夫婦で異世界放浪記

片桐 零

文字の大きさ
65 / 100
第2章

第4話 いつバレた?

しおりを挟む
「だから、私ならボンさん達の役に立つと思うんです!」

「はぁ…」

シーホの言い分はこうだ…
異世界人である俺や優子マメとは違い、こちらの世界で暮らしてきた彼女なら、ある程度の常識を備えている。
大きな街にも何回か行ったことがあるし、これからの旅でも力になれるはずだと…

…この世界のことは、ナビさんに聞けば問題ないんだよね…
確かに、細かいことを一々ナビさんに聞くのは大変かもしれないけど、何回か街に行ったことがある程度のシーホも、そこまで知識があるとは思えない…
行ったことのない街じゃ、それこそ俺達と殆ど変わらないと思うしね。

「それに…他に知られると色々ありそうな事も知っちゃいましたし…」

ストレージリングや、地球から持ってきた色々なモノの事だろう…か?
今のところ、出来るだけ痕跡を残さないようにしてきているし、仮にシーホが喋ったところで、モノも無い状態で口頭説明したんじゃ、まず信じてもらえないだろう…
シーホがうまく説明できるとも思えないが…

「…それは脅しか?」

「え?いやそんなつもりは…」

…あれ?なんでショック受けた感じになってるんだ?
脅しじゃ無いなら、何のつもりで…

「シーちゃん、それじゃぼんは分からないって言ったでしょ?」

急に優子マメが入ってきた。
しろま達とお菓子食ってたくせに、何を言いだすんだ…
しかも、どうしてシーホ側なんだ?

「おい優子マメ…何か知ってるなら教えろよ。…てか、なんでそっち側で喋っているんだ?」

「なんでって…だってシーちゃん可愛いし?」

「あのなぁ…そんな理由で決めていい事じゃ無いだろうが…」

優子マメの軽さに、少し呆れと怒りが湧いてくる…事の深刻さが分かっていると思えない…
仮に、あくまで仮にだが…俺がOKしたらどうするつもりなんだ?

…いや、しないよ?しないけども…


「ほら、シーちゃんもちゃんと言おう?ね。」

「は、はい!ボンさん!私を2人の妹にして下さい!」

…は?

「…は?…い、妹?…いやいやいやいや、俺らとシーホじゃ、誰がどう見ても兄妹や姉妹には見えないだろうが…」

黒髪で見るからに東洋人な2人と、金髪で彫りの深い西洋風の顔立ちのシーホが兄妹?
ちょっとどころじゃないレベルで無理が過ぎるってものだだろう…

「妹とか無理が…って、それ以前に妹って…なんでそんな話になったんだ?」

「ぼんは頭が硬いなー。…一緒に暮らすなら家族だってしておいた方が都合がいいでしょ?
だけど、子供には年齢が近すぎるから妹はどうかなって言ったの。
それがダメってなると…シーちゃんとも結婚するつもりなのかな?」

優子マメの声のトーンが気持ち下がった気がした…
そもそもの選択肢がおかしいのに、なんで俺が責められている感じになるんだ?
元々俺は、シーホとは次の街で別れるつもりだったのに…どうして嫁だの妹だのって話になるのか分からない…

「さっきシーホにも言ったが、俺にその気は無い。なんでその2択しかないのか分からんが、シーホと一緒に行くのは、次の街までじゃダメなのか?」

「ダメ。まだ14だよ?」

シーホの年齢が気になるのか?
それだけなら、地球とじゃ成人年齢が違うから理由にはならない。
ここは日本じゃないんだしな。

「こっちの世界だと、15で成人なのは優子マメも知ってるだろ?だから14ならもう大人みたいなも…」

「ダメ。15で大人なら、それまでは子供でしょ?大人が一緒じゃないとダメだよ。」

「いやいや、何のために慣れない訓練なんかしてると思ってるんだよ。何もせずに放り出すわけじゃ無いんだぞ?」

そう、効率だけを求めるなら、優子マメにある程度動けるくらいの体力をつけてもらい、後は俺が戦えるよう色々試すのが一番良いし、何より楽だ。
わざわざナビさんに聞いて、シーホの魔法特性に合わせた訓練メニューを作っているのは、テンプレかもしれないが、俺たちと別れた後、冒険者なりになって生き残っていけるようにと思ったからだ…

「何日か訓練したくらいじゃ、大して意味なんてないでしょ?」

「…そりゃ…そうかもしれないが…」

「ね?だったら、シーちゃんが1人で生きられるよう…少なくとも成人するまでは、一緒にいてあげるべきなんだよ。」

…なんでそこまで肩入れしてるのか分からないが、どうするか決まってるのなら、この会話無意味じゃね?

「…もう、勝手にしたらいいんじゃないかな…」

「やた。シーちゃんが妹になった。これからは私がお姉さんだね。」

「は、はい!よろしくお願いします!えっと…お姉様?」

「うはー!」

優子マメは、シーホに抱きついて撫で回している…
別にいいんだけど、2人掛けのソファに3人は狭いしうざい…
俺がしろま達の方に行くかと立ち上がり、一歩踏み出したタイミングで、シーホに声をかけられた…

「あの、これからよろしくです。…にいさん…」

おうふ…
危うく腰砕けになりかけてしまった…
後ろを振り返ると、まっすぐこっちを見ているシーホと、それに抱きついてニヤニヤしてこちらを見ている優子マメが見えた…

どうして分かったのかは…怖いから聞かないでおこう…

シーホの誕生日…後で確認しておくか…
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

巻き込まれた薬師の日常

白髭
ファンタジー
神に選ばれ、魔素の循環する界へと送り込まれたのは――現代の薬師。 剣も魔法も扱えない彼が憑依したのは、戦闘力ゼロの商人見習いの少年だった。 彼の武器は、知識と経験。商品を生み出し、人脈を築き、産業を広げていく。 「居場所を見つけたい」その願いが、やがて世界を変える力となる。 これは、一人の薬師が紡ぐ研究と開発、そして成長の物語。 【カクヨムでも掲載しています】 表紙は紹介文をもとに、ai【adobe firefly】で作成したものです。(参考程度に……)

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化! 転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

処理中です...