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おまけ 灯籠流しの真実
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私は不思議に思うことがあります。
それは、あのネスト様が『灯籠流し』の日にはどう過ごしているのか?
不思議なのです。
いつも、朝まで私を抱き潰しているあのネスト様が性欲をどうやって抑えているのか
前の日に、王宮に王太子妃殿下からお茶会と言う名の打ち合わせで呼ばれました。
王宮の廊下である文官からお願いをされました。
「あのう、第二王子妃様、お願いがあるのですが」
「何かお困りですか?」
「実は第二王子殿下なんですが、『灯籠流し』の日に我々文官に物凄い量の仕事をさせるんです。しかもご自分もされるので我々も文句が言えないのですが、我々は出来れば家族と静かに過ごしたいのです。どうか殿下にさりげなくお願いして頂けないでしょうか?」
私は、ビックリです。
記憶を辿れば確かにネスト様は『灯籠流し』の日だけ王宮にお泊まりしていた様な気がします。
まさかご自分だけでなく他人を巻き込むとは言語道断です。
これは帰ってお仕置きさせて頂きます。
今までの倍返しが必要ですね。
そう思って自宅に帰って早速
「ネスト様は『灯籠流し』の日だけ王宮にお泊まりしていますね。私は寂しいんですが、ネスト様はそう思っていらっしゃらないのですね」
しなを作って汐らしく見せます。上目使いに涙目をうるうるさせればイチコロだと王太子妃殿下が仰っていました。
「へぇ、誰の入れ知恵なのかな」
「ひゃぁ、そ、それは…」
ネスト様の周りの空気が氷っているのが分かります。
こ、怖い。久々の鬼畜大魔王降臨スイッチを押してしまいました。
「ふふ、ねえリア、夜中迄時間がたっぷりある一杯お仕置きしてあげるね」
「ヒィ」
声にならない私はプルプルと震えました。
私がお仕置きするはずだったのに逆にお仕置きされる側になったのです。
「だ、ダメです。ほ、ほら明日は『灯籠流し』で禁欲デーなのです。だ、から」
「うん、だから明日になるまでなら大丈夫だよ」
「えっ、それは…」
にっこり笑った鬼畜大魔王と化したネスト様はヒョイと私を抱き上げて寝室に直行しました。
途中、お母様がハンカチを振りながら
「頑張ってね」
と声をかけ、お父様は又いつもの様に泣いていました。
もういい加減慣れて下さい。
子供達は、特に嫡男のレオポンドは
「見ちゃダメ、僕らにはまだ早い」
とすぐ下のスチュワートにいい、妹のサリューチェは
「ふふ、お父様とお母様は仲良しですね」
と双子の妹のアリエルとマリエルの手を繋ぐとお母様の所に歩いています。
寝室に入ると
「これでやっと100本目の録るんですがたまる」
えっ、いま100本目と仰いましたか。しかも今から録るんですの?
嫌です。流石にそれはダメなのです。
「大丈夫だよ。行為を録っているのではないから、可愛いリアの泣き顔を録っているからね。安心してね」
全然全く安心出来ません。
「あのネスト様、それをどうしているのですか?」
恐る恐る尋ねて見ました。
「うん、これは『灯籠流し』の時に見てるんだよ。異性との行為は禁止されているが自慰は法には触れないからね」
自慰は…と仰いましたか?
と云うことは、私の泣き顔でなさっていると、そして、今まで結婚前はそうであったと禁欲するために王宮にお泊まりしていたんですね。
私は又とんでもないネスト様の秘密を知り
こんな事なら王太子妃殿下の作戦に乗らなければ良かったと後悔しましたが、快楽に溺れる私の泣き顔を見ながら
「ああ、リアの泣き顔が一番そそられるし、興奮するんだよね」
と囁かれました。
次の日の『灯籠流し』を私が欠席したのは言うまでもありません。
だって、私は寝室の住人と化していたからです。
雉も鳴かずば撃たれもしまい
遠い異国の諺が頭に浮かぶ私でした。
それは、あのネスト様が『灯籠流し』の日にはどう過ごしているのか?
不思議なのです。
いつも、朝まで私を抱き潰しているあのネスト様が性欲をどうやって抑えているのか
前の日に、王宮に王太子妃殿下からお茶会と言う名の打ち合わせで呼ばれました。
王宮の廊下である文官からお願いをされました。
「あのう、第二王子妃様、お願いがあるのですが」
「何かお困りですか?」
「実は第二王子殿下なんですが、『灯籠流し』の日に我々文官に物凄い量の仕事をさせるんです。しかもご自分もされるので我々も文句が言えないのですが、我々は出来れば家族と静かに過ごしたいのです。どうか殿下にさりげなくお願いして頂けないでしょうか?」
私は、ビックリです。
記憶を辿れば確かにネスト様は『灯籠流し』の日だけ王宮にお泊まりしていた様な気がします。
まさかご自分だけでなく他人を巻き込むとは言語道断です。
これは帰ってお仕置きさせて頂きます。
今までの倍返しが必要ですね。
そう思って自宅に帰って早速
「ネスト様は『灯籠流し』の日だけ王宮にお泊まりしていますね。私は寂しいんですが、ネスト様はそう思っていらっしゃらないのですね」
しなを作って汐らしく見せます。上目使いに涙目をうるうるさせればイチコロだと王太子妃殿下が仰っていました。
「へぇ、誰の入れ知恵なのかな」
「ひゃぁ、そ、それは…」
ネスト様の周りの空気が氷っているのが分かります。
こ、怖い。久々の鬼畜大魔王降臨スイッチを押してしまいました。
「ふふ、ねえリア、夜中迄時間がたっぷりある一杯お仕置きしてあげるね」
「ヒィ」
声にならない私はプルプルと震えました。
私がお仕置きするはずだったのに逆にお仕置きされる側になったのです。
「だ、ダメです。ほ、ほら明日は『灯籠流し』で禁欲デーなのです。だ、から」
「うん、だから明日になるまでなら大丈夫だよ」
「えっ、それは…」
にっこり笑った鬼畜大魔王と化したネスト様はヒョイと私を抱き上げて寝室に直行しました。
途中、お母様がハンカチを振りながら
「頑張ってね」
と声をかけ、お父様は又いつもの様に泣いていました。
もういい加減慣れて下さい。
子供達は、特に嫡男のレオポンドは
「見ちゃダメ、僕らにはまだ早い」
とすぐ下のスチュワートにいい、妹のサリューチェは
「ふふ、お父様とお母様は仲良しですね」
と双子の妹のアリエルとマリエルの手を繋ぐとお母様の所に歩いています。
寝室に入ると
「これでやっと100本目の録るんですがたまる」
えっ、いま100本目と仰いましたか。しかも今から録るんですの?
嫌です。流石にそれはダメなのです。
「大丈夫だよ。行為を録っているのではないから、可愛いリアの泣き顔を録っているからね。安心してね」
全然全く安心出来ません。
「あのネスト様、それをどうしているのですか?」
恐る恐る尋ねて見ました。
「うん、これは『灯籠流し』の時に見てるんだよ。異性との行為は禁止されているが自慰は法には触れないからね」
自慰は…と仰いましたか?
と云うことは、私の泣き顔でなさっていると、そして、今まで結婚前はそうであったと禁欲するために王宮にお泊まりしていたんですね。
私は又とんでもないネスト様の秘密を知り
こんな事なら王太子妃殿下の作戦に乗らなければ良かったと後悔しましたが、快楽に溺れる私の泣き顔を見ながら
「ああ、リアの泣き顔が一番そそられるし、興奮するんだよね」
と囁かれました。
次の日の『灯籠流し』を私が欠席したのは言うまでもありません。
だって、私は寝室の住人と化していたからです。
雉も鳴かずば撃たれもしまい
遠い異国の諺が頭に浮かぶ私でした。
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