あの大空の下で 二部 オカルティア・ワールド

KsTAIN

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第一章 外界編

五話 無敗vs無敗

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「よ……っと!あっぶね!」
俺は空に浮いた。打たれた音が聞こえる寸前に空気の波動を下に撃って空中に3mほど飛んでいた。
あんなんで俺が被弾すると思ってんのかこの野郎。まあちょい冷や汗はかいたがな
落下するときも空気の波動で着地の衝撃をほぼ0にする。
「…避けれたのか」
万物はニヤついた顔を消した。俺はさっきと立っていた位置に着地していた。つまり
「一歩踏み込めば、拳を叩き込める!」
万物が拳銃の引き金を引く寸前に紫電を右拳にまとわせて振り抜いた。
拳銃の銃身にヒットする。そして電気が銃身をめぐり、殴られた衝撃とともにそれが廻って銃身を破壊する
万物は後ろに跳躍した。
もちろん万物は地に手をつく。砂を握っているのか、手をモゾモゾとさせている
結局破壊しても砂から拳銃と銃弾を作り出せばいいだけなのだ。
無限に武器を作れるんだ。さっさと決着をつけるべきだ。長期戦はこちらが不利だ。俺は武器とかを消耗するが相手は消耗しないからな
波動は体力によって扱える量が変わる。体力が少なくなると、波動を使える量は少なくなる
それに俺はそろそろ体力の限界だ。一日に二回も戦ってるんだ、そりゃそうだ
しかもふたりとも強敵だし
短期決戦を終わらせようと地を蹴ろうとするも、既に万物は立ち上がって拳銃を握っていた。俺は地面に踏みとどまる
その拳銃を細い空気の波動で狙撃する。ガンっと拳銃が凹んだ。万物はそれを投げ捨てる。
しかし、その数秒後には新しい拳銃と銃弾が握られていた。
もう一度同じ攻撃をするも、万物はその軌道を読んで左側に転んで避ける
万物は態勢を立て直し、そのときには既に拳銃を構えていた。
クソ、間に合うかわからん。
万物は引き金に指をかけた。やばい!
銃声が響くと同時に俺は拳を突き出し、その拳から前方に広範囲の空気の波動を放つ。銃弾は轟音とともに爆発した。
俺は地を蹴り万物に身体強化をフル活用して急接近する。
流石に万物は対応できなかったらしく、バッと腕を顔の前でクロスさせて防御の姿勢を取る
そして俺は殴るときの勢いをつけるために万物の目の前で足で地をグッと踏む
その時、という音が聞こえた。
……嫌な予感がする。背筋がザワッとする。冷や汗がツーっと流れる。何が起こるかはわからんが…今の音はスイッチの入る音だ。
地面にスイッチが埋まってて、俺はそのボタンを踏んだ。
そういやさっき、アイツ、後ろに跳んだとき手をモゾモゾしてたな
…あんとき砂を握っていたのかと思ったが違う。もう砂は他の物質に変えられ、それが埋められてたのだ
「…引っかかったな」
万物は踵を返し後方に全力疾走する
その瞬間、
ドガーン!という轟音が聞こえた
俺はとっさに空気の波動を前から自分の方向に撃って体をうしろに飛ばす。
「うッ!」
本気で波動を撃ったので自分にだいぶ大きな衝撃が来る。
見ると、さっき俺がスイッチを踏んだところが爆発していた。砂が少し巻き上がる
…地雷か。爆発は相当小さかったが、まともに喰らったら足を負傷していただろう。
運良くズボンが破れるだけで済んだ
空中から砂が消えると、万物が拳銃を構え、引き金に指をかけていた。俺は立ち上がるも一瞬で間合いを詰めるほどの体力はもう無かった。
「……いくら武器を壊そうとも、いくらでも作られる。これが俺のスキル。最強と自負している。」
でも、と万物は一息つく。俺は荒い呼吸をしながら万物を睨む
「…君なら俺と張り合えると思ったんだけどね、お母様の話を聞いて。…がっかりだ。俺の勝ちだ」
勝ち誇ったような、少し悲しいような顔をして引き金にかけた指に力を入れる万物
…ここまでか
俺はそこでひらめいた。
……俺はさっき銃身を紫電と拳で破壊した。
紫電は銃身を熱し、そこを俺が殴ったことで壊れた。
そう。熱せられたのだ。
鉄を溶かす程度の熱なら、雷を使うことで発生させられる。
溶かせられるんだ。
銃弾も鉄だ。溶かせられる。
…そして銃弾の中には何が入っている?
そう。『弾薬』だ。
俺はピーンときた。
一応後ろに跳んで万物と5mほど距離を離す。
そして、1m
万物は銃の引き金を引いた。
俺にはそれは目に見えなかった。
しかし、その銃弾が俺のさっき超高圧で発生させた雷の円に入ってくるのはわかった
俺はフッと笑う。
「何がおかし―――」
その次の瞬間、俺の近く、1m近くで
轟音が発生し、
―――爆発が発生した。
「グッ!」
「うおッ!?」
俺は強い力でふっ飛ばされる。爆発する寸前に雷の波動を纏っていたため多少ダメージは軽減できたが、いかんせん爆発のパワーが強すぎた。ただ、想定以上の威力が出たため満足している。
ダメージ覚悟の攻撃だったからな
家の壁に衝突し、しりもちをつく。いってえ……
俺は立ち上がり、目の前の粉塵を見る。作戦成功だな。幸いにも家へのダメージは無さそうだし
「ケホッ……」
「士郎!大丈夫!?しっかりして!」
粉塵を空気の波動で地に落とすと、奥で大ダメージを負って倒れている万物と、それを抱き上げる姉貴が居た。姉貴、わざわざ万物のためにこっちまで来たのか。優しいな。
万物は体の色んな所から血を出していた。やべえ、こりゃやりすぎたな。
俺もだいぶキツイ状態の中立ち上がって説明を始める。
「俺は雷を使って熱を発生させた。1000℃はゆうに超えるほどの熱だ。」
はあ、はあ、と息をつきながら話す
「そして熱は鉄を溶かし、中身を出した。そして、銃弾の中身は?」
俺の質問に万物は苦しそうに、しかしハッとした様子で口を開いた。
「…弾、薬」
「YES」
万物の正答に俺は親指を立てた。
「弾薬は銃弾の中から出てきて、空中に放り出される。もちろん、一粒一粒バラバラに。そして、何粒かが熱した鉄に接触し、爆発した」
俺はドヤ顔で、いろんな小説のボスなどが言うようなセリフを口にした
「粉塵爆発、ってやつさ」
それだけ言って俺はその場に仰向けに倒れた。体力の限界である
もともと今日は疲れていたのに、また戦ったせいで余計疲れた。
セリフはいいのに、行動はだせえなあとしみじみ思う
やっぱ俺ラスボス向いてねえかもな。だっせえから
「…完敗、だよ。ゲホッゴホッ…」
「士郎!?」
万物は血を吐きながらそういった。姉貴の騒ぎ声を聞きつけ、万物の母親、炎、母親が庭に集まってきた。
「士郎!?」
「士郎さん!?」
母親と万物の母親が万物に駆け寄る。おいおい、俺の母上は息子のことは無視ですかい、と苦笑する。
「…」
炎はその様子を見たあと、遠慮がちに俺の方へ歩いてきた
「…あんた」
俺のことを見下ろす炎。
「…どうしてわざわざ俺の方へ来る?お前は俺が大嫌いなんだろう?顔を合わせたくもないくらい。そりゃお前は強いからな。スキルのない雑魚の兄なんか大っきらいだよな。ほら、大好きな姉貴と重症の婚約者の元へ行けよ」
俺は炎の目を見据えてそう言った。
炎も神無月の子供らしく、スキルは炎を操るスキルで、ランクは当然のように7。波動を知らない炎からしたら自分は強いのに、兄はスキルのない雑魚だなんて情けないのだろう。
しかし、炎はこの場に残った。
「…あんた、スキルが有るの?」
少し間を開けて炎はそう聞いてきた。俺はその問いに笑って
「ねえよ」
と答えた
「嘘つき」
「どうしてそう思う」
だって、と一息つく炎
「…もしあんたが本当にスキルがなかったら、自信満々だった万物さんにあんな傷を追わせた上で自分はほぼ無傷なんて、ありえないじゃない。…お母さんは、あんたがスキルが無い無能って言ってたけど」
炎は俺の体を見ながらそう言ってくる。
まあ確かに、俺のダメージは制服が少々破けた程度だ。破けたと言うか、穴が空いたと言うか
…痛いところを突かれたな。
こいつ、母親から俺が無能力者の無能、雑魚だの散々こいつに教わってきてたのにどうして今更―――
その瞬間、ハッとする
「…あんのクソ姉貴」
拳を握る。
俺は家族に二人、波動のことを話している
親父と姉貴だ。
親父は事情で別居しているため、俺のことを教えられるのは姉貴だけだ。
あとであのクソ姉貴殴るか。
殴る気力があれば、な
「…母親には言うなよ」
前置きをして話し始めた
正直波動などの特異な『力』は無いと嘘を貫こうか迷ったが、正直に話すことにした。
「俺は波動を使える」
「え……」
炎が唖然とする
「…は、どう?」
「ああ、波動だ」
炎は口に手を当てる
「お母さん、嘘ついてたのね…」
「いいや違うね」
俺はフッと笑う。
「あいつは知らないだけさ。俺が波動を使うことを。」
滑稽だな。スキルを持ってないただの雑魚だと思っていたやつが波動を使えるなんてな
前にも言ったがもう一度いう。波動を扱えるのは日本には数十人しか居ない。超レアなものなのだ。
とりあえず母親だけには波動についてバレたくない。
多分ダルくなる。嘘つけだのなんだの。めんどくせえわい
「そ、そうなの…」
炎は困惑した顔をする。
「ほれ、わかったならあっち行ってこい。姉貴と万物の介抱でもしてな。…もしかして、俺の介抱でもしてくれんのか?」
ニヤつきながら俺が放った言葉に炎は顔を真赤にして
「は、はあ!?そんなわけないじゃない!もう!」
そう叫んで姉貴の元へ走っていった。…さてはあいつツンデレだな?
「……それでいい」
ぐったりと力を抜く。いやあ、炎と喋ってたとき地味にきつかったからな。体力的に
『……部屋まで運んであげるわよ?』
ホルスが姿を隠してそう言ってきた
「ああ、頼むわ」
立ち上がれそうもないし、誰も運んでくれ無さそうだから俺はホルスに上に運んでもらうことにした。次の瞬間、体がふわっと浮く。俺の部屋の窓が開き、そこからホルスが俺をベッドに放り投げる。手荒だなあクソ神
「ありがとよ、ホルス」
ベッドに大の字にになる
『まあいいってことよ』
「ふん」
俺は疲れからその瞬間目をつむり、その5秒後眠りに落ちた
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