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収穫祭と誓約破りのつがい
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ハイドとヒルデがつがいになって約4ヶ月が経過した雁月(10月)初旬──。
フォレストサイド村は収穫祭の準備で忙しい時期だったが、ハイドとヒルデは毎晩ヒルデの部屋もしくはハイドの部屋で身体を重ね、触れ合っていた。
二人の身体の関係は、手の早いハイドを時折ヒルデが足蹴りやパンチ、金的で制しながらも少しずつ深まっていた。
「あっ♥あぁっ♡あぁん・・・♥」
その日も灯りを消したヒルデの部屋で、甘い嬌声と嫌らしい水音がピチャピチャと響いていた。
ハイドは彼女の腰を持ち上げるように脚を開かせ両手で押さえると、露わになった彼女の秘部にある小さな蕾を舌先の動きに適度な変化をつけながら愛撫していた。
「あっ♥ああっ・・・ん・・・っ・・・あっ♥
あっ、あんっ♡あっ、あっ・・・ハイド・・・ハイドぉ・・・もっ、らめっ♥あっ、あたし、いっ、いっちゃう♡あっああっ♥
あぁあっあっあっあぁあぁあぁーーー♥♡♥!!」
彼女が脚にピーン!と力を入れて、涎を垂らしながら身体を痙攣させるのを見届けてから、ハイドはゆっくりと顔を上げ、濡れそぼった腟口を指で軽くくりくりしてからゴクッと生唾を飲んだ。
そして何かを振り払うかのようにブンブンと首を振ると指を膣口から離し、まだ果ててばかりでクタッとなり肩で息をしている愛しの彼女の口元の涎を拭って意地悪に笑って言った。
「・・・小鹿ちゃん涎まで垂らして・・・そんなに気持ちよかった?」
「・・・・・意地悪!」
ヒルデは涙目で真っ赤になって両手で顔を覆った。
「クククッ、小鹿ちゃん可愛い♥
じゃ、次はまた俺の番な!よろしく♪」
ハイドは彼女の淡い薔薇色の唇に限界まで硬く熱く滾った股間のものを持っていき、ツン、ツンと突付いてフェラを促した。
「んもぅ・・・あんたさっき胸で出してばかりなのになんでまた元気になってるの・・・。」
ヒルデは真っ赤な顔のまま困ったように眉を寄せて彼を見上げた。
「あんなエロい小鹿ちゃん見せられりゃすぐにたまんなくなるってば。
な?しゃぶってくれよ。」
切羽詰まって苦しそうな彼に彼女は呆れたようにため息をつくと、そっと身体を起こした。
「もう・・・仕方無いなぁ・・・。
ハイドのエッチ!欲しがりや!」
彼女は長いまつ毛を伏せるとそっと耳に髪をかけて、その流れで肩にかかっていた髪も払って背に回すと、彼の大きなものに軽くキスしてから口に含んだ。
「はぁっ・・・小鹿ちゃん・・・気持ちいい・・・♥
マジで上手くなったよな・・・フェラ・・・」
(そりゃ、あんたがフェラでもどかしくなるとすぐに腰を使ってきてイラマチオになるし危険だから頑張って覚えたのよ!)
と訴えかけるようにヒルデは涙目で彼を睨んだ。
その眼差しを受けてハイドは更にビクン!と股間を反応させると、ヒルデの青い髪に指を通して梳かしながら吐息混じりに、でも彼にしては真面目な表情でヒルデに言った。
「・・・・わかってる。
もうイラマチオはしない・・・。
俺小鹿ちゃんのこと泣かせて興奮する性癖だけど、マジで大切だから、本気で嫌がることはしない。
けど、たまに自制が効かなくなるときがあっから・・・そん時は小鹿ちゃん、グーパンでも足蹴りでも金的でも食らわしていいから・・・俺を止めてくれな・・・頼む。」
彼の真面目な言葉に彼女は咥えるのをやめ、彼を見上げて柔らかく微笑んだ。
「ん・・・わかった・・・。」
彼女はそう答えると、再び彼のものを咥えた。
「はぁっ、小鹿ちゃん・・・俺の小鹿ちゃん・・・!・・・うあっ・・・はあっ♥」
切なそうに綺麗な目を細めて快楽に身を委ねる彼にキュンキュンしながら、ヒルデも、
「んっ・・・ふぅっ・・・♥」
と声を漏らしながら彼を追い込むのだった。
その翌日は、フォレストサイド村の収穫祭──。
葡萄や小麦、数々の農作物、畜産物の収穫を祝い感謝する日で、その日は村中の店(宿を除く)がすべて休みとなり、代わりにセンター通りに数々の屋台が並び、その中を村人がパレードをしたり、好きに踊ったりして騒ぐ日だった。
森の青鹿亭も毎年屋台を出しており、コーヒーや紅茶、ソフトドリンクを提供していた。
今年はルルドがまた腰を痛めたため、ハイドが代わりに屋台に入ることになり、彼のアイディアでクレープも出すことになった。
その隣のハント家の屋台では、魔獣の角や毛皮、魔石等の直売と、魔獣の肉から作られたフランクフルトを販売していた。
フランクフルトは毎年ハイドが「俺の息子とほぼ同じサイズな!」などという下ネタを交えながら調理する名物(迷物?)だったが、今年はハイドが青鹿亭の方を手伝うためサアラが調理を担当することになり、サアラの代わりにライキがゲイルの魔獣素材直売の手伝いとフランクフルトの売り子を兼ねることになった。
フランクフルトを買いに来る客に、
「おお、今年は弟が売り子か!
お前さんの息子のサイズと比べてこいつはどうなんだい?」
なんて言われたライキが真っ赤になって狼狽えているのを見てハイドがケラケラと笑った。
通り向かいには桜駒鳥の薬屋の屋台があり、マールお手製の薬の他、収穫祭の時しか食べられないニホン国のスイーツ”イマガワヤキ”という鉄板で生地を焼いて中にあんこやクリーム等を詰めたものが人気だった。
ハイドの親友であるガロのスパは屋台というより休憩所だったが、天然温泉を使った足湯を提供しており、ガロが受付をしながら訪れる客の女の子や若奥さんと楽しそうに歓談していた。
ライキの親友であるユデイの本屋のスペースも休憩所扱いで、売れ筋の雑誌などを立ち読み出来るコーナーの他、絵の得意なユデイによる似顔絵描きのコーナーがあり、なかなかの賑わいを見せていた。
そんな屋台通りの活気を肌に感じながら、ハイドはせっせとクレープを作り、ヒルデは笑顔で接客するのだった。
忙しさのピークが過ぎた頃、向かいの薬屋の屋台のライキの想い人である空駒鳥のリーネが、マールに休憩を貰ったのか友達の服屋の娘ルウナと一緒にフランクフルトとクレープの屋台の前に来ていた。
「あ、いらっしゃい。」
ライキが言った。
「美味しそうだね!」
リーネはルウナとキャッキャッ言いながら2つの屋台を見ている。
「でもこんなに大きいソーセージ、食べきれるかなぁ?」
とリーネ。
「ヒルデさんのとこのクレープも食べたいしね!」
とルウナ。
「うふふ、じゃあ二人で一個ずつ買ってシェアしちゃえばいいんじゃない?」
二人のやり取りを微笑ましく見ていたヒルデが提案した。
「あっ、それいいね・・・!そうする?」
とルウナ。
「そうしよう!
じゃあ私、フランクフルト買うね!」
とリーネ。
「じゃあ私はクレープ。
リーネも苺のでいい?」
「うん!」
「ライキ、フランクフルト一つください!」
「あ、はい。5ゴールドになります。」
ライキがフランクフルトを一本手に取りケチャップとマスタードをかけて彼女に渡したところでハイドがリーネに向けてニヤニヤしながら一言飛ばした。
「ライキは将来そのフランクフルトに負けねーくらい立派になるぜ?
つーわけで、空駒鳥ちゃんにオススメしとく!」
「えっ・・・???」
リーネは言われたことの意味がわからなかったのか、小首を傾げていた。
『兄貴!余計なこと言うなよっ!』
ライキが飛んできて小声で抗議してきた。
『わかってないなぁお前。
まず男として意識してもらうことから始めねーとだろ?
ま、空駒鳥ちゃんにはまだ早いネタだったみてーだがな?』
ハイドはそう言いながらも手早く苺とバニラアイスクリームのクレープを仕上げてヒルデに「二人でわけで食うならっと・・・ほい、苺一個サービス!」
と手渡し、ヒルデがルウナに、
「二人で食べるからハイドが苺一個サービスしたって!
良かったね!
こっちも5ゴールドね!」
と笑顔で手渡した。
リーネはルウナを待っている間、ソーセージから零れ落ちそうになったケチャップに焦ったのか「うわわっ」と言いながら、ライキの目の前でそれを舌で受け止めペロッと舐め上げた。
「!!」
それを見たライキは真っ赤になって、何か下半身に違和感を覚えたらしく、変な顔をして屋台の奥に引っ込んでしまった。
「おやぁ?
もしかすっと・・・」
手の空いたハイドはニシシと笑って弟の隣に行き、彼が必死に隠している下半身を覗き込んだ。
『やっぱり。
今ので初勃起かよ!?
このスケベ!
オトコになる日も近いんじゃねーか!?』
とひそひそ声で弟をからかい膝鉄を食らわした。
『ちょっ・・・エロ兄貴教えて!
これ、こんな人前で困るんだけど!
どーやれば収まるんだ?!』
『無心になるか他の事考えて気をそらすかだな。
あと目立たないポジションへチンコを調整させる!
頑張れ・・・!
男なら誰もが通る道だ!』
と弟の肩に手を置いた。
「あの・・・ライキ、大丈夫?
お腹・・・痛くなった?」
心配したリーネが近くまでやって来て、おずおずと声をかけた。
ライキは飛び上がりそうなくらい驚くと、急いで笑顔を取り繕ってリーネに返した。
「だっ!大丈夫だよ!
うちのフランクフルト買ってくれてありがとう!
俺も後でリーネんちの屋台に行くから!」
「本当!?ありがとう!
イマガワヤキのカスタードクリーム、私が仕込んだんだよ!
食べたら感想ちょうだいね!
それじゃ、また後でね!」
リーネは手を振りルウナと一緒に去っていった。
(あーあ、甘いの苦手なのにまた無理してイマガワヤキを食うんだろーな・・・。
不器用な奴・・・。)
とハイドが苦笑いした。
「ライキ、暇になったからあんたも休憩行ってきなさい。
隣にはハイドとヒルデもいるから協力して何とかするから。」
サアラがそう言ったので、ライキは慌てて、
「う、うん!」
と返事をし、息子のポジションをどうにか調整してみた。
「・・・わかる?」
ハイドは首を左右に振ってライキの頭をポンポンと叩いた。
「エプロンしてりゃ大丈夫だろ!
早く行って空駒鳥ちゃんと合流して来な?」
そう言ってライキの好きそうなベーコンとチーズのクレープを作って渡してやる。
「う、うん・・・。
でも女子の中に俺一人混ざるの恥ずかしいからユデイに声かけて行く。」
「マジでシャイボーイだなぁお前。
んじゃユデイのぶんもやるよ。」
ユデイの好みがわからなかったので、男子なら大抵好きそうな岩鳥フライとタルタルソースのクレープを作って渡してやる。
「兄貴ありがとう!
行ってきます!!」
ライキは嬉しそうに笑って去って行った。
ハイドがライキに「クレープ落とすなよー!」と呼びかけながら見送っていると、後ろからヒルデに呼ばれた。
「ハイド!お客さん!」
「おう、今戻るわ!」
と返事をしてクレープ屋台のほうを振り返ると、ジュニアスクールで同じ学年だったがあまり話したことのなかったヘンリーとノーラがイチャイチャと親密そうにくっついてクレープを選んでいた。
ヘンリーは赤茶の髪でメガネをかけて鼻が高い細身の秀才タイプで、ノーラは金髪で小柄な大人しそうな女の子。
二人の印象はジュニアスクールの時と然程変わらなかった。
「久しぶりじゃん。
二人って付き合ってたっけか?」
ハイドはあまり二人に興味がなかったが、一応知り合いで今は客として来てくれているので、世間話程度に訊いた。
「付き合ってるも何も、つがいだよつがい!
しかも、僕達はジュニアスクールを卒業してすぐにつがいになったから、君達よりつがい歴の長い先輩だよ?
ハイド、君ニュースペーパーを読んでないのかい?」
ヘンリーは元々高い鼻を更に高く伸ばして自慢気に語った。
フェリシア神国においては、つがいになった者・祝福を受けた者は教会が発行するニュースペーパーに町村名・二人の氏名・つがい名または祝福名が記載されるのだが、ハイドはニュースペーパーなど読まないので彼らがつがいであることを今まで知らなかったのだ。
(そいやヘンリーってこーいうエラソーなやつだったな・・・。
二人共家業持ちじゃないし成績が良かったから町のミドルスクールに行ったんじゃ無かったのか?
収穫祭期間だけ帰省しているのか。)
「あぁ、俺読まねーから知らなかったわ。
小鹿ちゃんは知ってた?」
と隣りにいるヒルデに聞くと、
「あ、うん。知ってたよ。
うちの店、ニュースペーパーも置いてるからね。
ノーラ、あんたがつがいのお祝いに贈ってくれた小説面白かったよ?
ありがとう!」
「本当?良かったぁ!
ヒルデちゃんもつがいのお祝いにって素敵な小説くれたから、そのお返し・・・。」
「あれ?
小鹿ちゃんってジュニアスクールの時常にぼっちだったじゃん?
ノーラと交流があったんだ?」
ハイドが正直な疑問をストレートに口にした。
「常にぼっちって、まぁそうだったけど、酷いなぁ・・・!」
ヒルデは軽くふくれっ面になりつつ、ノーラとの関係を説明した。
「ノーラとは読書友達だったの。
でもスクールじゃネオラたちの目があるから、委員会のときとかうちの店に来てくれた時に話してたから。
好きな作家が近いんだよね!」
「ね!」
「ふぅん・・・ネオラが見てないところだけで友達って、小鹿ちゃん、人が良すぎ・・・。」
ハイドはノーラに対して少々思うところがあったが、彼女と久しぶりの会話に花を咲かすヒルデのことを思ってそれ以上の言葉を飲み込んだ。
「ハイド、つがいの先輩としてひとつありがたいアドバイスをしてやろう。」
ヘンリーがそう前置きしてから小声でハイドに耳打ちした。
『君のことだからつがいの決まりごとなんて守れずに、もうヒルデに挿れちまってるんだろう?』
「・・・ヘンリー、てめぇ何言ってやがる?」
ハイドはヘンリーの予想もしないセリフに耳を疑った。
『あれ?
意外にもまだ童貞のままでいるのかな?
だったら君、損してるよ?
つがいの恩恵を受けたままで、相手を妊娠させることもなく、更に報告の祈りを掻い潜れる方法があるのにそれを知らないとは。
・・・教えてやろうか?』
ハイドは(そんな都合のいい話があるわけねーだろ!)と思うも、ヒルデとの関係が深まってきた近頃、彼女と身体を重ねる度に思う、彼女の中に入りたい・・・彼女と一つになり、最高の快楽を得たいと言う気持ち・・・。
これをどうすることも出来ずに、二人が成人するまで耐えられるのかという不安が芽生えていたため、ヘンリーの言う方法を聞いてみたい・・・と、少し考えてしまった。
それを感じ取ったのか、ヘンリーはハイドが聞く気があると受け取り、口角をあげると声をひそめて更に続けた。
『避妊の方法は数あれど、どれも今ひとつ確実性に欠ける。
特に町なんかで買える”安心して中出し出来る”って謳い文句の避妊薬程当てにならないものはないから気をつけ給え。
あれで相手を妊娠させた先輩を知っているんだ。
だから、僕の避妊方法は単純さ。
ノーラに毎日基礎体温を測らせて、そこから安全日を割り出して中出しする。
生理中もチャンスさ!
ノーラは汚れるしお腹が痛いからと嫌がるけど、気が弱いから強気で愛を囁やき押し切ればまず断わりきれない。
それ以外の日は外に出したり、口で処理させたり・・・毎日セックスできるわけじゃないが、これはつがいの恩恵を受けて一人の相手に縛られている以上仕方が無いな。
でも、これでもう2年位経つけど何とか妊娠もせずやれてるぜ?
一度生理が遅れたことがあったが、そういう時に飲ませる毒を先輩から聞いて、スベイルから取り寄せておいたんだよ!
そいつを飲ませたら効き目があったのか、またすぐに生理が来たぜ?
女の身体には負担がかかるらしいが、俺は別にどうってことないしな!
後は月一の報告の祈りを乗り越えるコツだが、こいつは簡単!
罪悪感を捨て去ることさ!
あれは神官によって心の動きを見られるから堂々としてりゃ全然平気なのさ!
でもノーラはあの通り気の弱い女だから堂々とする肝も座ってない。
だから、報告の祈りの前に睡眠薬を飲ませるか、最近は睡眠薬に耐性がついてきたのか効きにくくなったから、スベイルから取り寄せたちょっと頭の働きを鈍らせる毒を飲ませて・・・。』
ヘンリーがすべてを言い切らないうちに、ハイドは拳を振り上げていた!
それを察知したゲイルがハイドの拳に魔石を飛ばして止めた!
「っ!?
お、親父!?」
ハイドはゲイルを振り返った。
「・・・ハイド。
お前が彼と何の話をしていたかは大体理解している。
声をひそめていても狩人の特性で所々だが聴こえていたし、お前の怒りに満ちた気配から想像も容易い。
だが・・・一般人を殴っては駄目だ。
お前は今日は青鹿亭の手伝いをしているとはいえ、プロの狩人。
受け身も取れない一般人を手加減無しで殴ったりしたら、命を奪いかねないぞ。」
「・・・だがこいつ、つがいのくせに・・・
いや、つがいだからとかは俺も言えた義理じゃねー・・・。
俺も本音言えばヒルデと最後までやりてーし、そこは責めることは出来ねぇ!
だが、こいつは相手に対して決してやってはいけないことをしちまってる!!
こいつは裁かれなきゃならねぇ!!」
ハイドが怒鳴るのを聞いたヒルデが大体の事情を察したのかハイドの隣に来て言った。
「・・・あんたが殴れないなら、あたしはただのウエイトレスだし、あたしが蹴るのは大丈夫よね?」
ヒルデはそう言うと、思い切り脚を振り上げてからヘンリーめがけて回し蹴りを喰らわした!
バキィ!!
すごい音がしてヘンリーは通路中まで飛ばされた。
折れた歯が宙を舞う。
ハイドもゲイルもノーラもサアラも、近くにいた通行人もびっくりして目を丸くした。
「いや・・・小鹿ちゃんの蹴りもマジでシャレにならないやつだから・・・。」
ハイドが頭を押さえて引き攣りながらそう呟いた。
ヒルデは険しい顔のままノーラの側に行き、話しかけた。
「ノーラ・・・あんたのつがい、ハイドがキレるくらいのことをあんたにしたんだよね?
あんたたちに何があったのかよくわからないけど・・・このままズルズル行かないほうがいい・・・。
もう二度とそんなことのないよう良く話し合うべきだと思う。
あたしも一緒に話をしてあげるから・・・」
ノーラは肩に置こうとしたヒルデの手を払い除けた。
「何でヘンリーを蹴っちゃったの!?
さっきのでヘンリーが私から離れて行ったらどうしてくれるの!?」
「・・・ノ、ノーラ・・・?」
ヒルデはノーラの言葉が信じられないのか、眉を寄せて数歩下がり、狼狽えた。
その肩をそっと支えてハイドが言った。
「・・・あんなクソ野郎、それで離れてくれるなら万々歳じゃねーか。
逆らえないから言いなりになってたんじゃねーのかよ?」
「・・・確かにそうだけど・・・それでもヘンリーに離れていかれたら困るわ・・・。
ずっと言い出せなかったけど、私のお腹・・・あ、赤ちゃんがいるの・・・。
しかも、もう・・・10週になる・・・。」
「「「!!!」」」
ヘンリー、ヒルデ、ハイドの3人が大きく驚いた。
「なっ・・・なんだって!?
何で黙ってた!?
あの毒は10週を超えると効きづらくなるんだぞ!?」
ヘンリーがヒルデに蹴られて腫れた顔を押さえつつ声を荒らげた。
「だから言えなかったのよ・・・!!
前みたいな毒を飲んだら、もう二度と赤ちゃんが出来なくなるって聞いたから・・・。
だから私、今度は産みたい・・・!!
私のことを愛してくれているから最後までシたのよね?
私達まだ未成年だから結婚は出来ないけど、ヘンリーが成人したら迎えに来てくれるよね!?
そう約束してくれるなら、お産・・・凄く怖いけれど、きっと耐えられる!
私、ミドルスクールを中退して、この子を産んで一緒にフォレストサイド村で待ってるから・・・。」
「じょ、冗談じゃないぞ!
お前が大人しくて都合がいい女だからつがいにしたんだ!
誰かとつがいであれば、ミドルスクールの寮の規則も緩和されるし、奨学金も受けやすいからな!
じゃなければお前みたいな地味で冴えない女、僕みたいな将来有望な男が本気で相手をするわけないだろう!?
もう一度毒を飲むと言え・・・!
そうしたらすべて水に流してやるよ・・・。」
ヒルデがノーラの肩をそっと支えた。
ノーラはヒルデの顔を見て、震えながらもゆっくりと、首を左右に振った。
それを見たヘンリーは、物凄い形相でノーラを睨みつけると、怒りに任せてつがいの指輪を外そうとする。
だが外れる筈も無く、舌打ちするとその場から走って逃げ出した。
ハイドがそれを追おうとするが、ゲイルが止めて首を振った。
「放っておけ。
どうせ彼の行き場は何処にもない。
それに・・・おそらく・・・彼には天罰が下されるだろう。」
ゲイルはそう言うと、ヒルデの腕に抱かれて泣き崩れるノーラに視線を送った。
ノーラは光を失った目でふらふらと立ち上がると、心配して声をかけるヒルデを無視し、一人教会へ向かって歩いて行った。
屋台を放り出してノーラを追いかけるヒルデとハイド。
そして、教会に辿り着いたノーラは、ステンドグラスに背を向けて立つフェリシア像の前に跪き、何かを必死に祈るのだった。
祈りを終えたノーラは、
「アハハハハ!
アハハハハハッ!」
と笑い続け、誰の声も届かなくなった・・・。
その後、神父に呼ばれたノーラの両親が娘を迎えに来ると、心配して付き添っていたハイドとヒルデに頭を下げて去って行った。
「ノーラ・・・フェリシア様に何を祈ったんだろう・・・。」
ヒルデが言った。
「・・・さぁな・・・。
少なくとも、ヘンリーはもう二度とフォレストサイド村には戻って来ないだろう・・・。」
ハイドは厳しい顔でそう答えた。
「・・・ノーラの赤ちゃん・・・どうなるのかな・・・。」
ヒルデがハラハラと涙を落としながら呟いた。
ハイドはそんな彼女をギュッと強く抱きしめると、黙って頭を振った。
ヒルデは震えるハイドの背中に腕を回し、しばらくそのまま抱き合った・・・。
「小鹿ちゃん・・・俺、小鹿ちゃんと身体を重ねるごとに小鹿ちゃんのことを全部欲しくてたまらなくなってた・・・。
だが、もし今小鹿ちゃんが妊娠しても、未成年じゃ結婚もできないし、すぐに子供の父親になることも出来ない・・・。
それに、つがいの加護を失って、また病が再発するかもしれない・・・。
そんな未来は絶対に嫌だ・・・!!
大切にする・・・。
小鹿ちゃんが全部欲しくても、確率任せの避妊なんか絶対にしない。
成人するまで挿入は我慢してみせる・・・。」
ヒルデはそんなハイドの顔を見上げて、そっと頬に手を伸ばし、言葉を紡いだ。
「・・・・・ハイド・・・・・。
あたしが欲しいときは言ってよ。
今はまだ全部はあげられないけど、あんたが満足するまで沢山気持ちのいいことをしてあげる。
あたしの気持ちをたくさんあげる。
あんた一人で我慢しないで、二人でつがいの時期を乗り越えていこうよ・・・・・。」
「ありがとう・・・ヒルデ。」
二人はそのまま泣きながら唇を重ねるのだった。
「・・・屋台へ戻ろう。
正直そんな気分じゃねーけど、収穫祭の最後までクレープを作って売らないと、お前の親父にどやされそうだ。」
「・・・うん。あと少し、頑張ろう。」
二人は涙を拭ってセンター通りへと向かって、来た道を引き返すのだった。
二人が屋台に戻ると、夕方から始まるパレードに向けて人足が増え始めており、クレープ屋台とフランクフルト屋台両方の調理に追われるサアラと、両方の接客に追われてあたふたしているライキ、それらを助けたいけどどうすればいいのかわからず慌てているゲイルがいた。
「あっ!兄貴とヒルデ姉さんが戻ってきた!」
「ライキ、サアラ、親父、すまねぇな!
さぁ!クレープ作るぞ!!」
ハイドは腕まくりをして気合を振り絞るようにそう言うと、ヒルデとハイタッチを交わすのだった。
フォレストサイド村は収穫祭の準備で忙しい時期だったが、ハイドとヒルデは毎晩ヒルデの部屋もしくはハイドの部屋で身体を重ね、触れ合っていた。
二人の身体の関係は、手の早いハイドを時折ヒルデが足蹴りやパンチ、金的で制しながらも少しずつ深まっていた。
「あっ♥あぁっ♡あぁん・・・♥」
その日も灯りを消したヒルデの部屋で、甘い嬌声と嫌らしい水音がピチャピチャと響いていた。
ハイドは彼女の腰を持ち上げるように脚を開かせ両手で押さえると、露わになった彼女の秘部にある小さな蕾を舌先の動きに適度な変化をつけながら愛撫していた。
「あっ♥ああっ・・・ん・・・っ・・・あっ♥
あっ、あんっ♡あっ、あっ・・・ハイド・・・ハイドぉ・・・もっ、らめっ♥あっ、あたし、いっ、いっちゃう♡あっああっ♥
あぁあっあっあっあぁあぁあぁーーー♥♡♥!!」
彼女が脚にピーン!と力を入れて、涎を垂らしながら身体を痙攣させるのを見届けてから、ハイドはゆっくりと顔を上げ、濡れそぼった腟口を指で軽くくりくりしてからゴクッと生唾を飲んだ。
そして何かを振り払うかのようにブンブンと首を振ると指を膣口から離し、まだ果ててばかりでクタッとなり肩で息をしている愛しの彼女の口元の涎を拭って意地悪に笑って言った。
「・・・小鹿ちゃん涎まで垂らして・・・そんなに気持ちよかった?」
「・・・・・意地悪!」
ヒルデは涙目で真っ赤になって両手で顔を覆った。
「クククッ、小鹿ちゃん可愛い♥
じゃ、次はまた俺の番な!よろしく♪」
ハイドは彼女の淡い薔薇色の唇に限界まで硬く熱く滾った股間のものを持っていき、ツン、ツンと突付いてフェラを促した。
「んもぅ・・・あんたさっき胸で出してばかりなのになんでまた元気になってるの・・・。」
ヒルデは真っ赤な顔のまま困ったように眉を寄せて彼を見上げた。
「あんなエロい小鹿ちゃん見せられりゃすぐにたまんなくなるってば。
な?しゃぶってくれよ。」
切羽詰まって苦しそうな彼に彼女は呆れたようにため息をつくと、そっと身体を起こした。
「もう・・・仕方無いなぁ・・・。
ハイドのエッチ!欲しがりや!」
彼女は長いまつ毛を伏せるとそっと耳に髪をかけて、その流れで肩にかかっていた髪も払って背に回すと、彼の大きなものに軽くキスしてから口に含んだ。
「はぁっ・・・小鹿ちゃん・・・気持ちいい・・・♥
マジで上手くなったよな・・・フェラ・・・」
(そりゃ、あんたがフェラでもどかしくなるとすぐに腰を使ってきてイラマチオになるし危険だから頑張って覚えたのよ!)
と訴えかけるようにヒルデは涙目で彼を睨んだ。
その眼差しを受けてハイドは更にビクン!と股間を反応させると、ヒルデの青い髪に指を通して梳かしながら吐息混じりに、でも彼にしては真面目な表情でヒルデに言った。
「・・・・わかってる。
もうイラマチオはしない・・・。
俺小鹿ちゃんのこと泣かせて興奮する性癖だけど、マジで大切だから、本気で嫌がることはしない。
けど、たまに自制が効かなくなるときがあっから・・・そん時は小鹿ちゃん、グーパンでも足蹴りでも金的でも食らわしていいから・・・俺を止めてくれな・・・頼む。」
彼の真面目な言葉に彼女は咥えるのをやめ、彼を見上げて柔らかく微笑んだ。
「ん・・・わかった・・・。」
彼女はそう答えると、再び彼のものを咥えた。
「はぁっ、小鹿ちゃん・・・俺の小鹿ちゃん・・・!・・・うあっ・・・はあっ♥」
切なそうに綺麗な目を細めて快楽に身を委ねる彼にキュンキュンしながら、ヒルデも、
「んっ・・・ふぅっ・・・♥」
と声を漏らしながら彼を追い込むのだった。
その翌日は、フォレストサイド村の収穫祭──。
葡萄や小麦、数々の農作物、畜産物の収穫を祝い感謝する日で、その日は村中の店(宿を除く)がすべて休みとなり、代わりにセンター通りに数々の屋台が並び、その中を村人がパレードをしたり、好きに踊ったりして騒ぐ日だった。
森の青鹿亭も毎年屋台を出しており、コーヒーや紅茶、ソフトドリンクを提供していた。
今年はルルドがまた腰を痛めたため、ハイドが代わりに屋台に入ることになり、彼のアイディアでクレープも出すことになった。
その隣のハント家の屋台では、魔獣の角や毛皮、魔石等の直売と、魔獣の肉から作られたフランクフルトを販売していた。
フランクフルトは毎年ハイドが「俺の息子とほぼ同じサイズな!」などという下ネタを交えながら調理する名物(迷物?)だったが、今年はハイドが青鹿亭の方を手伝うためサアラが調理を担当することになり、サアラの代わりにライキがゲイルの魔獣素材直売の手伝いとフランクフルトの売り子を兼ねることになった。
フランクフルトを買いに来る客に、
「おお、今年は弟が売り子か!
お前さんの息子のサイズと比べてこいつはどうなんだい?」
なんて言われたライキが真っ赤になって狼狽えているのを見てハイドがケラケラと笑った。
通り向かいには桜駒鳥の薬屋の屋台があり、マールお手製の薬の他、収穫祭の時しか食べられないニホン国のスイーツ”イマガワヤキ”という鉄板で生地を焼いて中にあんこやクリーム等を詰めたものが人気だった。
ハイドの親友であるガロのスパは屋台というより休憩所だったが、天然温泉を使った足湯を提供しており、ガロが受付をしながら訪れる客の女の子や若奥さんと楽しそうに歓談していた。
ライキの親友であるユデイの本屋のスペースも休憩所扱いで、売れ筋の雑誌などを立ち読み出来るコーナーの他、絵の得意なユデイによる似顔絵描きのコーナーがあり、なかなかの賑わいを見せていた。
そんな屋台通りの活気を肌に感じながら、ハイドはせっせとクレープを作り、ヒルデは笑顔で接客するのだった。
忙しさのピークが過ぎた頃、向かいの薬屋の屋台のライキの想い人である空駒鳥のリーネが、マールに休憩を貰ったのか友達の服屋の娘ルウナと一緒にフランクフルトとクレープの屋台の前に来ていた。
「あ、いらっしゃい。」
ライキが言った。
「美味しそうだね!」
リーネはルウナとキャッキャッ言いながら2つの屋台を見ている。
「でもこんなに大きいソーセージ、食べきれるかなぁ?」
とリーネ。
「ヒルデさんのとこのクレープも食べたいしね!」
とルウナ。
「うふふ、じゃあ二人で一個ずつ買ってシェアしちゃえばいいんじゃない?」
二人のやり取りを微笑ましく見ていたヒルデが提案した。
「あっ、それいいね・・・!そうする?」
とルウナ。
「そうしよう!
じゃあ私、フランクフルト買うね!」
とリーネ。
「じゃあ私はクレープ。
リーネも苺のでいい?」
「うん!」
「ライキ、フランクフルト一つください!」
「あ、はい。5ゴールドになります。」
ライキがフランクフルトを一本手に取りケチャップとマスタードをかけて彼女に渡したところでハイドがリーネに向けてニヤニヤしながら一言飛ばした。
「ライキは将来そのフランクフルトに負けねーくらい立派になるぜ?
つーわけで、空駒鳥ちゃんにオススメしとく!」
「えっ・・・???」
リーネは言われたことの意味がわからなかったのか、小首を傾げていた。
『兄貴!余計なこと言うなよっ!』
ライキが飛んできて小声で抗議してきた。
『わかってないなぁお前。
まず男として意識してもらうことから始めねーとだろ?
ま、空駒鳥ちゃんにはまだ早いネタだったみてーだがな?』
ハイドはそう言いながらも手早く苺とバニラアイスクリームのクレープを仕上げてヒルデに「二人でわけで食うならっと・・・ほい、苺一個サービス!」
と手渡し、ヒルデがルウナに、
「二人で食べるからハイドが苺一個サービスしたって!
良かったね!
こっちも5ゴールドね!」
と笑顔で手渡した。
リーネはルウナを待っている間、ソーセージから零れ落ちそうになったケチャップに焦ったのか「うわわっ」と言いながら、ライキの目の前でそれを舌で受け止めペロッと舐め上げた。
「!!」
それを見たライキは真っ赤になって、何か下半身に違和感を覚えたらしく、変な顔をして屋台の奥に引っ込んでしまった。
「おやぁ?
もしかすっと・・・」
手の空いたハイドはニシシと笑って弟の隣に行き、彼が必死に隠している下半身を覗き込んだ。
『やっぱり。
今ので初勃起かよ!?
このスケベ!
オトコになる日も近いんじゃねーか!?』
とひそひそ声で弟をからかい膝鉄を食らわした。
『ちょっ・・・エロ兄貴教えて!
これ、こんな人前で困るんだけど!
どーやれば収まるんだ?!』
『無心になるか他の事考えて気をそらすかだな。
あと目立たないポジションへチンコを調整させる!
頑張れ・・・!
男なら誰もが通る道だ!』
と弟の肩に手を置いた。
「あの・・・ライキ、大丈夫?
お腹・・・痛くなった?」
心配したリーネが近くまでやって来て、おずおずと声をかけた。
ライキは飛び上がりそうなくらい驚くと、急いで笑顔を取り繕ってリーネに返した。
「だっ!大丈夫だよ!
うちのフランクフルト買ってくれてありがとう!
俺も後でリーネんちの屋台に行くから!」
「本当!?ありがとう!
イマガワヤキのカスタードクリーム、私が仕込んだんだよ!
食べたら感想ちょうだいね!
それじゃ、また後でね!」
リーネは手を振りルウナと一緒に去っていった。
(あーあ、甘いの苦手なのにまた無理してイマガワヤキを食うんだろーな・・・。
不器用な奴・・・。)
とハイドが苦笑いした。
「ライキ、暇になったからあんたも休憩行ってきなさい。
隣にはハイドとヒルデもいるから協力して何とかするから。」
サアラがそう言ったので、ライキは慌てて、
「う、うん!」
と返事をし、息子のポジションをどうにか調整してみた。
「・・・わかる?」
ハイドは首を左右に振ってライキの頭をポンポンと叩いた。
「エプロンしてりゃ大丈夫だろ!
早く行って空駒鳥ちゃんと合流して来な?」
そう言ってライキの好きそうなベーコンとチーズのクレープを作って渡してやる。
「う、うん・・・。
でも女子の中に俺一人混ざるの恥ずかしいからユデイに声かけて行く。」
「マジでシャイボーイだなぁお前。
んじゃユデイのぶんもやるよ。」
ユデイの好みがわからなかったので、男子なら大抵好きそうな岩鳥フライとタルタルソースのクレープを作って渡してやる。
「兄貴ありがとう!
行ってきます!!」
ライキは嬉しそうに笑って去って行った。
ハイドがライキに「クレープ落とすなよー!」と呼びかけながら見送っていると、後ろからヒルデに呼ばれた。
「ハイド!お客さん!」
「おう、今戻るわ!」
と返事をしてクレープ屋台のほうを振り返ると、ジュニアスクールで同じ学年だったがあまり話したことのなかったヘンリーとノーラがイチャイチャと親密そうにくっついてクレープを選んでいた。
ヘンリーは赤茶の髪でメガネをかけて鼻が高い細身の秀才タイプで、ノーラは金髪で小柄な大人しそうな女の子。
二人の印象はジュニアスクールの時と然程変わらなかった。
「久しぶりじゃん。
二人って付き合ってたっけか?」
ハイドはあまり二人に興味がなかったが、一応知り合いで今は客として来てくれているので、世間話程度に訊いた。
「付き合ってるも何も、つがいだよつがい!
しかも、僕達はジュニアスクールを卒業してすぐにつがいになったから、君達よりつがい歴の長い先輩だよ?
ハイド、君ニュースペーパーを読んでないのかい?」
ヘンリーは元々高い鼻を更に高く伸ばして自慢気に語った。
フェリシア神国においては、つがいになった者・祝福を受けた者は教会が発行するニュースペーパーに町村名・二人の氏名・つがい名または祝福名が記載されるのだが、ハイドはニュースペーパーなど読まないので彼らがつがいであることを今まで知らなかったのだ。
(そいやヘンリーってこーいうエラソーなやつだったな・・・。
二人共家業持ちじゃないし成績が良かったから町のミドルスクールに行ったんじゃ無かったのか?
収穫祭期間だけ帰省しているのか。)
「あぁ、俺読まねーから知らなかったわ。
小鹿ちゃんは知ってた?」
と隣りにいるヒルデに聞くと、
「あ、うん。知ってたよ。
うちの店、ニュースペーパーも置いてるからね。
ノーラ、あんたがつがいのお祝いに贈ってくれた小説面白かったよ?
ありがとう!」
「本当?良かったぁ!
ヒルデちゃんもつがいのお祝いにって素敵な小説くれたから、そのお返し・・・。」
「あれ?
小鹿ちゃんってジュニアスクールの時常にぼっちだったじゃん?
ノーラと交流があったんだ?」
ハイドが正直な疑問をストレートに口にした。
「常にぼっちって、まぁそうだったけど、酷いなぁ・・・!」
ヒルデは軽くふくれっ面になりつつ、ノーラとの関係を説明した。
「ノーラとは読書友達だったの。
でもスクールじゃネオラたちの目があるから、委員会のときとかうちの店に来てくれた時に話してたから。
好きな作家が近いんだよね!」
「ね!」
「ふぅん・・・ネオラが見てないところだけで友達って、小鹿ちゃん、人が良すぎ・・・。」
ハイドはノーラに対して少々思うところがあったが、彼女と久しぶりの会話に花を咲かすヒルデのことを思ってそれ以上の言葉を飲み込んだ。
「ハイド、つがいの先輩としてひとつありがたいアドバイスをしてやろう。」
ヘンリーがそう前置きしてから小声でハイドに耳打ちした。
『君のことだからつがいの決まりごとなんて守れずに、もうヒルデに挿れちまってるんだろう?』
「・・・ヘンリー、てめぇ何言ってやがる?」
ハイドはヘンリーの予想もしないセリフに耳を疑った。
『あれ?
意外にもまだ童貞のままでいるのかな?
だったら君、損してるよ?
つがいの恩恵を受けたままで、相手を妊娠させることもなく、更に報告の祈りを掻い潜れる方法があるのにそれを知らないとは。
・・・教えてやろうか?』
ハイドは(そんな都合のいい話があるわけねーだろ!)と思うも、ヒルデとの関係が深まってきた近頃、彼女と身体を重ねる度に思う、彼女の中に入りたい・・・彼女と一つになり、最高の快楽を得たいと言う気持ち・・・。
これをどうすることも出来ずに、二人が成人するまで耐えられるのかという不安が芽生えていたため、ヘンリーの言う方法を聞いてみたい・・・と、少し考えてしまった。
それを感じ取ったのか、ヘンリーはハイドが聞く気があると受け取り、口角をあげると声をひそめて更に続けた。
『避妊の方法は数あれど、どれも今ひとつ確実性に欠ける。
特に町なんかで買える”安心して中出し出来る”って謳い文句の避妊薬程当てにならないものはないから気をつけ給え。
あれで相手を妊娠させた先輩を知っているんだ。
だから、僕の避妊方法は単純さ。
ノーラに毎日基礎体温を測らせて、そこから安全日を割り出して中出しする。
生理中もチャンスさ!
ノーラは汚れるしお腹が痛いからと嫌がるけど、気が弱いから強気で愛を囁やき押し切ればまず断わりきれない。
それ以外の日は外に出したり、口で処理させたり・・・毎日セックスできるわけじゃないが、これはつがいの恩恵を受けて一人の相手に縛られている以上仕方が無いな。
でも、これでもう2年位経つけど何とか妊娠もせずやれてるぜ?
一度生理が遅れたことがあったが、そういう時に飲ませる毒を先輩から聞いて、スベイルから取り寄せておいたんだよ!
そいつを飲ませたら効き目があったのか、またすぐに生理が来たぜ?
女の身体には負担がかかるらしいが、俺は別にどうってことないしな!
後は月一の報告の祈りを乗り越えるコツだが、こいつは簡単!
罪悪感を捨て去ることさ!
あれは神官によって心の動きを見られるから堂々としてりゃ全然平気なのさ!
でもノーラはあの通り気の弱い女だから堂々とする肝も座ってない。
だから、報告の祈りの前に睡眠薬を飲ませるか、最近は睡眠薬に耐性がついてきたのか効きにくくなったから、スベイルから取り寄せたちょっと頭の働きを鈍らせる毒を飲ませて・・・。』
ヘンリーがすべてを言い切らないうちに、ハイドは拳を振り上げていた!
それを察知したゲイルがハイドの拳に魔石を飛ばして止めた!
「っ!?
お、親父!?」
ハイドはゲイルを振り返った。
「・・・ハイド。
お前が彼と何の話をしていたかは大体理解している。
声をひそめていても狩人の特性で所々だが聴こえていたし、お前の怒りに満ちた気配から想像も容易い。
だが・・・一般人を殴っては駄目だ。
お前は今日は青鹿亭の手伝いをしているとはいえ、プロの狩人。
受け身も取れない一般人を手加減無しで殴ったりしたら、命を奪いかねないぞ。」
「・・・だがこいつ、つがいのくせに・・・
いや、つがいだからとかは俺も言えた義理じゃねー・・・。
俺も本音言えばヒルデと最後までやりてーし、そこは責めることは出来ねぇ!
だが、こいつは相手に対して決してやってはいけないことをしちまってる!!
こいつは裁かれなきゃならねぇ!!」
ハイドが怒鳴るのを聞いたヒルデが大体の事情を察したのかハイドの隣に来て言った。
「・・・あんたが殴れないなら、あたしはただのウエイトレスだし、あたしが蹴るのは大丈夫よね?」
ヒルデはそう言うと、思い切り脚を振り上げてからヘンリーめがけて回し蹴りを喰らわした!
バキィ!!
すごい音がしてヘンリーは通路中まで飛ばされた。
折れた歯が宙を舞う。
ハイドもゲイルもノーラもサアラも、近くにいた通行人もびっくりして目を丸くした。
「いや・・・小鹿ちゃんの蹴りもマジでシャレにならないやつだから・・・。」
ハイドが頭を押さえて引き攣りながらそう呟いた。
ヒルデは険しい顔のままノーラの側に行き、話しかけた。
「ノーラ・・・あんたのつがい、ハイドがキレるくらいのことをあんたにしたんだよね?
あんたたちに何があったのかよくわからないけど・・・このままズルズル行かないほうがいい・・・。
もう二度とそんなことのないよう良く話し合うべきだと思う。
あたしも一緒に話をしてあげるから・・・」
ノーラは肩に置こうとしたヒルデの手を払い除けた。
「何でヘンリーを蹴っちゃったの!?
さっきのでヘンリーが私から離れて行ったらどうしてくれるの!?」
「・・・ノ、ノーラ・・・?」
ヒルデはノーラの言葉が信じられないのか、眉を寄せて数歩下がり、狼狽えた。
その肩をそっと支えてハイドが言った。
「・・・あんなクソ野郎、それで離れてくれるなら万々歳じゃねーか。
逆らえないから言いなりになってたんじゃねーのかよ?」
「・・・確かにそうだけど・・・それでもヘンリーに離れていかれたら困るわ・・・。
ずっと言い出せなかったけど、私のお腹・・・あ、赤ちゃんがいるの・・・。
しかも、もう・・・10週になる・・・。」
「「「!!!」」」
ヘンリー、ヒルデ、ハイドの3人が大きく驚いた。
「なっ・・・なんだって!?
何で黙ってた!?
あの毒は10週を超えると効きづらくなるんだぞ!?」
ヘンリーがヒルデに蹴られて腫れた顔を押さえつつ声を荒らげた。
「だから言えなかったのよ・・・!!
前みたいな毒を飲んだら、もう二度と赤ちゃんが出来なくなるって聞いたから・・・。
だから私、今度は産みたい・・・!!
私のことを愛してくれているから最後までシたのよね?
私達まだ未成年だから結婚は出来ないけど、ヘンリーが成人したら迎えに来てくれるよね!?
そう約束してくれるなら、お産・・・凄く怖いけれど、きっと耐えられる!
私、ミドルスクールを中退して、この子を産んで一緒にフォレストサイド村で待ってるから・・・。」
「じょ、冗談じゃないぞ!
お前が大人しくて都合がいい女だからつがいにしたんだ!
誰かとつがいであれば、ミドルスクールの寮の規則も緩和されるし、奨学金も受けやすいからな!
じゃなければお前みたいな地味で冴えない女、僕みたいな将来有望な男が本気で相手をするわけないだろう!?
もう一度毒を飲むと言え・・・!
そうしたらすべて水に流してやるよ・・・。」
ヒルデがノーラの肩をそっと支えた。
ノーラはヒルデの顔を見て、震えながらもゆっくりと、首を左右に振った。
それを見たヘンリーは、物凄い形相でノーラを睨みつけると、怒りに任せてつがいの指輪を外そうとする。
だが外れる筈も無く、舌打ちするとその場から走って逃げ出した。
ハイドがそれを追おうとするが、ゲイルが止めて首を振った。
「放っておけ。
どうせ彼の行き場は何処にもない。
それに・・・おそらく・・・彼には天罰が下されるだろう。」
ゲイルはそう言うと、ヒルデの腕に抱かれて泣き崩れるノーラに視線を送った。
ノーラは光を失った目でふらふらと立ち上がると、心配して声をかけるヒルデを無視し、一人教会へ向かって歩いて行った。
屋台を放り出してノーラを追いかけるヒルデとハイド。
そして、教会に辿り着いたノーラは、ステンドグラスに背を向けて立つフェリシア像の前に跪き、何かを必死に祈るのだった。
祈りを終えたノーラは、
「アハハハハ!
アハハハハハッ!」
と笑い続け、誰の声も届かなくなった・・・。
その後、神父に呼ばれたノーラの両親が娘を迎えに来ると、心配して付き添っていたハイドとヒルデに頭を下げて去って行った。
「ノーラ・・・フェリシア様に何を祈ったんだろう・・・。」
ヒルデが言った。
「・・・さぁな・・・。
少なくとも、ヘンリーはもう二度とフォレストサイド村には戻って来ないだろう・・・。」
ハイドは厳しい顔でそう答えた。
「・・・ノーラの赤ちゃん・・・どうなるのかな・・・。」
ヒルデがハラハラと涙を落としながら呟いた。
ハイドはそんな彼女をギュッと強く抱きしめると、黙って頭を振った。
ヒルデは震えるハイドの背中に腕を回し、しばらくそのまま抱き合った・・・。
「小鹿ちゃん・・・俺、小鹿ちゃんと身体を重ねるごとに小鹿ちゃんのことを全部欲しくてたまらなくなってた・・・。
だが、もし今小鹿ちゃんが妊娠しても、未成年じゃ結婚もできないし、すぐに子供の父親になることも出来ない・・・。
それに、つがいの加護を失って、また病が再発するかもしれない・・・。
そんな未来は絶対に嫌だ・・・!!
大切にする・・・。
小鹿ちゃんが全部欲しくても、確率任せの避妊なんか絶対にしない。
成人するまで挿入は我慢してみせる・・・。」
ヒルデはそんなハイドの顔を見上げて、そっと頬に手を伸ばし、言葉を紡いだ。
「・・・・・ハイド・・・・・。
あたしが欲しいときは言ってよ。
今はまだ全部はあげられないけど、あんたが満足するまで沢山気持ちのいいことをしてあげる。
あたしの気持ちをたくさんあげる。
あんた一人で我慢しないで、二人でつがいの時期を乗り越えていこうよ・・・・・。」
「ありがとう・・・ヒルデ。」
二人はそのまま泣きながら唇を重ねるのだった。
「・・・屋台へ戻ろう。
正直そんな気分じゃねーけど、収穫祭の最後までクレープを作って売らないと、お前の親父にどやされそうだ。」
「・・・うん。あと少し、頑張ろう。」
二人は涙を拭ってセンター通りへと向かって、来た道を引き返すのだった。
二人が屋台に戻ると、夕方から始まるパレードに向けて人足が増え始めており、クレープ屋台とフランクフルト屋台両方の調理に追われるサアラと、両方の接客に追われてあたふたしているライキ、それらを助けたいけどどうすればいいのかわからず慌てているゲイルがいた。
「あっ!兄貴とヒルデ姉さんが戻ってきた!」
「ライキ、サアラ、親父、すまねぇな!
さぁ!クレープ作るぞ!!」
ハイドは腕まくりをして気合を振り絞るようにそう言うと、ヒルデとハイタッチを交わすのだった。
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