そして、夜明けが訪れた

いといしゅん

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荒れ狂う四つの意思

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「はぁ……………」
二度目の大きなため息。
「要件も何も彼方のことよ」
僕は特に心当たりがないのでてきとうに返答する。
「だから別になんもしてないって」
月見里さんは疑わしそうな目をこちらに向けながら、
「ホントに?……じゃあ最近、直接的じゃなくてもいいから、なんか大きなことなかった?」
僕はしばらく考え込んだ後、
「いや、特にないかな……。園田舞って人から告白されたこと以外は……って、え?」
急に月見里さんは信じられないと言ったような顔で
手をワナワナと動かしていたが、やがて、
「アンタが告白されたですって⁉︎」
と、教室に響き渡る声量でー幸い教室には誰もいなかったがー叫んだのだった。

--------------

「彼方も乙女よねぇ……」
私ー月見里翠ーは下校の途中、ポツリとそう言葉をこぼす。
彼方の想い人である惺くんから先程話を聞いたが、
思わず、彼方って女々しいな。と思わずにはいられなかった。
「ま、、最後まで手伝ってあげますかね……」
彼方……私はあなたの親友としてあなたの恋を応援してる……頑張って……
賑わう商店街の人混みをかき分けるように進みながら、私はそんなことを考えるのだった。

--------------

私ー園田舞ーは、二階にある自分の部屋から、何気なく外の通りを眺めていた。
通りでは、うちの学校の制服を着た生徒たちが歩いている。
友達とはしゃぎながら歩く人。
一人で何かを考えながら歩く人。
恋人と手を繋ぎながら幸せそうに歩く人。
急に胸が苦しくなった。
「惺……くん…………」
私は無意識の間に想う人の名前を呟いていた。
やっぱり愛おしい。
彼の笑顔が、優しさが、……欲しい。
たった一度の初恋がダメだったとしても、私の青春は終わってなんかいない!
私はもう一度、彼の名前をそっと呟き、
「惺くんを私のものにしてみせる!」
と心の中で決意を固めるのだった。

--------------

「惺…………」
ここしばらく彼と話していない。
原因はラブレター(と思われる手紙)が彼の靴箱に入っていたからだった。
あれ以来彼との距離感がうまく掴めなくなった。
彼にどう接していいのか分からなくなった。
そもそもとして私はラブレターを書いたのが誰なのかも知らないし、
その後、惺がその人とどうなったかも知らない。
むぅぅ…………
思わず叫んでしまいそうだ。
こんな中、まだ救いなのは、惺が私のことをまだ家に置いておいてくれるという事実だけだ。
でも、こんなクヨクヨしている場合ではない。
だって、私は
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