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第一章 幸せは己が手で
決闘祭.03
しおりを挟むやはり、格が違う。
試合開始からかれこれ2時間。目の前の投影結晶を眺めながら、ユランはゆったりと口角を上げた。
十傑第2位のローゼリッテ・レーネも、十傑第3位のエルも基本的には遠距離特化の戦闘を好む。互いに距離を取った状態でひたすら魔法と呪術が行き交う様子は、素人目にも非常に華やかな戦いになっているはずだ。
「歪め。ーー壊せ」
エルの言葉に刻の精霊が応えたのか、結界内にいるローゼリッテの動きが緩やかになり、ここぞとばかりに水の精霊がローゼリッテの傀儡を内部から凍らせ、破裂させる。赤黒く凍った血液や臓物が飛び散り、観客から悲鳴が上がる。
張り切ってるなぁ。
エルの戦いに精霊も喜んでいるのだろう。魔法一つ一つの威力が凄まじい。普通魔法を使う時には精霊に呼びかけ、命令式を組み上げて簡潔に告げなければならない。例えば天(風・音)属性のユランの場合、基礎元素の風は「我が名はユラン。風の精霊よ、我が願いを聞き届け、ーーせよ」と、上位元素の音も「我が名はユラン。音の精霊よ、我が心を暴き響かせ、ーーせよ」とある程度形式通りの命令式紡ぐ必要がある。
もちろん精霊と対話するほどの魔力があればある程度簡略化することはできる(ユラン自身も一々自分の名を名乗ったりはしない)。しかし、それでも長々と口上を立てつつ戦闘をするのは非常に難しいため、魔法特化型は戦闘に向いていない。騎士団やギルドでもエルのような魔法特化型は後方支援に回るのが普通だ。実際、スールのほとんどは近距離戦を得意とする。
しかしながら、エルの場合は「落とせ」と言えば精霊は何百もの氷の槍や剣を生み出してローゼリッテを滅多刺しにせんと振りおろす。「隠せ」と言えば水の精霊は水蒸気による光の屈折でエルの姿を隠す。
今のところエルが優勢だろうか。滅多に変わることの無い順位が変動するのでは、と観客のボルテージはさらに上がっていく。十傑達も興奮を隠せないようで、先程迄のテンションは何処へやら、皆ワクワクした様子で眺めている。
「3位の戦いは芸術のように美しいな。何時までも見ていたくなる」
「だよねぇ!エルーー!痴女を殺せぇー!そこだそこぉ!!」
「素敵、素敵ね、素敵だわ!本当に綺麗!」
「前に戦ったのが1年前かの?ーー目覚ましい成長じゃのう」
そうか、エルの戦闘を間近で見るのは1年ぶりか。ユラン達はスールなので、いくら仲が良いと言っても会議や決闘祭くらいでしかほとんど顔を合わせることは無い。
時が経つのははやいなぁ、などとぼんやり見つめていると、エルが突然たって位置から飛び退いた。
ーードゴォオオオオ!!!
次いで地面から現れたツギハギだらけの巨大な土ウツボ。地割れを生み出しながらながらエルに向かって毒の咆哮を轟かせる土ウツボに、エルが嫌そうに顔を歪めた。
「それごときで勝てるとでも思ったのかしら」
ローゼリッテの言葉に、次々と現れるツギハギだらけの魔物や聖獣たち。あまりにも哀れな姿に、ユランも思わず顔を顰めてしまう。何度見ても受け入れ難い。精霊をこよなく愛するエルにはさぞ残酷に映るはずだ。
ローゼリッテ・レーネは魔法を使うことが出来ない。しかしながら彼女には何にも変え難い最大の強さがあった。ーーそれが、「呪術」だ。
呪術と魔法は似て非なるものである。魔法は精霊に願い、力をかしてもらうものであるが、呪術は精霊の力を必要としない。その代わりに魔力以外の対価が必要となる。多くの場合その対価は命に関わるものである。だからこそその危険性から、呪術の使用はあらゆる国で大罪と決められている。
しかし、国に支配されないローゼリッテにそんなものは何の足枷でもなかった。では、彼女の対価は?ーー彼女は「人間」を対価にした。反王国主義者として活動する彼女の目先の憎悪は王国騎士団と貴族であった。彼らを襲って殺す、或いは半殺しにして、それを触媒に死んだ魔物や聖獣を甦らせ、傀儡にする。彼女の意思で動く彼らは本来の弱点を完全に克服し(例えば動きが遅い、視界が狭いなど)、最大限の能力だけを発揮して襲いかかる最強の力となった。
弱点のない魔物や聖獣などそう簡単に倒せるはずがない。
しかし、魔物だけならまだしも神聖なる存在であり、精霊の眷属のである聖獣に手を出したものだから、ローゼリッテは精霊の怒りを買う。本来生を終えた聖獣は、遺体を残すことなく魂ごと精霊界へ還ると言われている。それを現世に縛り付け、意思なき傀儡として操る恐ろしい蛮行の結果、彼女は魔法を永遠に封じられることとなった。
「魔法なんていらないわ。私にはこの子たちがいるのだから!!」
ちなみにローゼリッテ・レーネは国際的に指名手配されている犯罪者だ。捕まえられさえしなければ犯罪者でも自由に生きることが出来るこの世の中。本当に吐き気がする。
ローゼリッテの傀儡となった聖獣達がエルに襲いかかる。生きていればさぞ美しかったはずの天馬に一角獣、グリフォン。飛獣で攻めてくるのは彼の友人である飛龍を皮肉っているのだろうか。聖獣相手に魔法を向けられないエルは、先程から防戦一方だ。ローゼリッテ自身は魔法を使えずとも、傀儡の魔物や聖獣は彼ら固有の魔法を使うことが出来るので、只管攻撃を回避するしかない。着実に傷が増えていくエルの苛立たしげな表情が結晶に映る。……相変わらず顔が良い。
「あら、先程迄の勢いはどうしたのかしら。ボロボロじゃない」
「うるっさいなーーーーっッグ、ぁ!」
グリフォンの火属性の咆哮が横腹に直撃し、服の一部がが焼け落ちる。すぐ様氷で治療したが、氷越しに焼けただれた横腹が見えている。女性陣の悲鳴や罵倒が轟く。
遂に、よろめいたエルの体が巨大な狐の人形のような魔物に捕らえられた。前足に握り締められ、ギリギリと締め付けられる身体に、か細い悲鳴が上がる。ミシミシと骨が軋む音が観客席にまで響いてくる。
「可哀想な3位。貴方が貴方である限り、私には勝てないのよ」
「ーーぁ、ぐ、っぁーーガハッ!」
ボキッ
「エル!!!」
鈍い音がなり、エルが血液を吐いた。それでも力を緩めない魔物。感情も意思も何もかもを奪われたローゼリッテの傀儡の無機質な目に見つめられ、エルの目に今日初めて恐怖の感情が宿った。
ざわり。
『ゆ る さ な い』
「ひっ」
耳元で聞こえたおぞましい精霊の声にユランは思わず情けない声を出してしまった。次いで怒った現象にセレネが目を見開いたのを横目に見る。観客からもどよめきの声が上がった。
地面が割れ、ローゼリッテが体制を崩す。太陽の光が矢となり、目も潰れるような輝きで持って降り注ぐ。
さらに1位が強化した魔法具が音を立てて壊れ、そのまま防護結界を突き破って舞台に突き刺さった。
風が刃となって魔物に斬りかかり、細切れになった魔物の血液がぼたぼたとエルにかかる。
「……これが『精霊の愛し子』、か」
「属性など関係なしじゃな」
自属性以外の精霊が、魔法ではなく精霊自身の意思で護った。そんなことは普通ならばありえない現象だ。ユランは背筋に冷たい汗が伝うのを感じていた。かつては全ての属性の精霊と対話することが出来たという有り得ない噂は本当なのかもしれない。
いやしかし、そんなことよりも大事なことがある。
ーーあれは誰だ?
顔立ちから服装まで何もかもがそっくりな2人の少年が守るように蹲るエルを抱きしめていた。少年の間に前後から抱き込まれているエル自身も目を白黒とさせている。
「お前たち、なんでここに」
『五月蝿いよ、エル』
『エル、五月蝿いよ』
会場が今度こそ今日一の絶叫に包まれた。ユランは思わず耳を塞ぐ。ビリビリと音の振動で地面が揺れている。音属性も扱う自分が音に気圧されるなんて。
しかしこれは……やばいだろ。アリスとセレネが歓喜の悲鳴をあげ、ゼストがニヤニヤと笑っている。ナユタは思いっきり顔を歪ませ、ガランは面倒そうにため息をついた。1位と9位はーーよく分からない。なんにしても、明日のペゴニアの新聞の見開き一面はコレだろう。
「ん、ーーっん、ぅー!?」
思いっきり舌が入っている。ローゼリッテが「あらまぁ」と態とらしく口を抑えた。頬を小さな手に挟み込まれ、口付けを受けるエル。必死の抵抗は後ろの少年に抑え込まれている。
チリ、と心臓の辺りが疼く。ユランは思わず胸を抑えた。……なんだろう。もやもやと変な気分になる。どんどん口付けは深くなり、エルの目は虚ろに、顔も赤くなっていく。ーー殺意が湧いてくる。
「はっ、ぁ……はっ、な、に」
『吃驚したから、仕返し』
『仕返し、吃驚したから』
吃驚した、とは恐らく状況から見てエルが握り潰されかけたことだろう。確かに吃驚するが、此奴らはエルのなんなんだ。何処からでてきた?
混乱する会場に、1位がこの試合の終了を告げる声が響いた。は、とユランの思考もクリアになる。自分は今、何を考えた?エルに殺意を覚えるなんて。
そんなユランを冷たい目で見つめる1人の目に、彼が気づくことはない。
ローゼリッテはパンパンと手を叩き、無惨な姿になった傀儡を消す。同じくして漸く開放されたエルが少年たちを引き剥がして立ち上がる。しかし少年たちは再度エルの左右に引っ付くようにしてしがみついた。
「3位。それはなに?」
「……お恥ずかしいところを……もーやだ本当になんなの……おうち帰りたい」
『帰ろ?はやく』
『はやく帰ろ?』
「殺さないであげたんだからその位聞く権利はあるのではなくて?どうやら怪我も治ったようだし……精霊なのかしら」
そう、ユランも頷いた。そうなのだ。先程から気になっていたが、身体中の怪我がすっかり完治している。この世界の魔法に「治癒魔法」なんてものは存在しない。魔法具に「回復を促進する」ものはあれど、「怪我を治す」ものはない。ーーこれも精霊の愛し子故か。
しかし、エルはローゼリッテの発言に不愉快そうな顔をすると、頭を掻き毟って地団駄を踏んだ。
「はぁあああ!?巫山戯やがって、もーやだバーカバーカ!!一緒にすんな!」
「あらあら、子どものように騒いで。みっともないですわよ」
「うるっさいな、聖獣さえ居なければお前なんて簡単に倒せるんだよ!」
「さっさと質問に答えなさいな」
「うるっせーーー!死ね!!」
「壊れた?壊れた?壊れたの?」
「壊れたな」
「……完全に戦意喪失したのう」
「かわいいよねぇー、ほんとぉ……」
ワーワー騒ぐ舞台上の2人に、観客の緊張も収まったのか、歓声やヤジが軽快に飛ぶ。注目はやはり2人の少年だろう。
「結局あのこどもたちはなんなのさ」
「精霊ではないだろう。あの子どもたちからは莫大な魔力は感じられど、高位に名をあげる精霊ほど清廉な気配は感じない。しかし人間でもない」
ゼストの言葉にセレネが頷いた。
「あぁ、精霊でも人間でもないじゃろう。あれはむしろ……」
「はぁ……魔物だよ。SSランクの」
ーーーーは?
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