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第2章
第3話 接近?
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「急に集まってって、何かあったの?」
ぬいぐるみを抱いた優子が小走りにやってくる。
真面目に走っていたようで、額には少し汗をかいていた。
汗だくで風邪を引かれても困るので、汗拭き用のタオルを出していると、シーホも近寄ってきた。
「何かあったんですか?」
「とりあえず2人共、汗を拭いて水分補給をしよう。話はそれからで大丈夫だからね。」
2人の前に、洗濯済みのタオルと水の入ったボトルを出し、その間に俺も準備を進める。
「こんな綺麗な布を体拭きに使うのも、冷たい水の入ったこの入れ物も、何度見ても慣れません…」
シーホは、相変わらずタオルとペットボトルに驚いているが、まだ暫くは一緒に生活することになるんだから、そろそろ慣れて欲しいものだ。
「そうだ、ついでだから服も着替えちゃうよ。適当に服出してー。」
「ここで着替える気かよ…ちょっと待ってろ…」
俺以外に異性がいないとはいっても、女の子が外で着替えるのはダメだろう…
そう、俺の精神衛生的にも…
前の戦闘でボロボロになってしまったテーブルを、ストレージリングの中で解体して、その天板を地面に置くことで、簡易の板間を作り出し、他の家具が土で汚れるのを防ぎつつ、家感を演出する。
2枚のテーブル天板を繋げただけの板間上に、椅子と無事だった別のテーブルを出し、その三方を囲むように、目隠しと盾の代わりに本棚を配置していく。
これで、いざって時も大丈夫だと思うけど、周りを囲ったせいで少し暗くなってしまった…
「優子の着替えはこれね。シーホのはさっき出した荷物以外無いから、優子の借りるなり何なりしてくれ。」
優子の着替えを入れたキャリーケースをテーブルの上に出し、俺は囲いの外に出ると、少し囲いから離れて反応のあった方向を見る…
(ナビさん、相手に動きは?)
『回答提示。多少移動していますが、こちらに接近する様子はありません。』
近づいてきてはいないか…
まだ視認距離にもなっていない為、相手の種族も分からないのは、良いのか悪いのか分からないな…
「着替え終わったよー。」
「お、お待たせしました。」
着替えが終わったらしいので、囲いの中に戻ると、ショートのワンピースとジーンズで服装を揃えた2人が居た。
「どう?シーちゃんと揃えてみたよ。」
「どうと言われても…」
服に興味は無いし、2人共服のサイズが微妙に合ってないので、少しだけ変わった格好だなとしか…
「もー、そこは似合ってるって言うものなんだよ?」
「…知らん。服なんて着れれば一緒だろうが。それよりも…」
汗も引いて落ち着いた2人と、テーブルに着いてナビさんからの情報を共有していく。
「…てことで、反応を感じたんだ。
敵かどうかはまだ分からないし、近づいてくる確証もないけどね。
今は遠すぎて、数も種類も分からない状態だけど、警戒しておいて損はないと俺は思ってる。
何か意見があったら言って欲しい。」
「ぼんの良いようにしていいよ。私には遠くの反応とか分からないからね。」
「はい、私もそれでいいです。」
実に軽い反応だが、まぁいいか…
「それじゃ…今日は、このままここで過ごすことにするから、欲しいものがあったら言って…」
「はいはい!チョコ食べたい!」
食い気味にしろまが手をあげる。
こいつ食ってばかりだな…消化器官とかどうなってんだ?
「お菓子も出すけど…俺が言ったのはそう言うことじゃ…ま、いいか…」
出来るだけ寛げるように、テーブルと椅子を収納し、床の上にはラグを敷いてソファを2つ、荷物を置けるようにサイドテーブル代わりの収納ボックスを人数分出しておく。
明かりとして、小さなランタンを部屋の端に複数配置し、お菓子と飲み物をサイドテーブルに出すと、さっそくしろまがチョコの包みを開けて食べ始めた。
食い意地の張ったぬいぐるみだ…
優子とぬいぐるみ達が1つのソファに座り、もう一つにシーホが座る。
俺は…シーホの横に座るのも微妙なため、もう1つ椅子を出そうとしていたが、シーホがいきなり声を上げた。
「あ、あの!ここ空いてます!」
「…いきなりどうした?別に椅子出すから大丈…」
「空いてます!」
妙な迫力があったため、大人しくシーホの横に座ることにしたのだが…
正直気まずい…
「あの!私やっぱり思ったんです!」
「は、はい…?なんだ急に…?」
シーホは、俺に詰め寄るように身を寄せて、手を握ってきた。
近いって…
「ボンさん!やっぱり私を家族にして下さい!」
…
…
またか…事あるごと話題にしてくるが、日本人には重婚はハードルが高い…
だから断ってるし俺から近づかないようにしていたんだが…
「何度も言ってるように俺は…」
「異世界の人なのは前に聞きました。だけど、私なりに考えたんです。ちゃんとマメさんにも相談しました!」
優子の方に顔を向けると、呑気にぬいぐるみとお菓子を食べている…
俺が見ていることに気づいた優子は、ニコリと微笑むだけ…
その顔はどっちなのよ…?
「ボンさん!聞いてください!」
「は、はい!」
もう…魔物がきてくれた方がましだよ…
ぬいぐるみを抱いた優子が小走りにやってくる。
真面目に走っていたようで、額には少し汗をかいていた。
汗だくで風邪を引かれても困るので、汗拭き用のタオルを出していると、シーホも近寄ってきた。
「何かあったんですか?」
「とりあえず2人共、汗を拭いて水分補給をしよう。話はそれからで大丈夫だからね。」
2人の前に、洗濯済みのタオルと水の入ったボトルを出し、その間に俺も準備を進める。
「こんな綺麗な布を体拭きに使うのも、冷たい水の入ったこの入れ物も、何度見ても慣れません…」
シーホは、相変わらずタオルとペットボトルに驚いているが、まだ暫くは一緒に生活することになるんだから、そろそろ慣れて欲しいものだ。
「そうだ、ついでだから服も着替えちゃうよ。適当に服出してー。」
「ここで着替える気かよ…ちょっと待ってろ…」
俺以外に異性がいないとはいっても、女の子が外で着替えるのはダメだろう…
そう、俺の精神衛生的にも…
前の戦闘でボロボロになってしまったテーブルを、ストレージリングの中で解体して、その天板を地面に置くことで、簡易の板間を作り出し、他の家具が土で汚れるのを防ぎつつ、家感を演出する。
2枚のテーブル天板を繋げただけの板間上に、椅子と無事だった別のテーブルを出し、その三方を囲むように、目隠しと盾の代わりに本棚を配置していく。
これで、いざって時も大丈夫だと思うけど、周りを囲ったせいで少し暗くなってしまった…
「優子の着替えはこれね。シーホのはさっき出した荷物以外無いから、優子の借りるなり何なりしてくれ。」
優子の着替えを入れたキャリーケースをテーブルの上に出し、俺は囲いの外に出ると、少し囲いから離れて反応のあった方向を見る…
(ナビさん、相手に動きは?)
『回答提示。多少移動していますが、こちらに接近する様子はありません。』
近づいてきてはいないか…
まだ視認距離にもなっていない為、相手の種族も分からないのは、良いのか悪いのか分からないな…
「着替え終わったよー。」
「お、お待たせしました。」
着替えが終わったらしいので、囲いの中に戻ると、ショートのワンピースとジーンズで服装を揃えた2人が居た。
「どう?シーちゃんと揃えてみたよ。」
「どうと言われても…」
服に興味は無いし、2人共服のサイズが微妙に合ってないので、少しだけ変わった格好だなとしか…
「もー、そこは似合ってるって言うものなんだよ?」
「…知らん。服なんて着れれば一緒だろうが。それよりも…」
汗も引いて落ち着いた2人と、テーブルに着いてナビさんからの情報を共有していく。
「…てことで、反応を感じたんだ。
敵かどうかはまだ分からないし、近づいてくる確証もないけどね。
今は遠すぎて、数も種類も分からない状態だけど、警戒しておいて損はないと俺は思ってる。
何か意見があったら言って欲しい。」
「ぼんの良いようにしていいよ。私には遠くの反応とか分からないからね。」
「はい、私もそれでいいです。」
実に軽い反応だが、まぁいいか…
「それじゃ…今日は、このままここで過ごすことにするから、欲しいものがあったら言って…」
「はいはい!チョコ食べたい!」
食い気味にしろまが手をあげる。
こいつ食ってばかりだな…消化器官とかどうなってんだ?
「お菓子も出すけど…俺が言ったのはそう言うことじゃ…ま、いいか…」
出来るだけ寛げるように、テーブルと椅子を収納し、床の上にはラグを敷いてソファを2つ、荷物を置けるようにサイドテーブル代わりの収納ボックスを人数分出しておく。
明かりとして、小さなランタンを部屋の端に複数配置し、お菓子と飲み物をサイドテーブルに出すと、さっそくしろまがチョコの包みを開けて食べ始めた。
食い意地の張ったぬいぐるみだ…
優子とぬいぐるみ達が1つのソファに座り、もう一つにシーホが座る。
俺は…シーホの横に座るのも微妙なため、もう1つ椅子を出そうとしていたが、シーホがいきなり声を上げた。
「あ、あの!ここ空いてます!」
「…いきなりどうした?別に椅子出すから大丈…」
「空いてます!」
妙な迫力があったため、大人しくシーホの横に座ることにしたのだが…
正直気まずい…
「あの!私やっぱり思ったんです!」
「は、はい…?なんだ急に…?」
シーホは、俺に詰め寄るように身を寄せて、手を握ってきた。
近いって…
「ボンさん!やっぱり私を家族にして下さい!」
…
…
またか…事あるごと話題にしてくるが、日本人には重婚はハードルが高い…
だから断ってるし俺から近づかないようにしていたんだが…
「何度も言ってるように俺は…」
「異世界の人なのは前に聞きました。だけど、私なりに考えたんです。ちゃんとマメさんにも相談しました!」
優子の方に顔を向けると、呑気にぬいぐるみとお菓子を食べている…
俺が見ていることに気づいた優子は、ニコリと微笑むだけ…
その顔はどっちなのよ…?
「ボンさん!聞いてください!」
「は、はい!」
もう…魔物がきてくれた方がましだよ…
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