この生の理

戒月冷音

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第259話

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何か・・・いつもとタンザ公爵の様子が、違う気がする。
そう考えながらじっと見ていると、そこに気付いたアレキウス王弟陛下が
「ライナス、戻っているぞ」
とポソッと言った。
「え?」
そう返事を返すタンザ公爵を見て、あー・・・こっちが本性だな。と思った俺はすぐに目をそらすと
「タンザ公爵。ゆっくりと乗ってください。勢いが付きすぎです」
と言った。

「あぁ、そうだったか。すまない。乗るときはゆっくりなのだな」
そう言って、息を整えてから、ゆっくりと乗った。
「おぉぉぉっ」
今度は、座ったまま乗ったから、バランスがうまく行かない。
「足を、伸ばしてください。足」
「えっ、足?伸ばすの?」
「そうです。伸ばして、あっ体は支えてくださいよ」
「分かった」
返事をしたタンザ公爵は、網をしっかりと握ってから、ぐらぐらしながら足を伸ばす。

そして、上半身を倒した瞬間
「これ、気持ちいいなぁ~・・・」
と中から自然と漏れたかのような声を出した。
「浮いているから、虫とかの心配はないし、風が抜けて・・・
 俺達のような者には、快適そのものだ」
「寒くはないの?」
突然聞こえて来た女性の声に振り替えると、興味津々のアナスタシア様がいた。
「興味が、おありですか?」
「なにかを付けたと思ったら、お兄様が浮くのですもの、
 気になって当然ですわ」
そっか、遠くから見ればそう見えるのか。

その後、アナスタシア様が乗ってみたいと言い始め、アレキウス王弟陛下がタンザ公爵に、ヴィルダ様を呼びに行かせ
「ヴィルダ殿が来るまで待て」
と必死に説得していたのは、ここで見ていた者達の秘密だ。


その後、ヴィルダ様がアナスタシア様を抱き上げ、ハンモックの上にのせると、その上でアナスタシア様がうたた寝を始めてしまった。
それを見た男性3人は、今日はこのままここで夜営をすることにし、騎士達に伝えた。
すると、数人の騎士が、森に獣を狩りに行くと言うので、フランとユーリも同行してもらうことにした。
「また、狩りですか?」
「フラン。少し奥に、猪豚がいる。
 捕ってきたら晩飯、焼き肉にしてやるよ」
「焼き肉っ!?」
「焼き肉ですか・・・鳥も要りますか?」
「あったら、嬉しいかな」
「了解です」
「準備はしておく、良いの捕ってこい」
そう言って送り出すと、2人は嬉しそうに、駆けていった。

その30分後、フランとユーリはまだ帰ってこないが、2人が狩ったという猪豚2頭が、一緒に行ったはずの騎士達によって運ばれてきた。
「あれ?あの2人は?」
「すみません。そろそろ帰ろうかと話していた時に、
 コカトリスを見つけて・・・」
「あぁー・・・」
飛びかかっていったわけだ。
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