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11.ラウナ村
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数日後……
「ねぇ、ルカ。受付に付いてくるの、やめない?」
肩に乗ったルカは、お客様に聞こえないのをいいことに、いろいろと言ってくる。『獣臭い』『あの客は、お前に気があるぞ。』だの、『こんな仕事のどこが楽しいんだ。』と…。
ルカと ほぼ一日中一緒にいる為、いつの間にか タメ口で話すようになっていた。
『お前の近くが力を蓄えられるんだ。気づいてないのか?』
気づくって、何に? 私に力なんて、あるわけない……と言いたいけど、ドラゴンの封印が解けたのには理由があるはずだ。
(確かに最近、疲れやすくなった気はするけど…。)
入口からアルが入ってきた。
「調子は、どうだ?」
「こんなに頻繁に来なくていいのに。いつも通り、ルカに邪魔されつつ仕事してるよ?」
「心配だからだよ。ドラゴンと契約ってだけでも、厄介なのに、ロイさんたちが聖女を止められなかったら、ここだって安全じゃ なくなるかもしれないだろ?」
「そうだけど……ロイ様たちなら、きっと大丈夫だよ。」
きっと、セラさんを助けてくれるはず……。ゲームのヒロインなんだから。
『我の力が戻ったら、悪魔ごとき滅してやろう。』
「そんなこと出来るの?!」
『人間諸共だが……。』
「じゃぁ、ダメ。」
はぁと、ため息をついた。
「今日は、もう上がりだろ?飯食いに行こうぜ!」
「うん。」
こんな、呑気にしてて いいのかな?私に出来ることって何かないのかな……?
◇◇◇◇
ラウナ村
―――ジョンside―――
まさか聖女が悪魔に乗っ取られるなんて…。出来れば彼女ごと倒さず済めば良いが…。
ルーナさんから受け取った聖水を見つめて、まだ見ぬ聖女セラ・ホワイトのことを考えていた。
ディランとは無事合流することが出来た。
「その後、状況は?」
「変わらず、静かだ。村の人間が生きているかは、不明。」
村の空は、どんよりとして寒々しい。雨か雪が降りそうな天気だ。
「不気味だな。とりあえずシールドを解除して中に入ろう。」
ロイが言った。
「B班は、このまま待機。誰も村から出すなよ。」
数名を村の周りに配置、俺たち三人は中へと入った。
「「「!?」」」
中に入って、驚く光景を目にした。村の人々が石化している……。魔法か?
「神話に出てくるような〈メデューサ〉とか言う、目を見たら石化する、なんて怪物じゃないだろうな?」
ディランがメガネを上げながら、興味深そうに見ていた。
「悪魔と言っていたなら、違うんじゃないか?髪がヘビだったら怪物確定だけどな。」
冗談じゃない、と笑って見せた。
開けたところへ出ると、そこに一人の女性の姿が。報告通りのピンクの髪、服は白いローブで聖女といった装いだ。……彼女がセラだと分かった。ただ瞳は茶色ではなく、真っ赤だ。服にも少し血が付いている。
「君がセラか?」
髪がヘビでないことに、ほっとしつつ、話しかけた。
『そうよ。……やっと、この汚い場所から出られそうね。』
声は女性だが、見た目よりも低い声がした。オーラで分かる、彼女は悪魔に乗っ取られている。
「その体から出てくれないか?それはお前の体ではないだろう?!」
『嫌よ。せっかく手に入れたんだもの……。彼女が、この状況を望んでた。力を貸してあげたのよ?替わりに体を貰っても良いじゃない?』
「そんなはずはない!報告では、心優しい人だと聞いている!!」
『そうね……。私は石にした村人を粉々に壊せって言ったんだけど……ほんと甘いわよね。』
「力ずくで、出て行ってもらおう。
【無限拘束】」
ロイが拘束魔法を繰り出した。地面から無数の鎖が現れ、セラに絡みつく。
「ねぇ、ルカ。受付に付いてくるの、やめない?」
肩に乗ったルカは、お客様に聞こえないのをいいことに、いろいろと言ってくる。『獣臭い』『あの客は、お前に気があるぞ。』だの、『こんな仕事のどこが楽しいんだ。』と…。
ルカと ほぼ一日中一緒にいる為、いつの間にか タメ口で話すようになっていた。
『お前の近くが力を蓄えられるんだ。気づいてないのか?』
気づくって、何に? 私に力なんて、あるわけない……と言いたいけど、ドラゴンの封印が解けたのには理由があるはずだ。
(確かに最近、疲れやすくなった気はするけど…。)
入口からアルが入ってきた。
「調子は、どうだ?」
「こんなに頻繁に来なくていいのに。いつも通り、ルカに邪魔されつつ仕事してるよ?」
「心配だからだよ。ドラゴンと契約ってだけでも、厄介なのに、ロイさんたちが聖女を止められなかったら、ここだって安全じゃ なくなるかもしれないだろ?」
「そうだけど……ロイ様たちなら、きっと大丈夫だよ。」
きっと、セラさんを助けてくれるはず……。ゲームのヒロインなんだから。
『我の力が戻ったら、悪魔ごとき滅してやろう。』
「そんなこと出来るの?!」
『人間諸共だが……。』
「じゃぁ、ダメ。」
はぁと、ため息をついた。
「今日は、もう上がりだろ?飯食いに行こうぜ!」
「うん。」
こんな、呑気にしてて いいのかな?私に出来ることって何かないのかな……?
◇◇◇◇
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まさか聖女が悪魔に乗っ取られるなんて…。出来れば彼女ごと倒さず済めば良いが…。
ルーナさんから受け取った聖水を見つめて、まだ見ぬ聖女セラ・ホワイトのことを考えていた。
ディランとは無事合流することが出来た。
「その後、状況は?」
「変わらず、静かだ。村の人間が生きているかは、不明。」
村の空は、どんよりとして寒々しい。雨か雪が降りそうな天気だ。
「不気味だな。とりあえずシールドを解除して中に入ろう。」
ロイが言った。
「B班は、このまま待機。誰も村から出すなよ。」
数名を村の周りに配置、俺たち三人は中へと入った。
「「「!?」」」
中に入って、驚く光景を目にした。村の人々が石化している……。魔法か?
「神話に出てくるような〈メデューサ〉とか言う、目を見たら石化する、なんて怪物じゃないだろうな?」
ディランがメガネを上げながら、興味深そうに見ていた。
「悪魔と言っていたなら、違うんじゃないか?髪がヘビだったら怪物確定だけどな。」
冗談じゃない、と笑って見せた。
開けたところへ出ると、そこに一人の女性の姿が。報告通りのピンクの髪、服は白いローブで聖女といった装いだ。……彼女がセラだと分かった。ただ瞳は茶色ではなく、真っ赤だ。服にも少し血が付いている。
「君がセラか?」
髪がヘビでないことに、ほっとしつつ、話しかけた。
『そうよ。……やっと、この汚い場所から出られそうね。』
声は女性だが、見た目よりも低い声がした。オーラで分かる、彼女は悪魔に乗っ取られている。
「その体から出てくれないか?それはお前の体ではないだろう?!」
『嫌よ。せっかく手に入れたんだもの……。彼女が、この状況を望んでた。力を貸してあげたのよ?替わりに体を貰っても良いじゃない?』
「そんなはずはない!報告では、心優しい人だと聞いている!!」
『そうね……。私は石にした村人を粉々に壊せって言ったんだけど……ほんと甘いわよね。』
「力ずくで、出て行ってもらおう。
【無限拘束】」
ロイが拘束魔法を繰り出した。地面から無数の鎖が現れ、セラに絡みつく。
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