前職キャバ嬢、異世界に来たら悪女になっていた。あんまり変わらないのかな？

怒れる継母

娘の事をホルスタイン呼ばわりしたら、顔がどんどん鬼のようになっていった。

わあ、こわ～い。


「こ、この娘え～～！！」



「んまあ、お父様。お母様がすっごく怖い顔しておられます。何だか鬼の様で恐ろしいですわ。どうしましょう、お父様…。」



継母の隣にいた父親の腕を可愛く掴み上目使いで怖がってみる。


「…。うん。おい、お前。もう止めておけ。」


「何よ！！あなたまで！！ルーシアが豚だの牛だの言われたのよ！！これが黙っていられますか！！」


「きゃっ、お父様このようなお母様と一緒ではデイビット様とのお見合いで何をしでかすか分かりませんよ。
私とお父様だけで参りましょう？
ほら、あんなにいきり立って現れたら先方も怖がりますよ。」



うるうるした瞳でお願いする。

ホルスタイン親子がいると何か面倒になりそうだから一番権力のある人にお願いする。

これ鉄則でしょ。



「うむ…。そうかもしれないな。お前たちは留守にしていろ。
私とエレノアだけで顔合わせに行ってくる。」


「あ、あなた！何故ですか！！わたくしだってデイビット様にご挨拶させていただく話でしたでしょう？
そんな小汚い女に惑わされるなんて！！」


「やだ、お母様興奮しすぎじゃありません？
お父様こんな状態のお母様お見せしたらお家の格が下がりますわ。
お母様の言葉遣いの方がよっぽど汚いですし…。
お母様の為にも私たちだけで参りましょう。」




「そうするか。お前は休んでおけ。話はつけておくからな。」




「そうそう、お休みになられた方がよろしいわ。では、お母様ごきげんよう。」



「そ、そんな…。」


ばあか。

喧嘩は熱くなった方が負けって知らないの？

女の戦い方くらいその歳になったら分かるでしょ。

舐めてかかってくるからそうなるんや。おっと、ダメダメ。また関西弁が出てきちゃった。



あのホルスタイン親子がお見合いに付いてきたら、私に不利益なこと相手に吹き込むに決まってる。


今までも色々嘘ついて回ってたみたいだし、絶対嫌がらせ仕込まれるって分かってるんだから。


ここは潰しておいて正解だった。


やられたらやり返す。

夜の世界では当たり前でしょ。


これくらいしたたかじゃないとやってられないっつーの。