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30.終決
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◇◇◇◇
後方に待機していた馬にロイとアル、レイの馬にレイと私が乗り、すぐに出発した。
ルカかアトス、どちらかが巨大な森へ逃げ込んだらしく、奥の方は木に火が燃え移り、地面は抉れて、戦闘の凄まじさを物語っていた。
二頭の馬は森の入口に繋ぎ、徒歩で進んで行くと、森の中の動物たちは逃げた後なのか不気味なほど、しんと静まり返っていた。
「あいつの魔力が弱すぎて、はっきり場所が掴めない。このあたりのはずなんだけど…。他に強い気は感じないから、手分けして探そう。」
レイがそう言って、分かれて探すことになったが、レイは 一人なぜか奥へと行ってしまった。
私も 恐る恐るルカを探していると、遠くの岩に目を奪われた。『あそこにルカがいる』、ルカと契約しているからか、そう感じて一目散に私は走っていた。
大きな岩の裏に彼はいた。褐色の肌に黒い髪…ルカだ。
体は血だらけで、息をしているのか不安で たまらない。すぐに近づいて心臓の音を確かめた。
トクン……
「……っ」
生きている。
それだけで、嬉しくて涙が出た。
「ルカ!!…ポーション持ってきたから、飲んで…!」
すぐに、ポケットに入れていたハイポーションをルカの口へ 一滴たらしたが、そのまま下へと流れてしまった。
すぐさま自分の口へ含み、ルカに口移しで。ルカは私を助けてくれた。今度は私が助けたい……。
コクン、と飲むのを確認して様子を伺う。
「……っ」
ルカがピクリと動き、ゆっくりと目を開け、漆黒の瞳と目が合った。
「ルーナ……」
「ルカ!?」
「すまない、俺のせいで……。」
「なんでルカが謝るのよ!?悪いのは、アトスでしょ?!」
私は涙が止まらない。
「……泣くなよ…、変だな……ルーナが幼く見える……」
「……っ」
涙で言葉が返せないでいると、傷口から血が出ていることに気がついた。
「待って、血が止まってない?!…ルカ?」
ルカは目を つぶってしまった。ハイポーションの量が足りなかった?傷口に残りをかけてみたが、様子は変わらない。どうしよう……!!もう一度、口移しで飲ませる?
「ルーナ!!」
私が走り出したことに気づいたロイが駆けつけてくれた。
「ルカは!?」
「さっき目を覚ましたんですけど……血が止まらなくて。」
半泣き状態で説明した。そこへ、遠くから声が聞こえた。
「ルーナさん!!!」
「「!?」」
走ってきたのはセラさんとジョンさんだ。
「セラさん!!」
セラさんが来てくれた……!!
アルも後ろから来ている。きっと念話で知らせてくれたのだろう。
「【天光治癒】」
ルカの前に膝をつき、両手をかざし唱えた瞬間、パァッッと温かい風が頬をかすめ、ルカの体全体が光りに包まれた。
ゲームのストーリーでは、『ブラック・ドラゴンを討伐』がクリア条件……。こんなことは、ありえない。セラさんが力を貸してくれるなんて……。
セラさんを見ると、だんだん表情が険しくなってきていた。
「セラさん!もう十分です!!」
パッと、両手を地面に下ろした。
「はぁ……はぁ……」
力の使いすぎで、セラさんは今にも倒れそうだ。それを支えるジョンさん。
ルカは、まだ意識は戻らないけれど、顔色が良くなり傷も治っていた。
「セラさん、ありがとう……」
ほっとして、また涙が流れた。みんながいて良かった……。
「そういえば、レイさんは?」
ロイが、この場にいないレイに気づいた。
ドクンッッ
「!!?……う、、」
その瞬間、私の体はアトスに背中を触れられた時に似た感覚を感じ、うずくまった。
「ルーナ!?」
「ルーナさん?!」
みんなの慌てる声がする中、レイの冷静な声が聞こえてきた。
「……もう、世話の焼ける子だなぁ。」
バサリ。
私 目がけて大きなマントを投げた。
驚くことに、子どもの姿だった体が元のサイズに戻っていたのだ。もちろん服は、破れてしまっている。
「レイ……ありがとう。」
顔は真っ赤だ。みんなに見られただろうか?ギリギリ、マントで隠せた?
「あれ?元に戻ったってことは、アトスは……??」
レイを見上げると、レイはニコッと笑った。
「ディアボロスなら、トドメを刺しといたよ。」
サラッと凄いことを言うなぁ………と、全員が思ったに違いない…。
後方に待機していた馬にロイとアル、レイの馬にレイと私が乗り、すぐに出発した。
ルカかアトス、どちらかが巨大な森へ逃げ込んだらしく、奥の方は木に火が燃え移り、地面は抉れて、戦闘の凄まじさを物語っていた。
二頭の馬は森の入口に繋ぎ、徒歩で進んで行くと、森の中の動物たちは逃げた後なのか不気味なほど、しんと静まり返っていた。
「あいつの魔力が弱すぎて、はっきり場所が掴めない。このあたりのはずなんだけど…。他に強い気は感じないから、手分けして探そう。」
レイがそう言って、分かれて探すことになったが、レイは 一人なぜか奥へと行ってしまった。
私も 恐る恐るルカを探していると、遠くの岩に目を奪われた。『あそこにルカがいる』、ルカと契約しているからか、そう感じて一目散に私は走っていた。
大きな岩の裏に彼はいた。褐色の肌に黒い髪…ルカだ。
体は血だらけで、息をしているのか不安で たまらない。すぐに近づいて心臓の音を確かめた。
トクン……
「……っ」
生きている。
それだけで、嬉しくて涙が出た。
「ルカ!!…ポーション持ってきたから、飲んで…!」
すぐに、ポケットに入れていたハイポーションをルカの口へ 一滴たらしたが、そのまま下へと流れてしまった。
すぐさま自分の口へ含み、ルカに口移しで。ルカは私を助けてくれた。今度は私が助けたい……。
コクン、と飲むのを確認して様子を伺う。
「……っ」
ルカがピクリと動き、ゆっくりと目を開け、漆黒の瞳と目が合った。
「ルーナ……」
「ルカ!?」
「すまない、俺のせいで……。」
「なんでルカが謝るのよ!?悪いのは、アトスでしょ?!」
私は涙が止まらない。
「……泣くなよ…、変だな……ルーナが幼く見える……」
「……っ」
涙で言葉が返せないでいると、傷口から血が出ていることに気がついた。
「待って、血が止まってない?!…ルカ?」
ルカは目を つぶってしまった。ハイポーションの量が足りなかった?傷口に残りをかけてみたが、様子は変わらない。どうしよう……!!もう一度、口移しで飲ませる?
「ルーナ!!」
私が走り出したことに気づいたロイが駆けつけてくれた。
「ルカは!?」
「さっき目を覚ましたんですけど……血が止まらなくて。」
半泣き状態で説明した。そこへ、遠くから声が聞こえた。
「ルーナさん!!!」
「「!?」」
走ってきたのはセラさんとジョンさんだ。
「セラさん!!」
セラさんが来てくれた……!!
アルも後ろから来ている。きっと念話で知らせてくれたのだろう。
「【天光治癒】」
ルカの前に膝をつき、両手をかざし唱えた瞬間、パァッッと温かい風が頬をかすめ、ルカの体全体が光りに包まれた。
ゲームのストーリーでは、『ブラック・ドラゴンを討伐』がクリア条件……。こんなことは、ありえない。セラさんが力を貸してくれるなんて……。
セラさんを見ると、だんだん表情が険しくなってきていた。
「セラさん!もう十分です!!」
パッと、両手を地面に下ろした。
「はぁ……はぁ……」
力の使いすぎで、セラさんは今にも倒れそうだ。それを支えるジョンさん。
ルカは、まだ意識は戻らないけれど、顔色が良くなり傷も治っていた。
「セラさん、ありがとう……」
ほっとして、また涙が流れた。みんながいて良かった……。
「そういえば、レイさんは?」
ロイが、この場にいないレイに気づいた。
ドクンッッ
「!!?……う、、」
その瞬間、私の体はアトスに背中を触れられた時に似た感覚を感じ、うずくまった。
「ルーナ!?」
「ルーナさん?!」
みんなの慌てる声がする中、レイの冷静な声が聞こえてきた。
「……もう、世話の焼ける子だなぁ。」
バサリ。
私 目がけて大きなマントを投げた。
驚くことに、子どもの姿だった体が元のサイズに戻っていたのだ。もちろん服は、破れてしまっている。
「レイ……ありがとう。」
顔は真っ赤だ。みんなに見られただろうか?ギリギリ、マントで隠せた?
「あれ?元に戻ったってことは、アトスは……??」
レイを見上げると、レイはニコッと笑った。
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