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【side:伊織】変わりゆく関係と夏休みの予定。
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『もしもし』
感情の判断できない声がスピーカーから聞こえる。3人で会話できるようにスピーカーモードにしたようだ。
「「羽琉」」
ふたりの声が重なると羽琉の笑い声が聞こえて来たせいで、笑うことができるのだと少し嬉しくなる。最後に羽琉の笑顔を見たのはいつだったのか。
以前は燈哉相手に可愛い笑顔を見せていたのに、燈哉に笑いかけることがなくなってどれくらい経ったのだろう。
作り笑顔ではない本当の笑顔が見たいと思ってしまう。
「何かおかしかった?」
羽琉の声が聞きたくてとりあえず質問の体を取り次の言葉を待つ。
『ちゃんと話すの、久しぶりだから嬉しい。
ごめんなさい。
ふたりが僕のこと気にしてくれてるの知ってて燈哉を選んで…』
「選んだんじゃ無くて選ばされたんだろ?」
僕が返す言葉を迷っていると政文が話し出す。
「燈哉のマーキング、あれ何?
羽琉、入院するのあれのせいなのか?」
聞きにくいことを平気で口にする政文の声は苛立っていて、僕と政文の好きの違いがますます分からなくなって戸惑うけれど、次に出てきた羽琉の言葉でそんなことはどうでも良くなってしまった。
『………入院するのは栄養失調』
本当の理由が栄養失調なのかどうかはどうでも良くて、恥ずかしそうにそう言った羽琉の声が少し明るくて安心する。そして、その声を曇らせたくなくて「「羽琉の馬鹿」」と苦笑いを漏らした僕たちの声が重なる。
「お見舞いって無理なんだよね?」
Ωの羽琉は専用のクリニックに通っていると言っていたからαの僕たちがお見舞いに訪れることはできないのは知っていたけれど、それでも確認してみる。わざわざ僕に連絡してきたのはきっと、何か理由があるはずだから。
『そうだね、家族ならαでも入れるけどそうじゃないと番かパートナーしか入れないから』
「だよね。
隆臣さんは入れるの?」
『隆臣はβだし、家族扱いだから大丈夫』
「分かった」
「いつまで入院?」
『とりあえず夏休みに入ってもしばらくは病院みたい。
退院したら…もしかしたら学校変わるかもしれない』
「え、何それ。
聞いてないんだけど?」
穏やかな会話をしていたつもりなのに突然の告白に動揺してしまい、テーブルに置いてあったペットボトルを倒してしまう。キャップはしてあったため大惨事は免れたものの「伊織、落ち着け」と嗜められてしまった。
だけど、突然の言葉に落ち着くことなんてできない。
『………燈哉のこと、見たくないから。
でも、伊織と政文と離れるのは淋しいな』
スピーカーから聞こえる声に責めるような声を出してしまったのは燈哉と離れる覚悟があるのなら自分を選んで欲しいと思ってしまったから。その気持ちを伝えたこともないのに、それでも夢見てしまうのは羽琉のことが好きだから。だから、政文の言葉を待たずに羽琉に告げる。
「わかった、じゃあ退院したら遊びに行くよ」
突然の言葉に『え?』と声を上げた羽琉と、呆れたような顔を見せる政文。
だけど、政文だって羽琉に会いたいという気持ちがあったのだろう、「そんな驚くことか?」と苦笑いを見せる。
『遊ぶって言われても、僕の家は人呼べないし』
困ったような声で答えた羽琉だったけど、その言葉に拒否するような響きは無い。だから少し踏み込んでみる。
「そんなこと知ってるよ。
でも退院したらどこかで療養するんでしょ?」
『そうだけど…』
「あ、もしかして海外とか?」
『海外は無理かな』
「そんなに体調悪いの?」
『違う、パスポート持ってない』
その答えに笑みが漏れる。
駄目なら駄目とはっきり言われれば諦められるのに、それなのにそんなことを言われたら期待してしまう。
「海外じゃないなら僕と政文が遊びに行くよ。Ω専用の施設に入るわけじゃないでしょ?」
「それって、羽琉の体調次第では外出もできたりするのか?」
『どうだろう?
明日の診察の時に聞いてみる』
僕の遊びに行くという言葉にふたりが同意したことが嬉しくて「羽琉と遊べるの、楽しみだね」と呟いた僕に「伊織、はしゃぎ過ぎじゃないか?」と政文が呆れるけれど「だって、燈哉のこと気にせずに羽琉と過ごせるんだよ?」と本音が漏れる。
燈哉がいない時に羽琉と過ごすことはあったけれど、校内での行動は誰が見ているのか分からないから節度を持った距離を保つしかなかったんだ。
「羽琉、宿題手伝うって口実は?」
政文が口にした口実が誰に向けてのものなのかは分からないけれど、対外的な口実としては悪くない。だけど、宿題のためだけに会うわけじゃないと言いたくて僕も言葉を続ける。
「早く終わらせたら遊び放題だよね?」
「放題かどうかは知らないけどな」
『僕、邪魔じゃないの?』
困ったような羽琉の言葉に「なんで?」「なんでだ?」と声が重ねる。僕たちが付き合っている事になっているせいで遠慮しているのだと気付いたのは羽琉が発した次の言葉でだった。
『僕がいたらふたりで過ごせないし、行けない場所もあるだろうし、できないこともあるだろうし』
「うん、それがどうかしたの?」
「ふたりがいいならそもそも遊びに行くなんて言わないし、羽琉がいて行けない場所とか、できないことって何だ?」
「え、羽琉の行きたくない場所とかやりたくないことじゃなくて?」
「それ、羽琉の希望聞けばいいだけじゃないのか?」
「だよね」
僕たちのやり取りを無言で聞いている羽琉を不審に思い政文を見れば、何か言いたそうな顔をしてはいるものの、何も言うなとでもいうように人差し指を立て、口の前に示す。
「羽琉?」
なるべく柔らかく聞こえるようにその名前を呼ぶ。そっと包み込むように、悩む必要はないと伝わるように。
『ん?』
少し湿ったように聞こえる短い返事。
嬉しそうな声を漏らしたくせに僕たちふたりと過ごす事に難色を見せたのは、昨日の燈哉と今居がふたりで過ごしていたことと関係あるのかもしれない。そんなことを思いながら羽琉の答えを待たずに話しかける。
「こっちで盛り上がっちゃってごめん。
とりあえず療養先決まったら教えて?
遊びに行くし、療養先で何か出来ることがないか調べるから」
「羽琉も一緒にやりたいこととかあったら考えておいて。
急に悪かったな、長くなったけど疲れてないか?」
『大丈夫。
伊織も政文もありがとう』
鼻を啜る音と湿った声。
だけど、その声は柔らかい。
「こちらこそ、連絡くれてありがとう」
「もし羽琉が連絡しずらいときは隆臣さん経由でも大丈夫だからな」
『うん。
明日の診察の後でまた連絡するね』
「「分かった」」
『じゃあ、また連絡するね』
「待ってるからね」
そんな言葉で終わった会話。
「羽琉、泣いてなかった?」
通話を終えて聞いてみる。
湿った声と鼻を啜る音。
昨日、予定があると嘘を告げて帰ってしまったこと。
夏休みに会いにいくと言った時には嬉しそうな声を聞かせてくれたのに、僕たちの邪魔にならないかと変に気を使ったこと。
「燈哉の様子もおかしかったし」
「羽琉に聞かれたくないこと話してたんじゃないか、きっと」
「やっぱりそうなのかな…。
燈哉はどうするつもりなんだろう」
「さあな、」
「羽琉はそれでも燈哉が良いのかな」
「羽琉は羽琉で燈哉に執着してるからな…」
政文の言葉に「そうだよね、」と答えることしかできなかった。
感情の判断できない声がスピーカーから聞こえる。3人で会話できるようにスピーカーモードにしたようだ。
「「羽琉」」
ふたりの声が重なると羽琉の笑い声が聞こえて来たせいで、笑うことができるのだと少し嬉しくなる。最後に羽琉の笑顔を見たのはいつだったのか。
以前は燈哉相手に可愛い笑顔を見せていたのに、燈哉に笑いかけることがなくなってどれくらい経ったのだろう。
作り笑顔ではない本当の笑顔が見たいと思ってしまう。
「何かおかしかった?」
羽琉の声が聞きたくてとりあえず質問の体を取り次の言葉を待つ。
『ちゃんと話すの、久しぶりだから嬉しい。
ごめんなさい。
ふたりが僕のこと気にしてくれてるの知ってて燈哉を選んで…』
「選んだんじゃ無くて選ばされたんだろ?」
僕が返す言葉を迷っていると政文が話し出す。
「燈哉のマーキング、あれ何?
羽琉、入院するのあれのせいなのか?」
聞きにくいことを平気で口にする政文の声は苛立っていて、僕と政文の好きの違いがますます分からなくなって戸惑うけれど、次に出てきた羽琉の言葉でそんなことはどうでも良くなってしまった。
『………入院するのは栄養失調』
本当の理由が栄養失調なのかどうかはどうでも良くて、恥ずかしそうにそう言った羽琉の声が少し明るくて安心する。そして、その声を曇らせたくなくて「「羽琉の馬鹿」」と苦笑いを漏らした僕たちの声が重なる。
「お見舞いって無理なんだよね?」
Ωの羽琉は専用のクリニックに通っていると言っていたからαの僕たちがお見舞いに訪れることはできないのは知っていたけれど、それでも確認してみる。わざわざ僕に連絡してきたのはきっと、何か理由があるはずだから。
『そうだね、家族ならαでも入れるけどそうじゃないと番かパートナーしか入れないから』
「だよね。
隆臣さんは入れるの?」
『隆臣はβだし、家族扱いだから大丈夫』
「分かった」
「いつまで入院?」
『とりあえず夏休みに入ってもしばらくは病院みたい。
退院したら…もしかしたら学校変わるかもしれない』
「え、何それ。
聞いてないんだけど?」
穏やかな会話をしていたつもりなのに突然の告白に動揺してしまい、テーブルに置いてあったペットボトルを倒してしまう。キャップはしてあったため大惨事は免れたものの「伊織、落ち着け」と嗜められてしまった。
だけど、突然の言葉に落ち着くことなんてできない。
『………燈哉のこと、見たくないから。
でも、伊織と政文と離れるのは淋しいな』
スピーカーから聞こえる声に責めるような声を出してしまったのは燈哉と離れる覚悟があるのなら自分を選んで欲しいと思ってしまったから。その気持ちを伝えたこともないのに、それでも夢見てしまうのは羽琉のことが好きだから。だから、政文の言葉を待たずに羽琉に告げる。
「わかった、じゃあ退院したら遊びに行くよ」
突然の言葉に『え?』と声を上げた羽琉と、呆れたような顔を見せる政文。
だけど、政文だって羽琉に会いたいという気持ちがあったのだろう、「そんな驚くことか?」と苦笑いを見せる。
『遊ぶって言われても、僕の家は人呼べないし』
困ったような声で答えた羽琉だったけど、その言葉に拒否するような響きは無い。だから少し踏み込んでみる。
「そんなこと知ってるよ。
でも退院したらどこかで療養するんでしょ?」
『そうだけど…』
「あ、もしかして海外とか?」
『海外は無理かな』
「そんなに体調悪いの?」
『違う、パスポート持ってない』
その答えに笑みが漏れる。
駄目なら駄目とはっきり言われれば諦められるのに、それなのにそんなことを言われたら期待してしまう。
「海外じゃないなら僕と政文が遊びに行くよ。Ω専用の施設に入るわけじゃないでしょ?」
「それって、羽琉の体調次第では外出もできたりするのか?」
『どうだろう?
明日の診察の時に聞いてみる』
僕の遊びに行くという言葉にふたりが同意したことが嬉しくて「羽琉と遊べるの、楽しみだね」と呟いた僕に「伊織、はしゃぎ過ぎじゃないか?」と政文が呆れるけれど「だって、燈哉のこと気にせずに羽琉と過ごせるんだよ?」と本音が漏れる。
燈哉がいない時に羽琉と過ごすことはあったけれど、校内での行動は誰が見ているのか分からないから節度を持った距離を保つしかなかったんだ。
「羽琉、宿題手伝うって口実は?」
政文が口にした口実が誰に向けてのものなのかは分からないけれど、対外的な口実としては悪くない。だけど、宿題のためだけに会うわけじゃないと言いたくて僕も言葉を続ける。
「早く終わらせたら遊び放題だよね?」
「放題かどうかは知らないけどな」
『僕、邪魔じゃないの?』
困ったような羽琉の言葉に「なんで?」「なんでだ?」と声が重ねる。僕たちが付き合っている事になっているせいで遠慮しているのだと気付いたのは羽琉が発した次の言葉でだった。
『僕がいたらふたりで過ごせないし、行けない場所もあるだろうし、できないこともあるだろうし』
「うん、それがどうかしたの?」
「ふたりがいいならそもそも遊びに行くなんて言わないし、羽琉がいて行けない場所とか、できないことって何だ?」
「え、羽琉の行きたくない場所とかやりたくないことじゃなくて?」
「それ、羽琉の希望聞けばいいだけじゃないのか?」
「だよね」
僕たちのやり取りを無言で聞いている羽琉を不審に思い政文を見れば、何か言いたそうな顔をしてはいるものの、何も言うなとでもいうように人差し指を立て、口の前に示す。
「羽琉?」
なるべく柔らかく聞こえるようにその名前を呼ぶ。そっと包み込むように、悩む必要はないと伝わるように。
『ん?』
少し湿ったように聞こえる短い返事。
嬉しそうな声を漏らしたくせに僕たちふたりと過ごす事に難色を見せたのは、昨日の燈哉と今居がふたりで過ごしていたことと関係あるのかもしれない。そんなことを思いながら羽琉の答えを待たずに話しかける。
「こっちで盛り上がっちゃってごめん。
とりあえず療養先決まったら教えて?
遊びに行くし、療養先で何か出来ることがないか調べるから」
「羽琉も一緒にやりたいこととかあったら考えておいて。
急に悪かったな、長くなったけど疲れてないか?」
『大丈夫。
伊織も政文もありがとう』
鼻を啜る音と湿った声。
だけど、その声は柔らかい。
「こちらこそ、連絡くれてありがとう」
「もし羽琉が連絡しずらいときは隆臣さん経由でも大丈夫だからな」
『うん。
明日の診察の後でまた連絡するね』
「「分かった」」
『じゃあ、また連絡するね』
「待ってるからね」
そんな言葉で終わった会話。
「羽琉、泣いてなかった?」
通話を終えて聞いてみる。
湿った声と鼻を啜る音。
昨日、予定があると嘘を告げて帰ってしまったこと。
夏休みに会いにいくと言った時には嬉しそうな声を聞かせてくれたのに、僕たちの邪魔にならないかと変に気を使ったこと。
「燈哉の様子もおかしかったし」
「羽琉に聞かれたくないこと話してたんじゃないか、きっと」
「やっぱりそうなのかな…。
燈哉はどうするつもりなんだろう」
「さあな、」
「羽琉はそれでも燈哉が良いのかな」
「羽琉は羽琉で燈哉に執着してるからな…」
政文の言葉に「そうだよね、」と答えることしかできなかった。
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