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第30話
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「落ち着いた?」
「はい…申し訳ございません」
「謝らなくていい。というか君、どうして時々苦しそうな顔をするの?」
「えっ?」
「俺は君に感謝している。
この世界でこんな話ができるなんて思ってなかったし、今ここにこうして
母上と居れるのも、君が王妃の誘いに乗ってくれて、繋がった縁だから…」
「そんな…
私はただ、私が全然知らない人にエスコートされるのは嫌だったから、
数回でも会って話ができれば、マルクス様のことを知れるかな…と思っただけで」
「俺はあの時、そんな余裕はなかった。
ミシェル嬢がそう思ってくれたから、今がある」
「ですが、私がこんなことをしたから、王妃様がなにかしていないか心配で…」
「王妃様?…王妃様は近頃、離宮に来ない」
「来な、い?」
「あぁ。侍従に聞いたら、王宮内が忙しいみたい」
「王宮…」
「あっちは第一王子と、何故か王妃の妹の子供が3人いるらしい」
「なんで、従兄弟がいるんですか?」
「王妃様が候補にしたくて呼んだらしいけど、性格が合わなくて苦戦してるらしいよ」
マルクス様は、楽しそうにそんな事を言った。
でも確か、お母様が言っていた。
第一王子の相手は、決まってるって。
なのに、候補にするために、わざわざ同居させるって…
間違いなく、あの方の息のかかった者を、傍に置いておきたいのだろう。
あの王妃様は、前世の姉に似ている。
自分が欲しいものは有無を言わさないように理由をつけて奪い、要らないものは押し付ける。
利用できそうなものは勝手に使い、興味がなくなるとぽいっと捨てる。
そう言う性格だ…多分。
「その従兄弟の人、気をつけないと捨てられる…」
私はつい、ポソッと声に出してしまった。
「えっ?なんて?」
「あっ、ごめんなさい。なんでもないの。ちょっと気になっただけ…」
マルクス様は聞こえなかったのか顔を寄せ、私になんと言ったのか聞いてきた。
その直後…迎えに来たお兄様とお姉様に、捕まった。
「マルクス。ここで何してたんだ?」
「えっと…どうして俺は、怒られてるのだろうか?」
「あ、あの、お兄様。マルクス様は私が歩き疲れてしまったので、
こちらのガゼボで休ませてくださったのです」
「疲れた?」
「はい…
家ではほぼ動かないのに、きれいなお庭を見せてもらって、
はしゃいでしまって…」
「それでこちらで、休ませていたと?」
「そうだよ」
「お兄様。どう思われます?」
「ハリエット。マルクス様は悪い方ではないよ」
「ですが、男の方はわかりませんわ。
自分の尺で、勝手に想像される方もいらっしゃいますもの」
「お姉様。そのような方に会ったのですか?」
「何処の誰ですか?そのような者、俺は関わりたくない」
その言葉にお姉様は、キョトリとした。
やっぱりマルクス様は、押さえつけるものがいなければはっきりと言える人だ。
この時私は、マルクス様にデビュタントのパートナーを頼もうと決めた。
しかしこの同時期、王宮では王妃様が私の予想通りの行動をしていた。
「はい…申し訳ございません」
「謝らなくていい。というか君、どうして時々苦しそうな顔をするの?」
「えっ?」
「俺は君に感謝している。
この世界でこんな話ができるなんて思ってなかったし、今ここにこうして
母上と居れるのも、君が王妃の誘いに乗ってくれて、繋がった縁だから…」
「そんな…
私はただ、私が全然知らない人にエスコートされるのは嫌だったから、
数回でも会って話ができれば、マルクス様のことを知れるかな…と思っただけで」
「俺はあの時、そんな余裕はなかった。
ミシェル嬢がそう思ってくれたから、今がある」
「ですが、私がこんなことをしたから、王妃様がなにかしていないか心配で…」
「王妃様?…王妃様は近頃、離宮に来ない」
「来な、い?」
「あぁ。侍従に聞いたら、王宮内が忙しいみたい」
「王宮…」
「あっちは第一王子と、何故か王妃の妹の子供が3人いるらしい」
「なんで、従兄弟がいるんですか?」
「王妃様が候補にしたくて呼んだらしいけど、性格が合わなくて苦戦してるらしいよ」
マルクス様は、楽しそうにそんな事を言った。
でも確か、お母様が言っていた。
第一王子の相手は、決まってるって。
なのに、候補にするために、わざわざ同居させるって…
間違いなく、あの方の息のかかった者を、傍に置いておきたいのだろう。
あの王妃様は、前世の姉に似ている。
自分が欲しいものは有無を言わさないように理由をつけて奪い、要らないものは押し付ける。
利用できそうなものは勝手に使い、興味がなくなるとぽいっと捨てる。
そう言う性格だ…多分。
「その従兄弟の人、気をつけないと捨てられる…」
私はつい、ポソッと声に出してしまった。
「えっ?なんて?」
「あっ、ごめんなさい。なんでもないの。ちょっと気になっただけ…」
マルクス様は聞こえなかったのか顔を寄せ、私になんと言ったのか聞いてきた。
その直後…迎えに来たお兄様とお姉様に、捕まった。
「マルクス。ここで何してたんだ?」
「えっと…どうして俺は、怒られてるのだろうか?」
「あ、あの、お兄様。マルクス様は私が歩き疲れてしまったので、
こちらのガゼボで休ませてくださったのです」
「疲れた?」
「はい…
家ではほぼ動かないのに、きれいなお庭を見せてもらって、
はしゃいでしまって…」
「それでこちらで、休ませていたと?」
「そうだよ」
「お兄様。どう思われます?」
「ハリエット。マルクス様は悪い方ではないよ」
「ですが、男の方はわかりませんわ。
自分の尺で、勝手に想像される方もいらっしゃいますもの」
「お姉様。そのような方に会ったのですか?」
「何処の誰ですか?そのような者、俺は関わりたくない」
その言葉にお姉様は、キョトリとした。
やっぱりマルクス様は、押さえつけるものがいなければはっきりと言える人だ。
この時私は、マルクス様にデビュタントのパートナーを頼もうと決めた。
しかしこの同時期、王宮では王妃様が私の予想通りの行動をしていた。
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