校受験は相当大変だったって言ってた・・・。
境界守りに学歴は関係ないけど、洋榎ひろえ姉さんと一緒に高校へ行きたかったから必死に頑張ったみたいだけどな。
わかった。
璃音の言うように、受けられる授業はちゃんと寝ずに受けるようにするよ。」
と頼輝は穏やかに微笑んでそう言った。
璃音は嬉しそうに頷いた。
「うん、それがいいよ!
どうしても眠かったら給食を食べたあとのお昼休みに少し寝たらどうかな?
病気でもないのに保健室のベットを使うのは忍びないけど、今日は天気もいいから裏庭の芝生の上で横になるのもありなんじゃない?
きっと気持ちが良いよ?」
「いいなそれ!
璃音も眠いんだろ?
一緒に寝ようよ。」
「い、一緒に寝るの・・・?
そ、それは・・・えっと・・・・・」
璃音は頼輝の何気ない誘いにそう答え、真っ赤になって俯いてしまった。
「・・・?
一緒に寝るって芝生の上でただ添い寝するだけで、別に深い意味はないよ?
ベットを一緒に使うっていうなら意識するのもわかるけどさ・・・。
もしかして璃音、俺に襲われるとか考えた!?」
と頼輝はからかいを含めてくくくっと笑った。
璃音は顔をみるみる真っ赤に染めると眉を吊り上げて頼輝に食いかかってきた。
「頼輝の意地悪!
そういうこと言わなくてもいいじゃない!!
・・・・・でも別にエッチな意味じゃないなら、私も頼輝と一緒に横になろうかな?
やっぱり眠たいし、放課後に備えて少しでも休んでおきたいから・・・」
ふわあぁ・・・とまた欠伸をしながら言う璃音。
「放課後?
何か予定でもあるのか?」
頼輝は首を傾げた。
「うん。
ちょっと留奈と約束があってね。」
「花井さんと?
そっか・・・。
今日は俺、夕方からの境界の見回りもないし放課後時間があるから、璃音と一緒にスーパーで買い物して晩飯の支度を手伝いながら料理を教えてもらおうとか勝手に思ってたんだけど、確かに俺とつがいになっても女子同士の付き合いも大事だよな。
いいよ、今日は花井さんと楽しんできなよ。」
頼輝は璃音と共に過ごせない放課後を本心では残念に思い、花井留奈に対して軽く妬いてしまったが、璃音に愛情が重いとか束縛が酷いとか引かれたくはないので、なるべくそれを顔に出さずにそう言った。
「あっ、ううん!
確かに留奈は大事な親友だけど、今日は遊びに行くんじゃないの!
あの・・・うちのおばあちゃんが亡くなってからずっと、夜花よはなが学校を休んでるでしょ?」
璃音の思わぬ発言に頼輝はハッとして顔を上げた。
璃音の言う通り、同級生の居宿夜花いすきよはなは真瑠の葬式で見かけた以来ずっと学校に来ていなかった。
担任は風邪を拗らせたそうだと伝えていたが、最後に見た居宿夜花の左目には◆の印があったので、また璃音を傷付ける行動を取る恐れのある彼女が学校に来ないことに、頼輝は内心ホッとしていたのだった。
「あぁ、うん・・・。
体調不良って先生は言ってたけど・・・。」
と頼輝。
璃音は心配そうに眉を寄せると続けた。
「うん・・・。
でも那須田なすださんの診療所にも一度も来ていないみたいだし、もしかしたら風邪じゃなくて、私達がつがいになったことが原因なのかなって思って・・・」
と璃音は俯いた。
「・・・?
俺と璃音がつがいになったことと居宿が学校を休んでいることに何の関係があるんだ?」
と真顔で首を傾げる頼輝に対して璃音は眉を釣り上げて抗議した。
「何言ってるのよ!
頼輝ってそういうところホントに鈍い!
夜花は頼輝のことが好きなんだよ?
失恋しちゃったんだもの・・・。
学校に行けば私と頼輝が一緒にいる所を見ることになるし、行きたくなくなるのもわかるよ・・・。」
「えっ?
居宿が俺のことを?
無い無いそんなの。
今まで一度も居宿に好意を匂わすようなことを言われたことなんてないし、璃音の気の所為だって!」
と頼輝は全否定して手を左右に振った。
「もーーーっ・・・あるの!
あの子、大人しいからわかりやすいアプローチとか今まで頼輝にかけられなかったんだろうけど、きっと小さい頃から頼輝のこと好きだったんだと思うよ?
私も頼輝への気持ちを自覚するまでそういう気持ちにピンとこなかったから頼輝のことを言えないけど・・・今ならあの子の態度、そうだったんだなってわかるの・・・・・。」
頼輝は切なそうにそう話す璃音を見て何も言えなくなり、黙って頷いた。
「夜花って私達女子3人の中で一番成績がいいの。
塾にも通ってるみたいだし、レベルの高い高校への進学を目指してるんじゃないかな?
そんな夜花の将来を思うと、今みたいに不登校が続くのは良くないと思って・・・。
今ならまだ休み始めて2週間だから、遅れた勉強も頑張れば取り返せると思うのね。
それで今日の放課後、留奈と一緒に夜花のお家を訪ねてみようって約束してたの。
夜花は他の子との間に壁を作っちゃうところがあるから、留奈みたいにはお互いのことを知らないけど、それでも長い付き合いなんだもの。
腹を割って話せば夜花の気持ちの解決に繋がるかもしれないと思って・・・。」
璃音は胸に手を当てて真剣な表情でそう言った。
(璃音は優しいな・・・。
俺なんか隼人さん達が森中村に来たら居宿の◆印を焼いてもらうことが出来るし、それまで居宿が表に出ず、家で大人しくしてくれるほうがいいと思ってた。
それなのに璃音はそんな居宿の今後のことを心配してる・・・。
だが◆の印のある居宿とその恨みの対象である璃音が俺の目の届かない所で一緒になるのは危険過ぎる・・・。
今の居宿は何をするかわからないし、昨日璃音がAngelinaで見せた墨川さんの◆印を消した力だって、まだ巴くんに確認が出来ていない不確かなものだ。
一緒に行くのが花井さんだけでは居宿を止められないだろうし、危険に巻き込む可能性だってある。
ここはどうにか説得して俺も同行させてもらおう・・・。
それなら居宿が何か危険な行動に出ても、被害が出るのを未然に防ぐことが出来る筈だ。
よし・・・!)
頼輝はそう考えてから口を開いた。
「そうか・・・
璃音が居宿を心配して言ってるのはわかったよ。
だけど、もし居宿が璃音の言った通りの理由で学校に来ないのなら、璃音が行くのは居宿を刺激することになるんじゃないのか?
言い争いで済めばいいけど、昨日のAngelinaの墨川さんのように、気持ちが昂ってるときには誰だって普段ならしないような悪意ある行動に出る可能性があるし、璃音が・・・花井さんもだけど、その場にいる人が怪我をする結果になるかもしれないだろ?
だから俺も一緒に行くよ。
それなら居宿に攻撃される対象が璃音一人じゃなくなるし、俺たちがつがいになったことで居宿を傷つけているなら、俺も関係者なわけだしさ・・・。」
しかし璃音は眉を寄せ口元に手を当てて少し考えた後、頭を振った。
「頼輝が私を心配して言ってくれてる気持ちは嬉しいんだけど、それは遠慮する。」
「えっ・・・何で?」
と怪訝な顔をする頼輝。
「その・・・それだと夜花に二人の仲を態々わざわざ見せつけに来たみたいになっちゃうだろうし、私の誠意が伝わらないよね?
それに、女の子の部屋にお邪魔するわけだし・・・正直頼輝に私以外の・・・それも、頼輝のことを好きな子の部屋には入って欲しくない・・・。
大丈夫。
もし言い争いになっても言われっぱなしになる気はないし、平手打ちや引っ掻き傷くらいの負傷は覚悟の上で、湿布とか傷薬もしっかり持ってきてるから!
だから夜花のことは私に任せて!」
と強い意志を秘めた眼差しを向ける璃音。
「いや、でもさ!」
諦めきれない頼輝が食い下がっていると、
最上さいじょうさんに任せて大丈夫ですよ、狼谷くん。」
という心地よいテノールが突如耳に飛び込んで来た。
頼輝と璃音が声のした方を振り返ると、学生カバンを手にした巴勝生ともえかつきが立っていた。
「「巴くん!おはよう!」」
頼輝と璃音は揃って挨拶をした。
「おはようございます、お二人さん。
朝から仲良しですね!」
と口角をあげ微笑む彼は、学ランを校則通りにキッチリ着ていても大変様になり、今日もクラスの女子達を虜にするんだろうな、と頼輝は思った。
「えっと・・・さっき夜花のこと私に任せて大丈夫って言ってたの、巴くんの千里眼で何かがえたってこと?」
三人並んで歩きながら璃音が尋ねた。
「はい。
居宿さんはある経緯であなた達がつがいになったことを知りましたが、それよりもに対する罪悪感や不安が学校に来なくなった大きな理由です。
最上さんが居宿さんと会うことで多少言い争いにはなりますが、居宿さんを学校から遠ざけている問題は解決し、居宿さんは明日からまた学校へ来るようになりますよ。」
「本当!?
よかったぁ・・・!」
璃音は勝生の言葉にホッとして表情を綻ばせた。
「えぇ、ですが居宿さんは今、家庭にも大きな問題を抱えていましてね・・・。
それによるストレスも相当溜まっているようなので、居宿さんと仲直り出来ましたら、その相談にも乗ってあげて欲しいのです。
出来ればその要因となっている居宿さんのお父さんと最上さんが直接会えれば望ましいのですが・・・。
そうすれば居宿さんにとって最善の結果へと運命が導かれていきますから。」
勝生は眼鏡の奥の金色の瞳を光らせながらそう言った。
「えっ、夜花のお父さん?
村の奥さん達から頼輝のお父さんに並んでカッコいいって評判の?
私はなんとなく苦手な人だけど、私が夜花のお父さんと会うことで夜花にとって一番良い結果に繋がるのなら、勿論協力したい・・・。
でも私、夜花のお父さんとは特に接点もないし、どうやって会えば良いんだろう・・・?」
と璃音は困ったように眉を寄せて首を傾けた。
それに対し、勝生はニコっと微笑み答えた。
「それならいい方法がありますよ。
最上さんは居宿さんの家に行く前に手土産のお菓子を買って行くつもりですよね?
そのお菓子を森中商店街にある和菓子処木立こだちの”森の恵”という蒸し菓子にしてください。
それを居宿さんのお母さんへ渡せば、自然とお父さんに会える流れへとなりますから。
後はに対し、貴方の思うように行動してみてください。
その結果、居宿さんにとって良くない人を遠ざける事となり、代わりに良縁を引き寄せるでしょう。」
「本当!?
わかった、そうしてみるね!
ありがとう、巴くん!」
璃音は夜花が学校に来るようになり、夜花が抱えている家庭の問題も解決に導かれると訊いてホッとしたのか、柔らかく微笑んで勝生に礼を述べた。
「いいえ、居宿さんのことは僕もクラス委員として気になっていましたから。
どうかよろしくお願いしますね。」
と勝生は頭を下げた。
「うん!任せて!」
そう言って頷く璃音を見た後、頼輝はまだ心配そうに眉を寄せたままで勝生に尋ねた。
「巴くん・・・。
璃音と花井さんだけで居宿の家に行って、しかも居宿のお父さんにも会うんだろう?
本当に俺が行かなくても大丈夫なのか?」
「えぇ、大丈夫ですよ、狼谷くん。
寧ろ貴方が行くと居宿さんは会ってくれなくなってしまいます。
なので今回は最上さんを信じて任せてください。
あ、でも最上さんの手のひらは少々と思いますので、夕食の支度は狼谷くんが手伝ってあげるといいですよ。
最上さんは17時過ぎには居宿さんの家から帰って来ますから。」
それを訊いた頼輝と璃音はパアッと表情を弾ませた。
「ホント!?
それなら頼輝と一緒にお夕食が作れるね!」
「そうだな!
璃音と一緒に台所へ立てるのマジ嬉しい・・・!
そのぶん遅くまで一緒にいられるし!」
「あっ、でもその時間の帰りだと、一緒にスーパーへは行けそうもないね・・・」
としょんぼりする璃音。
「そうだな。
でもスーパーへはまた次の機会があるよ。
足りない食材があったら璃音達が居宿の家に行ってる間に俺が買っとくよ?」
「わぁ本当!?助かる!
後でライムに買い物リストを送るね!
あっ!留奈!」
璃音は後から登校してくる花井留奈に気がついたらしく、学校の校門前で立ち止まり、嬉しそうに留奈に向けて手を振った。
「ごめん頼輝!
留奈のところに行ってくるね!」
「うん、俺も巴くんに話があるから、そのまま花井さんと一緒に教室に行ってて。」
「わかった!
それじゃ教室でね!」
璃音は頼輝と勝生に手を振ると、校門前から引き返して留奈のほうへと駆けていった。

校内でも目を引く整ったルックスの男子二人が、並んで校舎へ向かって歩いているところを目撃した下級生の女子生徒達が、「きゃーっ♡」等と黄色い声を上げていたが、頼輝はそれをさして気に留めること無く、真剣な表情で勝生に切り出した。
「巴くんなら俺が訊きたいことにもう見当がついているんだろうけど・・・。
昨日、璃音が鬼の印を消すところを見たんだ。
俺が北海道で出逢った隼人さんと形は違えど同様の力だ。
巴くんはその力のことを何か知っているんじゃないのか?」
勝生には頼輝の言うように最初からその話題になることがわかっていたようで、柔らかく微笑むとこう答えた。
「えぇ、最上さんのその力は曾おじいさん譲りのものです。
最上さんの曾おじいさんが、昔鬼女にそそのかされた碧鶫あおつぐみさんにより、森中村の鬼門に置かれそうになった瘴気の壷の中身を引き受けた話は訊いていますね?」
「うん・・・。
その壷の瘴気により曾おじいさんはすぐに亡くなってしまったって法璃のりあきさんから訊いたよ・・・。」
頼輝は辛そうにそのことを語った法璃を思い出し、沈んだ表情でそう返した。
「その時壷に触れたのが”破邪の力”を持つ最上さんの曾おじいさん・・・最上空也さいじょうくうやさんでなければ、霊的存在の器として最適な素養を持つ碧鶫さんこと最上法璃さいじょうのりあきさんは、鬼女の目論見もくろみ通りにあの世に封印されし鬼神の器とされ、現世にかの鬼神が具現化することになっていたでしょう・・・。」
眉を寄せながら勝生はそう語った。
「破邪の力・・・?
鬼神の具現化・・・??
・・・良くわからないけど、つまりは璃音の曾おじいさんが特別な力を持っていて、その力で鬼女の目論見もくろみを止め、それと引き換えに命を失った・・・。
璃音にもその曾おじいさんと同じ力があるというのか?
昨日◆印を消したのもその力の一部だと・・・」
「そういうことです。
厳密には最上さんの力は加納正子という破邪の力と相性の悪い血の力が混じった影響によりその発現が遅れ、最上空也さんのものよりも弱くなってしまったようですが・・・。
それ故に最上さんは破邪の力を自在には扱えません。
激しい感情の揺れ・・・怒りや悲しみ等の切っ掛けがあることでようやくその一端を引き出せるのです。」
(そうか・・・。
墨川さんのときも、恵里菜さんや俺に対する侮辱が怒りとなり、力の引き金になったんだ・・・。
それに巴くんの言葉から推測すると、鬼女が法璃さんを加納正子に引き合わせたのも、後に産まれる曾おじいさんと同じ力を持つ子孫・・・つまりは璃音の力を弱めるためだったのかもしれない・・・。)
「それでも最上さんの持つ破邪の力は、あの世のいかなる干渉をも断ち切りることが出来る、極めて珍しく貴重なものです。
最上さんはそれだけではなく、更に貴重なある人の血をも受け継いでいるのですが・・・それについては今はまだ知らなくても良いでしょう。
とにかく最上さんの力は鬼達にとっては脅威であり、我々神側の者にとっては無くてはならない貴重なものなのだという事を覚えておいて下さい。」
「わかった・・・。
でも璃音に破邪の力があることを鬼女が知るのも時間の問題・・・というか、既にバレているのかもしれない・・・。
居宿や墨川さんに◆印があったことを考えると、この村もしくは村周辺に◆の印を与える事のできる鬼女本体がいる・・・。
薬屋が法璃さんの生家であることは鬼女も知っているだろうし、最上空也さんの血を引く璃音のことも当然調べようとする筈だからな・・・。
となると、鬼女にとって邪魔な力を持つ璃音は、命を狙われるんじゃないのか・・・?」
頼輝は不安気に表情を曇らせて尋ねた。
「えぇ、その通りです。
ですが最上さんは空也さんよりは弱くとも、鬼にとっては近寄り難い”破邪のオーラ”を常に纏っていますから、今の鬼女では力不足で最上さんに直接干渉してくるのは不可能でしょう。
その代わりに◆の印を与えた者を使って今後最上さんに何かを仕掛けて来ることは、覚悟しておいたほうがいいです・・・。
なのでこれからはなるべく最上さんの側に居てあげて下さい。
つがいとなった今ならそれも難しくはないでしょう?
僕も最上さんに迫る危機がえましたら、すぐに狼谷くんに知らせますから。」
勝生の言葉に頼輝は真剣な表情で頷いた。
「ありがとう、巴くん。
璃音に危険が及ばないように極力一緒に居るようにするし、家に帰ってからも璃音に異変がないか気にかけるようにするよ。」
頼輝はそう答えた後、璃音の力のことを知っていた彼なら当然自分の”射精して空を飛ぶ力”のことも知っているだろうし、前々から訊いてみたかったが訊きそびれていたことを、この機会に訊いてみることにした。
「あのさ、俺の空を飛ぶ力・・・あれも璃音の破邪の力みたいに、先祖から引き継いだものなのか?」
「いいえ、君のあの力は僕の千里眼と同様に森中様が特別にお与えになられたものです。」
と勝生は答えた。
「森中様が?
何故俺に?」
不思議そうに首を傾げる頼輝に対し、勝生は複雑な心境を表すかのように眉を少し寄せてからこう返した。
「そうですね・・・。
それは君が僕にとっての恋のライバルになり得る相手だから・・・とだけ伝えておきましょうか・・・。」
「恋のライバル!?
それって巴くんも璃音のことを・・・!?」
頼輝は焦って思わず声を荒げた。
「違います。
僕の相手のほうが君を特別に気に入っているんですよ。
・・・今はまだ君が子供だからいいが、あと5年もすれば誰が見ても魅力的な男になるだろうし・・・。
場合によっては僕から乗り換える・・・なんてこともあるかもしれない・・・。
そんなこと、考えたくもないが・・・・・。
彼女の心だけは僕の千里眼でも読めないからわからない・・・。」
と敬語を使うのも忘れる程不安そうに勝生は呟いた。
「巴くんの相手が俺を気に入っていて乗り換える・・・?
良くわからないけど、俺は璃音とつがいで森中様の加護を得ているのに、そんなことあり得ないってわかるだろ?
巴くんらしくもない・・・。
第一俺、その子に会ったことすらないぞ?」
と困惑しつつ正論を返す頼輝。
「そのうち会うことになりますよ。
本人が君に会えるのをとても楽しみにしていましたから・・・。」
「・・・・・?」
頼輝は勝生が言いたいことがわからずに首を傾げた。
「・・・すみません、今のは忘れて下さい。」
勝生はハッとするとそう言って頼輝に頭を下げた。
「いや、俺は全然気にしてないし、顔を上げてくれよ巴くん。」
と汗を飛ばす頼輝。
勝生は「えぇ・・」と言って顔を上げるとこう言った。
「でも君の持つ特別な力のこと・・・なるべく早く最上さんと共有したほうがいいですよ?
君のお兄さんが言うように、最上さんは既に狼谷くんのつがいであり関係者なのですから、彼女にそれを話すことは境界守りとして知り得た情報の漏洩には該当しません。
でないと、それを切っ掛けに二人の間に要らぬ亀裂が生じてしまいますよ?」
頼輝はそれを訊いて少しの間沈黙した後、気まずそうに赤く染めた頬を掻きながら言った。
「・・・心配してくれてありがとう、巴くん・・・。
でも、俺の力の発動条件が何かを巴くんは知っているだろう?
流石には璃音に言い辛くてさ・・・。
だからそれを打ち明けるのは、もう少し璃音と深い関係になってからにしようと思ってるんだよ・・・。
すぐには従えなくてごめんな・・・。
それを話せるようになるまで、璃音とは出来る限り喧嘩しないよう気をつけるからさ・・・。」
勝生はそれに対して軽くため息をついた。
「・・・まぁ君は非常にシャイですからね。
当然そう言うであろうことは僕もわかっていました。
ただ友として、君の近い未来に起こり得る危機を伝えずにはいられなかったんです。
ならば、こちらで手を打つこととしましょうか。
それに君は少しくらい失敗して痛い目を見たほうが、より早く強くその力を引き出せるようになるみたいだからな・・・」
と勝生は最後の方は独り言のように呟いた。
「・・・・・?」
頼輝がわけがわからなくてまた首を傾げつつ、辿り着いた校舎の玄関で自分の上履きを取り出していると、本多結人ほんだゆいと屋古武やこたけしがやって来て、頼輝と勝生の肩を元気良く叩いて同時に挨拶をしてきた。
「「はよーっす!頼輝!委員長!」」
「結人にヤコブ!おはよう!」
「・・・おはようございます、お二人さん。」
頼輝と勝生は同時に挨拶を返した。
「頼輝ー!
最上とのデートはどうだったんだよ?
チューしたか!?チュー!
詳しく聞かせろよー!」
と結人。
「あっ・・・ここでその話もなんだし、また後で話すよ。」
頼輝は昇降口のところで先程からこちらを見ている璃音に想いを寄せる保城のグループをチラっと見てから苦笑いでそう答えた。
「つがいとデートするのも大事だろうけどよぉ、男友達との付き合いも忘れんじゃねぇぞ?
このデレデレ狼がぁ!」
屋古武やこたけしことヤコブが言った。
「わかってるって!
つーか”狼”の前に変な音つけるのヤメロって!
あっ、そういえばこの間やろうって言ってた男子会だけどさ。
次の土曜は俺オフだし、璃音は花井さんと予定があるらしくて俺暇だからさ、その日にやるのはどうだ?」
頼輝の提案に、結人が明るく弾んだ声で最初に返した。
「いいね!
そんじゃその日は妹に本屋の店番代わって貰うわ!
ヤコブんとこは店番とかねーし、刀鍛冶の修行も土日は休みだから当然OKだし!」
「結人ぉ!
オレを暇人みたいに言うなぁ!
たまたま!たまたまその日は空いてるんだぜぇ!?」
「はいはいたまたまね。
そんでヤコブが言い出しっぺだから当然会場もお前の部屋でいいよな?
集合時間は昼飯挟むとヤコブのかーちゃんが大変そうだから、昼飯食ってからの1時でどうだ?
お菓子とかジュースは適当に各自持ち寄りってことで!」
と、ヤコブの背中をバシバシと叩きながら会の詳細を決めていく結人。
「えっ!?オレの部屋でやんの!?
しゃーねー・・・おめーらが来るまでに部屋を片付けといてやるかぁ。
で、委員長はどうなんだよぉ?
次の土曜日の予定はよ。」
「えっ・・・その会、僕も行っていいのですか?」
と勝生は目をパチクリさせて自分を指差した。
「当然だろぉ!
2年男子の会なんだからよぉ!」
(あれ?そんなくくりあったっけ?)
と頼輝は思ったが、それはヤコブなりの優しさから来る嘘なんだろうと察して口を挟まず黙って見守ることにした。
結人も頼輝と同様察したようだ。
「委員長は俺が森中様を崇拝すんのにいちいちケチつけてくるからいけすかねぇけどよぉ、おめーだけ除け者にするのはオレのポリシーに反するからなぁ!
結人も頼輝も良いよなぁ?
委員長が参加しても。」
「「勿論!!」」
頼輝と結人は笑顔で同時に頷いた。
「・・・屋古くんのそういうところは美徳ですね。
ありがとうございます。
それじゃお言葉に甘えて僕も参加させてもらいます。」
頼輝はそう言って笑う勝生を見て、先程の彼らしくない不安そうな様子が和らいだと感じてホッとした。
(色んなことを見通せる巴くんでも、不安になることなんてあるんだな・・・。
でも俺が璃音と順調で居続ければ、きっと巴くんの不安も消えるだろう。
その為にも璃音と一緒に過ごせる時間を大切に、ゆっくりと仲を深めていこう・・・。
勿論男友達との付き合いとも両立させてな!
それにしても・・・巴くんが彼女とそのうち会うことになるって言ってたけど、一体どういうことなんだろう・・・?)

一方時は少し戻り、頼輝と勝生と別れて留奈の元へと駆けていった璃音は、笑顔で挨拶をしていた。
「留奈!おはよう!」
「おはよう璃音!
狼谷くんがいるのに私のところに来てくれて良かったの?」
と留奈は申し訳無さそうに軽く眉を寄せ、校門を通って校舎の方へと向かう頼輝と勝生を見ながらそう言った。
「うん!
頼輝、巴くんにお話があるんだって!
だから教室まで一緒に行こう?」
「うん!
あっ、でも私美化委員のお花の水遣りがあるから、裏門から入ってもいい?
裏門からのほうが水遣り用の蛇口のあるところに近いの。」
「いいよー!
私も花壇の手入れ、手伝うよ!」 
「ありがとう!」
二人はそんな会話をしながら裏門の方へと方向を変え、視界から頼輝達の姿が見えなくなった。
そして間もなく見えてきた裏門から学校の敷地に入る。
「昨日恵里菜お姉ちゃんのお店で下着を買ったんでしょ?
どんなの買ったの?」
裏門近くの蛇口を捻って水遣り用のホースを伸ばし、花に水を遣りながら留奈が尋ねた。
「えっとね、まず頼輝が失くしちゃったものの代わりの普段使いのパンツを1枚でしょ?
それとは別に、可愛い上下セットもあったから、こっちは自分のお小遣いで買っちゃったの!
今度留奈がうちに来た時に見せるね!」
「うん!
デートの報告も後で詳しく聞かせてね!」
「うん!」
留奈は幸せそうにはにかむ璃音の横顔を見て微笑み呟いた。
「良いなぁー・・・璃音、とっても幸せそう・・・。
つがいかぁ・・・。
私にも誰かいい相手が見つからないかな・・・?」
「えーっ?
留奈がそんなこと言っちゃったら、フリーの男子がみんな立候補しちゃうよ?」
「そ、そんなことないよ・・・」 
留奈は頬を赤く染めて謙遜し、汗を飛ばした。
「そんなことあるってば!
それで・・・留奈はどんな人がタイプなの?」
璃音は花壇に咲き乱れるトレニアの花殻や枯れた葉を取り除きながら尋ねた。
「えっ!?
・・・エッチなこととかあまり教室で話さなくて、私のことを大切にしてくれそうな人・・・かな・・・」
留奈は頬を染めて小さな声でそう返した。
「うーん・・・うちのクラスだと巴くんみたいな?
でも巴くんにはお相手がいるって頼輝が言ってたから無理だよね・・・。
それなら頼輝に誰が良い人がいないか訊いてみようか?
頼輝って人を見る目は確かだから、変な人は薦めないと思うの。」 
と璃音。
「えっ!?
で、でも私がそんなことを言ってたって男の子達に知られるのは恥ずかしいよ・・・」
「大丈夫!
頼輝はそういうの人に言いふらしたりはしないから。
だから留奈にその気があるなら訊くだけ訊いてみない?
それで頼輝の勧める男の子に気が向かなかったら、その話はなかったことにしちゃえばいいの。」
「う、うん・・・。
じゃあお願いしちゃおうかな・・・。」
と留奈は真っ赤な顔で頷いた。
璃音はふふっと微笑むと続けて訊いた。
「それで、もっと詳しい好みはないの?
背が高い人がいいとか、知的な人がいいとか、芸能人の誰みたいな人がいいとか。」
「えっ!?
見た目とかはその、そんなにこだわりはないの・・・。
ある程度清潔感があればそれで・・・。
あっ、でも、私の趣味を認めてくれる人がいい!
これは絶対!
・・・つがいって一生に一人しか選べないでしょ?
どんなに見た目がカッコよくても、私の楽しみを否定する人とはやっていけないもの・・・」
留奈の言葉に璃音は顎に手を当て考えた。
(確かにそれはわかる・・・。
私だって自分の作ったお料理を不味いとか、僕の母親に料理を教わって同じものを作れるようになれとか言う人とは付き合えないもの。
でもここで留奈がいう趣味って、みんなに公表している洋服作りのほうじゃなくて、私とか洋榎ひろえさんみたいにごく親しい人にしか明かしていない漫画とかアニメのキャラの衣装を再現するコスプレのことを指しているよね・・・。)
「えっと、それってただ認めるだけじゃなくて、留奈と一緒に楽しんでくれそうな人のほうがいいよね?
・・・身近な人だと本多くんとか?」
璃音の言葉に反応して留奈の顔がボボッ!と赤く染まった。
(あれ?
留奈って本多くんのこと実はちょっと意識してる?)
璃音は一瞬そう思うも、
「本多くんとは確かに趣味は合いそうだし、彼の描く絵も可愛くて好きだけど・・・。
その、本多くんって・・・・・いつも私の・・・む・・・胸ばかりを見てくるから、それがちょっと・・・・・。」
という言葉に同意し頷いた。
「確かにそれはないね!」
「ね!」

「・・・へーーーくしょい!!」
その頃本田結人は教室へ向かう階段を男子4人で登りながら盛大にくしゃみをしていた。
「おいおい、花粉症かぁ?結人。」
と隣を歩いていたヤコブが言った。
「いや、もうすぐ6月だし、俺いつもその頃には花粉症の症状治まってるから違うと思う。
昨日遅くまで裸ニーソの留奈ちゃんネタにオナってたから風邪引いちまったかな?
それか、
「本多くんなら絵のモデルになってもいい!
勿論裸で♥」
なんて、女子が噂してるとか?」
ニヤニヤと身勝手な妄想を口にしてほくそ笑む結人。
「誰がするんだよぉ、そんな糞みてぇな噂をよぉ~。」
「うるせー!
妄想くらい自由にさせろ!」
そのやり取りを見て、あははっ!と楽しそうに顔を見合わせて笑う頼輝と勝生なのだった。

一通り水遣りと手入れを終えた璃音と留奈は、用務員に許可を得て教室に飾る花を選んで摘んでいた。
「トルコキキョウ、とても綺麗に咲いたね!」
と璃音が留奈が手に持っている花を見て言った。
「うん!
花持ちがいい花だから暫く教室で楽しめるよ!」
「そうなんだ!
このトルコキキョウ、帰る時に少しわけてもらってもいいかな?
夜花に持っていこうかと思って・・・。」
と璃音は微笑みながらそっと花に触れた。
「それは構わないと思うけど、今の夜花が受け取ってくれるかわからないし、璃音が傷つかないかが心配だよ・・・」
と留奈が眉を寄せて言った。
「うん・・・でもきっと大丈夫だよ。
私も今日登校するまで、夜花の家に行って拒絶されないかなって凄く不安だったんだけどね。
でもさっき巴くんと話したとき、夜花が学校に来ないのには私と頼輝がつがいになったことよりも別の理由があって、私が今日夜花の家へ行くことで夜花も学校に来るようになるし、他にも夜花のご家族が抱えてる問題も、良い方向へと導かれていくって教えてくれたの!
だからお花もきっと受け取ってくれると思う・・・!」
「そっか・・・。
良かった・・・!」
留奈はホッとしたように微笑んだ。
「うん!
後は夜花の家に行く前に、森中商店街にある和菓子処”木立こだち”に寄ってもいい?」
と璃音。
「えっ?
木立って和菓子屋さんだよね?
手土産ってケーキじゃなくて、和菓子にするの?」
と留奈。
「うん!
最初は森の青鹿亭の頼輝のお兄さんが作ってる”今月のケーキ 抹茶小豆ロール”が凄く美味しいから、それをテイクアウトして手土産にするつもりだったんだけど、巴くんが和菓子処”木立こだち”の”森の恵”っていう蒸し菓子を手土産にするといいって教えてくれたから、それにしようかなって思って。
理由は良くわからないけど、お家の人が好きなのかな?
うちのおばあちゃんも好きだったし。
しっとり上品な口溶けと甘さで緑茶に良く合うの!
一本1500円くらいするから普段のおやつには贅沢すぎて、誰かから頂いたりしたときにしか食べられなかったけどね…!」
と苦笑いする璃音。
「へぇ~!
私はまだ一度も食べたことがないけど美味しそうだね!
今度ママに食べてみたいっておねだりしてみようかな?」
と留奈。
「うふふっ、留奈ママ買ってくれるといいね!
今日は折角木立に行くんだし、夜花のお家の人に渡す用の”森の恵”とは別に、みんなで一緒に食べる気軽な和菓子も幾つか買っていこうよ!
木立はフルーツ大福も美味しいんだよ♥」
「わぁ!
すっごく楽しみ!」
璃音と留奈はキャッキャッと楽しそうに笑い合うのだった。
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