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結婚式
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秋晴れの今日、私は義兄もといアーネスト殿下と結婚する
真っ白いウェディングドレスに身を包んだ私に又もや父は号泣している
そんな父を母が甲斐甲斐しく世話をやいている
あの日【灯籠流し】で始まった騒動は一月後には神殿と王宮審査会による決定で、私の元婚約者、ハイネル・ルパートソン侯爵子息と幼馴染みのアリアナ・ロドニー伯爵令嬢はそれぞれの家から勘当され、二人は王命で無理矢理結婚させられたと聞いた
王宮審査会でハイネルはちょっとした浮気心だったと言い張り、アリアナは私に対する妬みからハイネルを誘惑したと
後から聞いた話ではアリアナはアーネスト様にも言い寄っていたらしい
お互い実は愛し合っていないので罰として結婚させるのが一番効果があると判断され、しかも、【灯籠流し】の最中で不謹慎な行動を取った彼らは今後、誰からも相手にされず辛い人生を歩む事になる
もう貴族籍を除籍された彼らは平民なのだから二度と会うこともないし、会いたいとも思わない
審査会でも、二人は私達にやり直しを求めたが、アーネスト様が実は王子だと判ると諦めた様に静かになった
「綺麗だよ、最高の花嫁だ」
「ネスト様も素敵です」
私を見ながら最高に幸せそうな顔を見せるアーネスト様に国王陛下と王妃陛下も満足そうでした
結婚が早まったのは、実はあの日の情事で既に懐妊している事が判明したからなの
ゆっくりと父にエスコートされて歩くバージンロード
周りからは花びらのシャワーを浴びながら祝福の口付けを私のウェディングドレスにする
これはこの国の伝統で『花嫁のウェディングドレスに口付けると幸せを分けてもらえる』
という言い伝えからだ
教会の祭壇まで来ると神官より宣誓があり、お互いの腕を絡ませながら聖水を飲む
そして、誓いの言葉を
「私、アーネスト・リンドグレンは生涯、マリアベーテル・クラウディアを愛し、敬い苦楽を共にする事を誓う」
「私マリアベーテル・クラウディアはアーネスト・リンドグレンを生涯、愛し、敬い苦楽を共にする事を誓います」
二人の宣誓が終わると教会を出て王宮の披露宴に移る
私は懐妊中であり、又彼も王族で無くなる事からごく親しい貴族らだけの簡素な披露宴となっている
「ふふ」
「何がそんなに嬉しいのかな」
「幸せだと思いまして」
「そうだな、でもこれからはもっと幸せになれるだろう」
私のお腹にそっと手を置いて愛しそうに目を細目ながら撫でている
「クス、子供が産まれれば大変そうですね」
「まあ、どちらの家にも孫はいないからな」
そう、王家もまだ孫の誕生はない
私の懐妊が判ると公爵家と王家で競って子供の玩具やら服を用意している
「お金の散財だ」
とアーネスト様が両父親を叱っていた
話し合いの結果、玩具は公爵家で御披露目の服は王家が持つと言う事になった様だ
「出来損ないの公爵令嬢は嫌われている義兄に捕まってしまいましたね」
「悪かった、これからもマリアだけを愛するよ」
「はい、私もです。愛しています。でも、お仕置きは程ほどにしてくださいね。旦那様」
私のその言葉に真っ赤になっている彼の唇にそっと自分の唇を重ねた
すると急に身体が軽くなってアーネスト様に抱き上げられた
そのまま別室で朝まで過ごした
何をしていたかは二人だけの秘密なの
二人の幸せな人生は今、始まったばかり
fine
真っ白いウェディングドレスに身を包んだ私に又もや父は号泣している
そんな父を母が甲斐甲斐しく世話をやいている
あの日【灯籠流し】で始まった騒動は一月後には神殿と王宮審査会による決定で、私の元婚約者、ハイネル・ルパートソン侯爵子息と幼馴染みのアリアナ・ロドニー伯爵令嬢はそれぞれの家から勘当され、二人は王命で無理矢理結婚させられたと聞いた
王宮審査会でハイネルはちょっとした浮気心だったと言い張り、アリアナは私に対する妬みからハイネルを誘惑したと
後から聞いた話ではアリアナはアーネスト様にも言い寄っていたらしい
お互い実は愛し合っていないので罰として結婚させるのが一番効果があると判断され、しかも、【灯籠流し】の最中で不謹慎な行動を取った彼らは今後、誰からも相手にされず辛い人生を歩む事になる
もう貴族籍を除籍された彼らは平民なのだから二度と会うこともないし、会いたいとも思わない
審査会でも、二人は私達にやり直しを求めたが、アーネスト様が実は王子だと判ると諦めた様に静かになった
「綺麗だよ、最高の花嫁だ」
「ネスト様も素敵です」
私を見ながら最高に幸せそうな顔を見せるアーネスト様に国王陛下と王妃陛下も満足そうでした
結婚が早まったのは、実はあの日の情事で既に懐妊している事が判明したからなの
ゆっくりと父にエスコートされて歩くバージンロード
周りからは花びらのシャワーを浴びながら祝福の口付けを私のウェディングドレスにする
これはこの国の伝統で『花嫁のウェディングドレスに口付けると幸せを分けてもらえる』
という言い伝えからだ
教会の祭壇まで来ると神官より宣誓があり、お互いの腕を絡ませながら聖水を飲む
そして、誓いの言葉を
「私、アーネスト・リンドグレンは生涯、マリアベーテル・クラウディアを愛し、敬い苦楽を共にする事を誓う」
「私マリアベーテル・クラウディアはアーネスト・リンドグレンを生涯、愛し、敬い苦楽を共にする事を誓います」
二人の宣誓が終わると教会を出て王宮の披露宴に移る
私は懐妊中であり、又彼も王族で無くなる事からごく親しい貴族らだけの簡素な披露宴となっている
「ふふ」
「何がそんなに嬉しいのかな」
「幸せだと思いまして」
「そうだな、でもこれからはもっと幸せになれるだろう」
私のお腹にそっと手を置いて愛しそうに目を細目ながら撫でている
「クス、子供が産まれれば大変そうですね」
「まあ、どちらの家にも孫はいないからな」
そう、王家もまだ孫の誕生はない
私の懐妊が判ると公爵家と王家で競って子供の玩具やら服を用意している
「お金の散財だ」
とアーネスト様が両父親を叱っていた
話し合いの結果、玩具は公爵家で御披露目の服は王家が持つと言う事になった様だ
「出来損ないの公爵令嬢は嫌われている義兄に捕まってしまいましたね」
「悪かった、これからもマリアだけを愛するよ」
「はい、私もです。愛しています。でも、お仕置きは程ほどにしてくださいね。旦那様」
私のその言葉に真っ赤になっている彼の唇にそっと自分の唇を重ねた
すると急に身体が軽くなってアーネスト様に抱き上げられた
そのまま別室で朝まで過ごした
何をしていたかは二人だけの秘密なの
二人の幸せな人生は今、始まったばかり
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