13 / 48
本編 この度、記憶喪失の公爵様に嫁ぐことになりまして
ビスク・ドールの願う夢は〜ラインハルト〜
しおりを挟む
僕は王妃である母の腹から生まれた第一王子だった。
5才までは母が生きていたから、冷遇されてもいなかった。でも弟たちが生まれると次第に周囲が徐々に変化していった。
父である国王は僕を王太子に据えながら、弟たちにもチャンスがあると仄めかしていた。だから第二王子ジークハルトの母親である側妃も過ちを犯してしまったのだろう。
5才の誕生日に僕の食事に毒を仕込んだ。でも偶々、母が誤って僕の分の食事に手を付けた。そのおかげで僕は命拾いしたけれど、母は苦しんで死んだ。
その毒を入れたのは母が王太子妃時代からの古参の侍女だった。侍女の実家は多額の借金をしていて、その借入先の貴族は側妃の実家と繋がっていた。
蜥蜴の尻尾切りの様に側妃の実家の侯爵家は全ての罪を押し付けて自害させたのだ。状況証拠しかない状態で当時、母の死の真相は表向きは病死という事にされた。
僕は、そんな環境で育ったんだ。いつしか僕は感情を表に出さなくなり、無表情の顔を婚約者だったアデイラは、
「まるで生きた陶器人形みたい」
そんな風に僕を揶揄っていた。
アデイラとは幼い頃からの婚約者で、自然と成人したら彼女と結婚するのだなと漠然と考えていた。
だが、そんな未来はやって来なかった。
15才になった時に学園に通うになり、僕は生徒会を任された。
学園は、貴族子息令嬢が通う場所で尚且つ、将来の国を支えていくための模擬的試験場でもあった。その為に生徒会長は代々王太子や王子、王族がなることになっており、該当する者がいなければ公爵・侯爵の順で高位貴族が務めることに決まっていた。
だから僕も入学してからずっと生徒会長を任されていた。
その生徒会のメンバーも成績順で決められていて、この学園で優秀な者はいずれ僕の側近として取り立てる事が決まっていた。でも、僕はそれを拒否した。
何故なら、僕は知ってしまったから、弟と婚約者のアデイラが僕を追い落そうとしている事を……。
あれは僕が学園入学一週間前の事だ。
いつもの執務が終わったので、何気なく散歩コースを気分で変えてみた。人気のない王宮の寂れた裏庭を歩いていると、庭師が使っている東屋があった。そこに弟のジークハルトが入っていくのを見てしまった。何気なく東屋の方に近づくと、中から女の声もした。
「待ったかい?誰にも見られなかった」
「ええ、大丈夫よ」
女の声には聞き覚えがある。婚約者であるアデイラの声だ。
「本当にやるの?」
「ああ、俺にだって資格はある。あの『背徳の王』の息子だぞ。きっとうまくやれるさ」
「でもそうなれば嬉しいわ。あんな感情の無い陶器人形のような男の妻になるなんて御免よ。女は何時だって貴方のような悪い男に魅かれるものなのよ」
アデイラは女独特の強請るような甘い声を出していた。まだ13才だというのに末恐ろしいことだ。
毒婦の素質があったのだろう。男を転がすのが上手い。一つ下の弟ジークハルトは矢鱈と僕と無駄に張り合おうとしていた。だから僕を引き合いにすれば、弟は必ず僕を排除しようと動き出す。
彼女の家は僕を操れないと分かったから、言いなりに出来そうな弟に鞍替えをしたのだ。
僕はそれでも彼女自身は家とは関係なく僕を慕ってくれていると信じたかった。その最後の願いも虚しく現実を突き付けられた。
彼らの計画は、僕に麻薬のようなものを食べさせて、ある男爵令嬢を宛がい婚約破棄をさせようとしていた。その際、冤罪の証拠を突きつけ、僕を廃嫡に追い込もうと考えていた。
ははは……。流石『背徳の王』の血を受け継ぐ者だ。やり口が父に似ている。きっと弟は誰よりも父に似ているかもしれない。
背徳の王…それは父が兄弟を皆殺しにして玉座を手にしたことからそう呼ばれている。父は兄弟を一室に集めて殺し合いをさせたのだ。
毒煙が漂う部屋で助かりたい一心で皆、自分以外の者を次々と殺していった。最後に残った者は毒が回って死んだのだ。父は最初から誰も生き残れない様に仕向けた。残虐非道な王。それがわが父コンラッドだった。
そのような父は誰にも関心がなかった。自分の妻や子供にも。きっとこんな計画を立てている弟の事も知っているに違いない。
見て見ぬふりをしながら事の成り行きを面白がっているのだ。
そんな父が年若い愛妾にだけは心を寄せている。その愛妾は子爵家の娘だ。きっと何年かしたら側妃に繰り上げる事だろう。そして愛妾が王子を産んだなら間違いなく僕らは廃棄処分として誰も生き残れない。
僕は王太子という地位に未練はない。寧ろ代わってもらいたいくらいだ。
だから僕は父とある取り引きをした。
僕が弟の計画に便乗して王太子の地位から降りる代わりに、成功した暁には辺境レグナに送り込んでほしい。そこで10年ぐらいであの地を有益なものに変えてみせると、そして父には愛妾との子供はまだ作らないでほしいとも付け加えた。
その理由は父の方がよく理解していたようだ。僕を王太子から追い落とすことには賛同しても愛する女に手出しされるのには我慢がならないようだ。
父は側妃に見つからない様に愛妾を王宮の一室に囲っていた。
僕は父との約束通り、学園で例の男爵令嬢と将来国の害になる令息らを引き連れて過ごすようになった。勿論、弟やアデイラに王家の影を付けて彼らを監視していた。
そして、僕はあの日、壇上で婚約破棄を告げる予定だったのに、ロータスの息子のパリスが僕を止めようとして勢い余って突き落す形になってしまった。
パリスは僕の従兄弟でロータスは母方の伯父だった。
運悪く僕は頭を打って5才児に退行してしまい、折角の計画が失敗に終わってしまった。
責任を感じたロータスは侯爵位を返上し、パリス共々このレグナに僕の世話をするという形で罪滅ぼしをすることになった。
僕が記憶を無くしていた時に僕が指示していた通り、部下たちは弟達に毒を盛ってくれていた。運よく流行病が蔓延していたこともあり、病死扱いになっていた。側妃にも同じ毒を与えていた。彼女は風前の灯だった。
もし、僕に記憶があったなら、是非教えてやりたかったよ。
「お前が王妃を殺害した毒と同じものだ」
そう突きつけてやりたかった。残念ながら僕はその機会を永遠に失ってしまった。
そんな時にあの女アデイラがやってきたのだ。
彼女の甘ったるい甘える声で「もう一度やり直そう」と言われた時に、頭にかかっていた靄が少しずつ晴れていくのが分かった。
僕の記憶が戻った事を知った父は、密かに王宮に来るように言ってきた。
僕は父と再び交渉することになった。父が出した条件は、第四皇子が王太子になるまでに治世の安定だった。
この男はどこまでいっても僕を道具に使いたいようだ。
銀色の髪に冷たいアイスブルーの瞳。生気のないような青白い陶磁器のような顔に血の様に赤い唇。
嫌になる程、僕に似た容姿だ。そしてまるで未来の僕の姿。僕はああなりたくない。こんな血塗られた僕にだって幸せになることが出来るはずだ。
例え、それが一方的な想いでも……。
そんな時にデボラ・カートンから手紙が来た。
「面白い令嬢を見つけた」
そう書いていた。僕はその子に興味を抱いた。
他人に興味を抱いたのは初めてかもしれない。
彼女を僕の元に来させる為に、カートン伯爵夫人に令嬢の過大な噂を流してもらった。
父が送り込んでくる女たちを上手く捌きながら、虎視眈々とアシュリー・デニーロ伯爵令嬢の輿入れを心待ちにしていた。
彼女が来れば僕のモノクロの人生も鮮やかな色を付けるかもしれない。
そんなことを願いなら夢を見ていた。
遂にその願いは叶えられた。僕の元に来たアシュリーはとても美しく可愛かった。
ああ、毎日見ていても飽きない。君が僕の唯一。絶対に手放さないし、離れていくことも赦さない。
もし、僕から逃げたらどこまで追っても連れ戻して、僕しか入れない部屋に鎖でつないでおこう。
彼女のサクランボのような唇から「旦那様」と呼ばれることは嬉しいが、メイド服で「ご主人様」と呼んでほしい気もする。本当にそうなったら僕の心は破裂するかもしれない。
これは密かな僕の願望だ。
いつか叶えてくれるよね。
愛しいアシュリー……僕の唯一の妻。
5才までは母が生きていたから、冷遇されてもいなかった。でも弟たちが生まれると次第に周囲が徐々に変化していった。
父である国王は僕を王太子に据えながら、弟たちにもチャンスがあると仄めかしていた。だから第二王子ジークハルトの母親である側妃も過ちを犯してしまったのだろう。
5才の誕生日に僕の食事に毒を仕込んだ。でも偶々、母が誤って僕の分の食事に手を付けた。そのおかげで僕は命拾いしたけれど、母は苦しんで死んだ。
その毒を入れたのは母が王太子妃時代からの古参の侍女だった。侍女の実家は多額の借金をしていて、その借入先の貴族は側妃の実家と繋がっていた。
蜥蜴の尻尾切りの様に側妃の実家の侯爵家は全ての罪を押し付けて自害させたのだ。状況証拠しかない状態で当時、母の死の真相は表向きは病死という事にされた。
僕は、そんな環境で育ったんだ。いつしか僕は感情を表に出さなくなり、無表情の顔を婚約者だったアデイラは、
「まるで生きた陶器人形みたい」
そんな風に僕を揶揄っていた。
アデイラとは幼い頃からの婚約者で、自然と成人したら彼女と結婚するのだなと漠然と考えていた。
だが、そんな未来はやって来なかった。
15才になった時に学園に通うになり、僕は生徒会を任された。
学園は、貴族子息令嬢が通う場所で尚且つ、将来の国を支えていくための模擬的試験場でもあった。その為に生徒会長は代々王太子や王子、王族がなることになっており、該当する者がいなければ公爵・侯爵の順で高位貴族が務めることに決まっていた。
だから僕も入学してからずっと生徒会長を任されていた。
その生徒会のメンバーも成績順で決められていて、この学園で優秀な者はいずれ僕の側近として取り立てる事が決まっていた。でも、僕はそれを拒否した。
何故なら、僕は知ってしまったから、弟と婚約者のアデイラが僕を追い落そうとしている事を……。
あれは僕が学園入学一週間前の事だ。
いつもの執務が終わったので、何気なく散歩コースを気分で変えてみた。人気のない王宮の寂れた裏庭を歩いていると、庭師が使っている東屋があった。そこに弟のジークハルトが入っていくのを見てしまった。何気なく東屋の方に近づくと、中から女の声もした。
「待ったかい?誰にも見られなかった」
「ええ、大丈夫よ」
女の声には聞き覚えがある。婚約者であるアデイラの声だ。
「本当にやるの?」
「ああ、俺にだって資格はある。あの『背徳の王』の息子だぞ。きっとうまくやれるさ」
「でもそうなれば嬉しいわ。あんな感情の無い陶器人形のような男の妻になるなんて御免よ。女は何時だって貴方のような悪い男に魅かれるものなのよ」
アデイラは女独特の強請るような甘い声を出していた。まだ13才だというのに末恐ろしいことだ。
毒婦の素質があったのだろう。男を転がすのが上手い。一つ下の弟ジークハルトは矢鱈と僕と無駄に張り合おうとしていた。だから僕を引き合いにすれば、弟は必ず僕を排除しようと動き出す。
彼女の家は僕を操れないと分かったから、言いなりに出来そうな弟に鞍替えをしたのだ。
僕はそれでも彼女自身は家とは関係なく僕を慕ってくれていると信じたかった。その最後の願いも虚しく現実を突き付けられた。
彼らの計画は、僕に麻薬のようなものを食べさせて、ある男爵令嬢を宛がい婚約破棄をさせようとしていた。その際、冤罪の証拠を突きつけ、僕を廃嫡に追い込もうと考えていた。
ははは……。流石『背徳の王』の血を受け継ぐ者だ。やり口が父に似ている。きっと弟は誰よりも父に似ているかもしれない。
背徳の王…それは父が兄弟を皆殺しにして玉座を手にしたことからそう呼ばれている。父は兄弟を一室に集めて殺し合いをさせたのだ。
毒煙が漂う部屋で助かりたい一心で皆、自分以外の者を次々と殺していった。最後に残った者は毒が回って死んだのだ。父は最初から誰も生き残れない様に仕向けた。残虐非道な王。それがわが父コンラッドだった。
そのような父は誰にも関心がなかった。自分の妻や子供にも。きっとこんな計画を立てている弟の事も知っているに違いない。
見て見ぬふりをしながら事の成り行きを面白がっているのだ。
そんな父が年若い愛妾にだけは心を寄せている。その愛妾は子爵家の娘だ。きっと何年かしたら側妃に繰り上げる事だろう。そして愛妾が王子を産んだなら間違いなく僕らは廃棄処分として誰も生き残れない。
僕は王太子という地位に未練はない。寧ろ代わってもらいたいくらいだ。
だから僕は父とある取り引きをした。
僕が弟の計画に便乗して王太子の地位から降りる代わりに、成功した暁には辺境レグナに送り込んでほしい。そこで10年ぐらいであの地を有益なものに変えてみせると、そして父には愛妾との子供はまだ作らないでほしいとも付け加えた。
その理由は父の方がよく理解していたようだ。僕を王太子から追い落とすことには賛同しても愛する女に手出しされるのには我慢がならないようだ。
父は側妃に見つからない様に愛妾を王宮の一室に囲っていた。
僕は父との約束通り、学園で例の男爵令嬢と将来国の害になる令息らを引き連れて過ごすようになった。勿論、弟やアデイラに王家の影を付けて彼らを監視していた。
そして、僕はあの日、壇上で婚約破棄を告げる予定だったのに、ロータスの息子のパリスが僕を止めようとして勢い余って突き落す形になってしまった。
パリスは僕の従兄弟でロータスは母方の伯父だった。
運悪く僕は頭を打って5才児に退行してしまい、折角の計画が失敗に終わってしまった。
責任を感じたロータスは侯爵位を返上し、パリス共々このレグナに僕の世話をするという形で罪滅ぼしをすることになった。
僕が記憶を無くしていた時に僕が指示していた通り、部下たちは弟達に毒を盛ってくれていた。運よく流行病が蔓延していたこともあり、病死扱いになっていた。側妃にも同じ毒を与えていた。彼女は風前の灯だった。
もし、僕に記憶があったなら、是非教えてやりたかったよ。
「お前が王妃を殺害した毒と同じものだ」
そう突きつけてやりたかった。残念ながら僕はその機会を永遠に失ってしまった。
そんな時にあの女アデイラがやってきたのだ。
彼女の甘ったるい甘える声で「もう一度やり直そう」と言われた時に、頭にかかっていた靄が少しずつ晴れていくのが分かった。
僕の記憶が戻った事を知った父は、密かに王宮に来るように言ってきた。
僕は父と再び交渉することになった。父が出した条件は、第四皇子が王太子になるまでに治世の安定だった。
この男はどこまでいっても僕を道具に使いたいようだ。
銀色の髪に冷たいアイスブルーの瞳。生気のないような青白い陶磁器のような顔に血の様に赤い唇。
嫌になる程、僕に似た容姿だ。そしてまるで未来の僕の姿。僕はああなりたくない。こんな血塗られた僕にだって幸せになることが出来るはずだ。
例え、それが一方的な想いでも……。
そんな時にデボラ・カートンから手紙が来た。
「面白い令嬢を見つけた」
そう書いていた。僕はその子に興味を抱いた。
他人に興味を抱いたのは初めてかもしれない。
彼女を僕の元に来させる為に、カートン伯爵夫人に令嬢の過大な噂を流してもらった。
父が送り込んでくる女たちを上手く捌きながら、虎視眈々とアシュリー・デニーロ伯爵令嬢の輿入れを心待ちにしていた。
彼女が来れば僕のモノクロの人生も鮮やかな色を付けるかもしれない。
そんなことを願いなら夢を見ていた。
遂にその願いは叶えられた。僕の元に来たアシュリーはとても美しく可愛かった。
ああ、毎日見ていても飽きない。君が僕の唯一。絶対に手放さないし、離れていくことも赦さない。
もし、僕から逃げたらどこまで追っても連れ戻して、僕しか入れない部屋に鎖でつないでおこう。
彼女のサクランボのような唇から「旦那様」と呼ばれることは嬉しいが、メイド服で「ご主人様」と呼んでほしい気もする。本当にそうなったら僕の心は破裂するかもしれない。
これは密かな僕の願望だ。
いつか叶えてくれるよね。
愛しいアシュリー……僕の唯一の妻。
48
あなたにおすすめの小説
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
【完結】貴方の後悔など、聞きたくありません。
なか
恋愛
学園に特待生として入学したリディアであったが、平民である彼女は貴族家の者には目障りだった。
追い出すようなイジメを受けていた彼女を救ってくれたのはグレアルフという伯爵家の青年。
優しく、明るいグレアルフは屈託のない笑顔でリディアと接する。
誰にも明かさずに会う内に恋仲となった二人であったが、
リディアは知ってしまう、グレアルフの本性を……。
全てを知り、死を考えた彼女であったが、
とある出会いにより自分の価値を知った時、再び立ち上がる事を選択する。
後悔の言葉など全て無視する決意と共に、生きていく。
【完結】婚約者と養い親に不要といわれたので、幼馴染の側近と国を出ます
衿乃 光希
恋愛
卒業パーティーの最中、婚約者から突然婚約破棄を告げられたシェリーヌ。
婚約者の心を留めておけないような娘はいらないと、養父からも不要と言われる。
シェリーヌは16年過ごした国を出る。
生まれた時からの側近アランと一緒に・・・。
第18回恋愛小説大賞エントリーしましたので、第2部を執筆中です。
第2部祖国から手紙が届き、養父の体調がすぐれないことを知らされる。迷いながらも一時戻ってきたシェリーヌ。見舞った翌日、養父は天に召された。葬儀後、貴族の死去が相次いでいるという不穏な噂を耳にする。恋愛小説大賞は51位で終了しました。皆さま、投票ありがとうございました。
陛下を捨てた理由
甘糖むい
恋愛
美しく才能あふれる侯爵令嬢ジェニエルは、幼い頃から王子セオドールの婚約者として約束され、完璧な王妃教育を受けてきた。20歳で結婚した二人だったが、3年経っても子供に恵まれず、彼女には「問題がある」という噂が広がりはじめる始末。
そんな中、セオドールが「オリヴィア」という女性を王宮に連れてきたことで、夫婦の関係は一変し始める。
※改定、追加や修正を予告なくする場合がございます。ご了承ください。
婚約者を奪っていった彼女は私が羨ましいそうです。こちらはあなたのことなど記憶の片隅にもございませんが。
松ノ木るな
恋愛
ハルネス侯爵家令嬢シルヴィアは、将来を嘱望された魔道の研究員。
不運なことに、親に決められた婚約者は無類の女好きであった。
研究で忙しい彼女は、女遊びもほどほどであれば目をつむるつもりであったが……
挙式一月前というのに、婚約者が口の軽い彼女を作ってしまった。
「これは三人で、あくまで平和的に、話し合いですね。修羅場は私が制してみせます」
※7千字の短いお話です。
ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?
ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。
一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?
【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。
西東友一
恋愛
国のため、貴方のため。
私は厳しい王妃修行に努めてまいりました。
それなのに第一王子である貴方が開いた舞踏会で、「この俺、次期国王である第一王子エドワード・ヴィクトールは伯爵令嬢のメリー・アナラシアと婚約破棄する」
と宣言されるなんて・・・
婚約破棄、ありがとうございます
奈井
恋愛
小さい頃に婚約して10年がたち私たちはお互い16歳。来年、結婚する為の準備が着々と進む中、婚約破棄を言い渡されました。でも、私は安堵しております。嘘を突き通すのは辛いから。傷物になってしまったので、誰も寄って来ない事をこれ幸いに一生1人で、幼い恋心と一緒に過ごしてまいります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる