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さぁ、お礼に参りましょう
8.
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本当に俺の手当てだけをしに来たらしい神官たちが、一人また一人と部屋を去っていく。しかし神官長を名乗る白髪交じりの男だけは部屋を出ることなく枕元へと近づき、俺を形ばかりの笑顔で見下ろした。寒気がするようなそれが気持ち悪く、思いっきり眉を顰めてしまう。
「気持ち悪い顔で近づくな悪夢見るわ」
「相変わらず酷いことをおっしゃる……何度もお会いしているのに私の名前も覚えていらっしゃらないご様子ですし、悲しくて悲しくて」
「あぁごめん、俺にとって価値のあるもの以外は覚えないようにしてるんだ」
素っ気ない返事しかしない俺を悲しそうに眉を下げて見つめる神官長。ケイレブ・アポロと申します、と告げてくる彼には悪いが、たぶん明日には忘れている。
エレノアの件があってこの度俺はこうして色々外交にも関わってきたが、本来俺はサジテリアスやレオ、スコルピウスと同じように戦争担当だ。陛下の護衛につくことは多いけれど。つまり神殿の中に引きこもっているこの男と関わり合いになることはまずない。したがって覚える必要性もない。
往生際の悪い男は俺が覚えるまで出ていく気はないのか、枕元の丸椅子に腰を下ろし、どっぷりと黒く染まった瞳で俺を見つめ続ける。俺がいくら目を逸らそうと彼はそれでもなお俺から視線を外さない。どんだけ執念深いんだ。
結局俺が折れてため息交じりに「アポロね」とだけ呟けば、神官長は漸く満足したのかにっこりと微笑んで前のめりになっていた姿勢をもとに戻した。
苦手なタイプだ。
「……で?今現時点で聖女の意向に反する行動をとるのは賢明とは言えないだろうに、わざわざ今俺をここに連れてきた理由はなに?善意なんてつまらない答えはやめてくれよ」
「そうは言われましてもねぇ」
神官長は目を細め、白々しく嘯く。
どうやらあくまで神殿側の目的を話す気はないらしい。俺が尋問する立場に立っていない以上、このことに関して彼から情報を導き出すことはできないので、質問を変えることにする。
「何日経った」
「一週間でございます」
「戦争は」
「まだでございます」
「エレノアか?」
「いえいえ、エレノア様に戻ってこられては困ります」
それは答えるんかい。隠すポイントが本当に謎だ。
逡巡する俺を見つめる神官長からは、一切の魔力のブレは確認できない。つまり神殿の目的がエレノアではないということは本当らしい。ということは聖女や王子の目的は「エレノアの死」であるから、その点に関して聖女と神殿の間に亀裂が走る理由にはならないということになる。死のうが星の王国にいようが、彼女が天の王国からいなくなることに違いはないのだから。
もしも【天詠みの聖女】や馬鹿王子を道具にして権威を得たいだけならば、エレノアほどの人間が王子の背後にいるのは邪魔だっただろうし。
しかし、それは俺を聖女のもとから救い出す理由にはならない。寧ろ、戦争前に聖女に反意を知られるのは痛手としか思えないのだが。
「……俺か?」
「いえいえ、オズワルド様を害するような真似、このアポロが絶対にしないと確約しましょう」
「名前で呼ぶな。俺を害するかどうかは聞いてない。俺自身が目的か?」
「いえ、オズワルド様のためを想ってのことでございます」
成程、目的はあくまで俺個人か。
しょんぼりと肩を落としている神官長の微かな魔力のブレも見逃さず、俺は敏感に目の前の胡散臭男の嘘を感じ取った。いくら表情管理が上手くても嘘をつけば魔力が揺れる。いくら嘘と本当を織り交ぜても、嘘があるなら魔力はそれを教えてくれる。
だからこそ古の時代から、この目は【邪眼】と呼び為政者に嫌われ迫害されできたのだ。寧ろこうして俺を大公に据えている陛下の頭がおかしいのだと思う。
目の前の男も、俺相手に嘘をつき続けられるとは思っていないのだろう。気まずそうに口を引き攣らせ、いそいそと立ち上がって部屋を出る支度を始めている。
「ではオズワルド様、夜にまたお会いしましょう。ご自由にお過ごしくださいませ」
「名前で呼ぶな」
重厚な音を立てて閉じた扉。ガチャリと外から鍵を掛けられるような音がした。
一人きりで寝るには広すぎるこの部屋は、恐らく神官たちの欲の処理の場に使われているのだろう。聖職である彼らは表立っては性処理を許されていない。だから権力に目の眩んだ貴族の令嬢を誘い込み、ここで性行為をして発散するのだ。神殿にしては穢れすぎている空気中の魔力がその光景を物語っていた。
なんでこの部屋を俺に宛がったんだと怒鳴り散らしたい気分だが、これも彼らの作戦の内だろう。……汚い魔力の中で自分達の陰謀を覆い隠すための。
拘束は外されていたのでゆっくりと地面に足を下ろし、立ち上がる。この一週間ずっと拘束されていたせいでうまく足に力が入らない。それでも日ごろの鍛錬が功を奏し、俺はふらつきながらもこけることなく開け放たれた窓にたどり着いた。窓から身を乗り出し、下を覗き込む。
思っていたよりは少しだけ高い。そして神殿を囲む花園から風に乗って昇ってくる魔力がとても心地よかった。神殿の中よりも外の方が清廉な魔力が流れている現状が素晴らしい過去の栄光と現状を皮肉っているようで笑えない。
俺は大きく息を吸い込み、迷いなく窓から地面へと飛び降りた。
風魔法を使ってなんなく地面に降り立つ。花園の外に出てしまえば流石に聖女にバレかねないので、神殿を囲む花園を散歩してみることにしたのだ。
どうやら神殿の中は魔力封じの鎖がなくとも魔法が使えない使用らしい。俺が拘束されていた鎖は普通の鎖だったのか、なんてどうでもいいことを考えながら庭を歩く。
神官長は俺がこうして部屋から出ていくことも想定しているだろうし、好き勝手させてもらおう。
辺り一面を埋め尽くしている【白】はまさに圧巻としか言いようもないほど美しい。花々から発される一寸の穢れもない魔力は聖女の魔力に汚染された俺の魔力を癒し、浄化してくれる。異国の俺を拒絶することもなく。
前聖女の力はどれほど強大だったのだろうか。それこそ奇跡のような力だ。こんな人間が聖女だったのなら、国民は何のためらいもなく彼女に膝をついただろう。今の聖女が劣等感を持つのもわかる。
「……エレノアに似合いそう」
真白の花々の中に立つ彼女はさぞや絵になることだろうと思う。金の髪がきらきらと輝き、上品な紫の目には薄く花々が透けてより彼女の美を引き立たせるのだ。彼女は【花が好きだから】、戦争に勝ってここを手に入れれば喜んでくれるだろうか。前聖女の魔力はこの土地に土着しているのではなく花々に宿っているようだから、植えかえれば星の王国にこの魔力を持っていける――かも。
知らず口角が上がる。神殿で捕まって良かった。想定以上の戦利品が得られそうだ。陛下と殿下に褒めてもらえるかもしれない。俺自らが人質になったことにご立腹だろうがこれでチャラにしてもらえないかな。無理かな。……無理だろうな。
そろそろ歩き疲れてしまったので、何となく目の付いた花の前でしゃがみこむ。特に変わったところがあるわけでもない。しかし何故か俺はその花から目を離すことが出来なくて、俺はぼうっと真っ白の花を見つめていた。
どれくらい時間が経ったのだろう。ふと我に返ってあたりを見回すと、既に天の光が陰り、夜が近づいてきていた。そろそろ戻らないと神官長に話しかけられる。俺は慌てて立ち上がると土ぼこりを払い、訪れる眩暈を無視して歩き出し――そしてピタリと立ち止まった。
振り返る。
――ぽきり。
何を思ったのか、気付けば俺は先程まで一心に眺めていた花を茎から手折っていた。ハッと目を見張り、慌てて元に戻そうとするが、当然元に戻ることはない。異国とはいえ神殿の花を手折るなんて。自国なら神への冒涜と取られても仕方がない行為に俺は焦った。俺をここに連れ込んだ時のように、襲われるかもしれない。
しかし、周囲をどれだけ警戒しても、蔦や棘が俺を襲ってくることはない。寧ろ「その花を持っていけ」と言わんばかりに風が優しく俺の背中を押し、神殿へと向かわせる。花を置こうとすれば抗議するように強い向かい風が俺を苦しめた。
「いやいやだめでしょ……神殿の中のものを盗むなんて」
すると、尚も躊躇うように花を置こうとする俺に焦れたのか、突然俺の手を振りほどくように花が離れ、自然と浮かび上がった。それと同時に花園の魔力が川の奔流のように花に集まっていく。
そしてその花は、あろうことか呆然とその様子を見つめて固まっていた俺の胸に、まるで埋め込まれるかのように突き刺さって、そのまま消えてしまったのだった。
「――――えっ」
突如として胸の中へと消えてしまった花に俺はどうすることもできず、神官長が迎えに来るまでの間、再び石のように硬直することになった。
「気持ち悪い顔で近づくな悪夢見るわ」
「相変わらず酷いことをおっしゃる……何度もお会いしているのに私の名前も覚えていらっしゃらないご様子ですし、悲しくて悲しくて」
「あぁごめん、俺にとって価値のあるもの以外は覚えないようにしてるんだ」
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往生際の悪い男は俺が覚えるまで出ていく気はないのか、枕元の丸椅子に腰を下ろし、どっぷりと黒く染まった瞳で俺を見つめ続ける。俺がいくら目を逸らそうと彼はそれでもなお俺から視線を外さない。どんだけ執念深いんだ。
結局俺が折れてため息交じりに「アポロね」とだけ呟けば、神官長は漸く満足したのかにっこりと微笑んで前のめりになっていた姿勢をもとに戻した。
苦手なタイプだ。
「……で?今現時点で聖女の意向に反する行動をとるのは賢明とは言えないだろうに、わざわざ今俺をここに連れてきた理由はなに?善意なんてつまらない答えはやめてくれよ」
「そうは言われましてもねぇ」
神官長は目を細め、白々しく嘯く。
どうやらあくまで神殿側の目的を話す気はないらしい。俺が尋問する立場に立っていない以上、このことに関して彼から情報を導き出すことはできないので、質問を変えることにする。
「何日経った」
「一週間でございます」
「戦争は」
「まだでございます」
「エレノアか?」
「いえいえ、エレノア様に戻ってこられては困ります」
それは答えるんかい。隠すポイントが本当に謎だ。
逡巡する俺を見つめる神官長からは、一切の魔力のブレは確認できない。つまり神殿の目的がエレノアではないということは本当らしい。ということは聖女や王子の目的は「エレノアの死」であるから、その点に関して聖女と神殿の間に亀裂が走る理由にはならないということになる。死のうが星の王国にいようが、彼女が天の王国からいなくなることに違いはないのだから。
もしも【天詠みの聖女】や馬鹿王子を道具にして権威を得たいだけならば、エレノアほどの人間が王子の背後にいるのは邪魔だっただろうし。
しかし、それは俺を聖女のもとから救い出す理由にはならない。寧ろ、戦争前に聖女に反意を知られるのは痛手としか思えないのだが。
「……俺か?」
「いえいえ、オズワルド様を害するような真似、このアポロが絶対にしないと確約しましょう」
「名前で呼ぶな。俺を害するかどうかは聞いてない。俺自身が目的か?」
「いえ、オズワルド様のためを想ってのことでございます」
成程、目的はあくまで俺個人か。
しょんぼりと肩を落としている神官長の微かな魔力のブレも見逃さず、俺は敏感に目の前の胡散臭男の嘘を感じ取った。いくら表情管理が上手くても嘘をつけば魔力が揺れる。いくら嘘と本当を織り交ぜても、嘘があるなら魔力はそれを教えてくれる。
だからこそ古の時代から、この目は【邪眼】と呼び為政者に嫌われ迫害されできたのだ。寧ろこうして俺を大公に据えている陛下の頭がおかしいのだと思う。
目の前の男も、俺相手に嘘をつき続けられるとは思っていないのだろう。気まずそうに口を引き攣らせ、いそいそと立ち上がって部屋を出る支度を始めている。
「ではオズワルド様、夜にまたお会いしましょう。ご自由にお過ごしくださいませ」
「名前で呼ぶな」
重厚な音を立てて閉じた扉。ガチャリと外から鍵を掛けられるような音がした。
一人きりで寝るには広すぎるこの部屋は、恐らく神官たちの欲の処理の場に使われているのだろう。聖職である彼らは表立っては性処理を許されていない。だから権力に目の眩んだ貴族の令嬢を誘い込み、ここで性行為をして発散するのだ。神殿にしては穢れすぎている空気中の魔力がその光景を物語っていた。
なんでこの部屋を俺に宛がったんだと怒鳴り散らしたい気分だが、これも彼らの作戦の内だろう。……汚い魔力の中で自分達の陰謀を覆い隠すための。
拘束は外されていたのでゆっくりと地面に足を下ろし、立ち上がる。この一週間ずっと拘束されていたせいでうまく足に力が入らない。それでも日ごろの鍛錬が功を奏し、俺はふらつきながらもこけることなく開け放たれた窓にたどり着いた。窓から身を乗り出し、下を覗き込む。
思っていたよりは少しだけ高い。そして神殿を囲む花園から風に乗って昇ってくる魔力がとても心地よかった。神殿の中よりも外の方が清廉な魔力が流れている現状が素晴らしい過去の栄光と現状を皮肉っているようで笑えない。
俺は大きく息を吸い込み、迷いなく窓から地面へと飛び降りた。
風魔法を使ってなんなく地面に降り立つ。花園の外に出てしまえば流石に聖女にバレかねないので、神殿を囲む花園を散歩してみることにしたのだ。
どうやら神殿の中は魔力封じの鎖がなくとも魔法が使えない使用らしい。俺が拘束されていた鎖は普通の鎖だったのか、なんてどうでもいいことを考えながら庭を歩く。
神官長は俺がこうして部屋から出ていくことも想定しているだろうし、好き勝手させてもらおう。
辺り一面を埋め尽くしている【白】はまさに圧巻としか言いようもないほど美しい。花々から発される一寸の穢れもない魔力は聖女の魔力に汚染された俺の魔力を癒し、浄化してくれる。異国の俺を拒絶することもなく。
前聖女の力はどれほど強大だったのだろうか。それこそ奇跡のような力だ。こんな人間が聖女だったのなら、国民は何のためらいもなく彼女に膝をついただろう。今の聖女が劣等感を持つのもわかる。
「……エレノアに似合いそう」
真白の花々の中に立つ彼女はさぞや絵になることだろうと思う。金の髪がきらきらと輝き、上品な紫の目には薄く花々が透けてより彼女の美を引き立たせるのだ。彼女は【花が好きだから】、戦争に勝ってここを手に入れれば喜んでくれるだろうか。前聖女の魔力はこの土地に土着しているのではなく花々に宿っているようだから、植えかえれば星の王国にこの魔力を持っていける――かも。
知らず口角が上がる。神殿で捕まって良かった。想定以上の戦利品が得られそうだ。陛下と殿下に褒めてもらえるかもしれない。俺自らが人質になったことにご立腹だろうがこれでチャラにしてもらえないかな。無理かな。……無理だろうな。
そろそろ歩き疲れてしまったので、何となく目の付いた花の前でしゃがみこむ。特に変わったところがあるわけでもない。しかし何故か俺はその花から目を離すことが出来なくて、俺はぼうっと真っ白の花を見つめていた。
どれくらい時間が経ったのだろう。ふと我に返ってあたりを見回すと、既に天の光が陰り、夜が近づいてきていた。そろそろ戻らないと神官長に話しかけられる。俺は慌てて立ち上がると土ぼこりを払い、訪れる眩暈を無視して歩き出し――そしてピタリと立ち止まった。
振り返る。
――ぽきり。
何を思ったのか、気付けば俺は先程まで一心に眺めていた花を茎から手折っていた。ハッと目を見張り、慌てて元に戻そうとするが、当然元に戻ることはない。異国とはいえ神殿の花を手折るなんて。自国なら神への冒涜と取られても仕方がない行為に俺は焦った。俺をここに連れ込んだ時のように、襲われるかもしれない。
しかし、周囲をどれだけ警戒しても、蔦や棘が俺を襲ってくることはない。寧ろ「その花を持っていけ」と言わんばかりに風が優しく俺の背中を押し、神殿へと向かわせる。花を置こうとすれば抗議するように強い向かい風が俺を苦しめた。
「いやいやだめでしょ……神殿の中のものを盗むなんて」
すると、尚も躊躇うように花を置こうとする俺に焦れたのか、突然俺の手を振りほどくように花が離れ、自然と浮かび上がった。それと同時に花園の魔力が川の奔流のように花に集まっていく。
そしてその花は、あろうことか呆然とその様子を見つめて固まっていた俺の胸に、まるで埋め込まれるかのように突き刺さって、そのまま消えてしまったのだった。
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