銀色狼と空駒鳥のつがい ~フォレストサイドを翔ける~

彩田和花

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プロローグ

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─フェリシア神国フォレストサイド村 西の森─
一人の少年がロングソードを片手に銀の髪と毛皮のマントをなびかせ、獲物を追って森を駆け抜けていた。

─俺の名はライキ・ハント・スイズリーハント。
年齢は来月で14だ。
この国では本名の他にその人をわかりやすく表現するために”通り名”というものがあるのだが、俺はこの国に伝わる童話の主人公『銀色狼』と同じ銀の毛と菫の瞳であること、そして職業である狩人にちなんでか、いつからか村人達に『銀色狼』という通り名で呼ばれるようになった。
俺の家は狩人一家で、俺もジュニアスクールを卒業してすぐ父さんや兄貴と同じ狩人になったわけだが、俺たちの狩りは少し特殊で、狩りの対象となるのは主に“魔獣”なんだ。
魔獣とは、この世界の至る所にある”魔界と繋るゲート”を通してこの世界に溢れ出してくる異形の獣のことを言い、奴らは体内にある魔法の力の結晶”魔石”により強化した牙や爪や尾を武器に襲いかかってきたり、魔石を介して火・水・風・土・雷・冷・光・闇等の属性攻撃を放ってきたりする、俺達人間にとってとても危険な存在なんだ。
だから俺達狩人は魔獣が人に害をなす前に狩り、村の平和を守るのが役目なんだけど、それだけじゃなくその遺体を持ち帰って解体し、奴らの心臓にある魔石を始め、毛皮、角、牙や肉等を売って利益を得ることも、この仕事の醍醐味だと俺は思ってる。
といっても俺はまだ昨年狩人デビューしてばかりの初級狩人で、父さんや兄貴が普段狩っているフォレストサイド村の”南の森”よりも弱い魔獣が出る”西の森”の担当だけどな。
でもこの”西の森”の入り口近くには俺の好きな子の家である”桜駒鳥の薬屋”があるから、狩った獲物を家の解体場まで持ち帰る途中で何かと理由をつけては顔を出し、彼女と雑談を交わすのが俺の密かな楽しみとなっていた。─

銀色狼ライキは尾の部分が竜巻のようにうねっているうさぎを2匹ロープで縛り背負い、更には腕に八朔の入った麻紐で編んだ袋を下げた姿で西の森から出て来ると、うさぎを森の近くにある”桜駒鳥の薬屋”の外壁にあるフックにぶら下げた後、正面扉に回り込んでドアノブに手をかけた。
カランカランと来客を告げる鈴が鳴り響く。
「リーネ!
森に八朔がなってたから狩りのついでに採ってきた。
食う?」
ライキは手に下げた袋から八朔を一つ取り出すと、目の前にいる淡い金髪のロングヘアに空色の澄んだ瞳をした色白の愛らしい少女にそれを見せた。
「ライキ!
わぁ!立派な八朔だね!
食べる食べる!」
ライキは八朔の皮を非力な彼女にも剥きやすく手で軽く割ってから手渡した。
(彼女は俺の幼馴染のリーネ・ファーマシー。
通り名は駒鳥のように愛らしい外見と空色の瞳から『空駒鳥』と呼ばれている。
年齢は再来月で14歳だ。
リーネはこの店の主『桜駒鳥』ことマールばあちゃんの曾孫にあたり、他に血縁がいないらしくばあちゃんと二人で暮らしている。
職業はばあちゃんの跡を継ぐべく修行中の薬師だ。
あぁ・・・今日もマジで可愛い・・・。
リーネとつがいになりたい・・・。
あ、つがいというのはこの国を造りし女神フェリシア様の加護を受けた未成年の恋人達の呼び方なんだ。
つがいになると銀の対となる指輪が与えられると共に、女神様から幾つかの誓約を課せられるけど、それらをきちんと守り17歳となり成人した二人には、女神様から祝福が与えられる。
祝福を与えられた二人は大病や厄災を退け、離別・死別することもなく、共に寿命を迎える時まで、幸せに添い遂げることが出来るらしい。
胡散臭いと信じない人もいるけど、俺の両親はつがいを経て祝福を受けた夫婦だし、兄貴もつがいのお姉さんと3か月後に祝福を受ける予定で二組ともとても幸せそうだから、女神様の加護は本当にあるんだと俺は信じているし、俺もいつかリーネとつがいになりたいと願っている。
当のリーネは可愛いから男にモテるけど、全くその自覚がないらしく、異性からの好意にとても疎い。
だから俺のアプローチはいつも空振りに終わってるけどな・・・。)
「あっ、ライキ、ここ切り傷が出来てるよ・・・。」
リーネが棚から救急箱を取り出して、ライキの左腕にある傷口の消毒を始めた。
「あぁ、さっき竜巻うさぎとやり合ったとき、攻撃がかすってたんだな。
でもこれくらい別に平気だよ。
放っておいても治るし。」
「駄目だよ!
化膿すると大変だもの。
小さい傷でもきちんと手当はしておこう?
・・・大昔の人みたいに癒やしの魔法が使えれば一瞬で直してあげられるのにね・・・。」
とリーネが眉を寄せて傷薬を塗りながら呟いた。
(そう・・・リーネの言うように大昔は魔法を使って傷の治療をしていたらしい。
傷の治療だけでなく、火・水・風・土・雷・冷・光・闇などの属性を魔法で生み出して生活に役立てたりしていたらしいが、いつからか魔法が使える人が減ってきて、今では魔法が使えるのはごく一部の極めてその資質の高い人たちだけとなっている。
少なくとも俺は今までの人生で魔法が使える人には会ったことがない。
だけど魔法が一般的で無い代わりに、俺達が狩った魔獣が持ってる魔石を組み込んだ魔道具・・・例を上げれば指先ひとつで簡単に火を起こして火力の調整が出来る調理用コンロ、水と風の魔石を使って洗濯の工程を全てしてくれる洗濯器、食品を冷蔵・冷凍して長期保存する冷蔵庫等が殆どの家庭に普及し、生活を豊かなものにしてくれている。)
「・・・ありがとうリーネ。
ばあちゃんの傷薬はマジで早く効くから魔法にも負けないと思うぞ?
・・・でもあれ・・・?
今回いつもより効き目が出るのが遅くないか?」
「ひゃっひゃっひゃっ!
これはわしじゃなくリーネが初めて一人で作った傷薬じゃよ。」
奥で薬の調合をしていたマールが高笑いをしながらそう言った。
「えっ!
これ、リーネが初めて作った傷薬なのか!?」
「うん・・・そうなんだ。
ごめんね。
おばあちゃんと同じレシピで作ったのに、やっぱりおばあちゃんの傷薬みたいには効かないみたい・・・。
何でだろう?」
「ふむ・・・経験の差だろうねぇ。
レシピ帳に書ききれん材料の扱い方や、わしだけの感覚的なものもあるしのぉ。
それでも小さい頃からずっとわしの傍で薬師の仕事を学んできたリーネの薬じゃ。
そこらの傷薬よりは効くはずじゃよ?
ほら、もう治りはじめてきた。」
マールが言うように、ライキの左腕の切り傷がゆっくりと塞がり始めた。
「あ、ホントだ・・・!
流石リーネ・・・初めて作る傷薬なのにすげーな!
俺、リーネの作った傷薬・・・欲しいな。
いくらで売ってくれる?」
ライキはそう言ってリーネに笑いかけるが、内心こんなことを思っていた。
(つか、リーネが初めて作った傷薬だろ!?
そんなの欲しいに決まってるじゃないか!
本音いえば在庫があるだけ全部買い占めて、リーネ狙いの他の野郎共にその記念すべき傷薬を買うチャンスを与えないようにしてやりたいけど、そんなことを言ったらリーネに引かれるだろうし・・・。
それならせめて、リーネの初めての客になりたい・・・。)
ライキのそんな思いなど露知らず、リーネは汗をかいて手をブンブンと振り、ライキのその申し出を遠慮した。
「えっ・・・そんな!
お代なんていただけないよ!
こんな出来損ないでよければライキにあげるから!」
「・・・でも材料費とか手間賃とかあるだろ?
こうしてちゃんと効き目もあるわけだし、代金を支払わせてよ。」
(代金を支払わないで薬だけ貰っても、リーネの初めての客にはなれないからな・・・。
何としても支払わせてもらうぞ!)
強気でズイッとリーネに一歩近づくライキ。
「い、いいよ!
おばあちゃんの傷薬みたいに効かないのに、同じお代をいただくわけにはいかないし・・・。
折角作ったからおばあちゃんの物の半額でお店に置こうかなとは思ってるけど、ライキにはいつもお世話になってるからそれはあげるってば・・・!」
「いや、ちゃんと定価で支払わせて。
いくらだ?」
もう一歩ズイッと近付くライキ。
リーネがライキの気迫に押されて数歩下がり、困ったようにマールに視線を送り助けを求めると、そのマールがまた笑って言った。
「ひゃっひゃっひゃっ!
毎度のことじゃが、こういう時お前さんらは互いに相手のことを思ってか譲らんからちっとも話が進まんねぇ。
いいかいリーネ。
お前さんが初めて作ったその傷薬を”一番に売って欲しい”とライキが言っておるんじゃから、希望通りの定価で売ってやりな。
そうしないとライキが納得せんじゃろ?」
「でもそれじゃあライキに申し訳が・・・」
とリーネ。
「何、それならお前さんが申し訳無いと思うぶんだけチューでもしてやりゃあいいさね。
そしたらライキにとっちゃあ薬代なんか超越してお釣りが返ってくるくらい嬉しいんじゃないのかね?
ひゃっひゃっひゃっ!」
「「!!!」」
ライキとリーネは同時に目を見開き真っ赤になった。
「もーーーおばあちゃん!
そういうこと言って私達をからかうのはやめてっていつも言ってるでしょ!
第一そんなことがライキへのお礼になるわけないじゃない!
ライキ、ごめんね・・・おばあちゃんがまた変なことを言って・・・」
リーネが申し訳無さそうにライキに頭を下げた。
「い、いや・・・・・いいよ・・・・・。
ばあちゃんの言う通りだし・・・・・。」
後半は聴き取れないくらいの小声で真っ赤な顔から湯気を立ち上らせながら言うライキなのだった。
(ばあちゃん・・・!
最近やたら俺とリーネをからかって来るよな・・・。
でもリーネはいつも通りごく普通のリアクションだし・・・。
もう少し俺のことを意識して、赤くなって狼狽えてくれてもいいのに・・・。
相変わらずの脈なしか・・・凹むな・・・。)
ライキはマールに怒って文句を言っているリーネの顔が、未だ熱の引かない赤い顔のままの自分と比べて冷静に見え、ガッカリして俯いた。
そんなライキの方をそっと振り返り見たリーネの頬は、微かにだが赤く染まっていた。
だがリーネはそれを振り払うかのように頭を小さく振ると、空色に塗られた駒鳥のラベルのついた傷薬の容器を小さな紙袋に包み、ライキに向けて言った。
「じゃあライキ・・・私の傷薬、3Gで買ってくれる?」
「あ、あぁ、うん!」
ライキは慌てて顔を上げ、ジャケットから財布を取り出して3Gを支払った。
「えへへ・・・お買い上げ、ありがとうございます・・・!
これでライキが私の初めてのお客さんだね・・・!」
髪を耳にかけてそうはにかんだリーネの笑顔がライキには眩しすぎて、直視出来ずにまた顔を赤く染め、口元を波打たせて目を逸らしつつ頷いた。
「う、うん・・・そうだな・・・・・。」
リーネはそんなライキにクスッと微笑むと続けた。
「それであの・・・。
未熟な傷薬を定価で買ってもらってやっぱり申し訳がないし、そのお詫びになるかどうかはわからないけど、お仕事が終わったらお夕食うちで食べて行って?
ライキの食べたいものを作ってあげる!」
「マジで!
じゃあさっき狩った竜巻うさぎの肉を一匹ぶん置いていくからさ、それで何か作ってよ。
メニューはリーネに任せる。」
「春限定で出てくる竜巻うさぎかぁ・・・!
柔らかくジューシーなお肉でとっても美味しいよね!
うふふ・・・それじゃあ春野菜と一緒に煮込んでカレーライスにしようかな?」
「カレーライス?
訊いたことがない料理名だな。
リーネが前に作ってくれたことのある、曾おじいさんの故郷”ニホン国”のカテー料理か?」
「うん、そうなの!
カレーライスは私もおばあちゃんも好きでうちではよく作るんだけど・・・ライキは辛いの平気?」
「うん、平気・・・つか寧ろ好きかな?
うちの母さんの店に置いてるチェリソーソーセージとかよく食うし・・・。」
「えーっ、そうなんだ!
おばさんのチェリソーソーセージ美味しいよね!
ライキが辛いの平気なら、カレー、いつもみたいに辛口にしちゃおっかな?」
「うん。すげー楽しみ!」
そしてその日の夕食は、リーネの作った竜巻うさぎと春野菜のカレーと、春キャベツとラディッシュと新玉葱のサラダ、母さんの肉屋のベーコンを使ったジャーマンポテトにコンソメスープ、デザートには八朔を剥いたものを、リーネとばあちゃんの3人で歓談しながら食べて、幸せな時間を過ごすのだった。
(あー・・・リーネの飯マジで最高・・・!
今はこうしてたまにご馳走になるだけだけど、いつかはリーネとつがいになって、今よりもっと頻繁にリーネの飯を食えるようになりたいな・・・。
飯だけじゃないぞ。
つがいになったらいっぱいデートして、リーネの笑顔を独り占めして、毎日キスしてその先の特別なことだっていつかは・・・。)
ほわんほわんほわん・・・とリーネとエッチなことをしているところをリアルに想像してしまい、一人真っ赤になるライキ。
同時に下半身に血が集まり勃起してしまったためライキは心の中で叫んだ。
(やべっ、勃った・・・!
リーネの前で何妄想してんだよ俺・・・!)
すると、
「ライキ、やっぱり辛かった?
お顔が真っ赤だよ?」
とリーネに顔を覗き込まれた。
マールがにやにやと意味深に笑って二人のやり取りを見ている。
「えっと、辛さは大丈夫だよ!
顔赤い?・・・変だな。
辛いの食って身体が温まったからかな?」
ライキはそう言って誤魔化した。
(近頃すぐ勃つから困るんだよな・・・。
そろそろ精通するのかも・・・。)
ちらっとそんなことを思うも、あまりそっち方面の思考を膨らませると勃起が収まらなくなると思ったので、気持ちを切り替えるべく頭を振った。
(二人にはテーブルで隠れててバレてない筈だし、今は飯に集中しよう!)
そしてカレーライスのスプーンをまた一口運ぶライキ。
「つーか、カレーライスめちゃうま!!」

(今はまだ片想いでも、いつかはきっとリーネに想いを伝えてつがいになるんだ・・・!)
─これは、このときにはまだ知らない俺の中に眠ると、それにまつわる日常と恋の物語─。
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