プールサイド

なお

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追熟

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帰ったら、野原君からメールが来ていた。
今度、図書館で勉強しないかって誘い。

お願いしますって返事したら、よろしくって返ってきた。

……面倒見いいな。
とにかくコウキとは違って、全部が落ちついてる。


次の土曜日、野原君の家の近くにある図書館に行くことになった。

私服だし緊張する。

野原君が好きそうな、清楚っぽい服で、約束の時間に行った。
せっかくだし、ジャージで行くわけにもね。

「波多野」

野原君は、パーカーにジーパンできた。
背はコウキとそんなに変わらないはずなのに、細いせいか、着こなしが全然違う。

野原君にじーっと見られて、体を隠しながら「へん?」と聞いた。

「へんなわけないし……かわいいです」

それだけ言ったら先歩いて行っちゃったから、私もついて行く。



野原君にかわいいって言われると、くすぐったくて、きゃーって叫びたくなる。

褒められる事に免疫がない。
女の子みたいに扱われることも。

野原君といると、気持ち悪いぐらい自分の乙女の部分が出てくる。



図書館についた。
大きな図書館で中は静かだ。
野原君の後ろをついて行って、二階の席にたどり着いた。

周りには私たちと同じような学生や、もうすこし上の年齢の人もいて、みんなこの静寂の中で思い思いに過ごしていた。

「隣…」

野原君の正面に座ろうとしたら、隣の席を指差された。
そうか、隣の方が小声でも話しやすいかもしれない。

静かだからあまり質問できないかもしれないな。

私は、言われたとおりに野原君の隣に座った。

野原君の右側。

座ると、ワンピースの裾が持ち上がって太ももが見える。

清楚だと思ったのに、ちょっと短かったかもしれない…

「始めようか。質問あるなら受け付けるよ」

メガネをあげてさっそく始まる。
野原君は私の太ももなんて気にしてないみたい。

私も気にしない事にして、わからなかったところの質問を始めた。

勉強は順調に進んでいた。

野原君はすごーく丁寧に教えてくれて、これがコウキ相手ならこんなに理解は進まなかっただろう。

ケンカになっちゃうから。


野原君の肘が、ノートの上の消しゴムに当たって、床に落ちた。

ころんと転がって、私の足元に来た。

「ごめん」

「いいよ、私取るよ」

座ったまま消しゴムに手を伸ばした。ちょっと苦しかったけど指先が届いて、消しゴムをつかまえる。

「届いたぁ」

そしてまた、消しゴムをノートの上に置く。
野原君は耳を赤くして、こっちに向けてた膝を組み、背中を丸めていた。
変な姿勢。

「どうしたの?」

「ん…いや、べつに…」

「本当に?」

「何もないよ」

何もなさそうには見えないのに、野原君はさっきより冷たく答えて私を見ない。

「怒らせちゃった?ごめんね。私、バカだから…全然勉強もわかってなくて。呆れるよね」

不安になって野原君の腕を揺すると
「バカなんて思ってないし…」と言う。

じゃあなんで、こっち見ないの?

悲しくなってうつむいた時、野原君のズボンがふくらんでいるのが目に入った。

野原君は、そのふくらみを手で隠すようにしている。

見てはいけないものを見てしまったのに、私はなぜか、無性にドキドキしてきて、抱きついてしまいたくなった。



耳が赤くて、手を足の付け根に乗せてて、ちょっと背中を丸めてる。

戸惑ってるのはわかってるのに、衝動が止まらなかった。
野原君の腕を握る。

「ちょっ、ちょっと、波多野」

やっぱり机の下で、ジーパンの中で、やっぱり大きくしてる。
野原君は少し焦りながら、手を解く。


周りは静かだ。

誰も私たちに目をくれず過ごしている。

野原君は、恥ずかしそうに私の表情を確認する。
この人のこの顔は、とてもそそった。

何も知らない、恥じらう女の子を征服したがる男の気持ちがわかる。
野原君といると、そんな気持ちが沸き起こった。



図書館の帰りは公園に寄った。
大きな図書館で、周りが公園だったから、自然な成り行きだった。

「あっ」

カツンと飲み物の蓋を落として、また手を伸ばして取った時、野原君が太腿を見ていたのに気づいた。
ワンピースの裾を握って、むき出しの腿を隠したら、野原君はすぐに視線を変えた。

落ちた蓋を野原君が取ってくれようとしてる。

ちょうど私の足の前。

握ってた裾を離し、野原君の膝の上に手を置いた。

あざとい迫り方だけど、さっきから、むらむらした気分が抜けない。
膝に置かれた手をちらっと見て、野原君は蓋を手のひらで弄んでた。

「……どしたの」

「触りたくなっちゃったから」

「……触りたいって、女の子なのに思うの」

あ…幻滅されたかもしれない。でも、ほんとだから、隠さない。

「思うよ…触りたいし……何か、もっと……ひっついたり……。拓海君……は、思わない?」

「オレは………」

野原君はメガネを上げて、私の手を握り、距離を詰めて座った。

「触りたいよ。…多分、波多野より触りたいと思ってるよ」

どくん

野原君が、いつもと違う顔になる。

「オレに触られてもいいの」

どくん
どくん

この雰囲気、空気。
甘酸っぱくて、エッチで、鼓動が聞こえちゃいそうな。

公園なのに。

外なのに……。

うん

頷いた。
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