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鬼畜令息と撲殺姫
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「貴方、私にまでフェロモン使わないでよ。昔と違って制御できるでしょう!」
「でも、君には何故か効かない。わかる?この意味」
「わかるわけないでしょう。そんなこと」
「ふふふ、フェロモンが効かないってこは昔から運命の相手なんだよ」
「えっ、運命」
私は、乙女心全開に聞き返した。
(運命の乙女かあ。いい響きよね)
思わずうっとりしている私に追い討ちをかける彼は、
「なぁ、俺達中々いい夫婦になると思うんだけど、今度どのくらい相性がいいか試さないか」
「はぁ?な…何を…」
何となく雰囲気でわかっているが、声が裏返ってしまった。
「ククク、本当に飽きない」
「揶揄ったのね。この鬼畜令息」
彼を叩こうとした手首を掴まれて、また引き寄せられた。
「いい加減、暴力で訴えるのはやめろよ。君も女何だから身体に傷でも出来たら取り返しがつかないだろう」
この言葉に顔を赤らめた。
いつもそうだ。彼や家族以外の人間は、軍神マルスの加護を持つ私を女扱いしないのだ。
だから、彼には本当の気持ちを言いたくない。何故か負けた気になるから…
「まあ、そうなっても俺が貰うから大丈夫だけどな。君はそのままの方が魅力的だよ」
(ち、近い近い近い、耳元で囁かないで)
もうきっと私の顔は茹で蛸になっている。
「と…兎に角近いから離れて」
彼を押し退けようとしたが、びくともしない。いくら加護があっても使えば彼は遥か彼方まで吹っ飛ぶだろう。うん、絶対そうなる。運が良くても屋根に引っ掛かったり、地面に頭を突っ込むことになるかも…
私は、大人しく捕縛されておくことにした。
(何だかいい匂い。何の香りだろう?)
頭の中枢を刺激されるような匂いを嗅ぎながら、うっとりしている私を抱き締めている彼の腕が強くなったのは気のせいだろう。私の願望と欲望がそうさせたのだと勝手に自己完結した。
でも、あんまり気持ち良かったのと、昨夜あまり睡眠が取れていなかったのとで、彼の腕の中で爆睡してしまった。
「君は危機管理が出来ていないね。こんな状態で男の腕の中で眠るなんて、呆れるよホント」
彼が何か呟いていたが聞かなかった事にした。
☆☆☆☆☆☆☆
目が覚めると自室の寝台の中だった。
「不味い、寝てしまった。また揶揄われる」
何たる失態を犯したのだろう。又もや彼に付け入る隙を与えてしまった。
サイドテーブルにメッセージカードが置いてあり
『明日、又来ます』
と書かれていた。
ーーー明日も来るのーっ!
と思い悩んでも仕方がないので、取り敢えず夕食を食べに食堂に行くことにした。
(今日の夕食は何かな?)
等と呑気に考えていた私を次の日後悔する事になるのだった。
「でも、君には何故か効かない。わかる?この意味」
「わかるわけないでしょう。そんなこと」
「ふふふ、フェロモンが効かないってこは昔から運命の相手なんだよ」
「えっ、運命」
私は、乙女心全開に聞き返した。
(運命の乙女かあ。いい響きよね)
思わずうっとりしている私に追い討ちをかける彼は、
「なぁ、俺達中々いい夫婦になると思うんだけど、今度どのくらい相性がいいか試さないか」
「はぁ?な…何を…」
何となく雰囲気でわかっているが、声が裏返ってしまった。
「ククク、本当に飽きない」
「揶揄ったのね。この鬼畜令息」
彼を叩こうとした手首を掴まれて、また引き寄せられた。
「いい加減、暴力で訴えるのはやめろよ。君も女何だから身体に傷でも出来たら取り返しがつかないだろう」
この言葉に顔を赤らめた。
いつもそうだ。彼や家族以外の人間は、軍神マルスの加護を持つ私を女扱いしないのだ。
だから、彼には本当の気持ちを言いたくない。何故か負けた気になるから…
「まあ、そうなっても俺が貰うから大丈夫だけどな。君はそのままの方が魅力的だよ」
(ち、近い近い近い、耳元で囁かないで)
もうきっと私の顔は茹で蛸になっている。
「と…兎に角近いから離れて」
彼を押し退けようとしたが、びくともしない。いくら加護があっても使えば彼は遥か彼方まで吹っ飛ぶだろう。うん、絶対そうなる。運が良くても屋根に引っ掛かったり、地面に頭を突っ込むことになるかも…
私は、大人しく捕縛されておくことにした。
(何だかいい匂い。何の香りだろう?)
頭の中枢を刺激されるような匂いを嗅ぎながら、うっとりしている私を抱き締めている彼の腕が強くなったのは気のせいだろう。私の願望と欲望がそうさせたのだと勝手に自己完結した。
でも、あんまり気持ち良かったのと、昨夜あまり睡眠が取れていなかったのとで、彼の腕の中で爆睡してしまった。
「君は危機管理が出来ていないね。こんな状態で男の腕の中で眠るなんて、呆れるよホント」
彼が何か呟いていたが聞かなかった事にした。
☆☆☆☆☆☆☆
目が覚めると自室の寝台の中だった。
「不味い、寝てしまった。また揶揄われる」
何たる失態を犯したのだろう。又もや彼に付け入る隙を与えてしまった。
サイドテーブルにメッセージカードが置いてあり
『明日、又来ます』
と書かれていた。
ーーー明日も来るのーっ!
と思い悩んでも仕方がないので、取り敢えず夕食を食べに食堂に行くことにした。
(今日の夕食は何かな?)
等と呑気に考えていた私を次の日後悔する事になるのだった。
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