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さぁ、お礼に参りましょう
9.
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「どうしよ絶対余計なことした陛下に怒られる……」
寝具に腰掛けて一人頭を抱え込む俺を、若い神官が困ったようにちらちらと見つめてくる。裸足で歩いたせいでできた擦過傷を丁寧に手当てしてはいるが、ぶつぶつと独り言を呟く俺のせいで全く集中できていないようだ。しかし彼はどうにか消毒をして包帯を巻き終えると、いかにも気まずそうにそそくさと早足で部屋を出ていった。神官長のように無理に関わってこないその事なかれ主義は非常に好ましい。
俺はそのままぐったりと寝具に横向きに倒れこむと、天蓋をただ見上げる。久しぶりに歩いたことによる疲労感と怪我の熱、そして新たな不安要素が俺を苛んだ。
庭に棒立ちになっていた俺を迎えに来た神官長は、すぐに俺の目の前にある花の1つの茎先がないことに気付いた。気付かれてしまえば言い訳するわけにもいかず、俺はダラダラと冷や汗を流しながら正直に神殿のものを盗んでしまった経緯を話すことにしたのである。
新たな――そして今度こそ正当な罪で、それこそ花を吐き出すまで地下牢で拷問される覚悟もしていたのだが、何故か神官長は俺を咎めるでもなく穏やかに微笑み、『この古代花はアネモネといいます』と囁いた。
『この花がオズワルド様のもとへ行きたいと願ったのでしょうな。神殿は願ったものに慈悲を授ける場所。オズワルド様の心の願いに応えて天の神……がアネモネの花を贈ったのですよ』
『そんな都合のいい話が……』
『いえいえ、もし本当に盗んだのならこの花園が罪人を裁きます。私共にオズワルド様を裁く権利はございません。――あ、しいて言うならオズ様と呼ぶことを許していただければ……』
『いいならいいや。ありがとうじゃあね』
そもそもオズワルド呼びを許可した覚えもないのに何故さらに上を目指そうとするんだ。がっくりと項垂れる神官長を無視して神殿へとよろよろと歩き始めた俺を、神官長はもう一度静かに呼び止めた。
『――オズワルド様、こういうものは知っていらっしゃいますか?』
「【真実】【期待】【希望】……か」
俺を呼び止めた神官長が告げた3つの言葉を反芻するように口に出す。彼が言うには、天の王国では古代の花に人間的な意味を持たせる占いにも似た風習があるらしい。その内先程呟いた3つがアネモネの花が暗示しているという言葉だという。しかしどうにも実感が伴わない。
「俺が本当に求めているもの」「俺の未来を示しているもの」がそれらしいのだが、特に求めてもいないし未来だとしたら良いことだと思うし、特に危機感を抱く必要はないようにも思われる。
けれど、じわじわと首を絞められているような漠然とした不安が俺を襲うのだ。
花園の魔力を吸収して俺の心臓部分に消えていくように埋まってしまった白く美しい花。今の所特に俺の魔力に良くも悪くも影響を与えている様子はないが、「体内にある」という事実がどこか引っかかってしまう。神官長によると、神殿が与えた【慈悲】は徐々に俺の身体に流れその身を助けるのだというけれど――そう言った彼の魔力は少しだけ揺れていた。
天蓋の一点から目を逸らし、目を閉じる。
今ここでこれ以上考えてもどうしようもない。陛下のもとに戻った時に報告だけして、あとは様子を見ればいいか。俺の魔力には何の影響もないようだし、最悪自害すれば迷惑もかけないだろう。そう考えた俺は、いつの間にやら迫ってきていた睡魔に身を任せ、寝具に不自然な体勢で横たわったまま眠りについた。
(side. Eleanor)
「暴動ですか?」
オズワルドが捕まってからちょうど10日。
私の願いを聞き届けてくれた陛下は4領への増援を直ちに進めてくださっていた。特に主人が不在の【スカト領】と【サダクビア領】には、天の王国から比較的遠い内地の領土を治めている【大公序列第5位】のウィルバート・レオ様に代理で最高指揮官として向かってもらえることとなった。【戦神】と名高い彼の出動は騎士たちを大いに沸かせ、さらに主人であるオズワルドが捕虜になったと聞いて、彼の領の騎士たちはすぐにでも戦争を始めたいと言わんばかりの激怒っぷりらしい。つまり、士気は十分という訳だ。
そして、余裕をもって領民には【宝瓶宮】にほど近い別宮(従者の一人も暮らしていなかった)に避難してもらい、食料や衣類、薬や包帯なども王都から支給しておいたのだが。
「そう。暴動。戦争するお金がなくなって国民にさらに臨時で税を徴収した。暴走した聖女が貴族にも命じて豚共が怒った。国民反乱の狼煙。この私が手を下すまでもなかった。つまらない」
庭園で本を読んでいた私の隣に突然腰掛けてペラペラと喋り始めた【大公序列第6位】のアストリア・ヴィルゴ様。パフスリーブのない平民用のひざ下丈ののワンピースと、これまた地味でヒールすらない皮のブーツに身を包んだ彼女は、彼女のことを元々知っている人でなければおよそ【大公】であるとは気付かないような質素な恰好を一貫して着用している。髪の毛も町娘のように二つのおさげにし、大きな丸眼鏡を鼻に引っ掛けてひたすら「質素」を追い求める彼女は、にもかかわらずこの国で一番のモテ女なのだそう。
そのヴィルゴ様は皮肉気に鼻を鳴らし、地面についていない両足をぶらぶらと揺らしている。退屈で仕方がないと彼女の態度が物語っていて、私は思わず口元を引き攣らせた。何故どいつもこいつも戦争大好き人間ばかりなのか。――陛下が戦争好きだからか。
「手を下す、というのは……」
「天の王国の貿易関係を全部止めてもらうように各国に頼んだ。天の王国はもう貿易から金を得られない。けどその前に【天詠みの聖女】が自分のドレス代と言って多額の出費をしたらしい。私が何もしなくても自滅してた。つまり無駄足」
言葉の一つ一つがぶつ切りなのは、彼女の話し方の癖なのだろう。一度挨拶をしたきりでこうしてしっかりと話をするのは初めてなので、少し戸惑ってしまう。身分的には当然彼女の方が上なので何も言うことはないが。
しかし、彼女の言い分ならば、聖女はこの期に及んでまだ現実が見えていないらしい。そのあまりの馬鹿さ加減には反吐が出そうだが、戦争をするのであれば相手が無能である方が助かる。ルーカス様さえ巻き込まないでくれていたならば、私も貴女に仕返しなんてしなかったかもしれないのに。
最後の最後にあのうわついた頭でどんな言い訳をしてくれるというのか、今から楽しみで仕方がないわ。
ゆったりと口角を上げる私を真顔で見つめていたヴィルゴ様が、小さく頷く。
「今の顔の方が良い。不敵な笑みは貴女の切れ長の目の魅力を底上げする」
「まぁ、ヴィルゴ様にそのように言っていただけるなんて、光栄ですわ」
「お世辞も愛想も嘘も必要ない。そう言うのはエアリーズとかサジテリアスの領分。貴女はただ毅然と立っていればいい」
全く表情を動かさないまま吐き出される称賛はいまいち実感を伴いにくいが、彼女のまっすぐな目が「嘘でも愛想でもお世辞でも」ないことを物語っているので、私はそのまま受け取ることにした。曖昧に微笑んで頷く私に満足したようで、漸くヴィルゴ様は私から目を逸らした。
彼女の眼鏡越しの赤銅色の目は、まっすぐに人を貫いて分析する冷静さがある。けれど一度殿方との公的なやり取りになれば、彼女の目は瞬く間に甘く蕩け、相手を魅了して心の隙間に入り込んでいくのだ。流石は数多の貴族令嬢を管理する【処女宮】の主である。殿方の扱いで彼女に勝る人はいない。
「この戦争は絶対に負けない。なのに貴女はとても心配そう」
「……オズワルド様の無事が、どうしても。とってもお世話になったお方ですので」
「……成程。気持ちはわかるけど、彼の心配は必要ない」
ピクリ、と僅かに指先が揺れる。
「そうでしょうか。私が言うことではありませんが、天の王国はあらゆる点で手段を選びませんから」
「死にさえしなければどうなっても問題ない。そして彼を殺すのは天の王国に何の利益もない。――万が一何かあったとしても、アクアリウスは十分に役目を果たした。彼一人の身で天の王国に勝利したという事実を歴史に刻めるのなら彼も本望」
………………。
私はヴィルゴ様が嫌いだという愛想をふんだんに詰めこんで満面の笑みを作り上げ、私よりも一回り程小さなその体躯を覗き込んで目と目を合わせる。すると彼女の赤銅色の目が見開かれ、そして少しだけ眉が下がった。
目は口程に物を言う。真一文字に結ばれた薄い唇が少しだけ緩み、そして開かれた。
「今の発言はアクアリウスに恋慕の情を抱く人間に言うことじゃなかった。ごめんなさい。でも心配しなくても彼は強い」
「お心遣い、大変恐縮ですわ。でも私が抱いているのは恩義であって恋慕ではありませんの」
「嘘は嫌い」
「純然たる事実です」
そう言って、会話を打ち切るように本に向かう私をヴィルゴ様がじっと見つめているのが視界の端に入る。しかし、そのまま本の世界に集中してしまった私は、明らかに納得していない彼女が声を出さずに呟いた言葉までは認識することが出来なかった。
『意地になってるうちに、大切なものは全部壊れていく。私は知ってる。――もう遅いかも』
最後まで聞いていたならば、未来は違っていたかもしれない、なんて。
もう、遅いのかもしれないけれど。
寝具に腰掛けて一人頭を抱え込む俺を、若い神官が困ったようにちらちらと見つめてくる。裸足で歩いたせいでできた擦過傷を丁寧に手当てしてはいるが、ぶつぶつと独り言を呟く俺のせいで全く集中できていないようだ。しかし彼はどうにか消毒をして包帯を巻き終えると、いかにも気まずそうにそそくさと早足で部屋を出ていった。神官長のように無理に関わってこないその事なかれ主義は非常に好ましい。
俺はそのままぐったりと寝具に横向きに倒れこむと、天蓋をただ見上げる。久しぶりに歩いたことによる疲労感と怪我の熱、そして新たな不安要素が俺を苛んだ。
庭に棒立ちになっていた俺を迎えに来た神官長は、すぐに俺の目の前にある花の1つの茎先がないことに気付いた。気付かれてしまえば言い訳するわけにもいかず、俺はダラダラと冷や汗を流しながら正直に神殿のものを盗んでしまった経緯を話すことにしたのである。
新たな――そして今度こそ正当な罪で、それこそ花を吐き出すまで地下牢で拷問される覚悟もしていたのだが、何故か神官長は俺を咎めるでもなく穏やかに微笑み、『この古代花はアネモネといいます』と囁いた。
『この花がオズワルド様のもとへ行きたいと願ったのでしょうな。神殿は願ったものに慈悲を授ける場所。オズワルド様の心の願いに応えて天の神……がアネモネの花を贈ったのですよ』
『そんな都合のいい話が……』
『いえいえ、もし本当に盗んだのならこの花園が罪人を裁きます。私共にオズワルド様を裁く権利はございません。――あ、しいて言うならオズ様と呼ぶことを許していただければ……』
『いいならいいや。ありがとうじゃあね』
そもそもオズワルド呼びを許可した覚えもないのに何故さらに上を目指そうとするんだ。がっくりと項垂れる神官長を無視して神殿へとよろよろと歩き始めた俺を、神官長はもう一度静かに呼び止めた。
『――オズワルド様、こういうものは知っていらっしゃいますか?』
「【真実】【期待】【希望】……か」
俺を呼び止めた神官長が告げた3つの言葉を反芻するように口に出す。彼が言うには、天の王国では古代の花に人間的な意味を持たせる占いにも似た風習があるらしい。その内先程呟いた3つがアネモネの花が暗示しているという言葉だという。しかしどうにも実感が伴わない。
「俺が本当に求めているもの」「俺の未来を示しているもの」がそれらしいのだが、特に求めてもいないし未来だとしたら良いことだと思うし、特に危機感を抱く必要はないようにも思われる。
けれど、じわじわと首を絞められているような漠然とした不安が俺を襲うのだ。
花園の魔力を吸収して俺の心臓部分に消えていくように埋まってしまった白く美しい花。今の所特に俺の魔力に良くも悪くも影響を与えている様子はないが、「体内にある」という事実がどこか引っかかってしまう。神官長によると、神殿が与えた【慈悲】は徐々に俺の身体に流れその身を助けるのだというけれど――そう言った彼の魔力は少しだけ揺れていた。
天蓋の一点から目を逸らし、目を閉じる。
今ここでこれ以上考えてもどうしようもない。陛下のもとに戻った時に報告だけして、あとは様子を見ればいいか。俺の魔力には何の影響もないようだし、最悪自害すれば迷惑もかけないだろう。そう考えた俺は、いつの間にやら迫ってきていた睡魔に身を任せ、寝具に不自然な体勢で横たわったまま眠りについた。
(side. Eleanor)
「暴動ですか?」
オズワルドが捕まってからちょうど10日。
私の願いを聞き届けてくれた陛下は4領への増援を直ちに進めてくださっていた。特に主人が不在の【スカト領】と【サダクビア領】には、天の王国から比較的遠い内地の領土を治めている【大公序列第5位】のウィルバート・レオ様に代理で最高指揮官として向かってもらえることとなった。【戦神】と名高い彼の出動は騎士たちを大いに沸かせ、さらに主人であるオズワルドが捕虜になったと聞いて、彼の領の騎士たちはすぐにでも戦争を始めたいと言わんばかりの激怒っぷりらしい。つまり、士気は十分という訳だ。
そして、余裕をもって領民には【宝瓶宮】にほど近い別宮(従者の一人も暮らしていなかった)に避難してもらい、食料や衣類、薬や包帯なども王都から支給しておいたのだが。
「そう。暴動。戦争するお金がなくなって国民にさらに臨時で税を徴収した。暴走した聖女が貴族にも命じて豚共が怒った。国民反乱の狼煙。この私が手を下すまでもなかった。つまらない」
庭園で本を読んでいた私の隣に突然腰掛けてペラペラと喋り始めた【大公序列第6位】のアストリア・ヴィルゴ様。パフスリーブのない平民用のひざ下丈ののワンピースと、これまた地味でヒールすらない皮のブーツに身を包んだ彼女は、彼女のことを元々知っている人でなければおよそ【大公】であるとは気付かないような質素な恰好を一貫して着用している。髪の毛も町娘のように二つのおさげにし、大きな丸眼鏡を鼻に引っ掛けてひたすら「質素」を追い求める彼女は、にもかかわらずこの国で一番のモテ女なのだそう。
そのヴィルゴ様は皮肉気に鼻を鳴らし、地面についていない両足をぶらぶらと揺らしている。退屈で仕方がないと彼女の態度が物語っていて、私は思わず口元を引き攣らせた。何故どいつもこいつも戦争大好き人間ばかりなのか。――陛下が戦争好きだからか。
「手を下す、というのは……」
「天の王国の貿易関係を全部止めてもらうように各国に頼んだ。天の王国はもう貿易から金を得られない。けどその前に【天詠みの聖女】が自分のドレス代と言って多額の出費をしたらしい。私が何もしなくても自滅してた。つまり無駄足」
言葉の一つ一つがぶつ切りなのは、彼女の話し方の癖なのだろう。一度挨拶をしたきりでこうしてしっかりと話をするのは初めてなので、少し戸惑ってしまう。身分的には当然彼女の方が上なので何も言うことはないが。
しかし、彼女の言い分ならば、聖女はこの期に及んでまだ現実が見えていないらしい。そのあまりの馬鹿さ加減には反吐が出そうだが、戦争をするのであれば相手が無能である方が助かる。ルーカス様さえ巻き込まないでくれていたならば、私も貴女に仕返しなんてしなかったかもしれないのに。
最後の最後にあのうわついた頭でどんな言い訳をしてくれるというのか、今から楽しみで仕方がないわ。
ゆったりと口角を上げる私を真顔で見つめていたヴィルゴ様が、小さく頷く。
「今の顔の方が良い。不敵な笑みは貴女の切れ長の目の魅力を底上げする」
「まぁ、ヴィルゴ様にそのように言っていただけるなんて、光栄ですわ」
「お世辞も愛想も嘘も必要ない。そう言うのはエアリーズとかサジテリアスの領分。貴女はただ毅然と立っていればいい」
全く表情を動かさないまま吐き出される称賛はいまいち実感を伴いにくいが、彼女のまっすぐな目が「嘘でも愛想でもお世辞でも」ないことを物語っているので、私はそのまま受け取ることにした。曖昧に微笑んで頷く私に満足したようで、漸くヴィルゴ様は私から目を逸らした。
彼女の眼鏡越しの赤銅色の目は、まっすぐに人を貫いて分析する冷静さがある。けれど一度殿方との公的なやり取りになれば、彼女の目は瞬く間に甘く蕩け、相手を魅了して心の隙間に入り込んでいくのだ。流石は数多の貴族令嬢を管理する【処女宮】の主である。殿方の扱いで彼女に勝る人はいない。
「この戦争は絶対に負けない。なのに貴女はとても心配そう」
「……オズワルド様の無事が、どうしても。とってもお世話になったお方ですので」
「……成程。気持ちはわかるけど、彼の心配は必要ない」
ピクリ、と僅かに指先が揺れる。
「そうでしょうか。私が言うことではありませんが、天の王国はあらゆる点で手段を選びませんから」
「死にさえしなければどうなっても問題ない。そして彼を殺すのは天の王国に何の利益もない。――万が一何かあったとしても、アクアリウスは十分に役目を果たした。彼一人の身で天の王国に勝利したという事実を歴史に刻めるのなら彼も本望」
………………。
私はヴィルゴ様が嫌いだという愛想をふんだんに詰めこんで満面の笑みを作り上げ、私よりも一回り程小さなその体躯を覗き込んで目と目を合わせる。すると彼女の赤銅色の目が見開かれ、そして少しだけ眉が下がった。
目は口程に物を言う。真一文字に結ばれた薄い唇が少しだけ緩み、そして開かれた。
「今の発言はアクアリウスに恋慕の情を抱く人間に言うことじゃなかった。ごめんなさい。でも心配しなくても彼は強い」
「お心遣い、大変恐縮ですわ。でも私が抱いているのは恩義であって恋慕ではありませんの」
「嘘は嫌い」
「純然たる事実です」
そう言って、会話を打ち切るように本に向かう私をヴィルゴ様がじっと見つめているのが視界の端に入る。しかし、そのまま本の世界に集中してしまった私は、明らかに納得していない彼女が声を出さずに呟いた言葉までは認識することが出来なかった。
『意地になってるうちに、大切なものは全部壊れていく。私は知ってる。――もう遅いかも』
最後まで聞いていたならば、未来は違っていたかもしれない、なんて。
もう、遅いのかもしれないけれど。
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