そして、夜明けが訪れた

愛の言葉

『言葉』
それは、凶器であり、良薬でもある。
言葉を使って簡単に人を傷つけることができるし、言葉を使って人を喜ばせることもできる。
私は、彼の言葉に救われた。
彼は私を認めてくれた。周りの人に否定されていた私を認めてくれた。
だから、私は多分、彼のことが好きになったんだと思う。

－－－－－－－－－－－－－－

彼女ーー園田舞ーーは、普段クラスでは絶対に見せないようなとびっきりの笑顔を咲かせて、僕の前に立っていた。
彼女はしばらく笑顔のまま僕を上目遣いで見ていたが、不意に、彼女は真剣な顔つきになり、パッと顔を俯かせた。
それからしばらく経ち、彼女は意を決したように凛とした眼差しを僕に向けながらこう言った。
「手紙でも書きましたが、ちゃんと言わせてください」
サァーっと風が吹いた。
「惺くん。私はあなたのことが好きです。大好きです」
だから、と彼女は前置きをして、きっと彼女が僕に一番伝えたかった言葉を言ったのだった。
「私と付き合ってください」