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【side:涼夏】歪な形のあの子。
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その日もいつもと変わらない朝だった。
学校までの道のりを燈哉と歩き、他愛もない話をする。下校時は分散して生徒が歩くため声を抑えればどんな話をしても問題ないけれど、登校時は他の生徒との距離が近いため話す内容に多少の気は使う。
終わった期末テストの話。
夏休みに受ける予定の夏期講習の話。
夏休みが終われば文化祭と体育祭があり、それが終われば生徒会の引き継ぎがあるため忙しくなるだろうと溜息を吐く。
「生徒会って、選挙とかするの?」
「いや、指名制だ。
前年度の役員の指名で決まるけどだいたい顔見知りだし、経験者は当たり前のように声かけられるから」
「時々呼び出されてるもんね。
放送で名前呼ばれてるの聞くし」
「で、呼ばれると機嫌が悪くなる」
「ああ、そうなんだ」
棒読みのようになってしまうのはふたりの態度に呆れているから。
羽琉君に対する執着を抑えることの出来ない燈哉は相変わらず強いマーキングを施しているし、羽琉君は羽琉君で大人しくそれに従っている。
『逃げられなくしているのは俺だ』なんて燈哉は言うけれど、それこそ【太い家】の羽琉君なら何も出来ないはずがないと思うのはオレの認識不足なのだろうか…。
「羽琉君が燈哉君のこと好きなのなんて、みんな知ってるのにね」
「怖いもの知らずが燈哉君に声かけても相手にされなかったし、知ってる?燈哉君にちょっかい出そうとすると2度と同じクラスになれないらしいよ?」
『Ωの間では都市伝説的な話なんだけど』、と教えてくれたのは当然だけど浬と忍で、「だったら羽琉君に声かけてもダメなの?」と聞けば「ヤキモチ妬かせたいからそれはOK」と返ってくる。
燈哉は自分が番候補から外れたら次の番候補を校内から選ぶ必要が無くなるため、羽琉君がこの学校に通う理由がなくなると言う。
羽琉君が燈哉君を選んだから成り立っているこの関係は、羽琉君の気持ち次第でどうにもなるのだとも言っていた。
それならば今この瞬間も番候補である理由を考えれば羽琉君の気持ちは分かりそうなものなのに、それなのに自分の強いマーキングに逆らえないだけで、羽琉君の意思じゃないと思い込んでいる燈哉はどうしようもないヤツだと思ってしまう。
そもそも車内には羽琉君の関係者だっているのだ。本気で嫌だったら対策を講じることだってできるはずなのに、それがされない理由を羽琉君も燈哉も追求しないあたり、その関係を2人とも望んでるんじゃないかとも思ってしまう。
「夏休みは生徒会の仕事は無いの?」
「正式に生徒会に入れば何かしらあるだろうけど、その辺は何も言われてない」
「今年は馬鹿なストレス解消法、させないから」
そう言えばバツの悪そうな顔をするけれど、リセットしたいと言うのなら当たり前のことだ。
「じゃ、また放課後に」
校門についたためいつものように別れ、昇降口に向かう。
Ωであっても校内に一歩入れば安全だと言われたけれど、正直なところ校内でも校外でも危険な目にあったことはない。燈哉は心配をし過ぎだと思いはするけれど、オレと過ごす時間が息抜きになっていると言われてしまうと断ることも躊躇われる。
燈哉が生徒会に入ればまた違ってくるのだろうと、2学期の生徒会選挙の後からはひとりで過ごすことが多くなるのかもしれないと考えながら自分の下駄箱に向かう。浬や忍の靴があるからふたりはもう登校済みなのだろう。
「涼夏」
靴を履き替えている時に聞こえたのは燈哉の声で、その隣に羽琉君がいないのに気付き「休み?」と聞いてみる。
「そうみたい。
連絡は無かったけど、いつもの場所に車無いし」
「珍しいね」
連絡無しに羽琉君が休むことなんて今まであったのかと考えるけど、当然だけどその答えをオレは持っていない。だけど昨日までの青白い顔を思い出せば体調を崩して休むと言われても納得できてしまう。
よほど体調が悪くて連絡もできないのかと心配になるけれど、よくよく考えれば保護者代わりの人がいるのだからその人が連絡することだってできるのにとやっぱり不思議に思ってしまう。
「俺も靴変えるから、一緒に」
そう言った燈哉と下駄箱の先で合流して1年生のフロアに向かう。「下駄箱は?」と羽琉君の靴の所在を聞けば「無かった」と返ってくる。
やっぱり休みなのだろうと思うと「マーキングしなくて済んだ」と小さい声で呟く。
ギリギリの均衡を保つふたりの関係は、燈哉の我慢と羽琉君の意地で保たれているのかもしれない。羽琉君と先に進みたいと望む燈哉と、燈哉から離れることのできない羽琉君。
どちらかが動けばその均衡は崩れてしまうはずだ。
「最近、体調良くなさそうだったから病院かもな」
「連絡くらいくれてもいいのにね」
そんなどうでもいいことを話し、1年生のフロアに着いてからも他の生徒に邪魔にならない場所に向かい話を続ける。
「そう言えばテスト、返ってきた?」
「大体揃ったかな」
「どうだった、って聞くまでもないよね」
羽琉君の番候補として成績を落とすことができない燈哉が成績を落とすはずはないけれど、傾向と対策を教えてもらっていたせいで勉強のペースを崩していないかと気になっていた。
羽琉君との関係のことを考えれば集中できない時だってあるだろう。
1学期は燈哉の好意に甘えてしまったけれど、次からは自分でなんとかしようと密かに誓う。中間はそれなりの順位だったし、今回だって手応えはある。
燈哉がリセットして羽琉君と向き合うと言うのならオレの存在は邪魔なだけだ。
「でも、テスト助けてもらえて良かったよ。今までと同じことしてたらちょっと困ってたかも」
他愛もない会話。
その会話に甘さなんて全く無いし、燈哉が大切にしているパブリックイメージを崩さないようオレ自身もかつての王子様と言われたαの涼夏を意識している。
大切だったあの子を守るために頑張っていたあの頃の【涼夏】も、よくよく考えてみれば自分を作り、大切なあの子を守ろうと、大切なあの子を奪われないように躍起になっていたんだった。
「でも前の学校でもそこそこだっただろ?ここ、成績悪いと推薦もらえないはずだし」
「まあね。
だけどテストの時に持ち込み可なんて元の学校では無かったから無駄に丸暗記するところだった」
「丸暗記だってやらないよりはしておいた方が良いぞ」
「暗記する必要のないもの暗記するのは脳の無駄遣いです」
オレたちの顔だけ見ていればもっと高尚な話をしているように見えるかもな、なんて思いながら「そろそろ教室行った方がいいね」と時計を見る。
予鈴までにはまだ時間が有るけれど、いつもならとっくに教室に入り浬や忍と過ごしている時間だ。
その時に以前、ふたりに紹介された子に言われたことを思い出す。
「あ、お昼どうする?
あんまり目立ちたくないなら鍵、借りれるよ?どうせ弁当でしょ」
「鍵?」
「Ωの友達が美術準備室の鍵、持ってるんだ。人目が気になる時には貸してくれるって言ってくれてるんだよね」
羽琉君がいないなら教室にいても独りになるだろう、きっと。だったら人の目の無いところでのんびりすればいい。
「じゃあお願いできるか?」
「了解」
そんなふうに終わった会話。
教室に着くと浬に声をかけて鍵を借りれるようにしてもらう。聞けば男性Ωの彼は燈哉と同じクラスだと言うから迎えに行きがてら鍵を受け取ればいいとその旨を伝える。
この時に《羽琉君、来てるよ》と教えられればいつも通りの昼休みだったのかも知れないけれど、それを知らないオレはのこのこと燈哉を迎えに行ってしまった。
それぞれの想いが交差して、それぞれの気持ちがすれ違う最悪な状況。
羽琉君はオレが嫌いだけど、外部から来た人間だったから容認するふりをされていただけ。
それに甘んじたせいで死ぬほど嫌われていたのだろう、きっと。
燈哉に任せずに直接コンタクトを取れば何か違ったのかも知れないけれど、周りから聞かされる【仲真 羽琉】という人物はそれを許してくれなかった。
浬や忍から聞かされる【仲真 羽琉】は燈哉だけを見つめ、燈哉だけを求め、燈哉以外には心を開かない。
燈哉から聞かされる【羽琉】は我儘で独占欲が強く、自分の弱さを武器に燈哉を縛り付ける存在。
どちらもよく似ているけれど、周りからの話のせいでそんなふうに認識しているけれど、オレの羽琉君に対する印象はか弱く守るべき存在で、燈哉を頼り、燈哉に従順な病弱なΩ。
Ωらしい程にΩである存在。
「Ωだから仕方ない」と自分の性差を、自分の運命を受け入れることしかできず、ただただ強いαの庇護を求める弱き存在。
燈哉に対して嫌悪しか見せない伊織の【仲真 羽琉】に対する印象は、オレに近いような気がする。
Ωだから気付くこと、αだから気付かないことは当然あるだろう。
それなら政文は?
それぞれの中の【仲真 羽琉】を同じ方向から見た時に、その歪さは露呈するだろう。
その時、羽琉君の隣に立つのは…。
学校までの道のりを燈哉と歩き、他愛もない話をする。下校時は分散して生徒が歩くため声を抑えればどんな話をしても問題ないけれど、登校時は他の生徒との距離が近いため話す内容に多少の気は使う。
終わった期末テストの話。
夏休みに受ける予定の夏期講習の話。
夏休みが終われば文化祭と体育祭があり、それが終われば生徒会の引き継ぎがあるため忙しくなるだろうと溜息を吐く。
「生徒会って、選挙とかするの?」
「いや、指名制だ。
前年度の役員の指名で決まるけどだいたい顔見知りだし、経験者は当たり前のように声かけられるから」
「時々呼び出されてるもんね。
放送で名前呼ばれてるの聞くし」
「で、呼ばれると機嫌が悪くなる」
「ああ、そうなんだ」
棒読みのようになってしまうのはふたりの態度に呆れているから。
羽琉君に対する執着を抑えることの出来ない燈哉は相変わらず強いマーキングを施しているし、羽琉君は羽琉君で大人しくそれに従っている。
『逃げられなくしているのは俺だ』なんて燈哉は言うけれど、それこそ【太い家】の羽琉君なら何も出来ないはずがないと思うのはオレの認識不足なのだろうか…。
「羽琉君が燈哉君のこと好きなのなんて、みんな知ってるのにね」
「怖いもの知らずが燈哉君に声かけても相手にされなかったし、知ってる?燈哉君にちょっかい出そうとすると2度と同じクラスになれないらしいよ?」
『Ωの間では都市伝説的な話なんだけど』、と教えてくれたのは当然だけど浬と忍で、「だったら羽琉君に声かけてもダメなの?」と聞けば「ヤキモチ妬かせたいからそれはOK」と返ってくる。
燈哉は自分が番候補から外れたら次の番候補を校内から選ぶ必要が無くなるため、羽琉君がこの学校に通う理由がなくなると言う。
羽琉君が燈哉君を選んだから成り立っているこの関係は、羽琉君の気持ち次第でどうにもなるのだとも言っていた。
それならば今この瞬間も番候補である理由を考えれば羽琉君の気持ちは分かりそうなものなのに、それなのに自分の強いマーキングに逆らえないだけで、羽琉君の意思じゃないと思い込んでいる燈哉はどうしようもないヤツだと思ってしまう。
そもそも車内には羽琉君の関係者だっているのだ。本気で嫌だったら対策を講じることだってできるはずなのに、それがされない理由を羽琉君も燈哉も追求しないあたり、その関係を2人とも望んでるんじゃないかとも思ってしまう。
「夏休みは生徒会の仕事は無いの?」
「正式に生徒会に入れば何かしらあるだろうけど、その辺は何も言われてない」
「今年は馬鹿なストレス解消法、させないから」
そう言えばバツの悪そうな顔をするけれど、リセットしたいと言うのなら当たり前のことだ。
「じゃ、また放課後に」
校門についたためいつものように別れ、昇降口に向かう。
Ωであっても校内に一歩入れば安全だと言われたけれど、正直なところ校内でも校外でも危険な目にあったことはない。燈哉は心配をし過ぎだと思いはするけれど、オレと過ごす時間が息抜きになっていると言われてしまうと断ることも躊躇われる。
燈哉が生徒会に入ればまた違ってくるのだろうと、2学期の生徒会選挙の後からはひとりで過ごすことが多くなるのかもしれないと考えながら自分の下駄箱に向かう。浬や忍の靴があるからふたりはもう登校済みなのだろう。
「涼夏」
靴を履き替えている時に聞こえたのは燈哉の声で、その隣に羽琉君がいないのに気付き「休み?」と聞いてみる。
「そうみたい。
連絡は無かったけど、いつもの場所に車無いし」
「珍しいね」
連絡無しに羽琉君が休むことなんて今まであったのかと考えるけど、当然だけどその答えをオレは持っていない。だけど昨日までの青白い顔を思い出せば体調を崩して休むと言われても納得できてしまう。
よほど体調が悪くて連絡もできないのかと心配になるけれど、よくよく考えれば保護者代わりの人がいるのだからその人が連絡することだってできるのにとやっぱり不思議に思ってしまう。
「俺も靴変えるから、一緒に」
そう言った燈哉と下駄箱の先で合流して1年生のフロアに向かう。「下駄箱は?」と羽琉君の靴の所在を聞けば「無かった」と返ってくる。
やっぱり休みなのだろうと思うと「マーキングしなくて済んだ」と小さい声で呟く。
ギリギリの均衡を保つふたりの関係は、燈哉の我慢と羽琉君の意地で保たれているのかもしれない。羽琉君と先に進みたいと望む燈哉と、燈哉から離れることのできない羽琉君。
どちらかが動けばその均衡は崩れてしまうはずだ。
「最近、体調良くなさそうだったから病院かもな」
「連絡くらいくれてもいいのにね」
そんなどうでもいいことを話し、1年生のフロアに着いてからも他の生徒に邪魔にならない場所に向かい話を続ける。
「そう言えばテスト、返ってきた?」
「大体揃ったかな」
「どうだった、って聞くまでもないよね」
羽琉君の番候補として成績を落とすことができない燈哉が成績を落とすはずはないけれど、傾向と対策を教えてもらっていたせいで勉強のペースを崩していないかと気になっていた。
羽琉君との関係のことを考えれば集中できない時だってあるだろう。
1学期は燈哉の好意に甘えてしまったけれど、次からは自分でなんとかしようと密かに誓う。中間はそれなりの順位だったし、今回だって手応えはある。
燈哉がリセットして羽琉君と向き合うと言うのならオレの存在は邪魔なだけだ。
「でも、テスト助けてもらえて良かったよ。今までと同じことしてたらちょっと困ってたかも」
他愛もない会話。
その会話に甘さなんて全く無いし、燈哉が大切にしているパブリックイメージを崩さないようオレ自身もかつての王子様と言われたαの涼夏を意識している。
大切だったあの子を守るために頑張っていたあの頃の【涼夏】も、よくよく考えてみれば自分を作り、大切なあの子を守ろうと、大切なあの子を奪われないように躍起になっていたんだった。
「でも前の学校でもそこそこだっただろ?ここ、成績悪いと推薦もらえないはずだし」
「まあね。
だけどテストの時に持ち込み可なんて元の学校では無かったから無駄に丸暗記するところだった」
「丸暗記だってやらないよりはしておいた方が良いぞ」
「暗記する必要のないもの暗記するのは脳の無駄遣いです」
オレたちの顔だけ見ていればもっと高尚な話をしているように見えるかもな、なんて思いながら「そろそろ教室行った方がいいね」と時計を見る。
予鈴までにはまだ時間が有るけれど、いつもならとっくに教室に入り浬や忍と過ごしている時間だ。
その時に以前、ふたりに紹介された子に言われたことを思い出す。
「あ、お昼どうする?
あんまり目立ちたくないなら鍵、借りれるよ?どうせ弁当でしょ」
「鍵?」
「Ωの友達が美術準備室の鍵、持ってるんだ。人目が気になる時には貸してくれるって言ってくれてるんだよね」
羽琉君がいないなら教室にいても独りになるだろう、きっと。だったら人の目の無いところでのんびりすればいい。
「じゃあお願いできるか?」
「了解」
そんなふうに終わった会話。
教室に着くと浬に声をかけて鍵を借りれるようにしてもらう。聞けば男性Ωの彼は燈哉と同じクラスだと言うから迎えに行きがてら鍵を受け取ればいいとその旨を伝える。
この時に《羽琉君、来てるよ》と教えられればいつも通りの昼休みだったのかも知れないけれど、それを知らないオレはのこのこと燈哉を迎えに行ってしまった。
それぞれの想いが交差して、それぞれの気持ちがすれ違う最悪な状況。
羽琉君はオレが嫌いだけど、外部から来た人間だったから容認するふりをされていただけ。
それに甘んじたせいで死ぬほど嫌われていたのだろう、きっと。
燈哉に任せずに直接コンタクトを取れば何か違ったのかも知れないけれど、周りから聞かされる【仲真 羽琉】という人物はそれを許してくれなかった。
浬や忍から聞かされる【仲真 羽琉】は燈哉だけを見つめ、燈哉だけを求め、燈哉以外には心を開かない。
燈哉から聞かされる【羽琉】は我儘で独占欲が強く、自分の弱さを武器に燈哉を縛り付ける存在。
どちらもよく似ているけれど、周りからの話のせいでそんなふうに認識しているけれど、オレの羽琉君に対する印象はか弱く守るべき存在で、燈哉を頼り、燈哉に従順な病弱なΩ。
Ωらしい程にΩである存在。
「Ωだから仕方ない」と自分の性差を、自分の運命を受け入れることしかできず、ただただ強いαの庇護を求める弱き存在。
燈哉に対して嫌悪しか見せない伊織の【仲真 羽琉】に対する印象は、オレに近いような気がする。
Ωだから気付くこと、αだから気付かないことは当然あるだろう。
それなら政文は?
それぞれの中の【仲真 羽琉】を同じ方向から見た時に、その歪さは露呈するだろう。
その時、羽琉君の隣に立つのは…。
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