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【side:羽琉】反転する世界。
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間違えた。
間違えた。
間違えた。
間違えた。
どこで間違えたのか、何を間違えたのか。
ただ、僕のことだけを見て欲しかっただけなのに。
ただ、僕の気持ちを知って欲しかっただけなのに。
ただ、僕のそばにいて欲しかっただけなのに………。
⌘⌘⌘
「羽琉君、ヒートが来た時に一緒に過ごせる相手は居る?」
主治医の先生に聞かれた時に、番候補として燈哉のことを話してあるはずなのにと不思議に思ったのが終わりの始まり。
「えっと、番候補が居るのでその人に」
そう答えると、燈哉から施される毎日のマーキングを思い出してしまい頸に這う舌の感触を思い出してしまう。
燈哉の執着の印は僕を昂らせる。
朝の車の中でされるマーキングは、まだ僕に執着している証だと高揚する。
朝から自分を慰めるわけにはいかないし、車内とはいえふたりきりな訳じゃないから必死でそれを抑えるせいで少し気不味い時間を毎日過ごしているけれど、あれだけ執着を見せるのだからヒートが来た時には今以上の執着を向けてくれるはずだ。
「でも、上手くいってないって隆臣君に聞いたよ。その子以外にも仲良くしているαの子がいるからそちらにお願いすることもできるって」
「え?」
何を言われているのか理解できずにそんな間抜けな声が出てしまう。
それまで燈哉とのその時を夢想していたのに、その思いは霧散してしまう。
仲良くしているαなんて燈哉だけだし、そもそも燈哉以外にそばにいて欲しい人なんていない。
それなのに、誰にヒートを鎮めてもらえと言うのだろう。
「仕方ないよね。
羽琉君の番候補だった子は羽琉君じゃない子と仲良くしてるって、【唯一】を見つけたって言ってたけど、そうなると唯一以外とヒートを過ごすの、難しいんじゃないかな」
ゆっくりとした口調で仕方のないことだと言いたげに告げられる言葉。
「番候補だっただけで恋人でも婚約者でもないんでしょ?
だったら仕方ないよね」
なんでもないことのように告げられる言葉に愕然とする。
『番候補だっただけで恋人でも婚約者でもない』
確かに燈哉は番候補なだけで恋人でも婚約者でもないけれど、そんなのは呼び名が違うだけだと思っていた。
いつも一緒にいるし、何を言っても叶えてくれるのだから僕にヒートが来た時に鎮めてくれるのは燈哉だと思っていたし、燈哉だってヒートが来れば番にしてくれると言っていたはずだ。
「でも、僕のこと番にしてくれるって」
「それは唯一を見つける前の事なんじゃないの?」
「そんな事ないです。
僕のことを番にしてくれるって…」
そこまで言って思い出す燈哉の言葉。
『羽琉が望めば羽琉のことだって番にできるよ』
あの時の言葉は僕を番にしてくれると言っていたけれど、『羽琉のことだって』と言う言葉の通り、僕だけを番にするわけじゃないと遠回しに言っていたのだと気付く。
それは、僕以外に番にしたい相手ができたのだと言う事実で、今まで見て見ぬ振りをしたことを先生の言葉によって直視させられたのだ。
「………αは何人とでも番えるんですよね」
「そうだね。
Ωは最初に噛まれたαとしか番関係は結べないけど、αはヒートの時に噛めば何人でも番にできるよ。
甲斐性があればそれも良いのかもね。
強いαに庇護されれば安心だし」
先生の言葉に目の前が真っ暗になる。
燈哉が僕以外と番う未来があることに気付き、嫌な汗が背中をなぞる。
入院して、たいした異常もないのに快適な環境で過ごす僕のことを過剰に心配すればいいと思っていた。いつもより早い入院に、状況がわからないまま焦り、心配すればいいとさえ思っていた。
そして、伊織と政文と約束したことを聞き、僕に対して危機感を持てばいいとすら思っていた。
伊織のことだから、僕と約束したことを燈哉に告げるはずだと思ってした約束。
僕を蔑ろにしたからと燈哉の願いを無視した中等部のあの時と同じように、僕を蔑ろにして涼夏との時間を楽しむ燈哉が焦り、反省すればいいと思ってとった行動が間違いだったのだとやっと気づく。
「別に、番にならなくてもヒートを鎮めてもらうことだってできるよ?
Ωは番以外との性行は拒否反応が出る子もいるけどαはそんなことないし。
だから、羽琉君も相手が唯一と番ってもその子が許せばヒートの時に相手してもらえるんじゃないかな」
自分の思い描いていたこととは違うことばかり言われて戸惑うけれど、それ以上に今までその可能性に至らなかった自分に戸惑う。
校内では今までのように燈哉と過ごしていたけれど、僕の存在がなければ燈哉の【唯一】、今居涼夏と過ごしていたのを見せつけられたはずなのに、それなのにどこかで燈哉は僕を選ぶはずだと思っていた。
実際、今までだって燈哉は僕の隣にいたし、常に僕を優先してくれていた。
だから僕にヒートが来た時には何があっても僕を優先してくれるだろうし、それが当然だと思っていた。
だけど、どうして燈哉は自分だけを見続けてくれるだなんて思っていたのだろう。あの日だって、僕が入院すればたくさん遊べると嬉しそうに話していたのに。
あの日の朝、僕がすぐ近くを車で通っても気がついてくれなかったのに、それなのに何で自分が1番だと思っていたのだろう。
燈哉が1人で登校していた時は僕が近くを車で通れば気付いてくれていたのに、それなのに気づかれなかったことに腹を立てたのは今居涼夏の存在が気に入らなかったから。
夏休み目前のこの時期、登校するふたりの近くを通れば僕に気付いて話を中断すると思ったのに、全く気付かずに親しそうに話すふたりはとてもお似合いに見えた。
穏やかに微笑む燈哉と艶やかな笑みを返す涼夏。Ωらしくない容姿の涼夏だったけれど、αらしいαの燈哉と並ぶと不思議と釣り合いが取れているように見えた。
そう、まるで伊織と政文のように。
「隆臣君とは少し話したんだけど、羽琉君が良ければ羽琉君のお友達のαの子にヒートの時に一緒に過ごせないか打診してみるって、」
「嫌ですっ!」
先生の言葉を最後まで聞くことなく答える。隆臣が先生に話したαの友達とは伊織と政文のことだろう。
Ωと番うつもりはないと公言してα同士で付き合っているふたりの存在は、燈哉に当て付けるために、燈哉にヤキモチを妬かせるために、そして、燈哉に危機感を持たせるために最適だと思っていたのにこんなふうに僕たちの仲を邪魔する存在になるだなんて考えたこともなかった。
伊織に抱かれる自分も、政文に抱かれる自分も想像できないし、想像したことすらなかったのに、何をどうすればそんなことになるのだと頭を抱えたくなる。
ふたりの存在は燈哉と僕の仲を深めるためのスパイスで、ふたりの仲睦まじい様子を話せば燈哉だってその気になるかもと思って近付いただけのこと。
頭が痛い。
気持ちが悪い。
自分の感情を制御できない。
「燈哉以外のαなんて、知りたくない。
燈哉以外に触れられたくなんかない。
燈哉は僕だけのものだし、僕は燈哉だけのものなのに…」
頭が痛い。
気持ちが悪い。
涙が溢れ出す。
「羽琉君がそう思ってても燈哉君はどうだろうね。
だって、燈哉君は羽琉君のためだけに生きてるわけじゃないんだよ?
燈哉君にだって感情はあるし、意思もある。」
先生の言葉は容赦なく僕を追い詰めていく。
「燈哉君は羽琉君のお父さんでもないし、お兄さんでもない。
羽琉君と同い年のただの高校生だよ?」
そんなことは言われなくても分かってる。
「羽琉君は、何をどうしたいのか、ちゃんと口で伝えたことがある?
それに、燈哉君が何をどうしたいのかを聞いたことがある?」
それは一般論だ。
燈哉と僕は、ずっとずっと一緒に過ごしてきたのだから燈哉が僕の気持ちに気付いていないはずはないんだ。
だって、僕が好きなのは、僕がそばにいて欲しいのは燈哉だけなのだから。
燈哉が僕のそばにいてくれるということは僕のことが好きだと言うことだし、燈哉のしたいことは僕のしたいこと。
それはつまり、番になることだから。
そこまで考えて高等部に入ってからのことを思い返す。
校内では僕と過ごすけど、登下校は涼夏と過ごすと言った燈哉。
外部入学だったという理由で何かと涼夏の世話を焼いていたけれど、僕のためにまた生徒会に入る予定の燈哉は与えられた職務を全うしただけのこと。
校内は安全なのに、それでも僕と過ごしていたのは僕のことが心配だからだと思っていたけれど、校内で僕と過ごしさえすればあとは涼夏と一緒にいられるからだったのかもと気付いてしまった。
「燈哉は、もう僕のこと好きじゃないの?」
考えながら、先生にそう問いかけながらも涙を止めることができない。
頭が痛い。
気持ちが悪い。
「それは燈哉君にしかわからないよね。
じゃあ聞くけど、羽琉君は燈哉君のことが好きなの?」
「当たり前ですっ」
「それをちゃんと燈哉君に伝えてる?」
「そんなこと、言わなくても分かってるはずです」
「本当に?」
「だって、いつも側にいたし、いつも側にいてくれたし」
「仲真の家に強要されたら逆らえないよね」
先生が意地悪な笑顔を浮かべる。
「言わなくても伝わる、側にいるから自分のことが好きなはず。
何も与えない、何も伝えない。
それなのに燈哉くんの全ては自分のものだって………羽琉君は傲慢だね」
自分の信じていたものが、
自分の世界が、
自分の全てが反転した。
間違えた。
間違えた。
間違えた。
どこで間違えたのか、何を間違えたのか。
ただ、僕のことだけを見て欲しかっただけなのに。
ただ、僕の気持ちを知って欲しかっただけなのに。
ただ、僕のそばにいて欲しかっただけなのに………。
⌘⌘⌘
「羽琉君、ヒートが来た時に一緒に過ごせる相手は居る?」
主治医の先生に聞かれた時に、番候補として燈哉のことを話してあるはずなのにと不思議に思ったのが終わりの始まり。
「えっと、番候補が居るのでその人に」
そう答えると、燈哉から施される毎日のマーキングを思い出してしまい頸に這う舌の感触を思い出してしまう。
燈哉の執着の印は僕を昂らせる。
朝の車の中でされるマーキングは、まだ僕に執着している証だと高揚する。
朝から自分を慰めるわけにはいかないし、車内とはいえふたりきりな訳じゃないから必死でそれを抑えるせいで少し気不味い時間を毎日過ごしているけれど、あれだけ執着を見せるのだからヒートが来た時には今以上の執着を向けてくれるはずだ。
「でも、上手くいってないって隆臣君に聞いたよ。その子以外にも仲良くしているαの子がいるからそちらにお願いすることもできるって」
「え?」
何を言われているのか理解できずにそんな間抜けな声が出てしまう。
それまで燈哉とのその時を夢想していたのに、その思いは霧散してしまう。
仲良くしているαなんて燈哉だけだし、そもそも燈哉以外にそばにいて欲しい人なんていない。
それなのに、誰にヒートを鎮めてもらえと言うのだろう。
「仕方ないよね。
羽琉君の番候補だった子は羽琉君じゃない子と仲良くしてるって、【唯一】を見つけたって言ってたけど、そうなると唯一以外とヒートを過ごすの、難しいんじゃないかな」
ゆっくりとした口調で仕方のないことだと言いたげに告げられる言葉。
「番候補だっただけで恋人でも婚約者でもないんでしょ?
だったら仕方ないよね」
なんでもないことのように告げられる言葉に愕然とする。
『番候補だっただけで恋人でも婚約者でもない』
確かに燈哉は番候補なだけで恋人でも婚約者でもないけれど、そんなのは呼び名が違うだけだと思っていた。
いつも一緒にいるし、何を言っても叶えてくれるのだから僕にヒートが来た時に鎮めてくれるのは燈哉だと思っていたし、燈哉だってヒートが来れば番にしてくれると言っていたはずだ。
「でも、僕のこと番にしてくれるって」
「それは唯一を見つける前の事なんじゃないの?」
「そんな事ないです。
僕のことを番にしてくれるって…」
そこまで言って思い出す燈哉の言葉。
『羽琉が望めば羽琉のことだって番にできるよ』
あの時の言葉は僕を番にしてくれると言っていたけれど、『羽琉のことだって』と言う言葉の通り、僕だけを番にするわけじゃないと遠回しに言っていたのだと気付く。
それは、僕以外に番にしたい相手ができたのだと言う事実で、今まで見て見ぬ振りをしたことを先生の言葉によって直視させられたのだ。
「………αは何人とでも番えるんですよね」
「そうだね。
Ωは最初に噛まれたαとしか番関係は結べないけど、αはヒートの時に噛めば何人でも番にできるよ。
甲斐性があればそれも良いのかもね。
強いαに庇護されれば安心だし」
先生の言葉に目の前が真っ暗になる。
燈哉が僕以外と番う未来があることに気付き、嫌な汗が背中をなぞる。
入院して、たいした異常もないのに快適な環境で過ごす僕のことを過剰に心配すればいいと思っていた。いつもより早い入院に、状況がわからないまま焦り、心配すればいいとさえ思っていた。
そして、伊織と政文と約束したことを聞き、僕に対して危機感を持てばいいとすら思っていた。
伊織のことだから、僕と約束したことを燈哉に告げるはずだと思ってした約束。
僕を蔑ろにしたからと燈哉の願いを無視した中等部のあの時と同じように、僕を蔑ろにして涼夏との時間を楽しむ燈哉が焦り、反省すればいいと思ってとった行動が間違いだったのだとやっと気づく。
「別に、番にならなくてもヒートを鎮めてもらうことだってできるよ?
Ωは番以外との性行は拒否反応が出る子もいるけどαはそんなことないし。
だから、羽琉君も相手が唯一と番ってもその子が許せばヒートの時に相手してもらえるんじゃないかな」
自分の思い描いていたこととは違うことばかり言われて戸惑うけれど、それ以上に今までその可能性に至らなかった自分に戸惑う。
校内では今までのように燈哉と過ごしていたけれど、僕の存在がなければ燈哉の【唯一】、今居涼夏と過ごしていたのを見せつけられたはずなのに、それなのにどこかで燈哉は僕を選ぶはずだと思っていた。
実際、今までだって燈哉は僕の隣にいたし、常に僕を優先してくれていた。
だから僕にヒートが来た時には何があっても僕を優先してくれるだろうし、それが当然だと思っていた。
だけど、どうして燈哉は自分だけを見続けてくれるだなんて思っていたのだろう。あの日だって、僕が入院すればたくさん遊べると嬉しそうに話していたのに。
あの日の朝、僕がすぐ近くを車で通っても気がついてくれなかったのに、それなのに何で自分が1番だと思っていたのだろう。
燈哉が1人で登校していた時は僕が近くを車で通れば気付いてくれていたのに、それなのに気づかれなかったことに腹を立てたのは今居涼夏の存在が気に入らなかったから。
夏休み目前のこの時期、登校するふたりの近くを通れば僕に気付いて話を中断すると思ったのに、全く気付かずに親しそうに話すふたりはとてもお似合いに見えた。
穏やかに微笑む燈哉と艶やかな笑みを返す涼夏。Ωらしくない容姿の涼夏だったけれど、αらしいαの燈哉と並ぶと不思議と釣り合いが取れているように見えた。
そう、まるで伊織と政文のように。
「隆臣君とは少し話したんだけど、羽琉君が良ければ羽琉君のお友達のαの子にヒートの時に一緒に過ごせないか打診してみるって、」
「嫌ですっ!」
先生の言葉を最後まで聞くことなく答える。隆臣が先生に話したαの友達とは伊織と政文のことだろう。
Ωと番うつもりはないと公言してα同士で付き合っているふたりの存在は、燈哉に当て付けるために、燈哉にヤキモチを妬かせるために、そして、燈哉に危機感を持たせるために最適だと思っていたのにこんなふうに僕たちの仲を邪魔する存在になるだなんて考えたこともなかった。
伊織に抱かれる自分も、政文に抱かれる自分も想像できないし、想像したことすらなかったのに、何をどうすればそんなことになるのだと頭を抱えたくなる。
ふたりの存在は燈哉と僕の仲を深めるためのスパイスで、ふたりの仲睦まじい様子を話せば燈哉だってその気になるかもと思って近付いただけのこと。
頭が痛い。
気持ちが悪い。
自分の感情を制御できない。
「燈哉以外のαなんて、知りたくない。
燈哉以外に触れられたくなんかない。
燈哉は僕だけのものだし、僕は燈哉だけのものなのに…」
頭が痛い。
気持ちが悪い。
涙が溢れ出す。
「羽琉君がそう思ってても燈哉君はどうだろうね。
だって、燈哉君は羽琉君のためだけに生きてるわけじゃないんだよ?
燈哉君にだって感情はあるし、意思もある。」
先生の言葉は容赦なく僕を追い詰めていく。
「燈哉君は羽琉君のお父さんでもないし、お兄さんでもない。
羽琉君と同い年のただの高校生だよ?」
そんなことは言われなくても分かってる。
「羽琉君は、何をどうしたいのか、ちゃんと口で伝えたことがある?
それに、燈哉君が何をどうしたいのかを聞いたことがある?」
それは一般論だ。
燈哉と僕は、ずっとずっと一緒に過ごしてきたのだから燈哉が僕の気持ちに気付いていないはずはないんだ。
だって、僕が好きなのは、僕がそばにいて欲しいのは燈哉だけなのだから。
燈哉が僕のそばにいてくれるということは僕のことが好きだと言うことだし、燈哉のしたいことは僕のしたいこと。
それはつまり、番になることだから。
そこまで考えて高等部に入ってからのことを思い返す。
校内では僕と過ごすけど、登下校は涼夏と過ごすと言った燈哉。
外部入学だったという理由で何かと涼夏の世話を焼いていたけれど、僕のためにまた生徒会に入る予定の燈哉は与えられた職務を全うしただけのこと。
校内は安全なのに、それでも僕と過ごしていたのは僕のことが心配だからだと思っていたけれど、校内で僕と過ごしさえすればあとは涼夏と一緒にいられるからだったのかもと気付いてしまった。
「燈哉は、もう僕のこと好きじゃないの?」
考えながら、先生にそう問いかけながらも涙を止めることができない。
頭が痛い。
気持ちが悪い。
「それは燈哉君にしかわからないよね。
じゃあ聞くけど、羽琉君は燈哉君のことが好きなの?」
「当たり前ですっ」
「それをちゃんと燈哉君に伝えてる?」
「そんなこと、言わなくても分かってるはずです」
「本当に?」
「だって、いつも側にいたし、いつも側にいてくれたし」
「仲真の家に強要されたら逆らえないよね」
先生が意地悪な笑顔を浮かべる。
「言わなくても伝わる、側にいるから自分のことが好きなはず。
何も与えない、何も伝えない。
それなのに燈哉くんの全ては自分のものだって………羽琉君は傲慢だね」
自分の信じていたものが、
自分の世界が、
自分の全てが反転した。
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