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第2章
第22話 荷馬車
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さて、テッテリードはここに放置して行くことが確定したが、もう1つ確認しなきゃいけないことが残っている。
(ナビさん、あの荷馬車の荷物を持って行ったら、バレるもんなのか?)
『回答提示。嗜好性の高い物品を除き、各物品の個体識別は不可能なため、それらを除けば問題ありません。』
嗜好性が高い物ってことは、酒とかタバコなんかの嗜好品のことだろうか?
…その辺は、身内でひっそりと楽しむ分にすれば大丈夫だろう。
盗品扱いにされるなら持って行くのは諦めようかと思ったが、見分けがつかないなら迷惑料代わりに貰って行っても大丈夫そうだしな。
「それじゃ、貰えるもの貰ったら、魔樹のところに戻ろうか。」
俺らは盗賊じゃないが、ただの慈善家って訳でもない。
テッテリードが、自分で謝礼がわりに好きなものを持って行って良いって言ったんだから、何も問題はないさ。
きっちり貰えるものは、容赦なく貰っておかないとね。
「何?貰えるものって。」
「テッテリードが言ってたろ?好きなもの持って行っていいって。
だからアレを見てこようと思ってね。」
「うわー…」
優子の非難じみたジト目を受けてしまったが、これは譲ることは出来ない。
「なんだよ?もし気になるなら、手をつけないのは自由だし、別に強制はしないよ。
でも、俺は貰っていくけどな。」
綺麗事だけで生きていけるほど、こっちは甘い世界じゃないだろうし。
何より、ここに物資を残すことで、テッテリードの生存確率を増やす必要も無いからね。
「はぁ…止めないけど、やり過ぎないようにね?」
「はいはい。それじゃこの辺で少し待ってて。ちょっと見てくるから。」
優子達に背を向けて、無事だった荷馬車の内、布製の幌がかけられた方に近寄り、中を見るために幌をめくり上げる。
…と、中には封をされた大量の木箱や、樽。
何か分からない木の枝や布地の束。
何が入っているか分からない布や革の袋なんかが、整然と積み上げられていた。
もう1台も同じような感じだろうか?
想像以上に物が多くて、若干面倒になって来た…
「…どれだけあるんだよ…」
「うん、結構多いね。」
「うおっ!…って、優子か…脅かすなよ。」
大量の荷物を前に、中身の確認に時間がかかりそうで少しウンザリしていると、後ろから声をかけられて驚いた。
てっきり、優子はシーホと一緒に居て、こちらにはこないと思って居たからだ。
「ん?何を驚いているの?」
「いや、来ないと思っていたからな…いいのか?」
優子は、こういうことは嫌がると思っていた。
日本で暮らしていた時も、俺を止めるのは優子の役目だったし、よくやり過ぎだと怒られたからね…
だから気になって聞いて見たのだが…
「シーちゃんには、しろま達について貰ってるから大丈夫だよ。」
「いや、そうじゃなくて…」
微妙に話が噛み合わない…
ま、いいか…優子も色々考えているんだろうからね。
「ま、いいか…それならこっちの荷馬車の確認を頼むよ。俺はもう1台を見てくるから。」
「ん。」
布幌の荷馬車を優子に任せて、俺はもう1台の壁も木で出来ている方に向かう事にした。
もう1台の荷馬車は、布幌に比べると少しだけ大きく感じるものだった。
そして近づいて行くうちに、ある事が気になってしまう…
「…なんだ、この臭い…」
鼻をつく排泄物の様な嫌な臭い…それが、荷馬車の方から臭って来ている。
ナビさんから警告がないから大丈夫だとは思うが、いったいテッテリードは何を運んでいたんだ?
(ナビさん、あの中に何がいるのか分かるか?)
『回答提示。視認できないため不明。生体反応は17が確認できています。』
見ないと分からないんだったな…
しかし、結構な数がいるようだし、開けた瞬間襲われるとかないよな?
(ナビさん、荷馬車ごとストレージリングに収納して、中の奴が安全なら出すって出来るんだよな?)
『回答提示。可能です。』
それなら…ここは安全策をとって、収納してしまうべきだな。
それに、生き物をストレージリングに収納して、本当に大丈夫なのかの実験にもなる…
そうだな、いきなり人間で試すわけにもいかないからな、よし。
気合いを入れて荷馬車近づいて行くが、距離が近づくにつれて、どんどんと臭いもキツくなっていく…
「おえ…凄まじ…うえ…」
鼻をつまんでも、我慢出来ないくらいの強烈な臭いに、吐き気が込み上げてきてしまい、これ以上近寄ることができない…
例えるなら、そんな状況になったことはないけど、きちんと掃除のされていない公衆トイレの個室に、浮浪者と一緒に押し込められた感じだ…
宿屋で封印した、あの桶より何倍もヤバい臭いがしている気がする…
本当に、こんな臭いの中に何か生き物がいるのか?
(ナビさん、あの荷馬車の荷物を持って行ったら、バレるもんなのか?)
『回答提示。嗜好性の高い物品を除き、各物品の個体識別は不可能なため、それらを除けば問題ありません。』
嗜好性が高い物ってことは、酒とかタバコなんかの嗜好品のことだろうか?
…その辺は、身内でひっそりと楽しむ分にすれば大丈夫だろう。
盗品扱いにされるなら持って行くのは諦めようかと思ったが、見分けがつかないなら迷惑料代わりに貰って行っても大丈夫そうだしな。
「それじゃ、貰えるもの貰ったら、魔樹のところに戻ろうか。」
俺らは盗賊じゃないが、ただの慈善家って訳でもない。
テッテリードが、自分で謝礼がわりに好きなものを持って行って良いって言ったんだから、何も問題はないさ。
きっちり貰えるものは、容赦なく貰っておかないとね。
「何?貰えるものって。」
「テッテリードが言ってたろ?好きなもの持って行っていいって。
だからアレを見てこようと思ってね。」
「うわー…」
優子の非難じみたジト目を受けてしまったが、これは譲ることは出来ない。
「なんだよ?もし気になるなら、手をつけないのは自由だし、別に強制はしないよ。
でも、俺は貰っていくけどな。」
綺麗事だけで生きていけるほど、こっちは甘い世界じゃないだろうし。
何より、ここに物資を残すことで、テッテリードの生存確率を増やす必要も無いからね。
「はぁ…止めないけど、やり過ぎないようにね?」
「はいはい。それじゃこの辺で少し待ってて。ちょっと見てくるから。」
優子達に背を向けて、無事だった荷馬車の内、布製の幌がかけられた方に近寄り、中を見るために幌をめくり上げる。
…と、中には封をされた大量の木箱や、樽。
何か分からない木の枝や布地の束。
何が入っているか分からない布や革の袋なんかが、整然と積み上げられていた。
もう1台も同じような感じだろうか?
想像以上に物が多くて、若干面倒になって来た…
「…どれだけあるんだよ…」
「うん、結構多いね。」
「うおっ!…って、優子か…脅かすなよ。」
大量の荷物を前に、中身の確認に時間がかかりそうで少しウンザリしていると、後ろから声をかけられて驚いた。
てっきり、優子はシーホと一緒に居て、こちらにはこないと思って居たからだ。
「ん?何を驚いているの?」
「いや、来ないと思っていたからな…いいのか?」
優子は、こういうことは嫌がると思っていた。
日本で暮らしていた時も、俺を止めるのは優子の役目だったし、よくやり過ぎだと怒られたからね…
だから気になって聞いて見たのだが…
「シーちゃんには、しろま達について貰ってるから大丈夫だよ。」
「いや、そうじゃなくて…」
微妙に話が噛み合わない…
ま、いいか…優子も色々考えているんだろうからね。
「ま、いいか…それならこっちの荷馬車の確認を頼むよ。俺はもう1台を見てくるから。」
「ん。」
布幌の荷馬車を優子に任せて、俺はもう1台の壁も木で出来ている方に向かう事にした。
もう1台の荷馬車は、布幌に比べると少しだけ大きく感じるものだった。
そして近づいて行くうちに、ある事が気になってしまう…
「…なんだ、この臭い…」
鼻をつく排泄物の様な嫌な臭い…それが、荷馬車の方から臭って来ている。
ナビさんから警告がないから大丈夫だとは思うが、いったいテッテリードは何を運んでいたんだ?
(ナビさん、あの中に何がいるのか分かるか?)
『回答提示。視認できないため不明。生体反応は17が確認できています。』
見ないと分からないんだったな…
しかし、結構な数がいるようだし、開けた瞬間襲われるとかないよな?
(ナビさん、荷馬車ごとストレージリングに収納して、中の奴が安全なら出すって出来るんだよな?)
『回答提示。可能です。』
それなら…ここは安全策をとって、収納してしまうべきだな。
それに、生き物をストレージリングに収納して、本当に大丈夫なのかの実験にもなる…
そうだな、いきなり人間で試すわけにもいかないからな、よし。
気合いを入れて荷馬車近づいて行くが、距離が近づくにつれて、どんどんと臭いもキツくなっていく…
「おえ…凄まじ…うえ…」
鼻をつまんでも、我慢出来ないくらいの強烈な臭いに、吐き気が込み上げてきてしまい、これ以上近寄ることができない…
例えるなら、そんな状況になったことはないけど、きちんと掃除のされていない公衆トイレの個室に、浮浪者と一緒に押し込められた感じだ…
宿屋で封印した、あの桶より何倍もヤバい臭いがしている気がする…
本当に、こんな臭いの中に何か生き物がいるのか?
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