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第一章 西大陸
拾われ子は中央大陸へ 前編
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太陽が昇り始め、地平線と接する空が朱く染まる頃、スイとコハクは部屋を出た。
階段とは逆方向にある、二階奥にあるシュウの部屋のドアをノックして小声で話しかける。
『……スイです。起きてますか?』
「起きている。少し待て」
布擦れの音が聞こえてドアが開き、いつもの格好のシュウが出てきた。
『今から町を出ます。お世話になりました』
「……今度はちゃんと挨拶してくれたな」
頭をぽんぽんと軽く叩かれ、スイは頷いた。アードウィッチと同じ事を繰り返す訳にはいかない。
「だが、今回はちと早い」
『え?』
「俺も今日町を出るからな。もう少しだけ、一緒に旅をしよう」
てっきり、此処でお別れだと思っていたスイは驚いて小さく声を出したが、『解りました』と答えた。
胸に広がった安堵はスイ本人しか知らない。
『町を出る前に、教会とギルドに寄らせてください』
「あぁ」
スイを先頭に階段を降りると、受付前にジュリアンとリリアナが立っていた。
『おはようございます。ジュリアンさん、リリアナさん』
朝起きて、二人に挨拶するのもこれが一先ずは最後となる。次があるとすれば数年後だ。
「おはよう、スイちゃん。コハク。シュウ」
「おはよう、スイ君。コハクちゃん。シュウさん」
「おはよう。世話になった」
『お世話になりました。ありがとうございました』
頭を下げたスイとシュウに、ジュリアンとリリアナは微笑む。
「こちらこそ、ずっとウチを贔屓にしてくれてありがとね。盗賊団を壊滅させた事も本当に感謝しているわ。昨日のお手伝いもね」
「これ、お昼ご飯よ。持って行って。シュウさんとコハクちゃんの分も」
『ありがとうございます』
スイは自分とコハクの分をアイテムポーチに入れて、残ったひとつをシュウに渡す。
「最後まですまないな」
「これくらい、何ともないですよ」
リリアナが首を振ると、誰も何も言わない妙な間が数秒生まれた。スイも、ジュリアンもリリアナも、何か言おうとして言葉が出てこない。
その無言の間を、スイの肩に手を置いたシュウが破った。
「……行こうか、スイ」
『……はい。お二人共、本当にありがとうございました。……また、来ます。その時は、お部屋が空いてたらまた泊まらせてください』
スイが深く下げた頭を上げた時、リリアナがスイを抱きしめた。スイは前に抱き締められた時の事を思い出す。
「勿論よ。その時は、それまでの旅の話を聞かせてね」
声を詰まらせたリリアナは、目に光るものを浮かべる。
「……元気でね、スイちゃん」
『…………!』
最初からなのか、それとも途中で気付いたのかは解らないけれど、リリアナは知っていた。恐らくジュリアンもだろう。
スイはぼやけた視界でひとつ、瞬きをすると両頬を涙が流れ落ちていった。両腕をリリアナの背に回す。
『……はい。リリアナさんも、ジュリアンさんも、どうかお元気で』
リリアナから離れて、スイは袖で涙を拭って宿屋ブレスを後にした。
まだ空気が冷えている早朝のオアシスの町中を、二人と一匹で歩く。
教会の墓所に着くと、マリクとレイラの墓の前でスイはしゃがみ、瞼を閉じて手を合わせた。
『(おじいさま、おばあさま。暫く西大陸から離れます。四・五年後、もっともっと強くなって戻ってきます……)』
瞼を開けて立ち上がり、墓に背を向けるとシュウと眼が合う。
「もう良いのか?」
『はい』
墓所を出て、町の中心部に向かう。ギルドの看板が見えてくると寂しさが募った。スイングドアを押して中に入る。
『……おはようございます』
「おはよう。いよいよ旅立ちだな、スイ」
ロビーにはセオドアが居た。スイ達が来たのを見て、受付や事務所に居たニーナやカテリナもロビーに出てくる。
『皆さん、お世話になりました』
「……寂しくなりますね。他の大陸でも、スイさんならきっと活躍出来るでしょう。お身体を大事になさってください」
「スイ君の活躍の噂が西大陸に届くのを、楽しみにしてるからね……!」
『はい、頑張ります。皆さんも身体にお気を付けて』
カテリナやニーナと握手をして、スイはセオドアの前に立つ。
「……こんなに旅立ちを惜しまれるハンターはそうそう居ない。なぁ?」
スイがセオドアの視線を追って振り向くと、シュウが頷いていた。前を向くと、寂しそうにセオドアは微笑う。
「スイならマリク殿のようなハンターになれるかもしれない。お世辞抜きでな。将来が楽しみだ」
『ありがとうございます』
「数年後、また会う時を楽しみにしている」
『はい。今よりもっと強くなって会いに来ますね』
セオドアとも握手を交わす。手を離して下がると、セオドアはシュウの前に立った。
「お前にも世話になったな。結局詫びのひとつも出来なかった。ぜひまた来てくれ。今度こそ酒を奢る」
「それは有難い。俺も暫くは世界を回るが、また来させてもらう」
シュウを盗賊団の仲間だと疑っていた事を、セオドアは盗賊団壊滅の後に本人に詫びていた。シュウは特段気にしていなかったが、セオドアは気にしていたらしい。
「二人とも元気でな。…………死ぬなよ」
「ハンタースイ、ハンターシュウ、どうかお気を付けて」
「コハクもね。皆でまたオアシスに来てください」
三人に見送られて、スイ達はギルドを出た。
中央大陸に繋がる関門へ行く為に町の東口に停まっている馬車に乗り込もうとした時、コハクが耳を動かして町の方を振り返った。
スイも近付いてくるふたつの気配に気付く。
《スイ》
『うん』
「スイーーー!」
スイを呼ぶ大きな声が早朝のオアシスに響く。
息を切らしながら走ってきたネイトとエルムに、スイは歩み寄った。
「はぁっ……はぁっ……! ま、間に合った……!」
「よ、良かったぁ……!」
膝に手を当てて息を整える二人を、スイは静かに待つ。
「宿に行ったら、もう出ていったって言われてさ……。めちゃくちゃ焦ったぁ……! ふぅ……スイ、手出してくれ」
『?』
ネイトに差し出した手に、木で出来たエンブレムが乗せられた。人型のシルエットと、剣と杖が彫られている。
ネイトとエルムの手にも同じ物があった。
「二日前に言っただろ。俺達の友情の証を作るって。デザインに悩んでたらこんなギリギリになっちゃってさ」
『あ、ありがとう……。この彫られているのって……』
「お、それの意味解るか?」
ネイトが嬉しそうに笑う。
人と剣と杖。それぞれ、ある組織とそれに所属する者達を象徴しており、各組織の建物にある看板にも描かれているものだ。
『……冒険者とハンターと魔導師?』
「正解!」
『……何で?』
スイがエンブレムの意味を訊くと、ネイトとエルムは視線を合わせた後にスイへ眼を向けた。
「迷ってたけど、俺は冒険者になるって決めた」
「ぼ、僕は魔導師を目指す事にしたんだ……!」
『!!』
「だから、此処にあるのは俺達三人なんだよ」
「冒険者もハンターも魔導師も、ランクがひとつ差なら一緒に冒険が出来るって聞いたんだ」
ハンターと冒険者は、組んではならないと言う決まりは無い。魔導師もランクがあり、魔導師ギルドに所属する多くは研究に勤しむが、ハンターや冒険者と組んで旅をする者もいる。
スイの養祖母のレイラもその例に当てはまる。賢者の称号を贈られる前は、魔導師レイラとしてマリクと共に旅をしていた。
「僕が魔導師の勉強を始めるまであと四年以上掛かるから、その間にスイやネイト君はランクが上がっているだろうけど、僕も頑張って追い付くから……!」
「だから、将来三人で冒険しようぜ!」
ハンターと、冒険者と、魔導師の三人で。
『…………うん。三人で、冒険しよう』
スイはエンブレムを強く握る。
「絶対に死ぬなよ」
「約束だよ……!」
『…………うん』
ハンターは常に危険と共に在る。絶対に生き残ると確約出来ない故に、生きて帰る事を断言しない者が多い。
この約束に対してもそうするべきだと思っていても、スイは頷いていた。
歳の差や始まりの差で、それはいつになるか解らないけれど。
いつか、絶対に三人で。
『……二人とも元気でね』
「「スイこそ、元気で」」
スイは二人に背を向けると馬車に乗り込んだ。サンドホースが走り出す。
「スイーー!」
ネイトの大声に振り返ると、二人とも大きく手を振っていた。
「オアシスに帰ってくるの、俺達待ってるからな!」
「お土産話、楽しみにしてるからね!」
スイの眼から、涙が溢れた。
荷台から身を乗り出して、手を振り返す。
『ありがとう! 絶対にまた! 会いに来るから!』
砂埃が巻き上がり、二人の姿を覆い隠す。
スイは座ると、両手の甲で眼を擦った。その頭に手が乗せられる。
「……スイは良い人達に会えたな」
『……はい』
「彼等との約束を守る為にも、強くなって生き残らないとな」
『はい……!』
オアシスから関門までは距離がある。直線上に数箇所、簡易的な宿泊所があり、サンドホースの御者と共に数日掛けて泊まりながら関門へと向かう。
オアシスを出て七日目。太陽と共に気温が上がり、何もしてなくても汗が流れる様になった頃にちょうど西大陸の東にある関門が見えてきた。出立手続きの列が出来ている。
馬車は速度を落とし、やがて停まった。
「馬車で行けるのは此処までだ」
「解った。帰りに気をつけてな」
「あぁ。お前達の旅に幸運がある事を願っているよ」
オアシスに帰っていく馬車を見送り、スイとシュウは列に並んだ。
階段とは逆方向にある、二階奥にあるシュウの部屋のドアをノックして小声で話しかける。
『……スイです。起きてますか?』
「起きている。少し待て」
布擦れの音が聞こえてドアが開き、いつもの格好のシュウが出てきた。
『今から町を出ます。お世話になりました』
「……今度はちゃんと挨拶してくれたな」
頭をぽんぽんと軽く叩かれ、スイは頷いた。アードウィッチと同じ事を繰り返す訳にはいかない。
「だが、今回はちと早い」
『え?』
「俺も今日町を出るからな。もう少しだけ、一緒に旅をしよう」
てっきり、此処でお別れだと思っていたスイは驚いて小さく声を出したが、『解りました』と答えた。
胸に広がった安堵はスイ本人しか知らない。
『町を出る前に、教会とギルドに寄らせてください』
「あぁ」
スイを先頭に階段を降りると、受付前にジュリアンとリリアナが立っていた。
『おはようございます。ジュリアンさん、リリアナさん』
朝起きて、二人に挨拶するのもこれが一先ずは最後となる。次があるとすれば数年後だ。
「おはよう、スイちゃん。コハク。シュウ」
「おはよう、スイ君。コハクちゃん。シュウさん」
「おはよう。世話になった」
『お世話になりました。ありがとうございました』
頭を下げたスイとシュウに、ジュリアンとリリアナは微笑む。
「こちらこそ、ずっとウチを贔屓にしてくれてありがとね。盗賊団を壊滅させた事も本当に感謝しているわ。昨日のお手伝いもね」
「これ、お昼ご飯よ。持って行って。シュウさんとコハクちゃんの分も」
『ありがとうございます』
スイは自分とコハクの分をアイテムポーチに入れて、残ったひとつをシュウに渡す。
「最後まですまないな」
「これくらい、何ともないですよ」
リリアナが首を振ると、誰も何も言わない妙な間が数秒生まれた。スイも、ジュリアンもリリアナも、何か言おうとして言葉が出てこない。
その無言の間を、スイの肩に手を置いたシュウが破った。
「……行こうか、スイ」
『……はい。お二人共、本当にありがとうございました。……また、来ます。その時は、お部屋が空いてたらまた泊まらせてください』
スイが深く下げた頭を上げた時、リリアナがスイを抱きしめた。スイは前に抱き締められた時の事を思い出す。
「勿論よ。その時は、それまでの旅の話を聞かせてね」
声を詰まらせたリリアナは、目に光るものを浮かべる。
「……元気でね、スイちゃん」
『…………!』
最初からなのか、それとも途中で気付いたのかは解らないけれど、リリアナは知っていた。恐らくジュリアンもだろう。
スイはぼやけた視界でひとつ、瞬きをすると両頬を涙が流れ落ちていった。両腕をリリアナの背に回す。
『……はい。リリアナさんも、ジュリアンさんも、どうかお元気で』
リリアナから離れて、スイは袖で涙を拭って宿屋ブレスを後にした。
まだ空気が冷えている早朝のオアシスの町中を、二人と一匹で歩く。
教会の墓所に着くと、マリクとレイラの墓の前でスイはしゃがみ、瞼を閉じて手を合わせた。
『(おじいさま、おばあさま。暫く西大陸から離れます。四・五年後、もっともっと強くなって戻ってきます……)』
瞼を開けて立ち上がり、墓に背を向けるとシュウと眼が合う。
「もう良いのか?」
『はい』
墓所を出て、町の中心部に向かう。ギルドの看板が見えてくると寂しさが募った。スイングドアを押して中に入る。
『……おはようございます』
「おはよう。いよいよ旅立ちだな、スイ」
ロビーにはセオドアが居た。スイ達が来たのを見て、受付や事務所に居たニーナやカテリナもロビーに出てくる。
『皆さん、お世話になりました』
「……寂しくなりますね。他の大陸でも、スイさんならきっと活躍出来るでしょう。お身体を大事になさってください」
「スイ君の活躍の噂が西大陸に届くのを、楽しみにしてるからね……!」
『はい、頑張ります。皆さんも身体にお気を付けて』
カテリナやニーナと握手をして、スイはセオドアの前に立つ。
「……こんなに旅立ちを惜しまれるハンターはそうそう居ない。なぁ?」
スイがセオドアの視線を追って振り向くと、シュウが頷いていた。前を向くと、寂しそうにセオドアは微笑う。
「スイならマリク殿のようなハンターになれるかもしれない。お世辞抜きでな。将来が楽しみだ」
『ありがとうございます』
「数年後、また会う時を楽しみにしている」
『はい。今よりもっと強くなって会いに来ますね』
セオドアとも握手を交わす。手を離して下がると、セオドアはシュウの前に立った。
「お前にも世話になったな。結局詫びのひとつも出来なかった。ぜひまた来てくれ。今度こそ酒を奢る」
「それは有難い。俺も暫くは世界を回るが、また来させてもらう」
シュウを盗賊団の仲間だと疑っていた事を、セオドアは盗賊団壊滅の後に本人に詫びていた。シュウは特段気にしていなかったが、セオドアは気にしていたらしい。
「二人とも元気でな。…………死ぬなよ」
「ハンタースイ、ハンターシュウ、どうかお気を付けて」
「コハクもね。皆でまたオアシスに来てください」
三人に見送られて、スイ達はギルドを出た。
中央大陸に繋がる関門へ行く為に町の東口に停まっている馬車に乗り込もうとした時、コハクが耳を動かして町の方を振り返った。
スイも近付いてくるふたつの気配に気付く。
《スイ》
『うん』
「スイーーー!」
スイを呼ぶ大きな声が早朝のオアシスに響く。
息を切らしながら走ってきたネイトとエルムに、スイは歩み寄った。
「はぁっ……はぁっ……! ま、間に合った……!」
「よ、良かったぁ……!」
膝に手を当てて息を整える二人を、スイは静かに待つ。
「宿に行ったら、もう出ていったって言われてさ……。めちゃくちゃ焦ったぁ……! ふぅ……スイ、手出してくれ」
『?』
ネイトに差し出した手に、木で出来たエンブレムが乗せられた。人型のシルエットと、剣と杖が彫られている。
ネイトとエルムの手にも同じ物があった。
「二日前に言っただろ。俺達の友情の証を作るって。デザインに悩んでたらこんなギリギリになっちゃってさ」
『あ、ありがとう……。この彫られているのって……』
「お、それの意味解るか?」
ネイトが嬉しそうに笑う。
人と剣と杖。それぞれ、ある組織とそれに所属する者達を象徴しており、各組織の建物にある看板にも描かれているものだ。
『……冒険者とハンターと魔導師?』
「正解!」
『……何で?』
スイがエンブレムの意味を訊くと、ネイトとエルムは視線を合わせた後にスイへ眼を向けた。
「迷ってたけど、俺は冒険者になるって決めた」
「ぼ、僕は魔導師を目指す事にしたんだ……!」
『!!』
「だから、此処にあるのは俺達三人なんだよ」
「冒険者もハンターも魔導師も、ランクがひとつ差なら一緒に冒険が出来るって聞いたんだ」
ハンターと冒険者は、組んではならないと言う決まりは無い。魔導師もランクがあり、魔導師ギルドに所属する多くは研究に勤しむが、ハンターや冒険者と組んで旅をする者もいる。
スイの養祖母のレイラもその例に当てはまる。賢者の称号を贈られる前は、魔導師レイラとしてマリクと共に旅をしていた。
「僕が魔導師の勉強を始めるまであと四年以上掛かるから、その間にスイやネイト君はランクが上がっているだろうけど、僕も頑張って追い付くから……!」
「だから、将来三人で冒険しようぜ!」
ハンターと、冒険者と、魔導師の三人で。
『…………うん。三人で、冒険しよう』
スイはエンブレムを強く握る。
「絶対に死ぬなよ」
「約束だよ……!」
『…………うん』
ハンターは常に危険と共に在る。絶対に生き残ると確約出来ない故に、生きて帰る事を断言しない者が多い。
この約束に対してもそうするべきだと思っていても、スイは頷いていた。
歳の差や始まりの差で、それはいつになるか解らないけれど。
いつか、絶対に三人で。
『……二人とも元気でね』
「「スイこそ、元気で」」
スイは二人に背を向けると馬車に乗り込んだ。サンドホースが走り出す。
「スイーー!」
ネイトの大声に振り返ると、二人とも大きく手を振っていた。
「オアシスに帰ってくるの、俺達待ってるからな!」
「お土産話、楽しみにしてるからね!」
スイの眼から、涙が溢れた。
荷台から身を乗り出して、手を振り返す。
『ありがとう! 絶対にまた! 会いに来るから!』
砂埃が巻き上がり、二人の姿を覆い隠す。
スイは座ると、両手の甲で眼を擦った。その頭に手が乗せられる。
「……スイは良い人達に会えたな」
『……はい』
「彼等との約束を守る為にも、強くなって生き残らないとな」
『はい……!』
オアシスから関門までは距離がある。直線上に数箇所、簡易的な宿泊所があり、サンドホースの御者と共に数日掛けて泊まりながら関門へと向かう。
オアシスを出て七日目。太陽と共に気温が上がり、何もしてなくても汗が流れる様になった頃にちょうど西大陸の東にある関門が見えてきた。出立手続きの列が出来ている。
馬車は速度を落とし、やがて停まった。
「馬車で行けるのは此処までだ」
「解った。帰りに気をつけてな」
「あぁ。お前達の旅に幸運がある事を願っているよ」
オアシスに帰っていく馬車を見送り、スイとシュウは列に並んだ。
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