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第一章 外界編

十三話 新たなる天使

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「ただいま~!」
下から姉貴の声が聞こえる
「おかえり~」
俺はドアを開けて下に聞こえるようそう言った。その後すぐさまドアを閉めて鍵をかけ、ベッドに座って足を伸ばす。休んでるわけではないが、やはりベッドは心地よい。疲れた体にはちょうどいい
「お姉さん?」
水谷がそう聞いてくる
「ああ。前言った姉貴だ」
俺はそう首を少し下に落とした。友達となった次の日くらいに姉貴が居ることを打ち明けていたのだ。
「にしても、怪我は俺だけだったな。後遺症もなし、足から血が出た程度の軽症だ。あと少しの凍傷。お前は意識が吹っ飛んだだけだ。良かったな」
「…ごめん」
申し訳無さそうにする水谷に俺は足に包帯を巻きながらいやみったらしくそういった。ザラザラする感触がして俺は少し顔をしかめた。ちなみに今は俺の家の俺の部屋に水谷とともに居る。凍傷は体全体に起こっており、とりあえず腕と足に包帯を巻くことにした。多分毎日風呂に入っていれば数日で治るだろう。
なのでこの嫌味は俺をここまで追い詰めた水谷に対しての嫌味なのである。別に怪我させらたことを恨んでるわけではない。
まあ水谷のほうが長く気絶していたため溜飲を下げた。
まああのあと先生にやりすぎやら白熱し過ぎやらさんざん怒られたわけなのだが。
爆発規模が大きすぎたのかは知らんが観客も被害を被ったらしい。んなアホな、と思ったが緊急テントが貼られてそこに5~10人位ぶっ倒れてたため起きるまで待ってそのみんなに土下座した。
水谷も土下座してるのに俺は疑問を浮かべたが。やったのは俺なのに水谷が謝るのじゃ。
ホンマにお人好しやな、と思った
「まあいい。楽しかったから問題ない。もう時間も遅いし飯食っていくか?」
部屋の時計を見て19時近くを指していることに気づいた俺は水谷にそんな提案をした
「じゃあお言葉に甘えて。でも私の分を誰が作るの?」
「姉貴か母親がやるだろ。姉貴は優しいし、母親は体裁ばっか気にするからダメ柄息子が有名所の名門のお嬢様を家に連れてきたとなればニッコニコで飯でもなんでも作ってもてなすだろ」
「…お母さんに対する考え方が随分と卑屈ね……」
俺の母親に対するボロクソな発言に水谷は少し眉を潜めた。
「ははは、母親が卑屈なんだよ。」
俺はあくまでも事実だけを述べた。
「…お母さんと、仲悪いの?」
水谷が不思議そうに聞いてくる。
「ああ。一方的に嫌われてるだけだがな」
俺はそう苦笑した。
「…一方的なのに、よくそんなに親をボロカスに言えるわね」
「一方的に嫌われてるってことは、こっちも嫌えるんだよ」
俺はもう一度苦笑する。
一方的に嫌ってくるやつを好きにはなれない。
「…肉親、生んでくれた親に嫌われるって何があったのよ、あんたとお母さんの間で。」
「う~ん……めんどいな、説明」
俺は色々俺と母親の事を話した。母親が俺の波動を知らないこととか。いやそれしかないのだが。
「ああ。で、名門なのにスキルランク0とは何事か、となって険悪になったと」
「そゆこった」
はぁ、とため息をつく
「とりあえず姉貴に飯を頼もう。お前も疲れてんだろ。」
「まあ、それはそうね。あなたのお姉さん、どんな人なの?」
「……すごく、うるさい」
俺は遠い目でそう答えた。今までの陽気でブラコンな姉貴の姿を頭の中で思い浮かべた俺は少し寒気がした
「ええ…どんな人なのよ。」
「見ればわかる。さ、下行くぞ。」
足と腕に包帯を巻き終わった俺は立ってドアの外に出た。
「姉貴。すまないが、飯を作ってくれないか?」
俺は階段を素早く駆け下りる
「そう言うと思ってね、今作ってるのよ」
下に行くと、笑顔でそう答える姉貴がキッチンに立っていた。揚げ物を揚げる音と、油の香ばしい香りがする。母親は今日休日なので友達と遊びに行って夜まで帰ってこないらしい。
「気が利くな。サンキュー。ただ、母親の分含めて5人前作ってくれないか?」
「え?5人分?今日はお父さん帰ってこないのに、どうして?」
「それはだな……」
俺が姉貴の質問に答えるより先に後ろから声が聞こえた。
「お、お邪魔してます…って、え?」
水谷が先にそう言って、その後驚いた表情をしていた。水谷の顔を見た姉貴はキョトン、としてその後すぐに、
「え、疾雷!?女の子連れてきて、どうしたの!?」
と大喜びする姉貴。俺は額を抑えた
「落ち着け、隣の家の水谷だ。変な関係でもない」
「でも、まずあなたが家に友達って…何年ぶり!?」
こちらに駆け寄ってくる姉貴。俺は慌ててキッチンへと走り、今鍋の中で揚げられている唐揚げを見張る。
「は、はじめまして…」
ちょっと困惑気味にそう言う水谷。そして姉貴はそんな水谷の手を握ってと言うか掴んでぶんぶん縦に振り回す
「はじめまして!水谷…何ちゃん?」
「ひょ、氷華です…」
「まあ可愛い名前!私は京極果音よ!よろしく!」
「…な、うるさいだろ。」
俺は深くため息をつく。しかし水谷はそんなことお構いなしに聞いてきた。そんなことを気にする場合じゃない、といった風に
「ね、ねえ、疾雷。この人って……」
リビングから聞こえる水谷の疑問に俺は揚がりきった唐揚げを箸で取り出し、油切り皿に乗せながら答えた
「ああ。生徒会長、高校3年京極果音。最強と言われているテレパシー系統の能力者だ」
新たな鶏肉を油の中に慎重に入れながら答える。パチパチという音が心地よい。
こんな姉貴が超名門進学校の生徒会長様と考えると頭が痛くなる。
「つーか姉貴、俺に料理させるとどうなるかわかってんのか?」
「あ、ああごめん。つい興奮しちゃって…今行くわ~」
少し駆け足で姉貴がキッチンへと入ってくる。はぁとため息を付いて鍋から背を向けると、
何かが背中に飛んできた。熱い熱い、液体が、パチンという音とともに。
「いってぇえぇぇえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
俺は背中を抑えてそう叫んだ。そしてダッシュでリビングへと逃げた。油がはねたのだ。
「み、水谷…冷やしてくれ。」
「え、ええ…大丈夫?」
「疾雷!?大丈夫!?」
「大丈夫だから油を見てろ!危ねえから!」
心配そうな姉貴の声に俺は悲痛な声でそう叫んだ。
水谷が氷を作って背中を冷やしてくれた。
「あ~びっくりした…」
「あぶなっかしいわね。」
じーんとする背中に顔をしかめる。
俺が料理するといつもこうだ。料理自体は美味いのに、料理の過程で事故が起こる。もはや呪いである。
一番ひどかったのは、一人で留守番していて、しゃぶしゃぶを作ってるとき急に水が沸騰してこぼれて足を大やけどしたことだ。あのときは自力で救急車を呼んで、全治3週間の怪我となった。幸い傷跡は消えたが…
もう料理は懲り懲りである。フライパンなんて怖くて使えたもんじゃない
「あ、疾雷。もうできたわよ~」
数分間水谷に冷やされて居ると姉貴の声が聞こえた
「サンキュー。並べとくわ」
俺は水谷の氷から離れてキッチンから飯を卓に並べ始める
「水谷、お前は手洗って座って待ってろ」
「え、でも手伝いを―――」
「客人はもてなされる方だろうが。自分でもてなしてどうする」
俺はおせっかいの水谷の言動に苦笑する。
「わかったわ。お言葉に甘えさせていただくわね」
そういって水谷は洗面所へと向かっていった。
「あなたもおせっかいよね~」
姉貴が米をよそいながら言ってきた。俺は鼻で笑う
「考えすぎだろ」
俺はその言葉のあと黙々と唐揚げを皿に乗せ、卓に並べていった




「いやあ美味しかったです。また頂いてもいいですか?」
夕食後、帰宅する水谷が笑顔で姉貴にそう聞いた
「もっちろん!大歓迎よ!」
そう言いながら水谷にハグをする姉貴。見てるだけで鬱陶しい。
だが水谷は拒否をせずむしろハグし返してた
俺はそれを見て少し引いた
「ありがとうございます!また来ますね!」
二人がやっっっっと離れたあと水谷はその言葉を最後に家に帰っていった。
「いやああの子お嫁さんに来てくれないかな~。可愛いし、優しそうだし」
「ふざけんな」
ドアを閉めながら俺は姉貴をにらみつける
「ええ。いい伴侶になると思うわよ?」
「はっ」
俺はまた鼻で笑った
「俺が女を好きになるなんて考えられんな」
その言葉に姉貴はえっ、と口を手で覆う
「…ホモ?」
「ちげえよクソアマ」
「あ~!お姉ちゃんにクソアマって言った!ひど~い!」
姉貴の楽しそうな叫び声に負けない大声で俺は
「てめえが変なこというからだろうが!!!!!!!!!!」
と悲痛な叫びを上げた







そして翌日
「たまにはグラウンドもいいな」
「ほんとね。風が心地良いわ」
「木陰が気持ちいい」
今は昼休み。俺らは昼飯を食ったあとグラウンドの木陰で寝転んでいた。周囲に人は誰一人として居ない。
今日は考査講評のためあと1時間しか授業はない。しかも俺らはその一コマが自習なのでずっとここに居ても問題ないのである
まあ暇なのだが。とても
「にしても暇だなあ」
「だからってスマホを弄っていい理由にはならないわよ」
俺の隣で寝転がっていた水谷が俺の手元をジト目で覗いてくる。
「スマホではない、ソリティアだ」
「でもスマホでやってるわよね?」
「いやトランプだ」
「いやスマホよ」
「いやトランプだ」
「…くだらん言い争いをしないでくれ。眠れない」
さらにこちらをジト目で見てくる神楽。
「仕方ない。スマホと認めてやろう」
俺は大きくあくびをする。この学校は基本校内はスマホ禁止だが―――バレなきゃ無問題である
この学校に透視系のスキルを持った先生なんて居ないだろうし
そもそもスマホでソリティアを真面目にやっている俺は先生に気づくことは到底不可能なのだが。
あと隣で寝てるやつと少し離れて寝てるやつは俺をバッサリ切り捨てるだろうし。
もしかしたら、先生じゃなくて神様とかそっち系の変なやつが現れるかもしれないしな。
ははは、もし現れても俺はソリティアしてるから気づかないだろうけどな
ちなみにもし先生が来たらスマホよりホルスたちが見つかる方が問題なのでホルスたちには大人しく隠れてもらっている。
『あ~姿隠すのやめたいわー』
『あ~姿を表して寝転びたいわ~』
棒読みでそう発言するホルスとルシファー。
「うるさい静かにしろ集中できない」
チュン、チュンという俺らをさらに気持ちよくさせる小鳥とは反対に俺を不快にさせるこの天使と神に一喝する
『ケチ~』
ぶすっとした声で文句を言うホルス。
「うるさい黙れ。ほらミスしたじゃねえかぁぁぁぁ」
俺は大きいため息をつく。割とクリア目前まで来ていたのに、これでは台無しである
「仕方ない。音ゲーをやるか…」
「え?音出すつもりなの?」
「冗談だ」
ソリティアの新しいゲームをはじめ、黙って真面目に解いていく。
「むー。私は本でも読んでようかしら」
「お、さすが優等生」
「あなたが不真面目すぎるのよ…それなのにテストの点数だけは良いし…」
ジト目で睨んでくる水谷。
「知的なのさ、HAHAHA!」
俺は真顔でそう答えた
ちなみに先程午前中に数学、英語などが帰ってきた。
数学は俺の勝利だったし、英語は俺が負けても僅差だった。生物は俺は水谷に圧勝していたし、割と総合で水谷に勝てるかもしれない
「つーか態度いいやつが優等生とは限らんだろ」
「それもそうね、あなたみたいな天才様なら」
「おいおい、よせよ(笑)」
「…ぶん殴りたい…」
隣から殺気を感じる。俺は横に一回転がった。
「なんで逃げるのよ」
「ソリティアしてるから」
「支離滅裂よ…?」
「知的なのさ、HAHAHA!」
そんなくだらないことを話しながらクリアへと近づけてゆく。こんな言い争いの中神楽は爆睡し、ルシファーとホルスの声も聞こえなくなったため、多分寝たんだろう
「確かに眠くなってきたな」
少しあくびをする
そして画面を見て固まった。詰み一歩手前だったから。
「…どうするんだこれ」
俺は思考を巡らす。
「あ、9のスペードと10のハートをここに移して8のダイヤをゴールさせれば…」
そしてその行動のあと無事にクリアできた。
「よっしゃあ」
俺は達成感から大きく伸びをする。
難易度が高めのソリティアだったため、成功のあとの達成感がすごい。
満足した俺はスマホの電源を落とし、ズボンのポケットにしまう
「水谷、俺も寝るわ」
「え~、私眠くないわよ。暇になるから起きててちょうだい」
ぷくっと頬を膨らます水谷。俺ははぁ、とため息をつく。
「仕方ないな、ご主人様はペットの小動物の頼みは聞かなきゃいけないからな」
「…ひどい言いようね」
「事実だ」
少なくとも俺から見たられっきとした事実なのである。そうと言える。
多分ホルスとかに聞いても同意が返ってくるだろう。まあ、寝てるから聞けないけどな
小鳥の羽音と共にバサッ、と大きな羽音とともに上空から少し明るい一本の光がグラウンドに差し込んだ。
「珍しいな、一本の光なんて」
「ええ。とてもきれいだわ~!まるで天使が舞い降りてくるみたい~…素敵~」
まるで夢見る乙女のようにうっとりしながらそう発言する水谷。
「おいおい、そんな大声出すな。神楽が起きちまうだろ」
俺はそう夢見る乙女をたしなめる。
そしてその後、水谷の発言の中の不吉な言葉に気づいた。
「ン?天使…?」
俺はあのときのことを思い出した。一本の光、しかもよく見ると人一人分くらいの太さを持つ。
俺は顎に手を置いてしばし考える。が、俺はあのときの情景と今の情景を照らし合わせると、何かを俺は察した。
「……あ~」
俺は立ち上がり、眩しすぎる光の目の前に立つ。
見上げると、存在してはいけないであろう2つの影がだんだんと降下してきていた。
内心で最悪だ、とか思いながら頭を抱える
「…ホルス、起きてるか?」
俺は少し呟いた。返事は無い。
「水谷、少し寝てろ。ちょっとお取り込みがある」
地面に近づいてくる影を睨みながら水谷を巻き込まないようにそう言った。
「え?なんで?」
素っ頓狂な声を上げる水谷
「いいから、寝て―――いいや、もう無理だな」
俺は深くため息を付いた。もう影は地面と接触する寸前だ。もう水谷を巻き込まないのは到底不可能だ。
「…天使って言ったお前に感謝するよ、水谷」
俺は『武蔵』を作り出す
そしてゆっくりと、影が地面に着地して―――
光の線が大きく弾けた―――
「うわッ!」
俺は思わず眼を手で覆う。白い視界が色を取り戻すまで目を隠す。数秒後視界が復活した俺は目から手を話す
そこには赤髪の童顔の女と青髪のストイックな女が立っていた。
『…大天使、カマエル、ラファエル』
近くからホルスの声が聞こえる。心のなかで、起きたのかと呟く。
とりあえずホルスの存在は相手には隠すことにした。
ホルスの発言的に、相手は天界からの神の使いだろう。ならば天界の神であるホルスが下界にいることがバレるのは避けなければならない
もっとも
「…ルシファーをあなたたちが匿ってることを知っている。早く出しなさい!」
大声でそう告げる赤髪の女。いや―――名前と外見的に、こいつが大天使カマエルか?
俺は青髪のストイックな女、ラファエルであろう女を睨む。
コイツラの狙いは、ホルスではなくルシファーらしいが。
俺はあまりの突然すぎる出来事に俺はSAN値チェックしたくなったレベルだが、俺はぐっとこらえる。強がらないと、天使とは渡り合えないだろう。
こいつらもルシファーと同程度の実力を持っているだろうから。
「全く、人間ごときが堕天使をかばうなんて、世も末ね」
はぁと深い溜め息をつくラファエル。
「……ルシファーのこと、知ってるの、この人達」
いつの間にか俺の隣に立っている水谷の疑問に、カマエルが文句を言う。
「私達は人じゃないわ、天使よ!」
「カマエル、少しうるさいわ」
大きく叫ぶ高い声のカマエルとそれをたしなめる中性的な声をしたラファエル。
「…よくわからないけど。戦うしか無いわけ?」
水谷が俺に聞いてくる。ふと隣を見ると、キッと相手を睨んでいる。いつもと違ってかっこいいのは、気のせいだろうか。割と本気で覚悟を決めている顔だ。
とても凛々しい。
「…まあ、そうだろうな」
「くだらない会話をしてないで、さっさとルシファーを―――!」
「…出してほしいなら戦うんだな。俺と。居場所は俺しか知らん。」
俺は神楽を守るためにキッパリ言い切った。
俺の思考を透視でもしたのか、水谷はコクリと首を頷く
「ええ。私た……私は何も知らないわ。」
俺は心のなかで、そう。それでいい、と力強く頷いた。今『私たち』と水谷がいいかけたが、そしたら他に仲間が居るのか、と疑われてしまうから、その修正は素晴らしい。
しかし、返ってきた反応は実に面白くなかった。
「…じゃあ、そこに寝ている女は誰なの?」
カマエルが寝ている神楽をキッと睨む。
「さあな。俺も知らん。だから少し離れて寝ていたのだよ、俺らは」
俺は波動で背中に羽を生やし、飛翔した
「んなっ!?」
「え!?」
カマエルとラファエルが同時に目を見開いて驚く。俺は空中で高らかに笑った。
「ははははは!!!!これが守護天使―――いや、堕天使ルシファーの力!この漆黒の翼が私が受け継いだ力さ!!ふははははは!」
一通り笑い終えたあと、俺は捨て台詞を言った学校から飛び去った。
近くの山の方に
「ルシファーがほしけりゃ付いてくるんだな!ハッハッハッハッ!」
「くぅ!」
後ろから一人が飛んでくる音が聞こえる。声的にカマエルだろう。
ラファエルが来ていないことから、水谷が食い止めてくれているんだろう。
「それでいい、それで。ふふふふ…ははははは!!!!」
俺はありもしないルシファーの能力を存分に見せつけながら山へと飛び去っていった
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