堕天使の魔法陣(ステアーズ)~昨日の最弱は今日の最強~

二人乗り観覧車

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覚醒

19.中ボス戦1

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「うわぁ!!!」

朝起きて一番に驚きの感情が表れる。

それは男ならしょうがないかもしれない。

鼻と鼻とがくっつくような距離にあって、あと数センチも動けば不幸にも、いや、幸運にも唇と唇が触れ合うような距離だ。

そんな絶世の美少女が目の前で王子様のキスを待っているかのように…………

と、そんなエリアスの間抜けな声を聞いてアイリスも起きる。

「んーーっ!あっ、エリアス。おはよう」

必要の無いキスの話は置いておこう。

「私の顔、そんなに見て、どうしたの?」

「べべべべつに。ななななんでもないし。」

動揺マックスのエリアスの様子を見てアイリスは笑みを浮かべる。

「じゃあ準備しようか」

動揺が振り切れているエリアスには話をそらすくらいのことしか出来なかった。


ご飯を作って、食べて、布団をしまい、必要なものをブラックボックスから取り出したりして戦闘の準備を整える。

「準備はいい?」

「私は、いつでも、大丈夫!」

「じゃあ行こうか」

一つ大きく深呼吸する。
隣でアイリスもエリアスに倣って深呼吸をする。

そして扉に手をかける。

そして扉を開く。

顔を覗かせるのはこれまでの地形と異なりクリスタルの壁は消えており、普通の洞窟のような形状と材質で出来ている場所に出た。
道の両側には魔石を使った魔石灯が両脇の壁に埋め込まれており視界は良好となっている。

どうやら暫くは一本道が続いているらしくここでも扉の前までと同じで敵が出ないように設定されているらしい。

扉の前で1回決意をさせたあとにもう1度こんな道を作るなんて、相手を焦らして集中力を乱すためのものなのではないかなんてエリアスが思ってしまうのは仕方ないだろう。

道を進んでいくうちに否が応でも奥にいる存在への緊張感を高めていかなければならないこの状況はやっぱり気持ちのいいものではなく、この世界を作ったものの性格が大きく出ている。
堕天使の隠れ家アインザーム』何てもを創る存在だからたしかにそのとおりの趣味だなと思えばそれまでなのだが。

体感にして2人が十五分ほど歩いた頃だろうか。
どうやら道は終わったようで目の前に広大なルームが現れる。

とても広い。

半径50メートル程の超巨大ルームへと出てきた。

そして目の前に現れるのはたくさんの豚頭。

オークだ。

ざっと見た限りでいうとだいたい30体程度の普通のオークがいる。そして中央には他のオークたちとは一線を画しているオークのボスとも呼べる様な個体がいた。

まだ、エリアスとアイリスには気づいてないようである。

一度洞窟構造のところへと戻り二人でどうするかを話し合う。

「どういうふうに戦うのがいいかな?」

「オークは、性欲が強い、魔物。だからたぶん、私を狙ってくる」

「そうだよな。こんなに格好の獲物を逃すわけないよな。可愛いし。」

「かっ、かわいい…………でも、私たちなら、楽勝。だよね」

顔を赤くしながら話す最初の部分はもちろんエリアスの耳に入ることは無かった。

「そうだね。じゃあアイリスには申し訳ないけど前衛で闘ってもらえる?後ろから狙撃して数を減らして、アイリスに負担がかからないくらいに敵の数を調整していこうと思うけどいいかな?」

「うん。そうしよ!」


作戦が決まったふたりはもう一度ルームへと戻っていく。

そして今度は相手への挑発行動を始める。

まずは二人は殺気を抑えることをやめて敢えて放出する。
だいたい自分の殺気が届く範囲を計算して前の10体位のみに届くように調整する。

そうすると、グギャギャと醜い鳴き声が上がり狙い通りに隊列をなしていたオークたちの前列のものたちのみがこちらへ向けて飛び出してくる。

エリアスはそれに対するオークたちの対応をしっかりと観察していた。
が、
ほかのオークたちはそこから一歩も動かない。本能で動くはずのオークたちには有るまじき行為である。

安全に10も減らせるのでそれに越したことはないので遠慮なく駆らせてもらうことにする。

隣を見ればアイリスはすでにスキルを発動して赤黒いオーラが揺らめいている。金色の髪の毛の輝きも混ざり恐ろしいとともに最近では美しさを感じるようになってきている。

戦闘の火蓋が切られる。

エリアスの銃が魔力弾を発射し、それが一体のオークの足へ命中し、脚を止める。

その隙にアイリスはその超絶アップしているその身体能力を活かして近づいていった。
その腕が一度振るわれる度に、アイリスの何倍もの大きさのあるオークが数メートル吹っ飛んでいく。

その合間を縫って後ろからは敵の足を狙った狙撃が行動を止める。

もはや作業。

普通のオークが相手では何体がかかってこようとも大きなダメージを負うことはないであろう。今やっている方法だって一番安全な方法は何かと言われたらこれっていう戦闘法を試しているだけなのだ。

やろうと思えばエリアスの銃身から飛び出す弾丸に魔力を更に込めれば爆裂系の魔弾を作ることも可能だ。
アイリスは一撃で相手の原型を留めないほどの攻撃を浴びせられる。

けれども二人共の抑える理由がただのオーバーキルはエコじゃないから。それだけだ。

アイリスについてはもう少しだけいえば返り血などを浴びてしまうのが煩わしいということや、魔石をたまに一緒に壊してしまい勿体ないからという理由も存在する。

そうしてモノの数分で10体のオークは処理される。

エリアスの射撃により足を撃ち抜かれ、アイリスの殴打により戦闘不能に追い込まれたオークたちにエリアスが頭に向けて1発ずつ弾丸を打ち込めば、文字通りの肉と魔石へと変わる。

「どうして、あいつら来ない、の?」

そう。未だにオークキングらしき集団は動く素振りを見せない。そのためいそいそとまずドロップしたアイテムを拾いしまっていくことにする。

しまい終わってもこちらを凝視し全く動かない集団はそこにいる。

少し不審に思ったエリアスは一度引き金を引く。

パンッ

乾いた一つの音とともに最前線にいたオークの一体が頭から血を流してその場に倒れる。

「これで様子見しようかな…………って来たね」

その様子を確認したオークのボスは今までで平静を装っていたことが嘘のように見る見るうちに怒りがそいつを支配し出す。

グギャャグギャャャャャーーーーーーー

一声鳴く。

そこそこの強い威圧の乗った方向ではあるがエリアスとアイリスに対する効果は薄いようだ。

なんか無駄なことしてるなくらいに思っていた二人は知らないかもしれないが、この階層に来た探索者中でもこの咆哮に沈む人も少なくないとは言われていたりもするくらいにはそこそこに強力なものであるのだが。

だが、エリアスとアイリスにも見逃せない変化が生じはじめた。それはアイリスのそれには到底及ばないものではあるがなんとなく予想のつくものである。

「まさか、強化?」

「私のに、似てる。たぶん、そう」

周りのオークたちの醜い染められたからだが見苦しい鮮やかな緑色へと変化していき、その醜い顔が際立ち、さらなる生理的嫌悪感を呼び起こす。

「まずいな、勝てるかもしれないけど怪我とかしちゃうかもしれない。強化に慣れてないうちに早めに叩こうか。」

「それが、いい」

二人は先ほどと少し戦闘スタイルを変える。

アイリスはそのまま継続して敵をばったんばったん倒す。それは変わらないが、エリアスの援護がなくなるので最近使えるようになってきた、そのオーラの一部を衝撃波として放つ攻撃を試すようにする。ちょっと消費量が多くなるためにアイリスへの負担が増大するので一気に方を付けるように方針転換だ。そして安全性は何よりにも勝るものだからである。

エリアスはといえば右手にしっかりと魔導銃ソフィアを握りしめ、左手は魔力が変形し剣を形作っている。
もちろん特攻の構えである。
身体強化は小さく、剣術のセンスは限りなく低いエリアスではあるが、戦闘のセンスには優れている。

しばらく戦闘をこなしてわかったことは、武器を持って戦うことが苦手なのではなく、武器の間合いと自身の間合いの差異がエリアスにはうまくコントロール出来ないのである。
明確に範囲の別れる銃、弓のような長距離武器を使用すればその間合いは重なることのないために戦いにはほぼ影響しない。

ではどうして腕の魔力を操作して剣にして戦うような無謀なことをするのかといえば、それは無謀なことではないからだ。今となっては魔力の刃はエリアスの身体の一部・・・・・である。ゆえに武器を持つことと、自分を武器へと変化させることは大きく異なる結果を生むのだ。

エリアスは向かってくるオークに向かって、先ほどと同様に確実に仕留めるために足へと向けて銃弾を撃ち込む。
近づくまでに機動力を削いでおくことが後の自分を助けるから。

だが、予想外なことにエリアスの魔力を圧縮して放った銃弾は弱くもしっかりと揺らめくオーラを纏うその強化された肉体には擦り傷や少し肉をえぐる程度のダメージしか入らずオークたちは止まることは無い。

キングはじっくりとその先頭の様子をずっと見ている。

まるでこちらの出方を伺う人間達のように。

エリアスはその様子を見てその場に一度止まり、相手との距離を置いての戦闘へとシフトチェンジするかを考える。

スグに思考を終了させると、向かってくるオークたちから間合いを変えないように保ちながら動き、魔導銃ソフィアへと実弾を込める。

次に銃声が響けば一体のオークは先程までとは異なり、その足を銃弾が貫通して行動不能へと追い込まれていた。

対してアイリスはそんなエリアスの様子を見ながらエリアストは異なりその距離を詰めてゼロ距離戦闘へと持ち込む。
ただ、魔法は封印することは決めた。

距離を作るにも、一度戦闘の相手を叩いておかなければ多勢に無勢。次から次に相手が殺到して来てはアイリスは衝撃波を使えない。

若い女を見つけ醜く歪むその豚頭に相当な不快感を抱きながらも対面する。

まずは一体の足を蹴りこんで地面に叩き伏せる。
その時、背後に回り込んだ個体が腕をアイリスめがけて降ってくるのを緊急離脱する。
離脱の小さなジャンプの動作がこの数の差では致命的になってしまうことは重々承知しているアイリスは溜めてあったその小さく圧縮したオーラを全方位へと解き放つ。

それは限界まで縮められたゴムが伸びるような勢いで周りへと伝わり、魔法であるために、強化に合わせて付与された魔法減衰効果が適応されてしまったが、周りでは同心円状にオークが倒れていく。

この攻撃のことを考えれば距離を取っていたエリアスはある意味正解であったであろう。まだまだ二人での連携という意味での経験の浅さも少し出てジウところではあるが、本当は一方向に向けて撃つはずだった手筈であったのでなんとも言えないが。

倒れたオークたちに照準を合わせるエリアス、拳を握りしめるアイリスを見て漸くキングが動き出した。

その巨体には見合わない早さを持ち、そこらのオークの倍くらいと言っても嘘ではないくらいだ。向かっていく方向はエリアス。何故か女ではないエリアスを狙ったのだ。

「アイリス、あいつはこっちに来たから先にそっちを倒してから後ろからの奇襲を頼んだよ!」

「うん、!」

「やばくなったら『次元障壁|《ディメンションストレージ》』を使ってよ」

アイリスの方は近接戦闘は最悪ギアをあげればどうやっても負けることはないだろう。だから一度安心して前を向く。

どうやら目の前のこのオークかなり賢い。そんな印象をエリアスは持つ。近接戦闘よりも飛び道具である魔導銃を強く警戒しているようだ。そして、後方で戦闘していたエリアスの近接戦闘能力を鑑みてのことらしい。

グアァァァァ

キングの手には大きな石でできた斧が握られている。

軌道を予測して安全マージンをとって避ける。
攻撃の応酬がそれから始まる。

基本的に自分は避けに徹する。
左手を魔法刃にしてもいいのだが、この剣は人型や相手を斬ること専門であって力と力のせめぎあいや鍔迫り合いでは勝てない。
そもそもの話が刃が腕と一体化しているということは動きの邪魔にもなり得るので局所的に使い分けるようにしているのに加え、片手分の力しか乗らないというデメリットがある。

もちろんもう片手は魔導銃ソフィアに塞がれている。

キングオークは斧を使いながら巧みに攻める。
刃の部分をフェイクにして横の面で殴打を試みたり、単純に攻めるだけではなくステップのようなものを刻んでいるような気もする。

だからといって負ける訳にはいかない。

相手は一回りもふた回りも自分より大きいために、カバーしきれない部分が存在する。
斧を振り下ろしたあとであったりの一瞬の硬直時間であったり土煙などでもあげて背後に回ったりすれば攻撃も通った。

キングの振るう斧が掠めていき少しの頭髪を持って言ったかと思えば、その手に握られる銃が火を吹きキングオークの手元を狙い撃ちで確実にダメージを加算していく。

けれども足りない。

エリアスの攻撃はどうしても反撃という形になるために攻撃の準備に許される時間が圧倒的に短く、強威力の攻撃を放つことが出来なかった。

オークの攻撃がだんだんとキレを増し、自分に当たるのも時間の問題とも思われた。

と、新たな攻撃が降ってくる。
今度は横薙ぎの攻撃だから横に逃げても回避が間に合わずに攻撃を受けてしまいそうだ。

エリアスは上へと飛ぶ選択をした。

と、オークはその斧を手放した・・・・・・振るわれた勢いのまま石の斧は壁にぶつかり大破する。

問題はそんなことじゃない。
オークはすでに振りかぶっている。

エリアスは未だに空中にいるため動きに制限がかかっているというか回避行動を取れない。

そして拳が振るわれる。

だが焦らない。

焦ったら負けなのだ。

生命のやり取りを交わしているうちにこんな戦闘がどうしても楽しく思えるようになってきた。戦闘中こそ生きている実感を得られる気がする。それに、身分など関係ない。強いものが上に立つわかりやすい世界。

握ったソフィアの銃口をオークの拳へと向ける。

そしてその下側目の位置に震える手で狙いをつけて魔力を発動する。

その拳は銃に込められた魔力により上へとそらされていき、攻撃は外れ、エリアスは致死区域からなんとか外れることに成功する。

だが、キングオークの攻撃はやまない。

エリアスへ向けて先程の斧なんかよりも何倍も重そうな腕が伸びてくる。その拳は先程までの攻撃とは比べ物にならない威力を有していた。恐らくだがキングオークは何らかのスキルを乗せていることだろう。

流石に身の危険を感じたエリアスは安全マージンをいつもより大きくとって回避を選択した。

そして避けきれる、、、はずだった。

拳が地面へ到達すればその地はひび割れ、その腕力の強さを証明する。
そしてエリアスの逃げた先の地面を揺らし余波を食らうことによりエリアスはバランスを崩す。

やばい

そう思った時には一瞬目を離しただけのはずなのにすぐ目の前へとキングオークは移動してきていた。

振りかぶる腕

体のバランスを立て直すことは不可能なタイミング。

絶体絶命だ。

オークキングはその顔を勝利を確信したような笑みを浮かべながら一層力を込めている。

ゲームオーバー。そう考えてもおかしくない状況、

ただエリアスは違った。それだけの話。

彼には✤異能✤が備わっているのだから。

でもエリアスは使おうとしなかった。

最近はたるみすぎていたのだなんて考えていた。
自分が一撃で倒せる相手しか倒していなかったのに強くなったと勘違いしていた過去の自分のおごりを悔やみながらも己の身体で勝利をもぎ取る勝負を忘れないために。命の危機にあった出来事を忘れないための戒めに死の危険に晒されることが人生には欠かせないなんて思ったり。

目の前の敵は勝利を確信している。
それゆえに隙だらけ。

そこに注目する。

そしてキングオークは3m級のサイズの相手。自分の半分程度しかない人間を殴る時の体勢は前屈みになっている。

この世界には「攻撃が最大の防御」なんて言葉がある。
そしてみんなはその事ばかりを言ってよく名言風に使われる。

そして誰もどうして考えないのかわからない。

それならば逆を考えたらそれもまた真であることを。
「防御とは最大の攻撃」なのである、と。

エリアスの選択したのはもがくことではない。

重力に従うこと。

バランスを崩してすぐに諦め、体勢の立て直しを放棄して早く地面と背中をくっつけるために動いた。

なんとかすんでのところで大きな一撃をもらうことを避る。
そう、この避けるという行為こそエリアスの勝利を呼び寄せる最大の防御。

背中を身につけたエリアスが見ている光景は自分を瀕死へ追い込むのであったのであろうオークの腕が先程までのエリアスの幻影を追いながら風を震わせて進む様子。

防御。

それはただ攻撃を受けるのみにあらず。
避け続けることだって立派な防御の一形態。

避けられ続けた相手は自分で気づいていようが気づいていなかろうが焦りがあらわれる。勝負を急ぎ、当たらない自分の攻撃に苛立ちそして大きな隙を生み出す。

「これからが勝負だよ」

目の前の腕へ向けた自らの右手の指先へと力を込める。

パァン

一つの銃声と共に目の前の物体が消失する。
オークの腕は付け根から先がほぼすべて消失していた。

緑から黒にかけての奇妙な色をした血が欠損部から噴出する。相手の大きな武器の一つを封じ込み消し飛ばした。

オークの血液でエリアス自体の存在をもオークの視界から奪い、少しの返り血を浴びてしまいながらもオークの巨体を蹴りあげその反動で起き上がりつつ距離をとる。

片腕を失ったキングオークに関しては確実に削っていき着実に倒せばいい。

そんなことを思っていたのに。

飛び退いてエリアスが見たキングオークは……

「さ、再生!?」

腕があった。

そしてその驚きの感情を露わにするエリアスへとまた攻撃を開始させる。




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