あの大空の下で 二部 オカルティア・ワールド

KsTAIN

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第一章 外界編

第八話 『Ⅱ』の刻印

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堕天使ルシファーは地面に落ちる、自らに挑んてきた人間の男を見下ろしていた。
「……結局人間程度じゃあ、私のような特別な存在には勝てぬ。雑魚は雑魚らしく、地を這いつくばっているのがお似合いなのだ」
光の剣を仕舞うルシファー。その顔は誇らしげにしており、圧勝した自分にうっとりしているようだった。
堕天使というのは自信を高く持ち、プライドも高く、ナルシストなんだろう。奴らにしてみれば下界の人間がいくらゴキブリ程度のカスでも、自分の力さえ強ければそれにうっとりできるのだろう
自分を卑下する謙虚な存在が多い人間とは真逆の存在だ。はっきりいってこいつらは二度と俺らと交わることはできないだろう。少なくとも俺はこういう者はだいっきらいだ。この世に存在してほしくないレベルの。
ただこいつは自分の力を過信しすぎている。こいつは今から神に挑むのだ。自分より上である存在の、神に。
やつは下界に降りてきて、今下界に居る神を倒すことで反乱を起こし、今天界が支配している外界を自分が支配しようと目論んでいるのだ
もちろん、奴はそんな器ではない。だが、人間ではやつには勝てない。力不足だ。
もう一度言うが、堕天使は少なくとも人間より強い。
だからやつを止められるのは神だけだ。
今外界には神は一人しか居ない。いくら堕天使が神に力が劣っていても、堕天使の数が多ければ神が負ける可能性がある。ルシファーは他の堕天使を呼び出すかもしれない
だから、神一人じゃあ勝てるかわからない。
ただ、神が二人居れば勝てるだろう。
「…さあ。あの神―――ホルスを倒して私が世界に君臨しよう」
ルシファーは羽ばたいて並木学校の屋上に向かった。
…さて。俺も行くとしよう




「…やはり来たわね」
私、ホルスは眉をひそめていた
ルシファーは疾雷を倒してから、私を始末しようとこちらに向かってきた。氷華ちゃんと麗子ちゃんはすでに隠れさせた。屋上のドアの奥に。今、彼女たちがどこに居るかは知らない。もう逃げたのかもしれない。いや、逃げていてほしいものだ。彼女らを神と堕天使の本気の戦いに巻き込みたくない。
急いで鳥の姿に変身して空に舞う。ルシファーが屋上にだんだんと近づく。
私は急上昇して止まり、急降下しながら滑空してルシファーへと向かっていく。
ルシファーはそれを横に体をねじって避ける。お見通しってわけね
だがしかし、それだけじゃあ神には勝てないわよ
私はルシファーの横で急停止する。横に空気の衝撃が広がり、ルシファーに直撃する。
「クッ」
ルシファーは思いっきり横に吹っ飛ぶ。
まあ初動は私優勢ね
このまま決めきりましょう
…疾雷の仇を取るのよ。ホルス。
自分を鼓舞する。
氷華ちゃんたちのためにも、こいつをさっさと倒してサポートしなきゃ―――
今は疾雷のことは後回しだ。辛くても仕方ない。
急停止したあと空を蹴って後ろに跳躍する。すこし上昇する程度に。
さっきの疾雷とルシファーの戦闘でわかったが、奴は上昇することを最優先で行動している。奴はそういう考え方だからだ。本当に意味のない、くだらない考え方だ。ナルシストにも程がある
堕天使が神に勝てるなんて―――ありえないのに。
私より下に居るルシファーは予想通り私と同じ高さにまで飛翔しようとする。
私はそれを読んでルシファーの真上の私と同じ高さに向かって、高速で突進する。
「?!」
ルシファーが私と同じ高さに達する瞬間、私もルシファーの目の前に居た。人間の姿に戻った。
そのままルシファーを速度に任せて押し出す。私のスピードをすべて乗せた。私は静止し、ルシファーはすごい速度で吹っ飛んでいく。
止まった頃には私から数百メートルは離れていた。だいたい疾雷がぶっ倒れた近く。…約10mは離れているか。
ここで仕留めに行こう。
私はルシファーに向かって飛んでいき、数秒後ルシファーの目の前に着地する。
「追い詰めたな、一瞬で。」
ニヤつきながらルシファーに告げる。やはり神と堕天使との差は大きい。それは埋められないほどに。
やつの能力は知らない。でも今私が完全に優勢だ。
能力を使われる前にさっさと倒せばいいだけの話だわ。
「…追い詰められてるだとお?」
ルシファーがニヤつく。そして姿が消えた。
…私みたいに姿を消せるのかしら?私は光の波動を使って姿を消してるのだが、ルシファーも波動使いなのか?
まあそれなら対処は簡単だ。私も波動使いだから、動きが予想できる。
私なら―――
後ろを振り向き、拳を突き出す。
慌ててルシファーは姿を見せ、後ろに飛ぶ。
波動かなにかはわからんが。こいつ、考えていることが単純だ。
一瞬鳥の姿になり、羽を一つむしり取る。そしてすぐ人に戻った。
羽は今ナイフのようになっている。先端は鋭く、波動でコーティングしている。切れ味は最高だ。
今私達が戦っているフィールドは草原。花は咲いていない。でも草はとても綺麗だ。
暖かい日差しが私を照らす。とても心地よい。
ルシファーは再び姿を消す。
どこから来る?ここは開けた土地だからどこから来ても大丈夫だ。
空を切る音が聞こえる。
音が聞こえた方向は―――上だ
上を見上げるとやはりルシファーがこちらに向かってきていた。
「…甘かったな。ルシファー。考えるのが単純すぎて神には敵わない」
「ッ―――」
羽を構え、波動で硬質化する。
ルシファーは顔を歪めた。恐怖に怯える顔だ。堕天使が―――情けない。
逃げようとするも、間に合わない。
情けないまま死ぬのが、お似合いだがな
「死ね!」
羽を思いっきり横に振った。スパッといういい音が聞こえる。
ルシファーは真っ二つになり、私の周りの地面に落ちた。そして闇のオーラを放ちながら、体が溶けた後気体となり天に登っていく。
そしてなにもかもが空に消え、もう闇のオーラも気体も無くなった。フン、と鼻を鳴らし、帰ろうと一歩踏み出すと―――
ポキッという音が聞こえた。まるで枝を踏んだような。
足をどけて下を見ると、先程ルシファーの半身が落ちてたところに一本、木の枝が落ちていた。
…なんだか嫌な予感がする。
なんてったって枝だぞ?木の枝だぞ?
私はあいつを斬ったとき、スパンと斬った。そしてとても切れ味が良かったため、斬った感触がなかった。
…もしかして。この木の枝は。まさか―――




「残念だったな。」



後ろから聞こえるはずのない声が聞こえる。聞こえちゃあいけない声が。
幻聴だと信じたい。でも。これは現実だ。多分。私は後ろを振りかえる。
そこには、ピンピンしたルシファーが居た。そして、あいつの右手には剣を持ち、左腕には、麗子ちゃんが収められていた。首を左腕で抱えていた。顔は真っ赤で、息を荒くし、苦しそうだ。
「麗子ちゃん!?」
びっくりして。大声を出して叫ぶ。なんで?どうして?
「…トリックだよ」
口元を歪めてそう告げてくるルシファー。
まずルシファーが居ることがおかしい。しかしこれはこれがやつの能力と考えれば納得がいく。例えば、光を操る能力とかなら。
だが麗子ちゃんがここにいることが意味がわからない。
どうして麗子ちゃんをこいつが―――
「ふふふ…さあ、こいよ、大事なんだろう?この女が。」
さらに首を締め付ける力を強くする。
「クッ……」
私は羽を横に振ろうとするも―――
ピタッと動きを止める。
「どうした?来ないのか?」
ニヤつきながら剣を麗子に向けるルシファー。
もう―――迂闊には手を出せない。更に苦しそうにする麗子ちゃん。
「…卑怯者……」
歯ぎしりする。堕天使は本当に精神が腐っている。私の言葉を鼻で笑い飛ばすルシファー
「くだらん。卑怯もクソもない。強いやつが世界を支配する。勝ったやつが世界を支配する。要は…」
ルシファーは麗子ちゃんを締めたまま剣をこちらに向け直し光線を剣先から撃ってきた。
私はそれを慌てて避けるも、
「読めてたぜ、その動き。」
避けた先にルシファーが爆速で移動してきた
「貴様ァ……」
「喚くがいい。…今貴様にはそれしかできぬ。」
ルシファーは剣を振り上げる。
「要は勝てば良かろうなのだ―――!!!!」
避けようとするも、ギリギリで間に合わなかった
そして、剣が私の体を縦に切り裂いた―――
自然と痛みはなかった。
地に倒れ込む。
ああ、死ぬんだ。私。
結局、私は負けちゃった。
…ごめん、みんな
本当に―――ごめんなさい
目に涙を浮かべながら目を閉じた



その直後のことだった



「そ、そんな―――馬鹿な」
ルシファーの驚いたようなな声が聞こえる。私もびっくりして目を開けた
そこには―――









「そんな、馬鹿な―――」
「目に見えていることは真実とは限らない。…目に入っていない情報は、さらに真実とは限らない」
剣を真っ二つにしてそのまま走ったあと俺は片膝をつく。
そして羽を体から生やし、飛翔する。
「だがしかし―――貴様が今見ているのは真実だ。限りない真実なのだ」
剣でやつの腕の中にいる神楽麗子の首を跳ねる。
血は出ても、声は出なかった
そして神楽麗子の生首は粒子となって消えていった
「だがこいつは真実ではなかったらしいな。」
フンっと鼻を鳴らす。
「…え」
「お、お前は―――死んだはずじゃ」
「……京極、疾雷」
呆気にとられるホルスとルシファー。ホルスはホルスでなっさけない。お前神だろ。この程度でうろたえるな
説教は後回しにして俺はルシファーに視線を飛ばす
「お前は言葉がわからんのか?目に見えていることは真実とは限らない。…目に入っていない情報は、さらに真実とは限らない、とさっき言っただろ。これじゃあ堕天使じゃなくて鳥天使だな」
「き、貴様ァ……」
歯ぎしりするルシファー。しかし次の瞬間ニヤリとし
「…だがお前がどうやって復活したかなんて関係ない。お前の実力は変わらないからな。私には勝てないからな?」
剣を構えた。
「…光の刃だ!」
やつは水谷が撃ってきたような光を圧縮した刃を光の剣から放ってくる。
俺はそれを避けるも、一つが目の近くをカスッた。
スパッと斬れる音がする。
…目につけていた眼帯が斬れた音だ
「……っと、あぶねえ」
今の攻撃は光の波動なのだろうか?
いや、やつ自身の能力か。光を圧縮して作り出した刃。
「……え、疾雷。目が────」
「あ?目?」
ホルスが俺の左目を指さして驚く
そして衝撃?の事実を言った



「……目に、『2』が────」



「2……か」
ルシファーも驚いて俺の目を見ていた
2。前回は、1の刻印だったな
また俺は新たなる力を得た。
また前と同じやつが、力を───





『少年。このままでは勝てないと、世界が奴に支配されて崩壊すると。そうは思わないかね』
前1度聞いた声が聞こえる
「……世界樹、だったか」
俺は目を開ける。やはり周りは真っ暗だ。
辺りを見渡しても何も無い。前と同じような浮遊感を感じる。腹の痛みもない
「……腹に痛みを感じない辺り、もう力は貰えたようだな」
俺の推論に、拍手するような音が聞こえる
『凄いな、大正解だ。』
ところで、と一拍置いて話し出す
『アイデンティティは作れたか?少年』
俺は世界樹の問にフッと鼻で笑う
『おや、私を鼻で笑うなんて、随分度胸があるな』
「お褒めに頂き感激ですわ~」
棒読みで感謝を伝え、問に対する答えを言う
「まぁ、作る前に死んだな」
『おや、死んでないだろう?』
「それは『今』の自分だ」
冷たい口調で話す
「……昔の俺は弱かったよ。ちょっと前まで。そいつはもう死んださ。体が同じでも、心が違うならそれは別人だ」
自分の胸に手を置く
『随分と、自分を卑下するんだな。さっきまでのお前の力でも、堕天使には勝てなくても世界最強くらいにはなれるんじゃないか?』
「世界最強?」
また鼻で笑い飛ばす
「そんなもの興味無い。世界最強、世界最強とチヤホヤされて誰かのために動く必要が出てくるのなら俺は力なんて要らん。俺の目的はただ一つ。最強というアイデンティティ、と──────二度と、大切な人を失わない。俺は例え人じゃない者が相手だろうと負けない。そんな力が欲しい。張り合えるだけでいい、負けなければいい。そして俺が死んでも大切なやつ────姉貴とか、ホルスとか、水谷とか。そいつらを失いたくはない。」
『…………』
世界樹は一瞬押し黙り、次の瞬間笑った
『……そうかい。守りたいか。ワハハハ!やはり強い意志、強靭な体、その勇気。君には感心したよ。いやはや、尊敬できるわい。そして自分より数段格上で、尚且つ君を1度殺した堕天使にもう一度立ち向かおうとするなんて。無謀な事だね』
でもそれは前の君だ、と世界樹は話を続ける
『私は怖いのだよ。やつが、ルシファーがこの下界を支配するのが。私は力が強くても下界自体に干渉することはできぬ。神にも手出しさせる訳には行かない。下手に暴れて国ひとつ滅ぶとか───笑えないからな。私は天界はもちろん、下界も大切な居場所なのだ。事実、私は下界に居る。でも───手出しできない。神であるホルスも何故か追い詰められている。少年。君に新たなる力を渡した。手にしたその力で────ルシファーを正気に戻せ。そして、我が世界を───守れ。自分の大切な人のため、世界を守った男というただ一つのアイデンティティのために』
その言葉を皮切りに世界樹は話をやめて消え、
俺の視界は回復し始めた





「この世界を、天界を、そして下界をも支配する者は言った。戦え、少年。ルシファーを倒して世界を守れと。そして、お前を正気に戻せと」
武蔵を構える。心做しか武蔵は先程戦った時より大きくなっている。
「自分の力の強さは、精神と強さに比例する。体力、精神力。この2つが、力には欠かせない」
腹の傷が回復したのは、波動のおかげだ。俺が今回手に入れたのは、前に手に入れた疲れを癒す波動のようなものではない
俺の体力を一生維持してくれる力だ
「『細胞の波動』と『生命の波動』」
「?!?!」
ホルスが目をひんむいた。
細胞の波動で俺は腹の細胞を生み出し、腹の穴を塞いだ。生命の波動は、その腹の抉られた臓器を復活させ、大量に出血して足りなかった血を巡らせた。
生半可な傷は俺のこの新たなる力で復活する。
「……傷が癒えても、即死させれば問題は無い!」
ルシファーは怯えた表情を一瞬見せたあと、直ぐに顔を元に戻し俺を睨み、剣を構えてこちらに飛んできた
「新しい波動の種類が増えただけ─────と勘違いしてないか?」
体に紫電を纏わせ、羽を大きくし、身体強化の波動を自身に付与する
そしてルシファーがこちらに剣を振り下ろした瞬間、武蔵でルシファーの剣を弾いた。
「え」
ルシファーの剣は空中を飛び、空中で真っ二つに割れた。それを呆然と眺めるルシファー。
俺はその隙をついて蹴りをひとつ叩き込む
「グハッ!」
やられる時のお手本みたいな声で吹っ飛ぶルシファー。地面に倒れた姿勢で着地する。土煙が舞った
「基本的に使える波動の量が増えたんだよ。前の身体強化ではお前の力を弾くことは出来なかった。波動が弱っちくて、人間の数倍の腕力、筋力を持つ堕天使には勝てなかった。でも今の身体強化の程度ならばお前の力を超えることなど容易だ。」
「くっ……」
地面から立ち上がり、大体5体くらいに分身するルシファー。光の能力で幻影を作ったんだろう。
「ファントムごときじゃあ俺には勝てぬ。」
剣を天に掲げ、雷を降らす。5体全員に雷を命中させる。4人はその雷を食らって消滅したが、一人だけが剣で雷を受け止めていた。その剣を握る手は震えている。
そして剣を横に薙いでその雷を弾いた。俺はその間に懐に潜り込む。
「い、いつの間に────」
「所詮光を操る能力というのは陰湿な能力だ。害悪に対しては、力でゴリ押すのが鉄則だ。」
俺は最後の攻撃のために地面を踏みこみ、剣を後ろに構える。剣先は地面に対して45°。綺麗な角度だ。
そして
「そして喰らうがいい。我が全力かつ最高の必殺!」
地面を蹴って剣をルシファー目掛けて横に薙ぐ。ルシファーはそれを少し喰らい、浅い切り傷ができる
「……この程度が、全力の必殺──────?!─────」
その次の瞬間、バチバチバチバチという音が大量に重なって聞こえてきた。一瞬煽ってきたルシファーの動きが急に止まる。いや、ビクビクと体が震えて、その場に倒れた
そして俺は先程撃った必殺技の名前を呟いた。
「雷虎───千来」
先程のバチバチという音は、電気がやつの体を通り抜けた音だ。剣で斬ったときにできた弧に向かって訳360°全方向から高電圧の電気が流れる。それを奴は傷口からもろに喰らったのだ。堕天使だから死には至らなくても倒すには充分だろう。
ルシファーの黒いオーラが段々天に昇っていく。そして天使の輪っかは白くなり、服も段々白くなっていく。そして、羽も綺麗な純白色になった
戻ったのだ。天使に。
俺の勝ちだ。条件は分からないが、堕天使は天使に戻れるらしいな。
……世界樹。見てるか?やったぞ。お前の頼み通りな。
どこからがグッジョブ、という声が聞こえる。俺は少し笑みを浮かべた
「……疾雷……」
ホルスが立ち上がってこちらに寄ってくる
「……ありがとう。ありがとう…………」
そして俺の胸に急に飛び込んで、そのまま泣き始めた。仮面あるのにどうやって涙流すんだよ、いや。仮面を今外してるのか。今、泣いてる今だけ。
「ケッ。神が人の胸で泣くなよ、なっさけない」
「ひぐっ……えぐっ……」
ガチでボロ泣きするホルス。いや、ホントなんなんこいつ
「バカぁ……」
「は?」
急に罵られたため素っ頓狂な声が出る
「……死なないでよ、バカ」
「……あ~」
頬をポリポリかく。そういや俺いっぺん死んでたわ
「ソーリーソーリーソイソース」
「……ほんとに反省してるの?」
涙声で聞いてくるホルス
俺は快晴の空を見上げ
「そうだなぁ」
と一拍置き、
「ま、もう死ぬのは無理だろうがな。負けるのも無理だろう。大丈夫だ、安心しろ。」
「……ほんとに?」
あーもう。俺はホルスの頭をポンと叩く
「いたっ……」
「信用しろこのエセ神」
はぁ、とため息をつく
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死んだ親友にとても似てる。今泣いてるホルスが。昔泣いてた親友に、とても
「チッ」
今でも忘れられない自分に腹が立つ
アイツは死んだのだ。もうアイツに関して悔いはない。
でもよ
「……忘れられた親友って─────本当に親友なのか?」
親友なら一生忘れることは無いのだろうか
俺はそんなことを考えながら天使へと姿を戻すルシファーを見つめていた
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