貴方を忘れる

戒月冷音

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第7話

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「あ、アンソニーは、優秀な魔法士になれる素質を持った子だわ。
 魔法が使えない、役立たずにはもったいない・・・」
「黙ってくれ、グレイス。お前の意見は聞いていない」
「どうして?この婚約は、私のお祖父様が結ぶよう勧めてきたものよ」
「だからなんだ?気に入らない相手と、一生一緒にいろと?」
「そうよ。役に立てるのは、それぐらいなんだから」
「もういい。グレイスは席をはずせ」
「嫌よ」
お母様がそう答えると、お父様は後ろにいる侍従に、目配せをする。
すると侍従は、お母様の近くまで行くと、腕を取り引っ張っていく。
「ライル、放しなさい。私はまだ、話があるのよ」
「奥様には、関係ございません。速やかに、退室してください」
「関係ないって「話が進みません」
バタン


お母様は、廊下でもお父様の名前を叫び続けている。
「はぁ~。アントニー。
 君は、グレイスの母上に似ていると思っている。
 あの方はきちんと、話される方だ。
 君は、そうではないのか?」
「い、いえ。それは・・・」
お父様が確認するが、はっきり答えない。
「アンソニー。何か、言えないことでもあるのか?」
お兄様とアンソニーは、同い年で幼馴染み。
見るに耐えなくなって、お兄様が口を挟んだ。
「い、言えない・・・事?ある、あるよ。
 あんな、・・・あんな事、言えるわけがない」
「あんな事って・・・?」
はぁ・・・もうめんどくさい。
ジューンの事を、言ってしまえば良いのに。
まぁ、自分がやったことも言わないといけなくなるから、言えないのでしょうが。

「お父様」
「なんだ?」
「侵入者は、分かったのですか?」
「侵入・・・あぁ、庭師と門番の2人が、記憶を失くして倒れていた」
「記憶を・・・」
「これを魔法ととらえるか、薬ととらえるかは微妙だが」
そのとき、フッと私の頭をよぎった。
「あの・・・甘い香りのする、薬はありますか?」
「マリア、何か思い出したのか?」
「いいえ。ただ、甘い香りがしたような気が・・・」
その言葉を聞いた男性3人は、何かを思い出したかのように、ボーゼンと立ち尽くしていた。
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