涙袋 ~現代居酒屋千夜一夜物語~

与四季団地

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第2章・この世界の片隅で

   第108夜・『「涙」~ポスティング中の一瞬の邂逅~』

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 火曜日は、ポスティングのバイトの日と決めている(当時)。

 でも、来週の火曜日は、店に保健所の監査が入るので、代わりに、今日、ポスティングした。

 なんで、ポスティングを、そうまでして続けるのかと言うと、

 実績を残しているからなのだが、日給でも待遇でも、非常に私を優遇してくれているからだ。

 私が、着の身着のままの無一文になったとしても、ここは、私を受け入れてくれるだろう。

 だから、つながり残しておきたいのだ。

 ちなみに、物流倉庫のフォーク作業の仕事も辞めないのだが、こちらは、私の考える従業員に対しての会社のシステムがしっかりしているからだ(当時)。

 週4日勤務で、社会保険・厚生年金に加入させて貰えるのは、非常に嬉しいことなのだ^^

 私は、こうして、ずーっと休みなく働いてきて、さりとて、映画やデート、保守派の活動(最近は、別に何もしてないけど^^)、最近では落語鑑賞などと楽しく過ごしてきているが、

 どうしても、他人との交流が制限される。

 しかし、仕事=コミュニケーションとなると、お店に同僚たちが来てくれれば、飲んで食って楽しい話が出来るというもので、楽しみな限りだ。

 私は、このブログでは、私を知らない人でも、家族でも、保守派でも、職場の人たちでも、誰が読んでも構わない態勢で書いているが、

 そこはそれ、本当にエロかったりする話は記せない^^;

 それについては、他のお客さんのいない時に、お店で楽しくお話しましょうや^^

 生の私への質問にも、包み隠さずにお答えしましょう^^v

 ・・・さて、今日の現場は、多摩センターの豊ヶ丘と貝取の団地群だった。

 団地故にポストには困らないので、本日のノルマは多かったが、黙々と進める。

 団地ってのは、通路で区画されているが、私はなるべく緑の敷地内を通ったりする。

     


 こういうトコを歩いていると、昔やっていたオンラインゲーム「ファイナル・ファンタジー11」のアレキサンドリア郊外を思い出すんだよな・・・^^

     


 ポスティングを続けていると、とある一角で、他の会社のポスティングの人と鉢合わせになった。

 お互いに頭を下げる。

 驚いた! 赤ちゃんをおぶっていた。

 赤ちゃんは、キョトンとした顔でおんぶされていた。

 色んな、他社の作業者と出会ってきたが、赤ちゃんをおぶっている人は初めてだった。

 なんか、色々と感動した・・・。

 その団地の一棟の端には、乳母車が置かれていた。

 そして、その近くのベンチに、おそらく、お母さんの子供と思われる、二歳くらいの男の子がちょこんと座って、カレーパンを食っていた。

「お母さんは赤ちゃんとあっち行ったのか?」と、私は問うてみた。

「うん」と答える男の子。

「そうか^^ じゃあ、これあげるね。赤ちゃんも平気かなぁ(舐められるかなぁ)」と、私は、カバンの中に入っていたフルーツ飴を全部あげるのだった。

「赤ちゃんじゃなくて、あ~ちゃんだよ」と、見当違いの答えをする男の子。

 まだまだ年端もいかない二人の幼児を育てつつ、お母さん、頑張っているなぁと思うのだ。

 なんか知らないが、涙が出てきてしまった・・・。

               ・・・(2013/02/22)
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