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第二章:カゲリ
兄ちゃん救出作戦のお知らせ
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目が覚めてしばらく、陰鬱な気分は晴れなかった。夢の中とはいえ、ヒイクと前足を取り合ったのには反吐が出るし、なにより私が帆河瀬穏のことを気にかけていることが気に食わなかった。会ったこともない雌ヒイクを想像で夢にまで見るなど、まるで恋い焦がれているようではないか。
くさくさして、ヒカリが声をかけてくるのも無視した。差し入れられる食べ物だけはきっちりと腹に納めたが、いつものように愛想良く受け取るのではなく、檻の中に落としてもらったものを拾うようにした。ヒカリは、私の体調が良くないとでも思ったのか、カゲリ、カゲリとうるさく呼び立てる。無視した。
そんな調子で、まどろんでは気分の悪い夢を見る日が数日続き、いよいよ眠るのがうっとうしくなってきた。帆河瀬穏を知らないものだから、出てくるたびに姿も声も違うくせに、その幻影は私をお兄さんと呼んで馴れ馴れしいったらないのだ。それに、いつもヒカリから変化するものだから、最近では起きている時でもヒカリが瀬穏に見える気がする。逃げられない檻の中で、ヒイク風情に世話をされる屈辱たるや、もう、読者諸賢にそれを伝える技量を持たないことが大変もどかしい。
心休まらぬ毎日であったが、さらに悪いことに、今度この部屋にシュンタロウが来るらしい。ヒカリ以外の人間に会うかもしれないとなると、やはり不安は大きいもので、そわそわと回し車を回していないと気が済まなくなった。おかげでだいぶ痩せたようである。
「いよいよ明日、シュンタロウが来ます。明日は一日中、おうちで二人です」
ある朝、ヒカリは喜々として私に告げた。だらしなく頬を緩ませてみっともない顔になっている。私は黙々と回し車で走り続けた。ヒカリが部屋を出ていっても、駆けることを止めなかった。思いきり駆けていれば、そのうちなんの拍子か檻から転げ出やしないかと、訳の分からない希望を持って駆けていた。
後から考えればこの時は、自由の欠如と不安な夢に相当参っていたようだ。だから、小さく檻を揺する音が聞こえた時、何者かが私を脅かすために来たのだという直感がした。そして、なにも確かめもせずに牙をむいて檻を揺する前足に飛びかかった。
そこにいたのは氷雲だった。
氷雲がぽーんとひっくり返って、私をおっかなそうに見つめた。信じられないという表情を浮かべ、私と、私の牙がかすった前足を交互に見た。そして、私の目の焦点がいまいち定まらないのを見てとったのか、黒々とした目がさらに大きく見開かれた。
「丈雲兄ちゃん?」
「……お前か。すまない」
氷雲はおずおずと私に近づいた。
「随分痩せたね。大丈夫?」
心配そうな声を聞いて、改めて自分の体を見た。あばらは浮きそうだし、毛並みのつやも悪い。弟に心配されるのも無理からぬ風体である。この数日の気がかりがこれほど身に影響を及ぼしているのに、自分自身で驚いた。つい、ひげの先がしおれたのを見られて、氷雲にまた心配された。
だが、氷雲がまた訪ねてきたことには心が躍った。誰かに話を通して、この檻から私を助け出す算段をしてきたに違いない。勢いきってそのことを切り出すと、氷雲はえへん、と胸を張った。
「実はさ、盤桜さんのところの由実介くんと相談して、兄ちゃん救出作戦のめどが立ったんだ」
これほど弟の成長を頼もしく思ったことがあっただろうか。鼻を高くして得意げにしている氷雲を、今すぐ抱きしめてやりたかった。会議の時は亮雲に風格を感じたが、今度は氷雲まで一匹前になってきたというのは喜ばしいことである。あとは亮雲のようにねじ曲がらずに、このまままっすぐ育ってほしいものだ。
それにしても、亮雲が私を襲った晩から、恐らく秤山家と盤桜家の間柄は険悪になったに違いなかった。以前氷雲が訪ねてきた時に盤桜に相談しろと言えなかったのも、氷雲が盤桜家と関わることで亮雲にことさら目を付けられはしないかと心配だったからである。
「盤桜か。良く頼めたものだ」
私がつぶやくと、氷雲も難しい顔をした。
「うん。なんか、亮雲兄ちゃんが由実介くんともう遊ぶなってうるさく言ってきたから、隠れて相談するの大変だったんだよ」
「危ないことをさせてすまなかったな」
「別に危なくはないけど。僕が誰と遊んだって、亮雲兄ちゃんには関係ないのに」
氷雲は相変わらず、家同士のいさかいや事情についてはにぶかった。だが、とうとうと述べ立てられる亮雲への愚痴を聞く限り、氷雲はとても上手く立ち回ったらしい。
いつまでも子鼠だと思っていたが、こうして見ると氷雲の顔は立派な若鼠だった。
作戦の内容は簡単だった。氷雲が由実介に肩車をしてもらい、かんぬきを持って引くだけだ。誰しも思いついて、簡素かつ確実な方法である。
ただ、問題なのは由実介である。盤桜家の三男である由実介は、非常に線が細く内向的なチュダイだ。氷雲とは仲良くしているようだが、私とはあまり性格が合わず、会うと必ず由実介は挙動不審になる。見ているこっちが不憫になるからあまり話さないようにしているうちに、なんとなく私も苦手に意識するようになった。繊細な由実介にはそのことが伝わってしまうのか、この頃は挙動不審具合が輪をかけてひどい。
その彼が助けに来てくれることについては、嬉しくはあるのだが、若干の不安を感じるのも本音というところで、手放しで喜ぶことが出来なかった。
半笑い半渋りの私の顔を見て作戦を不安がっていると思ったのだろう、氷雲の自信のありそうだった表情が少しずつ曇っていった。逆に氷雲を不安がらせても意味がない。私はひとまず由実介のことは隅に置いておくことにして、話を変えた。
「ところで氷雲、盤桜家に行ったのか」
「うん、行ったよ。本当は由木彦さんに頼もうとしたんだけど、最近ちょっと怖いんだ」
「由木彦はどうでもいい。由依花はどうしていた?」
以前から気になっていたことだった。亮雲に追われる中を、危険を冒してどこかへ消えた彼雌は、いったい、まず家に戻っているかどうかも分からない。もし、亮雲の仲間のごろつきに捕まっていたりしたら、どうなってしまうのか想像もしたくなかった。
だが、そんな私の心配をよそに、氷雲はあっけらかんといった。
「ああ、由依花さんも元気だったよ。遊んでもらった」
「なにか、私のことをいっていたか?」
「うーん? 特になにも聞かなかったと思うよ」
私は拍子抜けして、敷き砂に腰をついた。どうやら無事らしいことは分かったが、まるであの夜のことはなにもなかったかのような調子に、釈然としない気持ちが湧き起こった。
だが、そんなもやもやは、氷雲の次の一言で消し飛んでしまった。
「あのね、由依花さんも今回の作戦に協力してくれるんだ」
「なんと、本当か!」
一瞬で私の心は舞い上がった。そして次の一言で今度は奈落へ突き落とされたのだった。
「うん。由依花さんに会いに来てた、斎栄っていうお兄さんと一緒に作戦を考えたんだ!」
血の気が引くのをこれほど実感できたことはこれまでにない。氷雲が、あのいけすかない斎栄と前足を取り合っているという事実だけで目がくらみそうなのに、ただでさえ胸糞が悪いヒイクの、しかも特別に虫唾が走る斎栄に借りを作ることは、私にとってひげをすべて失うよりも耐えがたかった。
しかし、この機会を逃せば、外からの助けはもはや期待できない。ヒイクに助けられるのか、それとも一生籠の鼠か。およそどちらも選びたくない二択であったが、それはまた選びようのない一択でもあった。ヒカリのことが少しずつ気に入ってきたとはいえ、私はチュダイである。自由に走ることが出来なくて、なにを生きながらえる意味があろうか。ここは涙を飲んででも、栄に頼らざるを得ないのだ。
いや、私は栄に頼るのではない。氷雲に頼るのだ、そう自分にいい聞かせても、失せた血の気が戻るはずもない。真っ白になった頭の中で、楽しげに作戦について語る氷雲の声がわんわんと響いていた。
まともに考えることが出来ないまま、とにかくこの話を終わらせたくて私は口を挟んだ。
「由依花と栄は来るのか」
「もちろん、由依花さんと栄さんは来ないよ。二人は作戦のシキカンとサンボーだからね。ジッコーブタイが僕と由実介くん」
くすくすと笑いながら氷雲がいう。言葉の意味は分かっていなくても、こういった役割を与えられるのが楽しくて仕方がないのだろう。弟がピョンピョンと飛び跳ねる姿を見ているうち、私ももはや半分やけっぱちになってきていた。
「決行はいつだ」
「ケッコーって? 結婚? 由依花さんと栄さんのこと?」
氷雲が無邪気に言った。あまりに馬鹿らしい間違え方を、笑い飛ばそうと空笑いしたが、我慢できなくなって思いきり檻を蹴飛ばした。はしゃいでいた氷雲が一瞬にして固まった。
「冗談でもそういうことを口にするな。金輪際だ」
自分でも恐ろしくなるほどの低いうなり声だった。氷雲は途端に怖気づいて、私のことをまるで初めて見るねずみのように背中からつま先まで見まわした。
「救出作戦は、いつ、やるんだ」
「明日です」
氷雲が消え入りそうな声でいった。
くさくさして、ヒカリが声をかけてくるのも無視した。差し入れられる食べ物だけはきっちりと腹に納めたが、いつものように愛想良く受け取るのではなく、檻の中に落としてもらったものを拾うようにした。ヒカリは、私の体調が良くないとでも思ったのか、カゲリ、カゲリとうるさく呼び立てる。無視した。
そんな調子で、まどろんでは気分の悪い夢を見る日が数日続き、いよいよ眠るのがうっとうしくなってきた。帆河瀬穏を知らないものだから、出てくるたびに姿も声も違うくせに、その幻影は私をお兄さんと呼んで馴れ馴れしいったらないのだ。それに、いつもヒカリから変化するものだから、最近では起きている時でもヒカリが瀬穏に見える気がする。逃げられない檻の中で、ヒイク風情に世話をされる屈辱たるや、もう、読者諸賢にそれを伝える技量を持たないことが大変もどかしい。
心休まらぬ毎日であったが、さらに悪いことに、今度この部屋にシュンタロウが来るらしい。ヒカリ以外の人間に会うかもしれないとなると、やはり不安は大きいもので、そわそわと回し車を回していないと気が済まなくなった。おかげでだいぶ痩せたようである。
「いよいよ明日、シュンタロウが来ます。明日は一日中、おうちで二人です」
ある朝、ヒカリは喜々として私に告げた。だらしなく頬を緩ませてみっともない顔になっている。私は黙々と回し車で走り続けた。ヒカリが部屋を出ていっても、駆けることを止めなかった。思いきり駆けていれば、そのうちなんの拍子か檻から転げ出やしないかと、訳の分からない希望を持って駆けていた。
後から考えればこの時は、自由の欠如と不安な夢に相当参っていたようだ。だから、小さく檻を揺する音が聞こえた時、何者かが私を脅かすために来たのだという直感がした。そして、なにも確かめもせずに牙をむいて檻を揺する前足に飛びかかった。
そこにいたのは氷雲だった。
氷雲がぽーんとひっくり返って、私をおっかなそうに見つめた。信じられないという表情を浮かべ、私と、私の牙がかすった前足を交互に見た。そして、私の目の焦点がいまいち定まらないのを見てとったのか、黒々とした目がさらに大きく見開かれた。
「丈雲兄ちゃん?」
「……お前か。すまない」
氷雲はおずおずと私に近づいた。
「随分痩せたね。大丈夫?」
心配そうな声を聞いて、改めて自分の体を見た。あばらは浮きそうだし、毛並みのつやも悪い。弟に心配されるのも無理からぬ風体である。この数日の気がかりがこれほど身に影響を及ぼしているのに、自分自身で驚いた。つい、ひげの先がしおれたのを見られて、氷雲にまた心配された。
だが、氷雲がまた訪ねてきたことには心が躍った。誰かに話を通して、この檻から私を助け出す算段をしてきたに違いない。勢いきってそのことを切り出すと、氷雲はえへん、と胸を張った。
「実はさ、盤桜さんのところの由実介くんと相談して、兄ちゃん救出作戦のめどが立ったんだ」
これほど弟の成長を頼もしく思ったことがあっただろうか。鼻を高くして得意げにしている氷雲を、今すぐ抱きしめてやりたかった。会議の時は亮雲に風格を感じたが、今度は氷雲まで一匹前になってきたというのは喜ばしいことである。あとは亮雲のようにねじ曲がらずに、このまままっすぐ育ってほしいものだ。
それにしても、亮雲が私を襲った晩から、恐らく秤山家と盤桜家の間柄は険悪になったに違いなかった。以前氷雲が訪ねてきた時に盤桜に相談しろと言えなかったのも、氷雲が盤桜家と関わることで亮雲にことさら目を付けられはしないかと心配だったからである。
「盤桜か。良く頼めたものだ」
私がつぶやくと、氷雲も難しい顔をした。
「うん。なんか、亮雲兄ちゃんが由実介くんともう遊ぶなってうるさく言ってきたから、隠れて相談するの大変だったんだよ」
「危ないことをさせてすまなかったな」
「別に危なくはないけど。僕が誰と遊んだって、亮雲兄ちゃんには関係ないのに」
氷雲は相変わらず、家同士のいさかいや事情についてはにぶかった。だが、とうとうと述べ立てられる亮雲への愚痴を聞く限り、氷雲はとても上手く立ち回ったらしい。
いつまでも子鼠だと思っていたが、こうして見ると氷雲の顔は立派な若鼠だった。
作戦の内容は簡単だった。氷雲が由実介に肩車をしてもらい、かんぬきを持って引くだけだ。誰しも思いついて、簡素かつ確実な方法である。
ただ、問題なのは由実介である。盤桜家の三男である由実介は、非常に線が細く内向的なチュダイだ。氷雲とは仲良くしているようだが、私とはあまり性格が合わず、会うと必ず由実介は挙動不審になる。見ているこっちが不憫になるからあまり話さないようにしているうちに、なんとなく私も苦手に意識するようになった。繊細な由実介にはそのことが伝わってしまうのか、この頃は挙動不審具合が輪をかけてひどい。
その彼が助けに来てくれることについては、嬉しくはあるのだが、若干の不安を感じるのも本音というところで、手放しで喜ぶことが出来なかった。
半笑い半渋りの私の顔を見て作戦を不安がっていると思ったのだろう、氷雲の自信のありそうだった表情が少しずつ曇っていった。逆に氷雲を不安がらせても意味がない。私はひとまず由実介のことは隅に置いておくことにして、話を変えた。
「ところで氷雲、盤桜家に行ったのか」
「うん、行ったよ。本当は由木彦さんに頼もうとしたんだけど、最近ちょっと怖いんだ」
「由木彦はどうでもいい。由依花はどうしていた?」
以前から気になっていたことだった。亮雲に追われる中を、危険を冒してどこかへ消えた彼雌は、いったい、まず家に戻っているかどうかも分からない。もし、亮雲の仲間のごろつきに捕まっていたりしたら、どうなってしまうのか想像もしたくなかった。
だが、そんな私の心配をよそに、氷雲はあっけらかんといった。
「ああ、由依花さんも元気だったよ。遊んでもらった」
「なにか、私のことをいっていたか?」
「うーん? 特になにも聞かなかったと思うよ」
私は拍子抜けして、敷き砂に腰をついた。どうやら無事らしいことは分かったが、まるであの夜のことはなにもなかったかのような調子に、釈然としない気持ちが湧き起こった。
だが、そんなもやもやは、氷雲の次の一言で消し飛んでしまった。
「あのね、由依花さんも今回の作戦に協力してくれるんだ」
「なんと、本当か!」
一瞬で私の心は舞い上がった。そして次の一言で今度は奈落へ突き落とされたのだった。
「うん。由依花さんに会いに来てた、斎栄っていうお兄さんと一緒に作戦を考えたんだ!」
血の気が引くのをこれほど実感できたことはこれまでにない。氷雲が、あのいけすかない斎栄と前足を取り合っているという事実だけで目がくらみそうなのに、ただでさえ胸糞が悪いヒイクの、しかも特別に虫唾が走る斎栄に借りを作ることは、私にとってひげをすべて失うよりも耐えがたかった。
しかし、この機会を逃せば、外からの助けはもはや期待できない。ヒイクに助けられるのか、それとも一生籠の鼠か。およそどちらも選びたくない二択であったが、それはまた選びようのない一択でもあった。ヒカリのことが少しずつ気に入ってきたとはいえ、私はチュダイである。自由に走ることが出来なくて、なにを生きながらえる意味があろうか。ここは涙を飲んででも、栄に頼らざるを得ないのだ。
いや、私は栄に頼るのではない。氷雲に頼るのだ、そう自分にいい聞かせても、失せた血の気が戻るはずもない。真っ白になった頭の中で、楽しげに作戦について語る氷雲の声がわんわんと響いていた。
まともに考えることが出来ないまま、とにかくこの話を終わらせたくて私は口を挟んだ。
「由依花と栄は来るのか」
「もちろん、由依花さんと栄さんは来ないよ。二人は作戦のシキカンとサンボーだからね。ジッコーブタイが僕と由実介くん」
くすくすと笑いながら氷雲がいう。言葉の意味は分かっていなくても、こういった役割を与えられるのが楽しくて仕方がないのだろう。弟がピョンピョンと飛び跳ねる姿を見ているうち、私ももはや半分やけっぱちになってきていた。
「決行はいつだ」
「ケッコーって? 結婚? 由依花さんと栄さんのこと?」
氷雲が無邪気に言った。あまりに馬鹿らしい間違え方を、笑い飛ばそうと空笑いしたが、我慢できなくなって思いきり檻を蹴飛ばした。はしゃいでいた氷雲が一瞬にして固まった。
「冗談でもそういうことを口にするな。金輪際だ」
自分でも恐ろしくなるほどの低いうなり声だった。氷雲は途端に怖気づいて、私のことをまるで初めて見るねずみのように背中からつま先まで見まわした。
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