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第144話
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けれど私は、そうだとは思っていない。私やお兄様、クライスがお母様に似ていないように、メイナも育ち方でジューンに似ない子供に、育つと思っている。
だから、私に預からせてほしいと、お願いした。
三つ子の魂百まで・・・3歳までに覚えたことは、大人になるまで忘れることはない。
だから、私が3歳までに沢山の事を教えた後、ジューンに返してあげようと考えたのだ。
自分の子に、それは違うと言われたら、彼女はどう思うだろう・・・
「何か、姉上がすごいことをかんがえているような・・・」
数日前に、クライスに言われた言葉が甦る。
すごいことではないと思う。
ただ、自分がああいう育ちをしたのだから、メイナには逆を試して欲しかっただけなのだ。
「お父様」
「どうした?」
「私はこの子を、2歳半まで預かろうと思いますが、良いですか?」
「2歳半・・・と言うことは、一年と数ヵ月か・・・デラクール公爵様」
「家は大丈夫だ。だが、どうして2歳半なのだ?」
「3歳までに、わがままをしないのが普通だと、教えたいのです」
「わがまま・・・あの女の、常套手段だったな」
デラクール公爵様の眉間に皺がよる。
「だが、それで、あの子のようにはならないと、言えるのか?」
「お父様。私達兄弟が、なにも言わず、お母様のやり方に従ったのは、
いつからかご存じですか?
特に、私とクライス」
「い、いや、知らない」
「お兄様によると、私が2歳の頃には、お母様が有無を言わさなかったようですし、
クライスも同時期だと言っておられました」
「マドルは、そんなことを覚えているのか?」
お父様にとっては不思議な事だった。
でも、私が2歳の頃、お兄様は5歳。
私より、私の事を知っている。
そして、お母様が私にしてきたことを、全て知っている人・・・
お父様より詳しいから、困るんだけど・・・
そんな話をしていると、突然扉がノックされ、お兄様とクライス、そしてコンラート様がおいでになった。
「マドルとクライス。今日の授業は終わったのか?」
「はい。俺の方はコンラート様が、キリの良いところでと」
「俺は、魔法師の先生に、仕事が入ったので・・・」
「あぁ。今日は夕方から集まると、きいていたな」
デラクール公爵の言葉に、コンラート様がうなずいた。
「そうだったのですね」
「マルクス殿。今日1日、ゆっくりしていくと良い。
夕食も共に、とっていくのだろう」
公爵のお誘いに、断れる筈もなく、お父様はそのまま一泊された。
そして次の日の朝食を頂いてから、屋敷に戻っていったのだった。
だから、私に預からせてほしいと、お願いした。
三つ子の魂百まで・・・3歳までに覚えたことは、大人になるまで忘れることはない。
だから、私が3歳までに沢山の事を教えた後、ジューンに返してあげようと考えたのだ。
自分の子に、それは違うと言われたら、彼女はどう思うだろう・・・
「何か、姉上がすごいことをかんがえているような・・・」
数日前に、クライスに言われた言葉が甦る。
すごいことではないと思う。
ただ、自分がああいう育ちをしたのだから、メイナには逆を試して欲しかっただけなのだ。
「お父様」
「どうした?」
「私はこの子を、2歳半まで預かろうと思いますが、良いですか?」
「2歳半・・・と言うことは、一年と数ヵ月か・・・デラクール公爵様」
「家は大丈夫だ。だが、どうして2歳半なのだ?」
「3歳までに、わがままをしないのが普通だと、教えたいのです」
「わがまま・・・あの女の、常套手段だったな」
デラクール公爵様の眉間に皺がよる。
「だが、それで、あの子のようにはならないと、言えるのか?」
「お父様。私達兄弟が、なにも言わず、お母様のやり方に従ったのは、
いつからかご存じですか?
特に、私とクライス」
「い、いや、知らない」
「お兄様によると、私が2歳の頃には、お母様が有無を言わさなかったようですし、
クライスも同時期だと言っておられました」
「マドルは、そんなことを覚えているのか?」
お父様にとっては不思議な事だった。
でも、私が2歳の頃、お兄様は5歳。
私より、私の事を知っている。
そして、お母様が私にしてきたことを、全て知っている人・・・
お父様より詳しいから、困るんだけど・・・
そんな話をしていると、突然扉がノックされ、お兄様とクライス、そしてコンラート様がおいでになった。
「マドルとクライス。今日の授業は終わったのか?」
「はい。俺の方はコンラート様が、キリの良いところでと」
「俺は、魔法師の先生に、仕事が入ったので・・・」
「あぁ。今日は夕方から集まると、きいていたな」
デラクール公爵の言葉に、コンラート様がうなずいた。
「そうだったのですね」
「マルクス殿。今日1日、ゆっくりしていくと良い。
夕食も共に、とっていくのだろう」
公爵のお誘いに、断れる筈もなく、お父様はそのまま一泊された。
そして次の日の朝食を頂いてから、屋敷に戻っていったのだった。
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