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その後

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 話を聞いている内に朝が来ていた。

 王太子の従者が声をかけ、目を覚ました。

 辺りには誰もいなかった。

 美しい娘も神官も居らず、ただ朽ち果て寂れた神殿だけがあった。

ーーーあれは夢なのだろうか?

 王太子は国に帰った。




 父の後を継ぎ、何十年もたった頃、息子である第一王子が花嫁を迎える事になった。

 隣国の王女である。

 しかし、ベールを取った王女を見た途端、すっかり忘れていたあの娘を思い出した。

 顔を見るとあの娘に瓜二つであった。

 そして、彼女の護衛騎士を見た瞬間、恐怖が甦った。

 あの時、自分に語りかけたあの神官だと、確信した。

 そして、思い至ったのだ。

 確か娘は最後に呪いの言葉を残した。

 神がそんな言葉を聞くだろうか?

 答えは「否」だ。ではその願いを叶えたのは、誰なのか?

 そんな願いを叶えるならそれは


ーーー悪魔…


 王は、背筋が寒くなるのを感じながら、自分の息子が過ちを犯さない事を祈るのだった。
 
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