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第2章・この世界の片隅で
第133夜・『社員昇格試験 ④』
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(前回からの続き)
さて、A君だ・・・。
この人は、3人で受けた<社員昇格試験>で、唯一、落選している。
第一の問題として、絶対条件として完全暗記を義務付けられていた<リーダー十一ヶ条>がしどろもどろの出来だったということがある。
けして勉強を出来ないだろう人物ではなかった。
会社を舐めていたのと、研修時代の仕事振りと同じく、「この程度の暗記でよいだろう」と、自分勝手な境界線を設けていたのだ。
そして、驚くべきことに、作文レベルでしかない小論文でも不可の結果が出されていた。
それは前代未聞のことだった。
そもそも、この<社員昇格試験>は、けして落ちるような内容ではなかった。
どのような人物かは、研修期間で会社は理解出来ていて、要は、形式的とも言えるものでしかなく、その中で、<リーダー十一ヶ条>の丸暗記こそだけが、この<社員昇格試験>の肝だった。
他の会社では、長い社訓の暗記がそれであったり、般若心経の諳んじであったりもしよう。
そこでは、会社内でどのような力を発揮できるかの「努力」が試される。
基礎知識のペーパーテストも、面接も、そして、小論文も、バカでなければ容易にクリアーできるレベルのものだ。
数行しか書いてない内容ならば、不可にもなろうが、ある一定の字数を、テーマに沿って、非常識な文法間違いがなく、まじめな気持ちを記せば、けして落ちようはずはなかった。
だが、A君は、その小論文を、「抽象的で意味が分からない」と面接した役員に言われ、不可となった。
私は、とても、その内容が気になった。
上司に、「A君はどんな文章を書いたのか知ってますか?」と問うた。
すると、上司は、「何やら、プロとアマの違いとか、うーん、具体性のないことをツラツラと記していたらしい」と困り顔。
おっと、言い忘れていたが、小論文のテーマは、「仕事について」であった。
このテーマはあらかじめ、私たちに知らされていた。
私は、テーマを聞いたあと、すぐに、「この二ヶ月間の、私の仕事への取り組み方について記します・・・」と、書き出しの文を考え始めていたものだった。
そんな折、A君自身から、彼自身が書いた文章の内容を聞く機会があった・・・。
・・・(2009/02/28)
さて、A君だ・・・。
この人は、3人で受けた<社員昇格試験>で、唯一、落選している。
第一の問題として、絶対条件として完全暗記を義務付けられていた<リーダー十一ヶ条>がしどろもどろの出来だったということがある。
けして勉強を出来ないだろう人物ではなかった。
会社を舐めていたのと、研修時代の仕事振りと同じく、「この程度の暗記でよいだろう」と、自分勝手な境界線を設けていたのだ。
そして、驚くべきことに、作文レベルでしかない小論文でも不可の結果が出されていた。
それは前代未聞のことだった。
そもそも、この<社員昇格試験>は、けして落ちるような内容ではなかった。
どのような人物かは、研修期間で会社は理解出来ていて、要は、形式的とも言えるものでしかなく、その中で、<リーダー十一ヶ条>の丸暗記こそだけが、この<社員昇格試験>の肝だった。
他の会社では、長い社訓の暗記がそれであったり、般若心経の諳んじであったりもしよう。
そこでは、会社内でどのような力を発揮できるかの「努力」が試される。
基礎知識のペーパーテストも、面接も、そして、小論文も、バカでなければ容易にクリアーできるレベルのものだ。
数行しか書いてない内容ならば、不可にもなろうが、ある一定の字数を、テーマに沿って、非常識な文法間違いがなく、まじめな気持ちを記せば、けして落ちようはずはなかった。
だが、A君は、その小論文を、「抽象的で意味が分からない」と面接した役員に言われ、不可となった。
私は、とても、その内容が気になった。
上司に、「A君はどんな文章を書いたのか知ってますか?」と問うた。
すると、上司は、「何やら、プロとアマの違いとか、うーん、具体性のないことをツラツラと記していたらしい」と困り顔。
おっと、言い忘れていたが、小論文のテーマは、「仕事について」であった。
このテーマはあらかじめ、私たちに知らされていた。
私は、テーマを聞いたあと、すぐに、「この二ヶ月間の、私の仕事への取り組み方について記します・・・」と、書き出しの文を考え始めていたものだった。
そんな折、A君自身から、彼自身が書いた文章の内容を聞く機会があった・・・。
・・・(2009/02/28)
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