貴方を忘れる

戒月冷音

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第20話

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「やっぱり、記憶は戻らないのか?」
隣を歩くお父様、がポソッと呟く。
「申し訳「謝る必要はない。
 あんな事があったこと等、忘れるように全て白紙にしたのだ。
 お前が、気にすることではない」
そう言われた私は、なにも言わず頭を下げるしかなかった。

その時、
「マドル、あなた真面目に取り組む気はあるの?」
そう言うお母様の声が聞こえた。
「お父様。この声は・・・」
「あぁ。グレイスがまた・・・」
「まさか、お兄様に?」
「ん?マリアとマドルは、仲が良いのか?」
「お兄様とクライスとは、普通に話しますよ」
「グレイスの影響は・・・」
「お兄様もクライスも、お母様には色々聞かされていたようですが、
 自分で見たものを信じるようでした」
「そうか」
お父様はそう答えると、歩みをお母様の声がする方に向けた、

コンコン
声が聞こえた部屋の扉を、ノックするお父様。
「お父様、私はこちらに居ますので、お父様だけ中へ」
そう言って手を離し、後ろへと下がる。
「そう言うところが、似ているのか・・・」
「何か?」
「いいや」
お父様がそう答えると同時に、扉が開く。

「まぁ、貴方どうなさったのですか?」
優しそう、な甘いような声を出し、お母様が顔を見せた。
その後ろでは、お兄様が下を向き、悔しそうな顔を見せていた。
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