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人魚姫編
プロローグ
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海辺の街イゾルディ。
その海岸に一組の母子が貝殻拾いをしている微笑ましい姿があった。
娘は貝殻を拾いながら
「お母さん、海に人魚が棲んでいるって本当なの?見たことある?」
無邪気に訊ねる少女は10才位。
母親は娘の手を引きながら
「そうねぇ、ここには人魚に纏わる伝説がいくつもあるのよ。例えば、あそこに見える虹の丘は【人魚の入り江】と呼ばれているの。あそこから彼女達は陸に上がって、結婚相手を見つけると言われているわ」
「どうして、陸に上がるの?海にも男の人魚がいるのでしょう?」
「残念ながら、人魚は女性だけの種族で男性はいないのよ。だから、相手を求めて陸に上がるの。鰭を乾かしたら足が生えてくるんですって、不思議ね」
「本当に!お母さんは見た事あるの?」
「いいえ、私も誰も見た人はいないわ。ただの言い伝えよ」
「なーんだ、残念……」
「でも、その代り、とっておきのお話をしてあげましょう」
「本当!やったー。なら早く帰りましょう。お父さんがお家で待ってるわ」
「そうね。貴女の帰りを首をながーくして待っているわね」
「ちがーう!お母さん、二人の帰りをでしょ。早く、早く」
母娘は貝殻を拾い集めて、帰路の道を急いで帰っていた。
その夜、娘は母親から不思議な悲しい恋の物語を聞かされたのだ。
その海岸に一組の母子が貝殻拾いをしている微笑ましい姿があった。
娘は貝殻を拾いながら
「お母さん、海に人魚が棲んでいるって本当なの?見たことある?」
無邪気に訊ねる少女は10才位。
母親は娘の手を引きながら
「そうねぇ、ここには人魚に纏わる伝説がいくつもあるのよ。例えば、あそこに見える虹の丘は【人魚の入り江】と呼ばれているの。あそこから彼女達は陸に上がって、結婚相手を見つけると言われているわ」
「どうして、陸に上がるの?海にも男の人魚がいるのでしょう?」
「残念ながら、人魚は女性だけの種族で男性はいないのよ。だから、相手を求めて陸に上がるの。鰭を乾かしたら足が生えてくるんですって、不思議ね」
「本当に!お母さんは見た事あるの?」
「いいえ、私も誰も見た人はいないわ。ただの言い伝えよ」
「なーんだ、残念……」
「でも、その代り、とっておきのお話をしてあげましょう」
「本当!やったー。なら早く帰りましょう。お父さんがお家で待ってるわ」
「そうね。貴女の帰りを首をながーくして待っているわね」
「ちがーう!お母さん、二人の帰りをでしょ。早く、早く」
母娘は貝殻を拾い集めて、帰路の道を急いで帰っていた。
その夜、娘は母親から不思議な悲しい恋の物語を聞かされたのだ。
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