そして、夜明けが訪れた

いといしゅん

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小泉が葵に嫉妬⁉︎

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葵には少しだけ嘘の説明をした。
それは、小泉が突如現れ、彼女だ。と言ったことだ。
この部分を言っても信用されず、また叩かれる未来が目に見えているので、
そこの部分は、小泉が僕の彼女だ。と説明をしておいた。
しかし、
「小泉さん、あなたはほんとに惺の彼女ですか?」
と葵は小泉に問いかけていた。
いや、僕の信用なさすぎだろ。
「うん、ほんとだよ~」
「もしかして、命令で彼女になっているとか?」
いや、こいつ僕に彼女ができないこと確信してるようなこと言うやん。
「違います、普通に惺の彼女です」
「それとも、罰ゲームか何かで?」
「違います、普通に惺の彼女です」
「………………え?ほんとに普通に付き合ってるの?」
「はい、そう最初から言ってたじゃないですか」
「ちょっと待って衝撃の事実を知って頭が追いつかない」
それから1分ほど「えっまじで⁉︎」など独り言を葵は呟きながら混乱していた。
僕に彼女がいるだけで、そんなに驚くかこいつ。
っていうか、小泉を彼女だって言いきってるじゃねーか僕。
葵の説明のためにそうしたけど自分の気持ちまで変える必要ないだろ。
そんなことを考えて、顔が熱くなるのを感じ、僕は小泉から視線をそらした…

-------------

結局、葵が落ち着きを取り戻すまで、僕は小泉から視線をそらし続けていた。
時々、小泉が僕の気持ちを察したようにニヤッとしながらこっちを見ていたのは気のせいだったのだろうか。
落ち着きを取り戻した葵は結局、
「惺に彼女ができていたことがわかったから、とりあえず帰るね。あとは、お楽しみに~」
とニヤニヤしながら言い残し、帰っていった。
しばらく小泉と無言でいると、小泉が
「さっきの達川さんって惺の幼馴染だよね?それ以上の関係ではないよね?」
と殺気立った声で問いかけてきた。
『それ以上の関係』の意味がわからなかったが、とりあえず
「う…うん」
と返しておく。
「ちなみに、なんで私がこんな質問したか分かってる?」
「怒ってるからだよ…ね?」
恐る恐るといった感じで返す。
「じゃあ、なんで怒ってたらこんな質問するの?」
「そ……それは、わからないです」
すると小泉は、呆れながらため息をつき、
「ほんっ…と、惺って鈍感だよね」
「いや、鈍感じゃないぞ」
言ってから自分の中で多分と付け加えておく。
「さっき私があの質問をした理由がわかんないんだったら、それは鈍感だと思うよ」
「………………」
そう言われ、何も言い返せなくなっていると、
小泉がぼそっと何かをつぶやいた。
           「ま、達川さんとそういう関係じゃなさそうだったしいっか」
「え?なんか言った?」
「なんでもない」
そう言い残し、小泉は僕が貸している部屋へ向かっていった。
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