夫婦で異世界放浪記

片桐 零

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第2章

第24話 起きてきた奴隷達

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「あの…あなたは…?」

最初に目を覚ましたエルフの女が、眩しそうに目を細めながら、俺たちが何者かと聞いてきた。

「俺のことはいい、あんたらは奴隷でいいんだよな?」

「え…はい…」

俺の問いに、エルフは素直に答えてくれた。
しかし、その顔は心底嫌そうに顰められていたが、ナビさんから警戒が出てないってことは、何かしてくるってことはないだろう。
そうじゃ無くても檻の中に居るしね。

「そう警戒しなくてもいい。俺たちは新しい主人でも、商人でもないからな。」

「…では何…」

「ぬーん。なんじゃ?体が軽いぞ?」
「ぐーん。おい、騒ぐとまた鞭を喰らわさ…お?外か?」
「のーん。2人共うるさいんだな…」

髪や髭の色、服装に違いはあるが、殆ど同じ樽のような体型の生き物が、目を覚まして騒ぎ始める。
こっちはなんとかってドワーフだったはずだが、檻の中で爆発頭の樽が動いているのは、かなりシュールな絵面だった。

「他の奴も目を覚まし始めたみたいだな。全員起きてから話を…」

「ぬー?誰じゃお主は?」
「ぐー?ここはどこじゃ?」
「のー?儂らを買ったのかな…?」

「おい、いっぺんに喋るな。今は大人しくしててくれ。いいな?」

ゴネ始められたら面倒だと思っていたが、ドワーフ達は、お互いを見合わせるように動いた後、その場に大人しく座ってくれた。
顔が見えないので表情は分からないけどね。

(ナビさん。奴隷ってよく分からないんだけど、どう扱えばいいんだ?)

『回答提示。奴隷は、正規に取引されるものに、借金奴隷と犯罪奴隷があります。
借金奴隷は、自身が負った負債を返済できなくなり奴隷階級に落ちたもので、買主の命令で労働を行い、年期が開けるか自身の借金額を返済することが出来れば、自由民に戻ることができる奴隷です。
彼らには、生体活動が著しく低下するような重労働を拒否することや、懲罰以外での暴力行為に対して抵抗することが認められています。

犯罪奴隷は、自身の犯した犯罪により、奴隷階級に落ちたもので、借金奴隷と違い、年期が開けるまで自由民に戻る事は出来ません。
犯罪の重度により扱いは違いますが、多くの場合、重労働の拒否権が無く、生体活動に直結しないものであれば、暴力行為に対する抵抗もできません。

違法奴隷は、非正規の奴隷になります。
これは、戦争時に捕虜になり、解放費の支払いのなかったものや、誘拐等の犯罪行為によって奴隷階級に落とされたものが当たります。
元々違法なので、生命を含む全ての権利を買主が保持することになり、基本的に買主が開放することはないため、自由民に戻る事は出来ません。』

ナビさんに聞いて、奴隷とは想像以上に過酷なものなんだと知った。
日本だと、一昔前にブラック企業だの社畜だのって言葉が話題になっていたが、それの比じゃないね…

(ナビさん、この人達はどれなんだ?)

『情報提示。森林人ウッドエルフ兎獣人ラビディアは違法奴隷。山槌人ランドワーフ狼獣人ウルフェンは借金奴隷です。』

エルフやうさ耳のラビディアって獣人が、違法奴隷なのはなんだか納得できてしまった。

こちらの世界の人は、俺から見るとかなり綺麗な顔立ちをしている人が多いのだが、ラビディアも例に漏れずに整った顔立ちをしているのだが、エルフは別格に綺麗な顔立ちをしている。

どれだけ汚れていても、どこか高貴な雰囲気の残っている美しいエルフは、どんな手を使っても手に入れたいと思う奴がいるのも理解できてしまった。

彼女達を性奴隷にしているような作品だって、日本には大量にあったから余計にね…

残りは借金奴隷らしいことも分かり、犯罪者も居ないようだから、どうするかも大体決まったかな。

程なくして、ウルフェンとラビディア達も目を覚ましたので、彼等にも同じように話しかけて座ってもらう。

「全員先ずは確認させてくれ。あんたらは奴隷で間違い無いんだよな?もし違うなら言って欲しい。」

これには誰も声をあげなかった。
ナビさんに聞いていたから知っているのだが、一応嘘をつくような奴が居ないかの確認もしたくてね。

「OK。あと、俺は買主でも売主でもないから、あんたらに何かするつもりはないから安心して欲しい。
俺たちに危害を加えない。俺たちのことを吹聴して回らない。この2つを約束できるなら、このまま解放しても良いと思っているんだけど、そのま…」

俺の言葉を聞いたからなのか、奴隷達がザワザワと声を上げ始めてしまった。

ここで騒ぎ始められても厄介なので、少し大きな声で注意しつつ話を進めることにした。

「はいはい!勝手に喋るんじゃない!!何か聞きたいことがあるなら手を上げてくれ。あんまり時間をかけるつもりはないが、答えられることなら答えてやるから。いいか?分かったら黙ってくれ。」

俺がそう言うと、全員大人しく黙ってくれた。
素直過ぎて気持ちが悪いが、まぁ反抗されるよりはいいだろう。

「よし。それじゃ何か質問はあるか?」

最初に目を覚ましたエルフが手を上げて、恐る恐ると言った感じではあるが、質問してくれた。
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